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USBの名称がまた変わる? 速度を基準とした新しい表記ルールを規格化団体が発表
大雑把に言えば,世代や仕様,表記が多数併存して混乱したUSB 3.x以上の表記を分かりやすくしようという試みで,機器メーカーが新しい仕様に準拠した表記を行えば,ユーザーはそのUSBポートがどれくらいのデータ転送速度を持つのかが分かりやすくなる。
USB-IFが定めた新しい表記と,既存の表記を対応させた表は以下のとおり。USB 2.0やそれ以前の世代は,新表記の対象外である。
新表記 | 旧表記 | データ転送速度 |
---|---|---|
USB 40Gbps | USB4(Version 1) | 40Gbps |
USB 20Gbps | USB 3.2 Gen 2x2 | 20Gbps |
USB 10Gbps | USB 3.2 Gen 2 USB 3.2 Gen 1x2 |
10Gbps |
USB 5Gbps | USB 3.2 Gen 1 USB 3.0 |
5Gbps |
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なお,USB4には,データ転送速度を最大80Gbpsに引き上げる「USB4 Version 2.0」という規格もあるのだが,この表記はUSBの技術仕様として残るものの,消費者の目に触れる製品や製品ボックス,製品情報では使わないように求められている。おそらくは将来的に,「USB 80Gbps」といった表記とロゴが登場するのではなかろうか。
同様に,既存の表記や,「SuperSpeed Plus」とか,「Enhanced SuperSpeed」といった表記も,使わないようにとのことだ。
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USB 3.x世代は,USB 3.1が登場した頃から混乱し続けており,同じ仕様のUSBポートに対して,あるメーカーはUSB 3.2と表記しているが,別のメーカーはUSB 3.1と表記するといった状態だった。それに加えて,USB Type-C経由での映像出力も可能な「DisplayPort Alternade Mode」や,接続したUSB機器同士での電力供給規格「USB Power Delivery」に対応する,しないといった問題もあり,混乱して当たり前の状況である。
今回の表記に関する新ルールにより,こうした混乱が少しでも解消されることを期待したいところだが,実際にどう表記するかは機器メーカーに委ねられており,新表記を使わないことも可能だ。USBの仕様自体はオープンなので,企業がUSB-IFの推奨に従う義務はないし,実際,現状でも従っていない表記が当たり前に存在する。また,USB-IFが定めたロゴマークを使用するには,企業がUSB-IFのメンバーとなるか,ロゴの使用料を払う必要があるため,今後登場するすべてのUSB機器が,新表記に切り替わると決まったわけでもない。
4Gamerとしても,新表記ができたからと言って,メーカーが製品仕様に「USB 3.2 Gen 2」と書いていた場合,こちらの判断で勝手に「USB 10Gbps」と書いていいものかどうかは,何とも言い難い面がある。
消費者としては,今回の新表記ルールによって,USBに関する混乱が少しでも解消されていくことを期待したい。
USB 3.2とUSB4は従来のUSB規格から何が変わるのか? 混乱しがちなUSBの最新事情を説明しよう

2019年2月末から3月上旬にかけて,新世代のUSB規格である「USB 3.2」の新しいネーミングルールが発表となったり,次世代のUSB規格となる「USB4」の発表があったりと,USBをめぐる話題がいくつも報じられた。これから登場する最新のUSB事情について,なるべく分かりやすく紹介してみよう。
USB-IFのUSB新表記に関するガイドライン(英語,PDF)
USB Implementers Forum公式Webサイト
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