ミュージック フロム ゲームワールド：Track 174 「ゼルダの伝説 コンサート2018」「アウトラン」

Illustration by しなぷう

　ちょうど1年前に開催された「Music 4Gamer #2『ワンダと巨像』ピアノ＆オーケストラコンサート」のコンサートアルバムが配信開始になったと知り，即買い！　筆者も現地で鑑賞していましたが，素晴らしすぎて，その後しばらく「ワンダと巨像」サントラを聴き続けるモードに入ってしまったほど。アルバムを聴いていると，コンサートの感動が蘇ります。本連載を読んでいる人にも，ぜひ聴いてほしいコンサートアルバムです。

　というわけで，今週の「ミュージック フロム ゲームワールド」は，「ゼルダの伝説 コンサート2018」のコンサートアルバムと「SEGA AGES アウトラン」のサントラの2枚でお送りします！

「ブレス オブ ザ ワイルド」の曲も披露された

「ゼルダの伝説 コンサート2018」

タイトル	ゼルダの伝説 コンサート2018	→Amazon.co.jpで初回数量限定生産盤を購入
発売日	2019年3月6日
価格	初回数量限定生産盤：5500円（税抜） 通常版：3000円（税抜）
発売元	日本コロムビア
コピーライト	（C）Nintendo

　今週の1枚めは，2018年12月に開催されたコンサートの模様をCD2枚組に収録した「ゼルダの伝説 コンサート2018」を紹介します。指揮は竹本泰蔵氏，演奏は東京フィルハーモニー交響楽団という豪華な布陣で開催されたコンサートの，待望のアルバム化です。

　DISC1の1曲めは「ブレス オブ ザ ワイルド」の「メインテーマ」。モチーフとなるメロディを引き連れながら，次第にゴージャスになっていく演奏が鳥肌モノ。コンサートの幕開けにふさわしい演奏で聴き手をゼルダの世界へと誘います。

　2曲めも「ブレス オブ ザ ワイルド」から「メドレー −ハイラルの大地−」。穏やかだったり寂しげだったりと，さまざまなメロディがハイラルの情景を映し出します。5曲めの「ボス戦闘曲メドレー 2018」は，冒頭からアグレッシブな演奏で襲い掛かる，コンサート前半のハイライト。一瞬にして緊迫した空気に包み込まれます。

　DISC2は，ゲームボーイ版「夢をみる島」から「夢をみる島メドレー」でスタート。懐かしいゲームボーイ音源の楽曲が豪華なオーケストラアレンジに生まれ変わり，それ自体が衝撃的かつ感動モノ。中盤で挿入されるピアノソロも美しい！
　5曲めは「ブレス オブ ザ ワイルド」から「メドレー ―決戦―」。重厚なアレンジの12分を超える大曲で，息をするのも忘れてしまうほどの焦燥感に圧倒されます。目を閉じれば強大な敵に立ち向かうリンクの姿が浮かんできそうな，コンサートのクライマックスと言える曲です。
　6曲めはコンサート本編のラストを飾った「ゼルダの伝説メインテーマ」。最後はやっぱり，この曲で決まりですよね！　素晴らしい演奏にひたりながら，気持ちよくアルバムを締めくくります。

　2016年に続いて2回めの開催＆アルバムリリースとなった「ゼルダの伝説コンサート」。今後も定期的に開催されることを期待したくなる，そんなコンサートアルバムに仕上がっています。

日本コロムビア「ゼルダの伝説」特設サイト

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Nintendo Switch版で追加された新アレンジ曲に注目！

「SEGA AGES OutRun -Music Collection-」

タイトル	SEGA AGES OutRun -Music Collection-
発売日	2019年2月23日
価格	2500円（税抜）
発売元	ウェーブマスター
コピーライト	（C）SEGA

　今週の2枚めは，Nintendo Switch用ソフト「SEGA AGES アウトラン」のリリースを記念して制作されたサントラ，「SEGA AGES OutRun -Music Collection-」を紹介します。新規に録音された歴代「アウトラン」のドライブ曲を始め，Nintendo Switch版の新曲4曲も完全収録しています。

　まずは注目の新曲から紹介していきましょう。1曲めは「Step on Beat -Arcade Edition-」。原曲はメガドライブ版「アウトラン」の楽曲で，今回はアーケード版のサウンドイメージに近づけた「Arcade Edition」と題したアレンジで収録。ハンドクラップを交えた軽快なリズムと，ザラつきと煌めきがほどよく絡み合ったFM音源サウンドが楽しめます。

　新曲2曲めは海外版セガ・マスターシステム版「OutRun 3-D」からの「Midnight Highway -PlayBack-」。まるでRPGのようなドラマチックな展開を持つ曲ですが，今回のアレンジが完成形とも言える仕上がりです。
　3曲めの新曲は，PS2版「アウトラン2 スペシャルツアーズ」からの「Radiation -Nostalgic Ver.-」。オリジナルの豪華な生演奏から，「Nostalgic Ver.」と題したFM音源サウンドへの変貌は，ゲーム音楽ファンにとって嬉しいアレンジではないでしょうか。

　そして新曲のトリを飾るのは，Jane-Evelyn Nisperos氏がアレンジした「Driver's MegaMix Vol.1」。Hiro氏が作曲した「アウトラン」楽曲のメロディモチーフを多数取り入れた豪華なメドレーになっており，往年のファン感涙のアレンジに仕上がっています。

　新曲のほかにも，歴代シリーズの楽曲を新規録音で収録。Nintendo Switchで初めて「アウトラン」に触れた人でも，シリーズが積み上げてきた歴史に音楽から触れられる構成になっています。ちなみに今回，アーケード基板にて新規録音を行ったアーケード版の音源は，Hiro氏の意向で「これまでで一番，筐体から鳴っていた感じの音質」に仕上げられているとのこと！
　これまで何度もアルバム化されてきた「アウトラン」ですが，何年経っても色あせない曲であることに，その価値があると再認識。長年のファンも新規ファンも，一緒になって楽しんでほしい1枚です！

「SEGA AGES アウトラン」公式サイト

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■■風のイオナ■■ マーベルランド産まれのフェアリーランドで育ちで現在はNEO TOKYO在住のフリーライター＆編集者。将来はモタビア星に移住して積みゲーを消化しまくるのが夢。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。地下アイドルグループ，DORCA（ドルカ）のプロデュースと，同じく地下アイドルグループ，遊星ギミックのディレクターもやっています。