4Gamer 女子部（仮）
プレイレポート
［プレイレポ］悪には悪を。過激な女性向けアウトローADV「ネオンクラッシュ -Echoes of the Lost-」――悪に染まる覚悟と，貫き通す信念
2025年12月11日，ボルテージのNintendo Switch用ソフト「ネオンクラッシュ -Echoes of the Lost-」（以下，「ネオンクラッシュ」）が発売された。「ネオンクラッシュ」は，ネオンきらめく近未来を舞台にした女性向けダークファンタジーアドベンチャーゲームだ。個性豊かなキャラクターたちが登場し，刺激的でドラマチックな物語がフルボイス（主人公を除く）で展開していく。また，「三国志演義」をモチーフとしており，気付くとニヤリとしてしまう描写も用意されている。
本稿は，これからプレイする人の楽しみを損なわない範囲で，本作の魅力を紹介する等身大のプレイレポートとなっている。
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ネオン煌く享楽の国で生き延びるために
まずは，物語の舞台について紹介していこう。舞台となるのは玖昴国（クミョウコク）だ。近未来的なテクノロジーを持ち，ネオンサインが街を彩っている。
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しかし，華やかなように見えても，それは一部の富裕層だけだ。貧富の差は激しく，富裕層ではない若者はマフィアやギャングとなり，暴力と犯罪に走るしかないのだ。
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また，玖昴国を牛耳っているのは，マフィアの中でも大きなトクファミリーだ。表向きは巨大企業だが，メディアや政府にもトクファミリーの息がかかっている。
街ではトクファミリーがのさばり，好き放題に暴れても，異論を唱えて警察やメディアが動くことはない。新興宗教の団体や反抗する若者との抗争も多く，治安はあまりよくない。
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 トクファミリーのボス，トク・ビエイ（CV：山本兼平） |
 街ではマフィアが幅を利かせており，市民は耐えるしかない |
また，この世界にはストラグラフという特殊能力が存在する。ストラグラフに目覚めた者は，体のどこかにタトゥーが刻まれ，常人ではありえないほどのスピードや怪力を使える。ストラグラフは大まかに三種類あり，それぞれ以下のとおりだ。
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また，ストラグラフには「ロスト」という現象があるとされている。「ロスト」は，命と引き換えに他者に力を与えられるが，ロストした人物は，その肉体も人々の中の記憶からも存在が消失してしまうというものだ。しかし，その特性ゆえに，ウワサ話として語られている。
このストラグラフの存在により，弱い者はより虐げられ，街の抗争は激化していく。そして，そんな街を舞台に，物語は始まる。
重厚な物語の中で煌く魅力的なキャラクターたち
続いて，本作に登場するキャラクターたちと，序盤の物語を少し紹介していこう。
主人公のリュウ・クロアは，かつて存在したマフィア，リュウファミリーの後継者だ。命を狙われないように叔父に預けられて育ったが，その叔父も数年前に，ほかのマフィアに殺されてしまった。それ以来，クロアは裏デリバリーで収入を得て生活をしている。
裏デリバリーは，荷物について知らされていないため，違法薬物を運ばされることもあるし，危険な目に遭うことも多い。しかしクロアは，3種のどれにも属さないストラグラフ「DARTS」を持っており，その能力「サイコメトリー」を使って，これまで生き延びてきた。
そんなヒリヒリとする生活の中では，唯一の親友であるメイメイと通話したり，出かけたりする他愛ない日常が，生きる支えとなっている。
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ある日，メイメイと出かけるため，そして裏デリバリーの仕事をこなすために，クロアは桃哲（トウテツ）という街に来た。
桃哲は，以前はリュウファミリーの縄張りで，義に厚い彼らは街の人々にも慕われていた。しかし，11年前にトクファミリーの襲撃に遭い，リュウファミリーは壊滅。それ以降，今日まで桃哲の街は，トクファミリーの理不尽な暴力にさらされ続けている。
そこで，クロアはトクファミリーと桃哲のギャング，そして新興宗教の黄旗による三つ巴の抗争に巻き込まれてしまう。
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桃哲で出会ったカンテ・ラウドは，リュウファミリーの再興を願い，クロアをずっと探していた。そして，この出会いをきっかけに，クロアの運命は大きく変わっていく。
クロアとカンテ・ラウドの出会いから，物語は大きく展開していくが，クロアが何を見て，何を感じ，そして何を覚悟して，何をなすのか。その行く末は，ぜひプレイヤー自身の目で確認してほしい。
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メインキャラクターは，先に紹介したカンテ・ラウドを含め，4人。
彼らとどのような出会いを果たし，どんな関係性が描かれていくのかも，本作の大きな見どころだ。
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次に，物語をより深く彩るサブキャラクターたちを紹介しよう。
クロアとどのように関わり，どんな騒動を巻き起こすのか。ひと癖もふた癖もありそうな顔ぶれがそろっている。
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ところで，忘れてはいけないのが，本作は乙女ゲームだということ。プレイ開始直後から重厚な物語に引き込まれ，ただただクロアの歩む運命が気になっていたが，物語のなかで各キャラクターとの距離を少しずつ縮めていき，その関係性が恋へとつながっていく。
なお，本編のストーリーはキャラクターごとの分岐がない一本道となっており，本編クリア後に各キャラクターとの関係を描いた恋愛エンディングが用意されている。これは大変なことである。ときめきが止まらない。
そしてもうひとつ。筆者は，プレイ前はカンテ・ラウドにメロついていた。顔が好みだからだ。ところがどっこい，物語が進行して，ほかのキャラクターたちが登場すると，各々の魅力あふれる言動に，全員好きになってしまうという事態が発生した。プレイ前に公式サイトなどで確認し，「このキャラクターがいちばん好き！」と思っていても，だ。
アウトローな人物たちの，破天荒でいて，それぞれの人間性がにじみ出た魅力的な立ち振る舞いに，見事にやられてしまった。これからプレイする人には，どうか心を強く持って臨んでほしい。
魅力あふれるキャラクターたち，刺激的で重厚な物語，そこにストラグラフやロストという現象などが複雑に組み合わさっていく本作は，この冬に注目したいゲームの1本だ。ぜひ手に取ってみてほしい。
また，現在，本作が10％オフの7326円（税込）で購入できるセールを，2026年1月7日23：59まで実施しているので，このチャンスをぜひお見逃しなく！
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