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夜空に咲く満開の花火の下,最高の仲間たちと。「MANKAI STAGE『A3!』〜SUMMER 2019〜」ゲネプロ&囲み公演レポート
イケメン役者育成ゲーム「A3!(エースリー)」(iOS / Android)を原作とした舞台「MANKAI STAGE『A3!』〜SUMMER 2019〜」が,2019年8月8日の夜公演より,品川プリンスホテル ステラボール(Stellar Ball)にて開幕した。本稿では,初演に先駆けて行われたゲネプロの模様と,囲み会見の内容をお伝えする。通称「エーステ」こと「MANKAI STAGE『A3!』」は,舞台作品ではあるものの,キャラクターたちが“劇団員”ということもあり,歌や踊りを交えながら公演の稽古から本番までが描かれていく。春組&夏組をフィーチャーした2018年夏〜秋の初演に始まり,これまでに4作が上演されてきた。
今作は夏組の単独公演となり,第1幕では,原作ゲームにおける新生夏組の第二回公演「にぼしを巡る冒険」が,第2幕では第三回公演「抜錨!スカイ海賊団」という2つのストーリーが展開される。
第1幕のテーマとなる「にぼしを巡る冒険」は,全員が猫耳をつけ,語尾は「にゃ〜」という猫語で話すコミカルな劇だ。主演は瑠璃川 幸,準主演は三好一成が務める。原作をプレイしている人なら劇団員たちの性格はよく知っていると思うが,幸は自分の作品に誇りを持ち,決して弱音を吐かない人物である。
だからこそ彼は,とびきりの楽しい舞台を作らねばという重圧に次第に押しつぶされそうになってしまう。そんな幸を助けようと立ち上がるのが,一成だ。これまで人に頼ることができなかった幸と,自分にしかできない方法で手を差し伸べる一成,そして2人を温かく見守る皇 天馬らの姿に,心が熱くなる人も多いだろう。
瑠璃川 幸(演:宮崎 湧) |
三好一成(演:赤澤 燈) |
第2幕は,斑鳩三角が主演,向坂 椋が準主演となる「抜錨!スカイ海賊団」を巡る物語だ。このストーリーでは,三角が大好きだった“じいちゃん”が残した宝物と,訳あって離れて暮らす弟の円(まどか)との思い出が語られる。
劇団員たちを巻き込んでの宝探し騒動をコミカルに描きつつ,これまであまり見えてこなかった三角の内面と,引っ込み思案だった椋の成長が胸を打つ。第2幕では,原作におけるキャラクターたちの関係性やエピソードなどが,舞台ならではの演出でより感動的に描かれている。物語にさらなる深みが与えられたように感じ,原作プレイ済みの筆者も予想以上に心を動かされ,涙がこみ上げた。
斑鳩三角(演:本田礼生) |
向坂 椋(演:野口 準) |
「MANKAI STAGE『A3!』」のレポートをお届けするたびに書いていることだが,この「エーステ」は,“実際の演者がキャラクターを演じ,さらにそのキャラクターが芝居で役を演じる”という,いわば入れ子のような構造の2.5次元舞台だ。
また原作のファンにとっては,自分のよく知るシーンが生身の人間によって再現される感動があり,熱量がいくつもの層となって心に迫り,揺さぶられる感覚がある。これは,多くの2.5次元舞台と少しだけテーマが異なり,また「エーステ」ならではの面白さでもあるだろう。
夏組はMANKAIカンパニーの中では最も年齢層が若いが,ある意味で精神的には“大人”なメンバーの集まりだ。彼らはよくぶつかりあうし壁に立ち止まることもあるけれど,それを乗り越えた時の成長は,まるで夏の植物のように伸びやかで,花火のように力強い。今作は,そんな彼らの魅力を余すところなく伝え,観る人に元気を与えてくれる舞台だと感じた。
囲み会見をレポート
ゲネプロ前に行われた囲み会見では,メインキャストたちが意気込みを語ってくれた。
――開幕に向けてのコメントをお聞かせください。
皇 天馬役/陳内 将さん(以下,陣内さん):
今日に至るまで楽しみで仕方ありませんでした。いざ初日を前にすると,緊張を超える楽しみと絆を感じています。劇中曲にある「物語はバトンをつなぐ」という歌詞のとおり,春組単独公演からバトンをつなぎ,秋組につなげられるようにしっかりやっていければと思います。
瑠璃川 幸役/宮崎 湧さん(以下,宮崎さん):
長いようであっという間だった稽古を終え,暗いトンネルをみんなで手をつなぎながら光が見えるほうに進み,やっと抜けてきたんだなと感じております。幸くんらしく強く,かつ支えてもらうところはしっかり夏組に支えてもらいながら,仲間たちを信じて走り抜けたいです。
向坂 椋役/野口 準さん(以下,野口さん):
最初の春夏公演から約1年,こうしてまた夏組のみんなとお芝居ができることを嬉しく思っています。たくさんの人に夏組の絆を見せていければと思います。
斑鳩三角役/本田礼生さん(以下,本田さん):
夏組単独公演が決まってから,みんなで「早くやりたいね!」と待ち焦がれていました。初日がくる実感がなかったのですが,いざ当日になると,緊張と不安と楽しみと,いろんな気持ちが入り乱れてます。誰も見たことがないような夏組公演になると思いますので,ぜひ楽しんでいただけたら。
三好一成役/赤澤 燈さん(以下,赤澤さん):
この夏組5人って,本当に原作「A3!」のように不器用な人が集まってるなと稽古期間をとおして思いました。でもその不器用さがうまくはまったときに,夏のカンカン照りのようなどこの組にも負けないパワーが発揮できると思います。それを舞台上でみんなで爆発させたいです。
斑鳩 円役/宇佐卓真さん(以下,宇佐さん):
始めは不安がありましたが,みなさんとても優しくて面白くて楽しかったです。これから56公演突っ走っていくだけですが,早くも寂しくなっていきそうだなと思います(他キャストから「早いな!」とツッコミ)。みなさんと一緒に頑張っていけたらと思います。
――稽古期間で印象的だったことはありますか?
陣内さん:
稽古期間は,雨で涼しい夏と,暑い真夏とどっちもありましたね。
赤澤さん:
暑くなるにつれて,夏組の空気感が蘇ってきました。
本田さん:
濃密すぎて,いろいろなことがあって……ダンスやお芝居など,5人で壁にぶつかることもありましたが,そのたびに乗り越えてきました。
赤澤さん:
稽古場に炊飯器がありました。みんなで同じ釜の飯を食べたという感じですね(笑)。
――フィルコレ(※)で,ライバルは夏組だとコメントがあったのですが,みなさんからもメッセージをいただけますか。
※これまでの作品の上映会や展示企画などが行われている神戸のイベント。ナビゲート役は松川伊助役の田口涼さんと迫田ケン役の田内季宇さん
陣内さん:
僕たちはもう……仲間と思ってますので(笑)。でも,2つの場所で「エーステ」をやれているのはすごいことですし,嬉しいです。こちらも負けないように頑張ります!
――「A3!」の楽曲はここがいいというポイントはありますか?
本田さん:
組ごとに伝えたい色が違いますね。夏組は絆や騒がしさなんかも。
赤澤さん:
夏って騒がしいイメージはあるけど,楽曲的には切ない部分や夏のはかなさみたいなところも入ってますね。
陣内さん:
セミみたいな感じかな……?
本田さん:
そこは花火とかで!(笑)
――円役の宇佐さんから見たメンバーの印象は?
宇佐さん:
秋冬公演と春組単独公演を観劇していたんですが,稽古ではみんな元気で,個人が立ってて……うるさい方々だなと(笑)。僕は人見知りで自分からあまりいけないんですが,みなさんも人見知りといいながら僕のところに来てくれて,仲良くしていただきました。
――みなさん,ありがとうございました!
―公演概要―
■タイトル
MANKAI STAGE『A3!』〜SUMMER 2019〜
■公演日程/場所
2019年8月8日〜8月18日 品川プリンスホテル ステラボール
2019年8月23日〜9月1日 AiiA 2.5 Theater Kobe
2019年9月6日〜9月8日 名古屋市公会堂
2019年9月13日〜9月15日 長岡市立劇場 大ホール
2019年9月19日〜9月29日 品川プリンスホテル ステラボール
■CAST(敬称略)
夏組
皇 天馬/陳内 将
瑠璃川 幸/宮崎 湧
向坂 椋/野口 準
斑鳩三角/本田礼生
三好一成/赤澤 燈
春組
佐久間 咲也/横田龍儀
皆木 綴/前川優希
秋組
兵頭十座/中村太郎
斑鳩 円/宇佐卓真
鹿島雄三(初代春組OB)/滝口幸広
飛鳥晴翔(GOD座)/伊崎龍次郎
神木坂レニ(GOD座主宰)/河合龍之介
「MANKAI STAGE『A3!』〜SUMMER 2019〜」公式サイト
(C)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (C)MANKAI STAGE 『A3!』 製作委員会 2019