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ハロー!Steam広場 第230回:油断をすると大惨事。脱線に注意しながら機関車で運搬の仕事をこなすシミュレーションゲーム「Derail Valley」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,HPゲージだけでなんのゲームかが分かる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第230回は,機関車で運搬の仕事をこなしていくシミュレーションゲーム「Derail Valley」を紹介しよう。タイトルにもあるDerailは,「脱線する」という意味。ゲームの中味も文字通りで,本作では調子に乗ってスピードを出しすぎると脱線してしまい大惨事が起きるので,運転は慎重に。高い臨場感が味わえるVRモードも用意されている。
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脱線に注意しながら機関車で運搬の仕事をこなすシミュレーションゲーム「Derail Valley」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は海外のインディーズ系デベロッパ,Altfutureが手がける「Derail Valley」を紹介しよう。
本作は,機関車の運転にスポットを当てたシミュレーションゲームだ。そのコンセプトは,過去に紹介した「Diesel Railcar Simulator」に似ているが,運転することに特化したあちらとは違い,本作は仕事をこなしてお金を稼いでいくという流れがあり,ジョブシミュレーターとして楽しめるのが特徴である。
ゲームはまず,機関車の運転台に立って,スロットルやブレーキ,ギアといった基本操作を学ぶところからスタートする。操作方法は,画面の真ん中にある照準を,レバーやスイッチに合わせてクリックするか,それぞれに対応するキーを押すといったもの。照準を動かしての操作だと,前を見ながらブレーキをかけるといったことが難しくなるので,キーの配置を覚えるといいだろう。
ちなみに本作はVRにも対応している。より直感的にプレイでき,臨場感も高いので,HTC ViveやOculs Riftを持っている人はVRモードで起動することをオススメする。
どちらで遊ぶにせよ操作そのものは簡単だが,ブレーキの感覚を掴むのだけはなかなか難しい。というのも,プレイヤーが操作する機関車は,排気管を開けたときに発生する排気抵抗を使ってブレーキをかける仕様(いわゆる排気ブレーキ)なので,狙った場所で停止させるには相当な慣れが必要になるのだ。
そのぶん,やり込めばやり込むほど,自分の手で操っているという感覚が強くなっていくので,そういった面白さは機関車ならではといったところだ。
ガイドにしたがって基本操作をひと通り覚えたら,仕事をするためにライセンスが発行され,あとはフリーローム状態となる。仕事は,各駅にあるオフィスで受けられるので,ライセンスを受け取ったらマップを開いて近場の駅を探そう。
仕事の種類はさまざまで,難しさ――というより面倒臭さによって報酬額も変わってくる。ざっくりと分けると,駅の構内で完結する仕事は安く,長距離移動が伴う仕事は高くなる傾向だ。
構内で済む仕事は手が出しやすい代わりに,「何番線にある車列を何番線に移動させる」といった地味なものばかりだが,スロットルやブレーキ,レール分岐器の操作を多用するので,早いうちから操縦に慣れることが可能だ。
長距離移動ものは,スロットルを開けすぎてオーバーヒートにならないようエンジンの温度に注意したり,何らかの原因で車輪が空転したら砂撒き装置を作動させたりと,特殊な操作が要求されることもある。
また,ゲームタイトルにある「Derail」が示すとおり,本作には脱線という概念があるので,カーブに突入する時のスピードにも気を払わなければならない。あらっぽい運転をしていると車体が損傷することもあり,その結果,報酬はもらえたけどメンテナンス費で赤字といったことも起きうるので,運転は慎重に。
仕事をたくさんこなして資金を貯めたら,より報酬の高い10両編成級の仕事をするためのライセンスを購入したり,特別な車両を購入したりできる。ゲーム内で蒸気機関車の操作マニュアルが存在することを考えると,おそらく特別な車両というのは蒸気機関車のことだろう。試しに初給料でマニュアルだけ買ってみたのだが,機関車よりも操作が複雑なのが分かる。
気の抜けない長距離運転や,油断が引き起こす大事故など,そのゲーム性は「Euro Truck Simulator」シリーズに近いものを感じるので,同作のような硬派なお仕事シムが好きな人であれば,本作もどっぷりとハマれるだろう。
アーリーアクセス作品には珍しく,デモ版も用意されているので,興味のある人はまず遊んでみてほしい。
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