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[インタビュー]「モンスターハンターストーリーズ3 〜運命の双竜〜」は,スケールの大きな物語と歯応えを増したバトルで“RPG”らしさを強調
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印刷2026/02/13 00:00

インタビュー

[インタビュー]「モンスターハンターストーリーズ3 〜運命の双竜〜」は,スケールの大きな物語と歯応えを増したバトルで“RPG”らしさを強調

 2026年3月13日にリリースされるカプコンの「モンスターハンターストーリーズ3 〜運命の双竜〜」PC / Switch2 / PS5 / Xbox Series X|S)は,モンスターハンターの世界観やアクションをコマンドバトルRPGに落とし込んだシリーズ最新作だ。
 主人公のエースライダーが,世界の真実を求めてリオレウスとともに旅する物語が描かれる。

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 今回4Gamerは,開発陣へのメディア合同インタビューに参加し,気になる点を詳しく聞いてきた。本日公開した序盤プレイレポートと合わせてぜひ目をとおしてほしい。

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 「モンスターハンターストーリーズ3 〜運命の双竜〜」は,カプコンが2026年3月13日に発売するRPGシリーズの最新作だ。「モンスターハンター」と世界観を共有するも,異なる遊びの味付けでファンを獲得しており,今作でナンバリング3作目となる。今回序盤をプレイする機会を得たので,その内容をお届けする。

[2026/02/13 00:00]

左から,川野隆裕氏(アートディレクター),大黒健二氏(ディレクター),辻本良三氏(エグゼクティブプロデューサー),若原大資氏(リードゲームデザイナー)
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──「MHストーリーズ」シリーズというと,少年少女の成長物語がベースにあるイメージを持っていたのですが,本作では最初から2つの国の対立やそれぞれの国の王子・王女の葛藤などが描かれていて,かなりシリアスな印象を受けました。

辻本氏:
 シリーズ1作目,2作目と作ってきて,方向性を含めて次はどうしようかすごく悩み,なかなか本作の企画に取りかかれない時期がありました。いろいろな人の意見を参考にしたり,寄せられた感想を読んだりするなかで,思い至ったのが「MHストーリーズ」シリーズが1つのIPとして自立してきていることでした。それであれば,よりRPGにこだわって作れるのではないかと考えたんです。

 おっしゃるとおり,これまではどちらかと言うと主人公がライダーとして成長していく物語でしたが,RPGにこだわるのであれば,本作は最初からエースとして活躍しているレウスライダーを主人公にして,ライダーの世界を描いていこうというコンセプトに決まったんです。

大黒氏:
 簡単に表現すると,本作はアニメ作品の映画版のようなイメージです。実際,アートディレクターの川野と「今度は映画版と感じるような絵柄にしよう」という相談をしましたし,スケール感を大きくしようとも考えました。

 僕自身の中では,1作目の主人公が12歳で小学校を卒業して新しい世界に飛び出していくイメージ,2作目の主人公はもう少し年齢を上げて高校生になるかどうかの15歳くらい,そして本作の主人公はより大人向けにしようということで19歳くらいの設定にしています。

 加えて,1〜2作目だと先輩ライダーに教えてもらいながら成長していくところがチュートリアルと噛み合っていたんですけれども,本作で同じことをやるとプレイヤーの皆さんに同じことの繰り返しと思われかねないですし,僕たちも変化がほしいところでした。

 そこで主人公を王国のエースライダーにして,唯一のレウスライダーとしてすでに認められている設定にすることにより,「初っ端からこんなことが起こるのか!」というワクワク感を描けるのではないかと考えました。結果として,物語としてもゲーム体験としてもスケールが大きくなり,これまでのシリーズとは異なる新鮮さを出せたと思っています。

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──メインストーリーに加えて,キャラクターごとのサイドストーリーもあり,かなりボリュームがあるという印象を受けました。メインストーリーでエンディングを迎えるまでの想定プレイ時間を教えてもらえますか。

大黒氏:
 モンスターハンターシリーズには「メインストーリーが終わってからが本番」というイメージがあるかもしれませんが,本作では「まずストーリーを終えたところでしっかりと満足してもらおう」という大きな軸を設けました。メインストーリーだけをまっすぐ追いかけるのであれば,30時間程度でエンディングを迎えられる想定です。そのうえで,サイドストーリーなどで幅を広げていますから,本作の世界にドップリ浸って遊ぶとなるとプレイ時間はもっと長くなります。

辻本氏:
 エンディングまで30時間は普通にプレイすると難しいと思いますよ。大黒は内容を全部知ってるから早いけど(笑)。社内の宣伝チームのスタッフにプレイしてもらったら,50時間を超えることもありましたから,だいたい40〜50時間くらいのボリュームになっています。

──最近のRPGのコマンドバトルは,アクション要素を加えるなどプレイヤーの遊びについて試行錯誤している印象を受けます。その点,本作のモンスターの狩猟は,極めてソリッドなターン制コマンドバトルに仕上がっていることに驚きました。

大黒氏:
 ターン制コマンドバトルの是非については,最初に議論しました。グローバル展開などビジネスとして広げることを考えると,やはりアクション要素は必要なのではないかと,僕自身もすごく悩んだんです。ただ,アクションについては,本家モンスターハンターシリーズがありますし,そもそも「MHストーリーズ」シリーズを始めた経緯には,「アクションが苦手な方にもモンスターハンターの世界に浸ってもらいたい」という思いも含まれていますから,そこはブレることなくいこうと。

 そのうえで,従来のターン制コマンドバトルをどれだけ変えられるか,さらに盛り込む要素はあるのかを,リードゲームデザイナーの若原を筆頭にバトルチームのスタッフがすごく考えてくれた結果,本作ができあがりました。

若原氏:
 ソリッドな仕上がりという感想をいただけて,本当に嬉しいです。大黒とも相談して,本作では「これまでよりも歯応えのあるバトルにする」というテーマを掲げ,プレイする皆さんがいろんなことを考えて,さまざまな戦略・戦術を試み,それが成功したときに楽しいと実感できるような仕組みの実現を目指してチューニングを重ねました。

 たとえば,これまでだとスキルと「絆技」は,どちらも発動するために「絆ゲージ」を消費していました。そのため,どうしてもスキルが使いにくかったのですが,本作では新たに「スタミナ」を用意し,スキルをガンガン使えるようにしています。

 またモンスターに「竜気ゲージ」を追加し,ゲージをブレイクすると疲労状態になって攻撃しやすくなったり,さらに「竜気ストック」を削ると「シンクロラッシュ」が発動して絆ゲージがガンガン上がったりと,気持ちよくなるタイミングを増やしています。それらが重なることにより,爽快感が連鎖してどんどん気持ちよくプレイができる仕上がりになりました。

大黒氏:
 僕は「プロレスっぽいな」と思ったんですよね。まず小技でぶつかり合って,少しずつ竜気ゲージやシンクロラッシュでモチベーションを溜めていって,それが終盤には派手な大技につながって,最終的に逆転勝利する。その感覚がすごく面白くて,「これは絶対すごいものになるな」と確信しました。あとは演出やテンポにもこだわっています。

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──「凶異モンスター」の討伐や「侵獣帰巣戦」は,初めて体験したときこそ「前作よりギミックが増えて複雑だな」と思ったのですが,いずれもゲームを進めていく過程で自然に理解でき,構えずとも楽しめるようになりました。やはり,そこは意識して設計しているのでしょうか。

若原氏:
 竜気ゲージなど前作よりもバトルの要素が増えているので,最初からすべてを理解してプレイしようとするとすごく大変に感じることは把握していました。そこはゲームデザイン上で工夫して,たとえば「特定の部位を破壊する」というヒントを提供して,プレイヤーに「その部位を素早く破壊するにはどうすればいいのか」を考えて学んでもらうというような形にしました。

 凶異モンスターの討伐では,最初は「厄石反射」でバンバン反撃を喰らうと思いますが,反撃されないように立ち回ると結構アッサリ倒せるという経験を与えて,次からどの部位をどんなタイミングで攻撃したらいいのかを能動的に考えてもらう。そういった「考えて学んでもらう設計」を目指したんです。開発当初は要素が多すぎて,それこそ自分たちですら「ちょっとこれはどうだろう」と思うほどだったのですが,かなり整理して今の形に落ち着きました。

大黒氏:
 実は最初に触ったとき,「何か成功したけど,何で成功したのか分からない」と感じたんですよね。でも遊んでいると,先ほど言ったように「面白いものが根っこにある」と感じられるから,それを伝えきれていないのがもったいないと思って。

 そこで面白さを伝えるために「やさしくする」のではなく,ゲームデザイン面ではテキストでフォローしたり,ビジュアル面ではカメラによる演出を加えたりして「分かりやすくする」ことを提案しました。「面白いものがある」ということをどう伝えるかをすごく頑張って作ってもらった結果,「ピーキーだけど,分かってきたらすごい」となる。そういうものができたと捉えています。

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──ビジュアル面で,とくに注目してほしい部分を教えてください。

川野氏:
 まずレンジャー隊のメンバー各自のデザインですね。それぞれ個性があって,年齢や性別,人種がバラバラなのでそのバリエーションや,カットシーンでの演技の違いやキャラクター性の表現などもぜひ見てほしいです。

 背景やステージもかなりバリエーションを出せたと自負しています。最初に出てくるアズラル王国は「いわゆる西洋ファンタジー的な舞台をそのままモンスターハンターシリーズの世界に落とし込んだらどうなるだろう」という,自分としては実験的なステージになったと捉えていますし,2章以降は生態系が変わって「モンスターハンターライズ」のモンスターが出るので,村の様子や住民の衣装もアジアンテイストになっています。

大黒氏:
 僕は図鑑が気に入っています。

川野氏:
 図鑑はけっこう時間をかけて,「手描きで作った図鑑」というコンセプトで作りました。手描き風のシェーダーを使って,ペンによるハッチングみたいなタッチを実現したんですけれども,3Dモデルを使っているのでモンスターをいろんな角度から見られる。ビジュアル的に面白いことをやっているのに,機能面も担保しています。

 RPGにこだわるという意味では,「仲間感」を出したいとも思いました。実は1〜2作目だと,キービジュアルにここまでキャラクターを揃えることはなかったんですよね。本作では,仲間と一緒に冒険している感覚を打ち出したかったので,レンジャー隊が勢ぞろいしています。

大黒氏:
 レンジャー隊のメンバーそれぞれに,「植物が好き」「鉱物に知見がある」といったこだわりというかフェチズムのようなものがあるんですよね。そういった部分も,キャンプの待機時間に流れる映像で確認できます。ビジュアルチームの「もっとよくしたい」という気持ちがそこら中に見て取れるので,見どころはあり過ぎるかなとも思いますね。

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──登場するモンスターの選定基準を教えてもらえますか。

若原氏:
 コマンドバトルに落とし込んだときに,そのモンスターの特徴をどれだけ生かせるかを念頭に置いて選んでいます。分かりやすい例を挙げると,ヨツミワドウは形態変化でお腹が膨らんでいるときにそこを部位破壊すると弱体化します。しかし部位破壊が間に合わなければ,ブレスを吐いて主人公たちにダメージを与えます。これはまさにモンスターハンターのアクションを,コマンドバトルの文法に落とし込んだ結果です。

 難しいのは,モンスターハンターにはさまざまなアクションや技があることですね。それらをすべてコマンドバトルに落とし込もうとすると,攻略法が散漫になってしまいますから,アクションや技の取捨選択はかなり厳密にやっています。

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大黒氏:
 モンスターの特徴を何でもかんでもコマンドバトルで再現するのではなく,「このモンスターは空を飛んでからの攻撃がヤバいよね」「あのモンスターは力を溜めたあとが怖いよね」といったように,モンスターハンターで際立っている特徴を採り入れることを設計の基本軸に置いています。

──細かいところですが,ガノトトス亜種の技に往年のモンスターハンターファンのあいだで語り草になっている「亜空間タックル」があってニヤニヤしてしまいました。

若原氏:
 亜空間タックルに関しては,ファンの皆さんの反応がいいだろうということを踏まえて入れています。走っているときのモーションも特徴的ですから,我々としても力を入れて作りました。

大黒氏:
 ファンの皆さんとのコミュニケーションを大事にしていて,目立つところにいい意味での遊び心をいろいろ入れている感じですね。

──シリーズ3作を通じて,リオレウスが主人公のオトモンを務めていますけれども,何か意図があるのでしょうか。

大黒氏:
 前作を作るとき,主人公のオトモンをどうしようかすごく悩んだんです。最初はレウス以外のモンスターにすることを念頭に置いていたのですが,何かしっくりこない。でも,そこが決まらないとシナリオの軸も決まらない……と悩みに悩んでいたときに,ふと「レウスとライダーの新たな物語を描いてもいいんじゃないか」と思い至って,自分の中ですごくしっくりきたんです。

 その経験があったことと,最初に辻本が触れたように,今度はエースライダーを中心にしたスケール感の異なる話にしようということだったので,本作も迷うことなく「レウスとライダーの新しい物語を作ろう」となりました。むしろそこにこだわっていて,「またレウスの話か……」と思わせるのでなく,「『MHストーリーズ』といえば,レウスとライダーの話だよね。でも遊んでみたら,また違って新鮮だよね」と思ってもらえるものを目指しました。

──ということは,今後シリーズが続いていくとして,やはりリオレウスがフィーチャーされるのでしょうか。

大黒氏:
 僕個人としては,レウスとライダーの物語は本作でやりきったと感じていますので,今の段階で今後どうするかについてはまだ考えられません。また時間が経ったら,辻本と「次は何をしようか」と相談しつつ,新しいことに取り組みたいです。

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──モンスターハンターシリーズでは,一貫して「モンスターとの共存」をテーマにしていますよね。本作でも,主人公たちがレンジャーとしてモンスターの生態調査や絶滅危惧種の保護に取り組んでおり,「人間と自然の関わり方」をより深く描こうとしているように感じられました。

辻本氏:
 モンスターハンターシリーズに登場するモンスターとハンター,あるいはモンスターとライダーのあいだに善悪はないんです。善悪ではなく,「それぞれが生きるために,それぞれが何をすればいいのか」ということが行動に表れる世界を描いています。その中で命の重さや,人間を含めた生き物たちがどのような生活をしているのかを描いていくというコンセプトは,初代モンスターハンターからずっと存在しています。

 本作では,主人公たちが生態系,ひいては世界を守ったり取り戻したりするレンジャーとして活躍する姿を中心に描いていますけれども,実はモンスターハンターシリーズではそれと同じことを一貫して描いているんです。ハンターはギルドから依頼を受けてモンスターを狩っていますが,これも生態系を守るためにやっていることですし,根本にあるテーマはモンスターハンターシリーズ全体を通して変わりません。

──今後,本作のアニメ・映画化の予定はありますか。

辻本氏:
 シリーズ1作目はアニメ化しましたし,本作に限らずモンスターハンターシリーズ全般で映像化には興味があります。ただ,僕らだけで決められることではないですから,実現できるタイミングがあればぜひ取り組みたいですね。

──本日はありがとうございました。

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――2026年2月4日収録

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    モンスターハンターストーリーズ3 〜運命の双竜〜

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