バンダイナムコエンターテインメントは2018年8月18日と8月19日に,対戦格闘ゲーム
「鉄拳7」(
PC /
PlayStation 4 /
Xbox One)のワールドツアー日本ラウンド
「TEKKEN WORLD TOUR TOKYO TEKKEN MASTERS」を,東京・港区のバンダイナムコ未来研究所で開催した。
鉄拳ワールドツアー(以下,TWT)は,1年間を通して世界各地で開かれるポイント制の大会で,選手は各地で結果を残しポイントを積み重ね,12月にオランダ・アムステルダムで開催される「鉄拳ワールドツアーファイナル」への出場を目指す。
TWTの大会カテゴリは,
「マスター」「チャレンジャー」「オンライン」の3つに分けられ,本大会はマスターに区分される。
マスター区分の大会は,上位入賞者に付与されるポイントが,チャレンジャー/オンラインと比べて高く,カテゴリの中で最も重要視される(マスター:優勝300pts,チャレンジャー/オンライン:優勝150pts)。
また,本大会で上位4名までに入賞した日本国内在住の選手には,日本eスポーツ連合(JeSU)が認定するジャパン・eスポーツ・プロライセンスが発行される。
大会のレギュレーションは,60秒3ラウンド制,ダブルイリミネーション,2試合先取勝利式(ウィナーズファイナルから3試合先取)というルールで行われ,予選には国内外の選手270名以上が参戦した。
本稿では,予選を勝ち残った8名によるDay2・決勝トーナメントの模様をフォトレポートでお伝えする。また,大会の途中では「鉄拳7」に関する新情報も告知されていたので,合わせてお伝えしよう。
鉄拳7の新情報が発表された告知コーナー
順番が前後するが,まず始めに,ベスト4が決定した後に行われた告知コーナーで発表された情報についてまとめていこう。
このコーナーには,「鉄拳」シリーズのチーフプロデューサー
原田勝弘氏,「鉄拳7」「ソウルキャリバーVI」プロデューサーの
大久保元博氏,「鉄拳7」開発プロデューサー兼ゲームディレクターの
池田幸平(ナカツ)氏が登場し,「鉄拳7」の新情報などを発表した。
左から,大久保元博氏,原田勝弘氏,池田幸平(ナカツ)氏
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英語配信では,マークマンことMark Julio氏と,鉄拳開発チームのMichael Murray氏が登場。告知内容を解説した
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まず,始めに10月18日に
PS4/
Xbox One版が,10月19日に
PC版が発売される
「ソウルキャリバーVI」の告知が大久保氏から行われた。
「ソウルキャリバーVI」の情報については,すでに発表されている情報を総ざらいするものだったが,大久保氏は「もうそんなに残っているわけではないですが,未発表のキャラクターもまだおりますので,お待ちいただければ幸いです」「gamescom 2018でいろいろと情報を出しますので,ご期待ください」と述べた。
続いて,原田氏とナカツ氏から「鉄拳7」の情報が発表された。既に
こちらでもお伝えしているが,DLCシーズンパス第2弾の配信日が9月6日に決定したことが発表され,シーズン2で追加となる
「アンナ・ウィリアムズ」と
「レイ・ウーロン」の最新トレイラーが公開された。
追加キャラクターでまだ発表されていない3体について原田氏は,「まだはっきりとは決まっていないので,ユーザーの要望を聞きながら決めていきたい」と答え,「意外性はないかもしれないが,皆さんの期待には応えられると思う」と続けた。
また,原田氏は「追加キャラクターをどう決めているのか」という質問に対し,「鉄拳が売れて,シリーズが存続するという観点を昔から忘れずに持っている」と語る。原田氏は,前作,前々作も含めたキャラの使用率などを世界中からリサーチしたり,話題性などを加味したりしてキャラクターを決めているという。
しかし,「統計だけが正義になってしまったら,マーケティング的には正しいかもしれないが,とても冷たい結果になってしまう」とも語り,バラエティ豊かなキャラクターが登場する鉄拳らしさを念頭にさまざまなバランスを考慮していると明かした。
シーズン2では,9月6日のアップデートでいろいろなキャラクターを気軽に使ってもらう機能として
「簡単コンボ」と
「アシスト機能」の追加や,
段位システムの変更,新要素
「ウォールバウンド」の追加などによるバトルバランスの大規模調整などが行われることも発表となった。
このほかにも,大会でのキャラクターの使用率などを見ながら,さまざまなキャラクターが活躍できるように,全キャラクターのバトルバランス調整が行われるという。「鉄拳7」から初登場したキャラクターは,1つずつ新技も追加されるということなので,期待しよう。
韓国5名,タイ1名,イタリア1名,日本1名で争われた決勝トーナメント
本大会は,参加者約270名のうち「鉄拳の『修羅の国』」こと,韓国からの遠征者は約40名。そのほかのエリアを含めると国外からの遠征者は約90名に上った。
特に最近は韓国以外の海外プレイヤーのレベルが飛躍的に上がっており,決勝トーナメントに進出した日本勢は強豪ロウ使いとして知られるダブル選手の1名のみであった。
実況・解説は,鉄拳大会では恒例となるゲンヤ氏とハメコ。氏が担当。もちろん英語配信用の実況席も用意されていた
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まずはウィナーズから試合開始。韓国のレジェンド三島使いとして知られるqudans選手と,2018年度は世界各地のTWT大会を支配していると言ってもいい,世界最強候補プレイヤー・Knee選手が激突。デビル仁を選択したqudans選手に対して,Knee選手はリリを選択。第1試合をKnee選手,第2試合をqudans選手が取った後の第3試合は,Knee選手がカタリーナを選択するものの,qudans選手が危なげなく勝利する
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ウィナーズ第2試合は,タイの英雄と呼ばれるBook選手(仁)とイタリア在住の日本人プレイヤー・ティッシュもん選手(マスターレイヴン)がぶつかった。お互いが攻めの得意なプレイヤーということもあり,鉄拳では比較的珍しいインファイトでの殴り合いとなった。対決は,ピンポイントで勝負を賭けた下段を見せるなど,レアキャラならではのかく乱が光ったティッシュもん選手が勝利した
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ルーザーズ第1試合は,唯一残った日本勢であるダブル選手(ロウ)と,世界最強クマ / パンダ使いである韓国のRangchu選手の組み合わせ。ロウならではのラッシュで攻め立てるダブル選手だったが,熊武爪によるスカし確定と細かい下段による削りを的確に機能させたRangchu選手が2-0のストレートで勝利
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ルーザーズ第2試合は,韓国の強豪クラウディオ使いMulGold選手と,EVO2018優勝の最強シャヒーン使いである韓国のLowHigh選手という戦いに。下段での削りが乏しいクラウディオに対し,徹底したディフェンステクニックで守り切ったLowHigh選手が完璧な勝利を果たした
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ウィナーズファイナル
ウィナーズファイナルまで勝ち上がってきたのは,イタリアのティッシュもん選手と韓国のqudans選手。細かい技が多く,手数で勝負していくティッシュもん選手に対し,十数年前から大きく変わらない,デビル仁のどっしりとしたスタイルで迎え撃っていくqudans選手。ティッシュもん選手が1試合を返すも,結果は3-1でqudans選手が貫禄を見せ勝利した
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ルーザーズファイナル
グランドファイナルで待つqudans選手の挑戦権を賭けて戦う,Knee選手とティッシュもん選手。Knee選手はスティーブを選択,スティーブの強みである立ち合いの強さを生かした間合い戦のうまさとディフェンスで,ティッシュもん選手にペースを握らせず終始圧倒,3-0でKnee選手が勝利
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グランドファイナル
2日間に渡る大会も遂にグランドファイナル。勝ち上がって来た選手はウィナーズ1回戦と同じ組み合わせとなる韓国のqudans選手(Winners)と同じく韓国のKnee選手(Losers)となり,TWTでは恒例となる韓国勢同士によるグランドファイナルとなった
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ここでKnee選手がウィナーズ1回戦のときのリリとは別次元の動きを見せる。的確なKnee選手の左横移動→ガード→左横移動でのディフェンスをメインとした戦術が,qudans選手のデビル仁の動きをほぼ完封。またたく間に3連勝しリセットに持ち込むと,続く試合も3連勝。1試合も取られることなく6連勝でKnee選手が優勝を果たした
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