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「スペースインベーダー」からAtari 2600やデコカセまで,ディープな講演が行われた「レトロゲームアラカルト」。講演内容の一端を紹介
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印刷2016/04/21 12:00

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「スペースインベーダー」からAtari 2600やデコカセまで,ディープな講演が行われた「レトロゲームアラカルト」。講演内容の一端を紹介

 Mintomoは2016年4月16,17日の2日間,静岡県沼津市のプラサ ヴェルデにおいて「Retro Game À La Carte(レトロゲームアラカルト)」というイベントを開催した。

画像集 No.011のサムネイル画像 / 「スペースインベーダー」からAtari 2600やデコカセまで,ディープな講演が行われた「レトロゲームアラカルト」。講演内容の一端を紹介

 このイベントは,“レトロゲームの文化を見つめ直すことで,文化をより豊かにし生活に彩りを与える”ことをテーマに掲げたシンポジウム。西角友宏氏や遠藤雅伸氏などの著名人が自身の手掛けたタイトルについて語ったり,さまざまなジャンルのゲーム研究家が研究対象を紹介したりといった多彩な講演が行われた。

 “知られざる海外ゲームを遊ぶ”と題された講演では,オニオンソフトのおにたま氏による司会のもと,たます氏とでんじんプロ氏によってAtari 2600用ソフトの紹介が行われた。日本ではAtariのハードすら見る機会が希少ということもあり,受講者は物珍しげな様子で上映されたプレイ画面に見入っていた。
 なお,今日においてはAtGamesの展開する「Atari Flashback」シリーズやInternet ArchivesのConsole Libraryでも,多くのAtari 2600タイトルをプレイできる。興味のある人は,こういったプラットフォームで雰囲気を味わってみてはいかがだろうか。

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「スペースインベーダー」からAtari 2600やデコカセまで,ディープな講演が行われた「レトロゲームアラカルト」。講演内容の一端を紹介 画像集 No.002のサムネイル画像 / 「スペースインベーダー」からAtari 2600やデコカセまで,ディープな講演が行われた「レトロゲームアラカルト」。講演内容の一端を紹介

画像集 No.003のサムネイル画像 / 「スペースインベーダー」からAtari 2600やデコカセまで,ディープな講演が行われた「レトロゲームアラカルト」。講演内容の一端を紹介
 おにたま氏とたます氏は続いて“海外アーケード事情・ゲームセンターの「今」”という講演を行い,アメリカにおけるゲームセンター事情を紹介した。アメリカではゲームセンターが日本以上に衰退した一方,Barcadeのような飲食店での筐体設置や,個人宅向けの筐体販売サービスが盛んとのことだ。
 また,ニューハンプシャー州の観光地にあるFunspot Family Fun Centerや,シカゴ郊外のGalloping Ghost Arcadeなど,大規模なアーケードゲーム施設は日本以上にディープな部分もあるという。

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 パネルセッション“スペースインベーダーの歴史的意味”では,「スペースインベーダー」の生みの親である西角友宏氏と,アーケード基板のレンタル事業を行っている高井商会の高井一美氏によって,スペースインベーダー発売前後の業界情勢が語られた。
 ここで上映されたスライドには,タイトーから提供されたエレメカTTLゲーム機などの貴重な写真が用いられており,受講者からは驚きの声が度々上がっていた。

画像集 No.005のサムネイル画像 / 「スペースインベーダー」からAtari 2600やデコカセまで,ディープな講演が行われた「レトロゲームアラカルト」。講演内容の一端を紹介
 任天堂やアーケードを専門とするゲームの歴史研究者フロラン・ゴルジュ氏は“知られざる任天堂の歴史 - 任天堂フランスの誕生”と題し,ヨーロッパにおける任天堂支社の発足に関する研究結果を講演。
 玩具メーカーのJI21によるゲーム&ウオッチの販売や,オーディオディストリビューターのASDによるNES(海外版ファミリーコンピュータ)の販売が半年足らずで終わってしまったこと,その後はバンダイフランスがNESを取り扱ったことなど,フランス市場のユニークなエピソードが紹介された。

 西角氏と高井氏は2日目も登壇し,“幻の名作,スペース・サイクロンを遊ぶ”というセッションを実施。ここでは,流通数が非常に少なかったという「スペース・サイクロン」にまつわるエピソードが語られた。Web上にも限られた情報しか存在しないスペース・サイクロンだが,会場には高井商会の保管する基板が持ち込まれており,受講者はその希少な実動画面に見入っていた。

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 講演“データイーストの歴史:アーケード黎明期の前衛家”では,NPO団体・ゲーム保存協会の理事長であるジョゼフ・ルドン氏が,1980年代に展開されたデータイーストの「デコカセットシステム(以下,デコカセ)」について紹介した。
 デコカセは「ソフトを入れ替えられる汎用型アーケード基板」として最初期のものであるため,ゲーム保存協会では歴史的に重要な存在として見ており,修理のノウハウなども確立しているとのこと。同協会では,動作不良のデコカセットシステムや磁気テープに関して修理対応を行っているので,故障してしまったデコカセを所持している人は問い合わせてみてもいいかもしれない。

画像集 No.008のサムネイル画像 / 「スペースインベーダー」からAtari 2600やデコカセまで,ディープな講演が行われた「レトロゲームアラカルト」。講演内容の一端を紹介
 パネルセッション“ドルアーガ イブニング 30+2”では,「ドルアーガの塔」を手掛けた遠藤雅伸氏や,同作のキャラクターデザインを務めた篠崎雄一郎氏,ファンサイト「『ドルアーガの塔』研究室」を運営しているGIL氏,前述のゴルジュ氏,Mintomo社長の新井茂成氏が登壇。
 「ドルアーガの塔」に関して,開発当時のエピソードや近年のファン活動,海外での販売事情(正式に海外でリリースされたのはPlayStation「Namco Museum Volume 3」への収録が初)など,さまざまな話題に関するトークが交わされた。

 上記のほかにも,会場ではさまざまな講演が行われた。そのラインナップは,公式サイトを参照してほしい。
 Mintomoは,講演を文書化したアフターレポートを実費価格にて後日頒布するとのことだ。残念ながら会場に行けなかったという人や,参加した講演以外の内容も知りたいという人は,そちらに期待しよう。

初日には,開発者とファンの交流を目的としたレセプションも行われた。画像はそこで撮影された記念写真
画像集 No.009のサムネイル画像 / 「スペースインベーダー」からAtari 2600やデコカセまで,ディープな講演が行われた「レトロゲームアラカルト」。講演内容の一端を紹介

「Retro Game À La Carte」公式サイト

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