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[TGS 2015]YouTubeのゲーム実況向けライブストリーミングサービス「YouTube Gaming」の日本展開に関する発表もあった“基調講演の事前プレゼン”をレポート
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印刷2015/09/17 12:30

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[TGS 2015]YouTubeのゲーム実況向けライブストリーミングサービス「YouTube Gaming」の日本展開に関する発表もあった“基調講演の事前プレゼン”をレポート

 東京ゲームショウ2015(TGS 2015)のビジネスデイ初日となる本日(2015年9月17日),「ゲームマーケティング新時代 〜動画配信プラットフォーム活用の新しい可能性〜」と題された基調講演(第2部)が開催されている。これはアマゾンジャパン,ドワンゴ,米YouTubeの3社が,それぞれの動画配信プラットフォームに関して,サービス内容や活用事例などを解説するというものだ。

米YouTubeのRyan Wyatt氏(Head of Gaming Partnership&Content)
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 今回4Gamerでは,このうち米YouTubeが担当するパートである「YouTubeと動画クリエイターが創り出す新しいゲーム体験とコミュニティ」について,メディア向けの事前プレゼンテーションを受けてきたので,その内容をレポートしよう。プレゼンを担当したのは,基調講演に登壇した米YouTubeのRyan Wyatt(ライアン ワイアット)氏だ。
 2015年にサービスイン10周年を迎えたYouTubeの新サービス「YouTube Gaming」の日本展開などにも言及されているので,ゲーム実況に興味がある人はぜひ目を通してほしい。


YouTubeにおけるゲームジャンル隆盛には,YouTuberの存在が不可欠


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 Wyatt氏によると,YouTubeにおいてこの1年間でもっとも刺激的だったのは,ゲームジャンルの爆発的な成長だったという。YouTubeの視聴時間トップ100チャンネルのうち50をゲームジャンルが占めており,その増加率は前年比76%。ゲームジャンル動画の累計視聴時間は,月間で数十億時間にも上っているとのこと。
 Wyatt氏は,その人気を支えているのはクリエイター,いわゆる“YouTuber”の存在だと語る。たとえば,世界的に有名なYouTuberの一人である“PewDiePie”ことFelix Kjellberg(フェリックス・シェルベリ)氏は,インディペンデントの立場でありながら,総動画再生数100億回以上,登録者数3900万人以上を誇るチャンネルを作り上げた。
 つまり,自分の趣味をキャリアに変えたり,起業家として大きな成功を収めたり,ハリウッドスターのように世界的な有名人になったりできる可能性がYouTubeにはあるということである。

※「独立した」「無所属の」といった意味。2014年に掲載されたウォール・ストリート・ジャーナルの記事「ユーチューブ最大のスター、ゲームして年収4億円」によれば,PewDiePieの動画制作の作業は「ほぼ1人でなされる」そうである。

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 日本のYouTubeでもゲームジャンルの台頭はめざましく,視聴時間は前年比60%の成長を遂げているとのこと。Wyatt氏は,その背景にはやはりYouTuberの存在があると述べた。
 たとえば,YouTubeのCMにも出演したHIKAKIN氏の場合,チャンネル登録者数が590万人以上で,動画再生回数は月間で1億5000万回にも上るとのこと。Wyatt氏は,HIKAKIN氏の動画配信で,スマートフォンゲーム「チャリ走DX」がAppStoreとGoogle Playでランキングのトップを獲得したことを例に挙げ,日本のゲームシーンに与える影響が非常に大きくなっているとコメントした。

※Hikakin TVやHIKAKIN Gamesなど,HIKAKIN氏が運営している4チャンネルの合計数だと思われる。HIKAKIN氏のチャンネルでは登録者が600万人を超えていると記載されている。

 次にWyatt氏は,マックスむらい氏について言及。マックスむらい氏は,「パズル&ドラゴンズ」の動画で人気に火が付いてからは,ミクシィやSupercellのような大手デベロッパともコラボレーションするようになり,今やYouTubeの全ジャンルの中でもトップクラスの人気YouTuberになった。動画配信開始から1年で総再生回数5億回,チャンネル登録者数100万人を突破したことは,特筆すべき事例なのだという。
 ちなみにマックスむらい氏は最近,著書の出版や楽曲のリリース,映画制作にも乗り出すなど,YouTubeでの活動にとどまらずさまざまな活動に取り組んでいる。

 そのほか,人気YouTuberのはじめしゃちょー氏や赤髪のとも氏の活動事例も,Wyatt氏から紹介された。
 チャンネル登録者数200万人を超えるはじめしゃちょー氏は,自身が主人公のスマートフォンゲームを,既存メディアを使ったプロモーションに頼らずにApp StoreとGoogle Playのランキング上位に食い込ませた。
 「Minecraft」の実況動画で人気を博した赤髪のとも氏は,YouTubeを介して知り合ったという40mP氏や大将氏といった異業種のクリエイターと,ミュージックビデオ「ダイヤモンド」を制作。Wyatt氏はこの事例について,「ゲームという枠を超えたコラボが可能になっている」とコメントしていた。

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 YouTuberやクリエイターのコミュニティが成長しており,YouTubeを使った動画配信に影響力があることをWyatt氏は大きくアピール。日本における「Minecraft」のヒットに日本人YouTuberによる動画配信が大きく貢献したと述べ,YouTubeを利用することはゲームデベロッパにとってもメリットがあるとまとめた。

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YouTubeを介して配信される「モンスターストライク」のオリジナルアニメも紹介。ユーザー(視聴者)がアニメの内容に関われるような,インタラクティブな(相互に作用する)コンテンツになるとWyatt氏は話していた


Android端末からYouTube上でのライブ配信を可能にする新機能も開発中


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 YouTubeは10年間のサービスを通じて,1億人を超える登録者数を記録しており,その中ではエコシステムが形成されているとWyatt氏は語る。

※ここでは「より多くのつながりを生む,開かれた世界」という意味で使われていると思われる。

 そんなYouTubeでは,ゲームコミュニティにもっと貢献していきたいという意向を持っており,今もっとも注力しているのはゲームのライブストリーミング配信だという。
 たとえばPlayStation 4では,次のシステムソフトウェア バージョン3.00“KENSHIN”(ケンシン)で,ライブストリーミング配信をYouTube Liveでも行えるようになると発表された(関連記事)。
 今後はもっと多様なデバイスからライブストリーミング配信をできるようにするので,より多くの人に情報発信を行ってほしいとWyatt氏は述べた。

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 さらにWyatt氏は,Android対応スマートフォンから直接YouTube上でのライブストリーミング配信を可能にする新機能を,Google Playチームとともに開発中であることを明らかにした。この機能では,端末のカメラ機能などを使って,配信者自身の映像や音声を収録・配信できるとのことである。機能の詳細は,後日あらためて発表される予定だ。

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 そして,「YouTube Gaming」を日本でも近日中に展開することが発表された。
 あらためて説明しておくと,YouTube Gamingは8月から北米および英国で始まった,ゲーム実況向けのライブストリーミングサービスだ。2万5000タイトル以上ものゲーム専用ページが設けられており,それぞれに関連したライブ配信や動画をチェックできる。
 ユーザー自身による検索に加え,お気に入りに登録したチャンネルやゲームタイトルに応じてレコメンド(お勧め)が示されるため,新しいコンテンツに触れる機会も大幅に増えるとのこと。このサービスは「発見」をキーワードの一つとしており,新たなクリエイターや配信者を目立たせるような仕組みを盛り込んでいるとのことだ。
 またゲームのライブ配信と言えば,世界的には競技ゲームと連動して盛り上がっている側面がある。「YouTube Gaming」のサービスインによって,日本でも競技ゲームが大きく台頭してくるのではないかと,Wyatt氏は展望を語った。

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 最後にWyatt氏は,日本において最高のゲームエクスペリエンスを提供するために,クリエイターやパブリッシャ,そしてゲームを本当に好きな人達と密にサービスを作っていきたいとしてプレゼンを締めくくった。

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