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「WD Black NVMe SSD」レビュー。Western Digital独自コントローラ搭載の「ゲーマー向けSSD」は買いか
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印刷2018/05/28 10:30

レビュー

独自コントローラを搭載する「ゲーマー向けSSD」は買いか

Western Digital WD Black NVMe SSD

Text by 米田 聡


 2018年5月18日,Western Digital製がゲーマー向けと位置づけるSSD「WD Black NVMe SSD」(以下WD Black)が国内発売となった。論理インタフェースとしてNVM Express(以下,NVMe),物理インタフェースとしてPCI Express(以下PCIe)x4を採用し,WD Blackの名を冠するSSDとしては「WD Black PCIe SSD」(以下,第1世代WD Black)に続く第2世代モデルとなる。
 製品概要は5月17日掲載のニュース記事でお伝えしているとおりだが,Western Digital独自設計のSSDコントローラを採用するなどして,第1世代WD Blackからはガラッとスペックを変えてきたのが特徴だ。

WD Black NVMe SSD
メーカー:Western Digital,問い合わせ先:WDサポート 顧客サポート窓口
Western Digital

 ラインナップは容量1TB,500GB,250GBの3モデルで,主なスペックとメーカー想定売価は表1のとおり。5月28日時点の実勢価格は順に5万1600〜5万2800円程度,2万7700〜2万8000円程度,1万4800〜1万5500円程度だが,4Gamerではこのうち上位2モデルの製品版をWestern Digitalの日本法人であるウエスタンデジタルから借りることができたので,その実力を検証してみたい。

※1 Power State 3,省電力モード
※2 Power State 4,休止モード


新世代のWD Blackでは買収したSanDiskの技術を盛り込む


Western Digital
WD Black(下)と第1世代WD Black(上)を並べてみたところ。WD Blackでシールから「WD」ロゴマークが消えているが,これはブランド再編を受けたものだ。現在,PC用の内蔵ストレージは「Western Digital」ブランドで展開され,「WD」は一般ユーザー向けの外付けストレージブランドとなったため,このように表記も変わっている
Western Digital
ExtremePro M.2。「内蔵ストレージはWestern Digitalブランドになったのでは?」という突っ込みは鋭いが,これは「ExtremeProというブランドがSSD市場で強いため」(ウエスタンデジタル)だそうだ。現在のSanDiskは写真家向けブランドとなっているが,当面はExtremeProブランドのSSDも継続するという
 テストに先立って少し振り返っておくと,第1世代WD Blackは,SSDコントローラとしてMarvell Technology Group製の「88SS1093」を採用していた。88SS1093は2014年発表の製品で,コンシューマ向けのNVMe対応SSD用コントローラとしては第1世代の製品と言っていい。

 それに対して,日本市場で5月17日に発表となったWD Blackでは,冒頭でも簡単に触れたとおり,Western Digital独自コントローラを採用するというのが大きな見どころとなっている。このコントローラの詳細は明らかになっていないのだが,その正体を知るヒントになる製品がある。それはWD Blackから少し遅れて日本市場にデビューしたSanDiskブランドの新型SSD「SanDisk ExtremePro M.2 3D SSD」(国内製品名:サンディスク エクストリーム プロM.2 NVMe 3D ソリッド ステートドライブ,以下,ExtremePro M.2)だ。

 現在のSanDiskがWestern Digitalの持つ1ブランドであることはよく知られているが,今回の主役となるWD BlackとExtremePro M.2についてWestern Digitalは「スペックの同じ姉妹製品」と説明している。ならばとSanDiskブランドのExtremePro M.2製品情報ページを見ると,同製品は「nCache 3.0」を搭載しているとあった。

 nCacheとは,独立した企業だった頃のSanDiskがハイエンド市場向けSSDであるExtremeProで採用してきた技術で,フラッシュメモリの一部をSLC(Single Level Cell)として使い,その領域を一種のキャッシュとして使うことでMLC(Multi Level Cell)やTLC(Triple Level Cell,3-bit Multi Level Cellとも言う)の弱点である書き込みの性能を改善しようとするものだ。言ってしまえばSamsung Electronics(以下,Samsung)が「EVO」系のSSDで採用する「Trubo Write」のSanDisk版である。
 いずれにせよ,nCache 3を採用するExtremeProとスペックが同じ姉妹製品となるWD Blackのコントローラが旧SanDiskのチームが手がけたものという理解でほぼ間違いない。

 5月17日の記事でお伝えしているように,WD Blackでは――より正確に言えば「nCache 3.0では」――SSDに対する連続的なアクセスが発生しているときには,SLCのキャッシュ領域を介さず,TLCの領域に直接書き込む手法を採用している。これにより,キャッシュ処理のオーバーヘッドを回避し遅延を抑えることができるとされるが,ここがTurboWriteとの大きな違いと言っていい。
 旧SanDisk時代のnCacheは非常によく機能していたので,NVMe対応となったnCache 3.0の性能にも期待している読者は少なくないだろう。

WD Blackでは状況に応じてSLCのキャッシュ領域を使い分けることでSoCのCPU負荷やレイテンシの低減を図っているというスライド
Western Digital

 さて,ここで入手したWD Blackを概観しておこう。
 容量1TBモデル(型番:WDS100T2X0C)と容量500GBモデル(型番:WDS500G2X0C)はいずれも「M.2 Type 2280」と呼ばれる,一般的な長さのM.2接続型SSDだ。

上段が容量1TBモデル,下段が容量500GBモデル。背面側はシールのみでLSIは実装されていない。シールを剥がして確認したわけではないが,両製品とも搭載するチップ数は4枚のようだ
Western Digital Western Digital
Western Digital Western Digital

Western Digitalが公開しているスライドより。見る限り,チップの配置はこの図解のとおりだった
Western Digital
 シールを剥がす許可は得られていないので外から眺めることしかできないが,基板の横から確認する限り,搭載するチップの配置はWestern Digitalが公開しているスライドのとおりと言っていい。つまり,コントローラの近くにキャッシュ用のDRAMチップがあり,それらを両サイドから2枚のNAND型フラッシュメモリが挟むようなレイアウトである。
 面白いのは500GBモデルと1TBモデルでチップの数が変わらない点で,容量が異なるNAND型フラッシュメモリチップを採用しているのだと思われる。

 そのNAND型フラッシュメモリは,Western Digitalと東芝が共同で開発・製造する64層3D NAND「BiCS3 3D NAND」とのことだ。
 ちなみに第1世代WD Blackは「Western Digitalの64層3D NANDを採用」とされていた。64層3D NAND=BiCS3なので,おそらくフラッシュメモリは第1世代のWD Blackから変わっていないのだろう。


逐次アクセスでは大幅な性能向上を達成


 今回4Gamerでは比較対象として第1世代WD Blackの容量512GBモデルを用意した。第1世代WD Blackには容量1TBクラスの選択肢がないので,ひとまず500GBクラスのほうだけでも新旧を比較してみようというわけである。
 ちなみに第1世代WD Blackの容量512GBモデル,そのカタログスペックは逐次読み出しが最大2050MB/s,逐次書き込みが最大800MB/s,ランダム4KiB読み込み17万IOPS,同書き込み13万IOPS。カタログ値からして今回の主役となる2製品とはかなりの違いがある点を押さえておいてほしい。
 そのほかテストに用いた機材は表2のとおりだ。


 まずは定番のストレージベンチマークである「CrystalDiskMark」(Version 6.0.0)の結果から見ていこう。
 4GamerではCrystalDiskMarkを「テスト回数9回,テストサイズ8GiB」という設定で5回連続実行し,その平均をスコアとして採用することにしている。CrystalDiskMarkはバージョン6世代でテスト内容が一新されており,Version 6.0.0より古いバージョンとはスコアを比較できない点に注意してほしい。

 グラフ1はQueue Depth(以下,QD)=32,Thread数(以下,T)=1という条件における逐次アクセスのテスト結果をまとめたものだ。最大32のコマンドを先送りして逐次アクセスを行うので,SSDの逐次アクセス性能の最大値に近い値が得られるが,結果はご覧のとおりであり,WD Blackの容量500GBモデルは第1世代WD Blackの容量512GBに対してほぼダブルスコアを示した。
 WD Blackの2製品が示す3400MB/s台は公称スペックどおりで,現行世代のNVMe対応SSDにおけるハイエンドモデルと比肩する数字だ。

 第1世代WD Blackの容量512GBモデルで700MB/sという書き込みではさらにスコアの上昇が大きく,WD Blackの容量500GBは1800MB/s強で,ざっくり約2.6倍となる。スペック上は最大2500MB/s弱なので「届いていない」とも言えるが,容量1TBモデルのほうは2800MB/s台というスペックどおりの数字を残している。


 次にグラフ2はQD=8,T=8という条件で実行したランダムアクセスの結果だ。NVMe対応SSDの性能向上が著しく,T=1だとランダムアクセス性能が頭打ちになってしまう製品が登場してきたため,CrystalDiskMarkのバージョン6世代で追加となったテスト条件である。「マルチスレッド環境におけるランダムアクセス性能を見るテスト」と考えればいいだろう。
 このテストでもWD Blackの容量500GBモデルは第1世代WD Blackの容量512GBモデルからスコアを大きく伸ばしている。読み出しで約1.7倍,書き込みで約2.2倍だ。さらに容量1TBモデルは容量500GBモデルに対して読み出し,書き込みともに約1.4倍高いスコアを示した。

 マルチスレッド環境における性能の向上は,CPUのマルチコア化が進んでいる昨今の状況を考えると適切といっていいだろう。今風になったと言うこともできるかもしれない。


 QD=32,T=1という条件で実行したランダムアクセスの結果がグラフ3となる。これは最大32コマンドの先送りを行う従来型のランダムアクセステストということになるが,WD Blackの2製品は読み出しで第1世代WD Blackの容量512GBモデルとほぼ同じスコアを示し,書き込みでは約78%とスコアを落とした。
 こういう結果になった直接の理由は何とも言えないが,コントローラが前世代とまったく異なるのがその1つであることは疑いない。もしかしたら,ここにSLC領域をバイバスしてTLC領域に書き込む影響が出たのかもしれないが……。


 続いてグラフ4はQD=1,T=1というという条件で実行したランダムアクセスの結果である。コマンドキューを使わず,しかもT=1なので,ストレージのアクセス遅延が効いてくるテストということになる。
 WD Blackの2製品は,読み出しだと第1世代WD Blackの容量512GBに対して5〜6%程度高いだけだが,書き込みでは40〜41%高いスコアを示しており,書き込み性能の向上を確認できる。QD=1,T=1はWindowsの反応速度を左右するテストとも言われているので,ここの性能が上がったことは評価できそうだ。



I/O性能も前世代比で大幅に向上


 続いてはIometer(Version 1.1.0)である。Iometerは設定したアクセスパターンを使ってストレージに高い負荷をかけることで性能をテストするベンチマークであり,ストレージのI/O性能を確認することができる。

 4Gamerでは,IometerでSSDをテストするにあたり,4KB単位のランダム読み出しと書き込みを50%ずつ混在させたアクセスパターンを使用してきた。今回も同様の設定で,テストを行うディスク領域のサイズは4GBだ。
 テスト時間は1時間で,総合スコアとしてのIOPS(I/O Per Second)値とは別に,スタート直後1分間のIOPS値と終了時1分間のIOPS値も比較する。激しいディスクアクセスを1時間続けることによりIOPSがどのくらい変化するのかが分かるからである。

 結果はグラフ5のとおり。総合スコア(=1時間通してのIOPS値)は,WD Blackの容量1TBモデルで4万8000 IOPS強,500GBモデルで4万IOPS強となった。1万7000 IOPS弱の第1世代WD Black容量512GBモデルと比べるとI/O性能は大幅に向上していることになる。
 実のところ,このスコアは最新世代のNVMe対応SSD,そのハイクラスモデルとしては物足りない。たとえばSamusngの「SSD 970 EVO」だと11万5000弱,「SSD 960 EVO」でも8万5000弱なので(関連記事),それと比べるとWD Blackはデータベースのような「ストレージのI/Oが主体となるアプリケーション」を少々苦手にしていることになるだろう。

 開始直後1分に対する終了直前1分のスコアだと,WD Blackの容量1TBモデルは約96%,容量500GBモデルは約97%に低下している。第1世代WD Blackの容量512GBモデルも約97%なので,おおむね同じ傾向と言っていいだろう。有意ではあるが劇的ではないので,それほど心配はいらないと思う。



高負荷状況でも性能が落ちにくいWD Black


 続いて「PCMark 8」(Version 2.8.704)の「Expanded Storage」テストである。
 Expanded Storageについては「HyperX Savage Solid-State Drive」のレビュー記事で詳しく説明しているので,基礎的なところから把握したい人はそちらを参照してもらえればと思うが,簡単に紹介しておくと,「Consistency test v2」と「Adaptivity test」という2つのテストから構成されるテストとなる。

 Consistency test v2は,以下に挙げる3フェーズで構成される。

  • Degradation pass(劣化フェーズ):テスト対象のストレージに大量のランダムデータを書き込み,SSD内部においてデータの再配置が起こりやすい状況を作ったうえで,さらにランダムデータの量を毎回増やしながら合計8回のストレージテストを行い「再配置が多発している状況での性能低下」を調べる
  • Steady state pass(安定化フェーズ):一定量のランダムデータを書き込んだうえでストレージテストを5回実行し,劣化の度合いが最大になった状態での性能を調べる
  • Recovery phase(修復フェーズ):適切なインターバルを置きつつストレージテストを5回実行し「性能が低下した状態からどの程度回復するか」を調べる

 一般的にはDegradation passで徐々に性能が劣化していき,Steady state passで性能の劣化が最大となり,Steady state passで性能が回復するというパターンを示す。劣化の度合いと性能の回復の度合いから,SSDに高い負荷をかけ続けたときの性能や快適さを測ることができるテストだ。

 一方のAdaptivity testでは,上のRecovery phaseに相当するテストを10回繰り返し,ストレージにとって性能を発揮しやすい環境にしてから,PCMark 8のストレージテスト結果を求めるものになっている。ベストケースにおけるスコアを見るものという理解でいいだろう。

 というわけで,Consistency test v2から見ていきたい。グラフ6はConsistency test v2におけるStorage testの平均帯域幅変化をプロットしたもので,具体的な値はグラフ画像をクリックすると開くようにしてある。

 グラフを見るとWD BlackはDegradation passで性能が右肩下がりに落ちていくという挙動は示さない一方,第1世代WD Blackとはそもそも帯域幅が大きく異なるのが分かる。
 Degradation pass 1からSteady state pass 3までの間,WD Blackの容量1TBモデルは350〜430MB/s程度,容量512GBモデルも320〜430MB/s程度で踏みとどまり,Recovery phaseでは2製品とも580〜620MB/s程度へ急回復している。Degradation Passで100MB/s台まで落ち,Recovery phaseでも320〜340MB/s程度とSerial ATA 6Gbs接続型SSD並みにまでしか回復しない第1世代WD Blackとは雲泥の差だ。

 第2世代のWD Blackで少々気になるのはDegradation passからDegradation passまでで帯域幅に安定感を欠く点だろう。平均値はSSD 970 EVOとほぼ変わらず,Recovery phaseのスコアはむしろ高いくらいなので,基本的には「ほぼ互角」だが,気には留めておいたほうがいいかもしれない。

※グラフ画像をクリックするとスコアの詳細がまとまった表3を表示します
Western Digital

 さて,PCMark 8はオフィスやゲームなど複数のアプリケーションのストレージアクセスを再現してグラフ6に示した平均帯域幅を算出している。Consistency test v2の実行結果には,各アプリケーションのワークロード実行時のステータスが記録されるのだが,今回はその中からAdobe製の写真編集アプリケーション「Photoshop」を使った負荷の高いワークロード「Photoshop heavy」における平均ストレージアクセス時間の変化を見ておくことにしよう。
 高負荷環境における平均ストレージアクセス時間を見ることで,体感的なストレージの性能がどこまで高負荷時に落ちるのかが分かるからだ。

 グラフ7は読み出し時の平均ストレージアクセス時間をプロットしたものだが,WD Blackと第1世代WD Blackではそもそものストレージアクセス時間がまったく異なることが見てとれる。
 第1世代WD Blackではワーストケースで最大3ms以上と,体感的にもはっきりと分かるレベルの悪化を見せ,Steady state passでも0.9ms弱というアクセス時間を記録する。また,Recovery phaseでも0.48msまでしか回復しないが,WD Blackのほうは容量1TBモデル,500GBモデルとも高負荷時に0.17〜0.19msで留まっており,安定した平均ストレージアクセス時間を記録した。まったく別モノの結果だと言っていい。

※グラフ画像をクリックするとスコアの詳細がまとまった表4を表示します
Western Digital

 同じPhotoshop heavyから,書き込み時の平均ストレージアクセス時間をプロットしたものがグラフ8である。
 こちらは読み出しと様相が異なり,WD Blackは高負荷時にブレが大きくなっている。とくに容量500GBモデルはSteady state passで1.1msから3.75msという大きな幅を示した。要するに,書き込み時の平均ストレージアクセス時間が安定しないということだ。この振れ幅は使っていても分かるレベルの遅延として感じられるだろう。
 容量1TBモデルは容量500GBモデルよりマシだが,それでもブレは大きい。

 一方,Recovery phaseに移るとWD Blackの2製品は0.17〜0.24ms程度と優秀な平均ストレージアクセス時間に回復する。第1世代WD BlackはRecovery phaseでも1.11msまでしか回復しないので,ここには際立った違いが出ていると言っていい。
 全体としてWD Blackは,高負荷時の書き込みを苦手とするが,負荷から解放されれば性能がすぐ戻るSSDということになるだろう。

※グラフ画像をクリックするとスコアの詳細がまとまった表5を表示します
Western Digital

 グラフ9は,Consistensy test v2で実行した合計18回のStorage testから,最も高いスコア(Best score)と最も低いスコア(Worst score)を抜き出したものだ。ベストとワーストのスコア差が小さいほど高負荷時の性能の落ち込みが小さいストレージということになるが,結果を見ると,第1世代WD Blackの容量512GBではワーストのスコアがベスト比で約91%まで落ちるところ,WD Blackの2製品は約98%で踏み留まっている。前世代と比べると明らかに「高負荷に強いSSD」となったわけだ。


 最後にAdaptivity testの結果もまとめておこう。グラフ10はAdaptivity testで実行したStorage test合計10回のスコア平均を,グラフ11は平均帯域幅をそれぞれまとめたものである。
 どちらも「良好な環境でPCMark 8のStorage testを実行するとこの程度のスコアが出る」という目安になるだろう。

 実際のところ,グラフ10のスコアは最近のSSDだとほとんど横並びになってしまう。果たして今回のテスト対象3製品でも同じことになっているが,グラフ11の平均帯域幅ではWD Blackと第1世代WD Blackとの間に大きなギャップが生じた。

 第1世代WD Blackの示す360MB/sという平均帯域幅はSerial ATA 6Gbs接続型SSDのハイエンドモデルより少し大きい程度にすぎないが,WD Blackの600MB/s台というのは現行世代らしい数字といえる。あえて比較すると,SSD 970 PROの800MB/s台後半というスコアには歯が立たないものの,SSD 970 EVOの560GB/sよりは大きい,といった感じだ。



「WD Black」に究極性能を求める人にとっては物足りないかもしれないが,価格対性能比はかなり高い


製品ボックス
Western Digital
 HDD時代の「WD Black」はコンシューマ向け高性能ストレージの代名詞だった。その点で第1世代WD Blackは期待外れと言うほかない製品だったわけだが,第2世代モデルでWestern Digitalはその大部分を払拭してきた。「最速」とまでは言えないため,WD Blackという製品シリーズに強い思い入れがある人からするとあと一歩足りないかもしれないが,少なくとも,現行のハイクラスNVMe対応SDと十分戦えるだけの性能は確保できていると言えるだろう。

 気になることがあるとすれば,Consistensy test v2で書込みの平均ストレージアクセス時間の劣化が大きい点だろうか。
 これは,ストレージへのアクセスが長時間続くようなケース,典型例ではデータベース処理や長時間のコンパイルといった用途ではやや反応速度が悪化することを意味するが,ただ,負荷から解放されれば速やかに平均ストレージアクセス時間が回復するのも確かだ。それこそゲームデータの書き込みといった一般的な用途でこの弱点が問題になることはほとんどないと思う。

Western Digital

 実勢価格は容量1TBモデルが5万1600〜5万2800円程度,容量500GBモデルが2万7700〜2万8000円程度(※いずれも2018年5月28日現在)。市場における直接的なライバルは,記事中でも何度かその名を挙げたSamsungのSSD 970 EVOになりそうだ。
 ここまで見てきたとおり,高負荷環境における安定性はSSD 970 EVOがやや上回るが,低負荷時における性能はWD Blackが上回る。使い方に合わせていずれかを選ぶという形になるのではなかろうか。ゲーマーとしてはNVMe対応SSDのハイクラス市場へ新たな選択肢が統合したことを歓迎したいところである。

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