連載
そうだ アニメ,見よう:第254回はVR空間を舞台にしたオリジナルアニメ「超かぐや姫!」。ボカロ世代に突き刺さるガール・ミーツ・ガール
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「NARUTO -ナルト- 疾風伝」や「呪術廻戦」など,数々の人気アニメのOP/ED映像を手がけてきたアニメーションクリエイター・山下清悟氏。彼が初めて監督を務める長編アニメ「超かぐや姫!」がNetflixで2026年1月末より配信され,そのクオリティの高さで視聴ランキングの「今日の映画TOP10」で1位を獲得した。海外のランキングでも複数地域で上位を獲得して世界的な反響を呼んでいる。
というわけで,「そうだ アニメ,見よう」第254回のタイトルは,オリジナルアニメ「超かぐや姫!」(Netflixで配信中)。制作はスタジオコロリドとスタジオクロマト,脚本は映画「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」の夏生さえり氏と山下氏が担当する。なお,スタジオクロマトは山下氏が代表を務める,2024年設立の新進気鋭のスタジオだ。
「超かぐや姫!」
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日々の癒やしは,インターネット上の仮想空間「ツクヨミ」の管理人兼大人気ライバー(配信者)・月見ヤチヨ(CV:早見沙織)の配信を見ること。自分の分身を作り,誰もが自由に創作活動を行う「ツクヨミ」で,彩葉はヤチヨの推し活をしつつ,バトルゲームで細々とお小遣い稼ぎをしていた。
そんなある日の帰り道,彩葉は七色に光り輝く“ゲーミング電柱”を見つける。その中から出てきたのは,なんとも可愛らしい赤ちゃんだった。
放っておけず連れ帰ると,赤ちゃんはみるみるうちに大きくなり,彩葉と同い年ぐらいの女の子に成長した。
「あなた,もしや“かぐや姫”なの?」
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大きくなったかぐや(CV:夏吉ゆうこ)はわがまま放題。かぐやのお願い(わがまま)で彩葉は,「ツクヨミ」でのライバー活動を手伝うことになる。
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彩葉がプロデューサーとして音楽を作り,かぐやがライバーとして歌うことで,2人は少しずつ打ち解けていく。かぐやを月へと連れ戻す不吉な影が,すぐそこまで迫っているとも知らずに――。
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山下清吾氏の長編初監督作品
Netflixのオリジナルアニメ「超かぐや姫!」が大ヒットしている。その人気は配信だけにとどまらず,2月20日から1週間限定での劇場公開が決定したほど。しかも,各劇場では座席予約が始まるや否や即満席となる上映回が相次ぎ,1日10回以上も上映する劇場も出てくるなど,異例の事態となっている。
これを受けて,1週間限定を撤廃して上映期間の延長&拡大が決定するという過熱ぶりだ。何がそんなにファンたちの胸に突き刺さったのか?
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監督&脚本の山下氏は,数々の名作を手がけてきた実力派のアニメーターだ。主にOP&ED映像を手掛けることが多いが,「League of Legends」(2019年)のCM映像や,ポケットモンスターのアニメ作品「薄明の翼」(第1話,第4話,第7話,特別編)と「ユメノツボミ」(2021年)では監督も務めている。
ハイセンスで情緒的な絵づくりと,3Dのカメラワークによるアクションが特徴的な人物で,今回も彩葉やかぐや,ヤチヨのライブシーンや戦闘シーンで,その実力がいかんなく発揮されている。
圧巻だったのは,そのライブシーンがほぼ手描きで表現されていること。CGでの歌唱&ダンスシーンに慣れた視聴者には新鮮な衝撃だったのではないだろうか。
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往年のボカロ楽曲をアレンジ
そのライブシーンを盛り上げているのが,数々のボーカロイド楽曲だ。“音楽アニメーションプロジェクト”でもある本作に楽曲を提供しているのは,ryo(supercell),kz(livetune),40mP,HoneyWorks,Aqu3ra,yuigotという,著名なボカロPたち。
「メルト」や「Happy Synthesizer」「ワールドイズマイン」など,往年の名曲のアレンジバージョンが聴けるのも本作の見どころのひとつだ。
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個人的には,BUMP OF CHICKENの「ray」のカバーバージョン「ray超かぐや姫!Version」にぐっときた。この楽曲を使用した,本編とつながる新作アニメMVもYouTubeで配信中だ。
なお,このMVは2月27日から劇場版の本編後にも上映されており,原曲を手掛けたBUMP OF CHICKENのベース担当・CHAMA氏もXで「映画を観た後にMVを観て,もう一度映画を観ること」を推奨している。
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近未来の「竹取物語」
そして肝心の物語はというと,誰もが知ってる「竹取物語」をベースに展開される。「いまは昔,竹取の翁といふもの有けり〜」というアレである。これに近未来のVRゲーム「ツクヨミ」やライバーなど,SFチックな要素がミックスされ,独特の世界観が生み出されているわけだ。コンタクトレンズ型デバイスというのも面白い。
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ネタバレになるので多くは語れないが,この世界観で語られるのは“ガール・ミーツ・ガール”。2時間22分という長尺での配信も,それを感じさせない目まぐるしいカオスな展開が楽しめた。ちなみに,2回目を観る人が大多数というところもポイントだ。
可愛さを前面に押し出したキャラクターや,細部まで描き込まれた背景美術,重力を感じさせる人物たちの丁寧な動きなど,取り上げるときりがないが,映像に込められた熱量やメッセージ性をひしひしと感じ取れる作品だった。
本作のヒットを機に“配信で観て,劇場でまた観る”。こんなムーブがこれから流行りそうだ。
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| 放映データ |
|---|
| 2026年1月〜Netflixほか |
| キャスト | |
|---|---|
| かぐや:夏吉ゆうこ | |
| 酒寄彩葉:永瀬アンナ | |
| 月見ヤチヨ:早見沙織 | |
| 帝アキラ:入野自由 | |
| 駒沢 雷:内田雄馬 | |
| 駒沢乃依:松岡禎丞 | |
| 綾紬芦花:青山吉能 | |
| 諌山真実:小原好美 | |
| FUSHI:釘宮理恵 | |
| 忠犬オタ公:ファイルーズあい | |
| 乙事照琴:花江夏樹 | |
| スタッフ |
|---|
| 監督:山下清悟 |
| 脚本:夏生さえり/山下清悟 |
| ツクヨミキャラクターデザイン:へちま |
| 現実キャラクターデザイン:永江彰浩 |
| ライブ演出:中山直哉 |
| 美術監督:宍戸太一 |
| 色彩設計:広瀬いづみ |
| ツクヨミコンセプトデザイン:東みずたまり/フジモトゴールド(ゴキンジョ) |
| 現実コンセプトデザイン:刈谷仁美 |
| CG監督:町田政彌(スティミュラスイメージ) |
| CG背景:草間徹也(キューンプラント) |
| 編集:木南涼太 |
| 撮影監督:千葉大輔(Folium) |
| 音楽:コーニッシュ |
| 音響監督:三好慶一郎 |
| メインテーマ「Ex-Otogibanashi」月見ヤチヨ(cv.早見沙織) |
| エンディングテーマ「ray 超かぐや姫!Version」かぐや(cv.夏吉ゆうこ)、月見ヤチヨ(cv.早見沙織) |
| 劇中歌楽曲提供:ryo (supercell)/yuigot/Aqu3ra/HoneyWorks/40mP/kz(livetune) |
| 企画・プロデュース:山本幸治 |
| 製作:コロリド・ツインエンジンパートナーズ |
| アニメーション制作:スタジオコロリド/スタジオクロマト |
| 配給:ツインエンジン |
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