
ニュース
「スペースインベーダー」からAtari 2600やデコカセまで,ディープな講演が行われた「レトロゲームアラカルト」。講演内容の一端を紹介
![]() |
このイベントは,“レトロゲームの文化を見つめ直すことで,文化をより豊かにし生活に彩りを与える”ことをテーマに掲げたシンポジウム。西角友宏氏や遠藤雅伸氏などの著名人が自身の手掛けたタイトルについて語ったり,さまざまなジャンルのゲーム研究家が研究対象を紹介したりといった多彩な講演が行われた。
“知られざる海外ゲームを遊ぶ”と題された講演では,オニオンソフトのおにたま氏による司会のもと,たます氏とでんじんプロ氏によってAtari 2600用ソフトの紹介が行われた。日本ではAtariのハードすら見る機会が希少ということもあり,受講者は物珍しげな様子で上映されたプレイ画面に見入っていた。
なお,今日においてはAtGamesの展開する「Atari Flashback」シリーズやInternet ArchivesのConsole Libraryでも,多くのAtari 2600タイトルをプレイできる。興味のある人は,こういったプラットフォームで雰囲気を味わってみてはいかがだろうか。
![]() |
![]() |
![]() |
また,ニューハンプシャー州の観光地にあるFunspot Family Fun Centerや,シカゴ郊外のGalloping Ghost Arcadeなど,大規模なアーケードゲーム施設は日本以上にディープな部分もあるという。
![]() |
ここで上映されたスライドには,タイトーから提供されたエレメカやTTLゲーム機などの貴重な写真が用いられており,受講者からは驚きの声が度々上がっていた。
![]() |
玩具メーカーのJI21によるゲーム&ウオッチの販売や,オーディオディストリビューターのASDによるNES(海外版ファミリーコンピュータ)の販売が半年足らずで終わってしまったこと,その後はバンダイフランスがNESを取り扱ったことなど,フランス市場のユニークなエピソードが紹介された。
西角氏と高井氏は2日目も登壇し,“幻の名作,スペース・サイクロンを遊ぶ”というセッションを実施。ここでは,流通数が非常に少なかったという「スペース・サイクロン」にまつわるエピソードが語られた。Web上にも限られた情報しか存在しないスペース・サイクロンだが,会場には高井商会の保管する基板が持ち込まれており,受講者はその希少な実動画面に見入っていた。
![]() |
デコカセは「ソフトを入れ替えられる汎用型アーケード基板」として最初期のものであるため,ゲーム保存協会では歴史的に重要な存在として見ており,修理のノウハウなども確立しているとのこと。同協会では,動作不良のデコカセットシステムや磁気テープに関して修理対応を行っているので,故障してしまったデコカセを所持している人は問い合わせてみてもいいかもしれない。
![]() |
「ドルアーガの塔」に関して,開発当時のエピソードや近年のファン活動,海外での販売事情(正式に海外でリリースされたのはPlayStation「Namco Museum Volume 3」への収録が初)など,さまざまな話題に関するトークが交わされた。
上記のほかにも,会場ではさまざまな講演が行われた。そのラインナップは,公式サイトを参照してほしい。
Mintomoは,講演を文書化したアフターレポートを実費価格にて後日頒布するとのことだ。残念ながら会場に行けなかったという人や,参加した講演以外の内容も知りたいという人は,そちらに期待しよう。
![]() |
「Retro Game À La Carte」公式サイト
- この記事のURL: