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「第9回FOST賞授賞式」が開催。今回はゲーミング・シミュレーション開発スキルの学習方法に関する研究が受賞
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印刷2016/03/03 19:02

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「第9回FOST賞授賞式」が開催。今回はゲーミング・シミュレーション開発スキルの学習方法に関する研究が受賞

 科学技術融合振興財団(FOST:foundation for the Fusion Of Science and Technology)は本日(2016年3月3日),「第9回FOST賞授賞式」を東京都内で開催した。

左からコーエーテクモホールディングス 代表取締役会長 襟川恵子氏,FOST理事で東海大学 名誉教授の白鳥 令氏,北海道教育大学教職大学院 教授 井門正美氏,横浜国立大学大学院 教授 白井宏明氏,アプリボット 企画開発ディビジョン 企画グループ プランナー 野瀬泰史氏,立命館大学 政策科学部教授 ISAGA President 鐘ヶ江秀彦氏,FOST 理事長 襟川陽一氏
画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / 「第9回FOST賞授賞式」が開催。今回はゲーミング・シミュレーション開発スキルの学習方法に関する研究が受賞

 FOSTは,シミュレーションおよびゲームの研究など,社会や文化の文脈のなかで,科学技術の融合を促進させる研究課題に対する助成事業と,その成果を広く還元する普及啓発事業を活動の柱とする財団だ。

 授賞式の会場では,平成27年度にFOSTが支援・助成した研究の中から,もっとも優れたものを表彰するFOST賞に加え,若手研究者を対象とするFOST新人賞,ゲームの研究・開発・応用に関連して社会貢献した人物,または人材を対象とするFOST社会貢献賞が発表された。

 FOSTの理事長であるコーエーテクモホールディングス 代表取締役社長の襟川陽一氏は,FOSTが設立から22周年を迎えたことに言及。今後もFOSTでは25年,30年とシミュレーションおよびゲームの助成を継続的に行っていくとし,また国内のみならず国外にも展開していくと展望を語った。

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 第9回FOST賞に選出されたのは,「ISAGAサマースクールを通じたゲーミング・シミュレーション開発スキルの学習方法に関する研究」というテーマで研究を行った,立命館大学 政策科学部教授 ISAGA President 鐘ヶ江秀彦氏である。鐘ヶ江氏は,第10回International Simulation And Gaming Association(ISAGA)サマースクールにおいて,事例に基づきゲーミング・シミュレーションのプロトタイプを作成・試行し,事例対象にフィードバックするなどの独創的な手法で効果検証を行ったことが評価され,今回の受賞となった。

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 鐘ヶ江氏は,第10回ISAGAサマースクールについて,25か国から集まった参加者が,6チームに分かれて防災をテーマとしたゲームの開発を行ったと紹介。FOSTの研究助成金のおかげで,発展途上国の参加者を招待でき,国際的な貢献が実現したと感謝を述べた。
 また鐘ヶ江氏は,すでに登場している仮想通貨を筆頭に,今後は社会制度の構築にもゲームの仕組みが取り入れられていくとし,シミュレーションおよびゲーミングを研究する人材の育成がますます重要になるとも語っていた。

 第3回FOST新人賞に選出されたのは,「多言語での自然言語チャットを用いたゲーミングシミュレーションの会話分析と評価」というテーマで研究を行った,アプリボット 企画開発ディビジョン 企画グループ プランナーの野瀬泰史氏。野瀬氏の受賞理由は,多言語という複雑な環境でのチャットログを分析する際の効率および正確さ,綿密さの側面において,洗練された新しい分析手法の提案と,それが従来の手法よりもどれだけ優れているか定量的に評価したことにある。
 現在は研究の現場から離れているという野瀬氏だが,この研究で得られた成果は,現職であるゲームのプランニングに役立っているとのこと。また今後も時間に余裕ができたら,新たな論文を発表したいと意気込みを見せていた。

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 第5回FOST社会貢献賞に選出されたのは,横浜国立大学大学院 教授 白井宏明氏と,北海道教育大学教職大学院 教授 井門正美氏の2人である。

 白井氏は,「横浜国立大学ビジネスゲーム開発システム」(YBG)を開発し,新しくビジネスゲームの開発・研究に取り組もうとする研究者や企業を支援しており,最近では開発途上国の貧困を撲滅するためのビジネスモデルを基礎に,企業が経済的価値だけでなく社会的価値も求めるビジネスゲームの開発に取り組んでいることを評価され,今回の受賞となった。

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 白井氏によると,横浜国立大学では経営学にビジネスゲームが有効であるという信念のもと,2001年より教員自身が簡単にオンラインビジネスゲームを作れるYBGを提供しており,現在は120校を越える国内の大学で利用されているという。また3年ほど前の調査では,YGB標準添付のビジネスゲームを使って受講した学生が2000名以上いたとのことだ。

 また白井氏自身も,アナログ,デジタルを問わずゲームで経営学を楽しみながら学んでおり,その中には襟川氏がかつて手がけたPCゲーム「トップマネジメント」もあったというエピソードを披露し,会場を沸かせていた。

 井門氏は2009年4月に,講義や座学だけでなく,実社会で役立つ社会的実践力のある学生の育成を目指したゲーミング&シミュレーション研究会を秋田大学に設立した人物で,その活動がほかの大学にも及ぶなど,研究や教育でめざましい活躍をしていることが評価され,今回の受賞となった。

 また井門氏は,秋田大学在任中にも「市販デジタルゲームの教育への活用とその学習効果に関する体系的研究」で第5回FOST賞に選出されている。井門氏は,そうした経験や成果を,今後のゲーミングおよびシミュレーションの研究と普及に役立てたいと展望を述べていた。

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 授賞式の最後には,日本シミュレーション&ゲーミング学会 会長を務める,東京工業大学大学院 教授 出口 弘氏が「閉じこもった領域,閉じこもった学問がまだまだ多い中,FOSTは文系と理系,社会と技術といったさまざまな垣根を越えて,支援を続けてきた特別な存在である」とコメント。またFOST賞では,既存の権威に関係ないアグレッシブな研究の成果が評価されてきたとし,「まだ見ぬ未来をシミュレートし,切り開いていくことがFOSTおよび,FOST賞の意義である」と語って,授賞式を締めくくった。

日本シミュレーション&ゲーミング学会 会長 出口 弘氏
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