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[G-Star 2018]ディライトワークスは「FGO」以外に何をしていくのか。パブリッシング事業への進出など,新たな展開について聞いた
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印刷2018/11/20 12:18

インタビュー

[G-Star 2018]ディライトワークスは「FGO」以外に何をしていくのか。パブリッシング事業への進出など,新たな展開について聞いた

 G-Star 2018のBtoBフロアにて,「Fate/Grand Order」(以下,FGO)の開発元である,ディライトワークスが出展していた。韓国ではすでにFGOはサービスされているのだが,どういった狙いでの出展となるのだろうか。その意図や,現在のディライトワークスの開発体制,FGO以外のタイトルについてなどを,同社の第4制作部を率いる浅沼拓志氏,第6制作部を率いる加藤 拓氏,そして広報室長の市川 伸氏に聞いた。

左から,浅沼拓志氏,加藤 拓氏,市川 伸
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4Gamer:
 今回,ディライトワークスさんはG-Starに初出展だと思いますが,FGOはすでに韓国でサービスされています。どういった意図での出展なのでしょうか。

加藤氏:
 出展の狙いはいくつかありまして,1つは,こうしたゲームにまつわるビジネスの場で,パブリッシングのパイプラインを増やしていきたいという理由です。

4Gamer:
 パブリッシングのパイプラインというのは,新作を韓国でサービスするための……ということですか。

加藤氏:
 それもありますが,我々もパブリッシング事業をやっていこうと考えているんです。

4Gamer:
 ゲーム開発以外にも手を広げていこうと。

加藤氏:
 はい。先日,ディライトワークスの制作部を6つに分けたことを発表しましたが,各制作部がそれぞれのパイプラインを作っていけたらと思っています。
 あとは,CG制作などをお願いできる,韓国の優秀な会社やクリエイターとつながりたいというのも,出展理由の1つです。


浅沼氏:
 ほかにも,韓国の情報を仕入れたいというのもあります。
 ディライトワークスも,日本国内だけで終わろうとは考えていませんから,今後いろいろなイベントに出ていくのは重要だと思っています。

4Gamer:
 ディライトワークスさんがパブリッシングを考えているのは,スマホ向けのタイトルですか。

市川氏:
 いえ,ありとあらゆるゲームを検討したいと思っています。我々はスマホゲームだけの会社ではありませんし,各制作部を率いるメンバーも,「家庭用ゲームから始めて20年以上開発に携わっています」という人間が集まっていますから,プラットフォームを問わずすべてが選択肢になります。

4Gamer:
 ディライトワークスさんがパブリッシングするとなると,どんなタイトルを持ってくるのか予想がつかないので,興味深いです。

浅沼氏:
 うちのやり方として,数を重視していろんなタイトルを引っ張ってきましょう,みたいな形にはならないと思います。

G-Star 2018のディライトワークスブース
画像集 No.007のサムネイル画像 / [G-Star 2018]ディライトワークスは「FGO」以外に何をしていくのか。パブリッシング事業への進出など,新たな展開について聞いた


ディライトワークスでは20以上のプロジェクトが進行中


塩川洋介氏率いる「DELiGHTWORKS SWALLOWTAIL Studios」(関連記事
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4Gamer:
 制作部の話がでましたが,今明らかになっているのは,塩川さん(塩川洋介氏)率いる第1制作部の「DELiGHTWORKS SWALLOWTAIL Studios」ですよね。

市川氏:
 それと第2制作部の「Fate/Grand Order Studio」ですね。

4Gamer:
 6つの制作部で活動されていますが,ゲームプロジェクトはいくつ動いているのでしょう?

市川氏:
 20から25ぐらいになります。先日発表させていただいたボードゲームもその1つです。

4Gamer:
 そんなにですか。ディライトワークスさんの世間的な認識は,やはり「FGOの会社」になると思います。その裏で,実はいろいろなプロジェクトが動いていたんですね。

市川氏:
 FGOがあるからこそ,ほかのプロジェクトを半端なクオリティの状態でお客様にお届けすることはできません。きちんと準備が整ったところで発表する予定です。

4Gamer:
 厳しい言い方をすると,新しいもので失敗するとどうしても「FateのIPがないと……」という評価が付いてしまいますからね。

市川氏:
 ええ。これまでは「FGOの開発会社」というイメージか,よく見ていただいている方でも「いろいろな採用イベントやボードゲームのイベントをしている会社」くらいのイメージだと思います。今後は違う面をお見せできればと思います。


ボードゲーム開発は今後も続けていく


4Gamer:
 現状,ディライトワークスさんの新たな活動として表に見えているものとして,ボードゲームが出てきました。これはどういった経緯で始まったのでしょうか。

浅沼氏:
 発表時に塩川も言っていましたが,私達はボードゲームが「ゲームの面白さを突き詰めたもの」だと考えており,これまでも社内にボードゲームカフェを作ったり,定期的にイベントを開いたりして,多くのボードゲーム界隈の方々とお会いしてきました。
 そういったことを通じていくうちに,社内で「弊社には“ただ純粋に面白いゲームを作る”という理念があるのに,ボードゲームをやらないのはどうなんだ」ということになり,開発が始まりました。

11月12日に行われた新作ボードゲーム発表会の様子(関連記事
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4Gamer:
 カナイセイジさんと一緒に作ることになったのは,何がきっかけだったのでしょうか。

浅沼氏:
 ボードゲーム企画は,新卒の社員が参加するプロジェクトの一環として立ち上がったんですが,そこにオブザーバーとして参加していただいたのが始まりです。

市川氏:
 デジタルゲームを作るとなると,分業ですし,期間も長いので,ゲームを企画して世に出して,どういった反応をお客様からいただくかといったことを経験する機会が減ってしまいます。
 その点アナログゲームは,短期間でそうした体験を得るのにうってつけなので,新卒の社員を参加させていました。

浅沼氏:
 とはいえ,変なものを作るわけにもいかないですし,オブザーバーは必要でした。このとき,たまたまカナイさんが,「FGOの会社から声が掛かるなら面白いです」と乗ってくれたんです。また,その関係性から「さらにボードゲームを本格的に作りたい」と塩川が考えるようになり,カナイさんオリジナルのボードゲームも発売することになりました。

市川氏:
 結果的に,カナイさんとJELLY JELLY CAFEの白坂さん(白坂 翔氏)の両氏に監修いただいたボードゲームができあがり,良い結果になったのではないかと思っています。

4Gamer:
 今回のボードゲームを担当しているのは,塩川さんの第1制作部になるんですか。

市川氏:
 そうです。ボードゲーム制作はこれで終わりではなく,今後も続けていきたいと思っています。


FGOファンの反応は世界中で変わらない


4Gamer:
 今回はせっかく浅沼さんと加藤さんにお話をうかがっているので,第4制作部,第6制作部の動きについても,出せる範囲で聞いてみたいです。まずは,第4制作部のほうはいかがでしょう。

浅沼氏:
 もともと私は,制作部が分かれる前に,FGOの海外展開の取り仕切りをしていたのですが,今は引き続きそれをやると同時に,新規のプロジェクトを担当しています。

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4Gamer:
 FGOファンの反応は,国によって違ったりするんですか。

浅沼氏:
 それが面白いことに,どこの国も一緒なんです。Fateという作品を知っているうえで,「このキャラクターが好き」「シナリオが好き」「奈須きのこは天才だ」「心臓が足りない」「爪が取りたい」「早く魔神柱倒させろ」という話を,みんなしているんです。

4Gamer:
 いちプレイヤーとして,共感できすぎます(笑)。

浅沼氏:
 世界で同じコンテンツを提供しているので,ユーザーが同じところで感動して,同じところでやきもきするというのは,FGOの強みだと思いますね。
 個人的にこれを一番強く感じたのが,アメリカのイベントでアニメ「Fate/Grand Order -First Order -」の英語版を流したときです。3000人ぐらいが見ていたんですけど,キャスターのクー・フーリンの上半身がぶわっと燃えるシーンで,会場中の人が立ち上がって「うおおおお!」と盛り上がっていたのが印象的でした。

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4Gamer:
 キャスニキかっこいいですからね。

浅沼氏:
 その1か月後ぐらいに,日本がサービス開始2周年を迎え,イベント「Fate/Grand Order Fes. 2017 〜2nd Anniversary〜」を行いました。
 イベントでは「Fate/Grand Order Arcade」の制作を発表したのですが,そのときに登場サーヴァントとして紹介したキャスターのクー・フーリンを見て,会場中のファンが「うおおおお!」と盛り上がっていたんですよ。国を問わず,みんなクー・フーリン大好きなんだなと。

4Gamer:
 Fateファンが刺さる部分に,国は関係ないんですねえ。
 海外のFGO熱は私も感じたことがあって,韓国でFGOがサービスされたばかりのときに,たまたま出張でこちらに来ていました。
 そのときにFateファンのプレイヤーのお話を聞く機会があったんです。その方は「日本のFGOを課金してプレイしていて,韓国版でもプレイし始めて課金もしているんだ」と話していました。私が「日本のを続ければいいんじゃないか」と聞いたら,「どうしても韓国で,リアルタイムで,1部の最後のイベントを体験したいんだ」と言うんです。あれは日本でも非常に盛り上がりましたけど,海外にも熱心なファンがいるんだなと思いました。

浅沼氏:
 海外の盛り上がりもすごいですよ。中国の上海で,1部が終わるってイベントをやったときに,フォトスポットとして冠位時間神殿のセットを作ったんです。そうしたら,来場者がセットの階段へ自らお花やお菓子をお供えしていくんですよ。

4Gamer:
 え,フォトスポットなんですよね?

浅沼氏:
 そのはずなんですけど,「どういうことだこれは!?」って(笑)。中には泣きながら写真を撮っている女の子もいました。おそらく,日本で終章が公開されたときのネット上での反応がリアルになると,こんな感じになるということなんじゃないかなと。


近いうちに新作の話が出てくる……かも?


4Gamer:
 加藤さん率いる第6制作部はいかがでしょうか。

加藤氏:
 今は出せるお話が……(笑)。主に第6制作部としては,外部のクリエイターの方々とゲームを作っていこうと思っています。あとは,日本のアニメが好きな方々に向けて,新作を作っているということだけお伝えしておきます。

4Gamer:
 第1制作部は「ときめきを,デザインする。」といった理念を発表されていましたが,第6制作部もそういったものがあるのでしょうか。

加藤氏:
 スタジオ名も含めて,そういったこともタイトル発表のタイミングでお話したいと思っています。あまり遠くないタイミングで出せるように頑張っています。

4Gamer:
 お,では新作のお話が近いうちに聞けそうですね。楽しみにしています。

市川氏:
 ええと,準備が整えば,ですね……(笑)。

加藤氏:
 曖昧ですみません。

4Gamer:
 いえいえ,無茶な振りをしているのはこちらなので(笑)。

浅沼氏:
 こうして新作のお話をしていると,「ほかのことをやらないで,FGOに集中してほしい」と思う方もいるかもしれないので,この場をお借りしてプレイヤーの皆さんにお伝えしておきたいのですが,制作部を6つに割ったのは,むしろFGOに集中するためです。

4Gamer:
 FGOの傍らで何かをやると半端になってしまうので,FGO選任のチームを決めたということですか。

加藤氏:
 そうです。第2制作部は,FGOにフォーカスして,FGOのプレイヤーに満足いただけるものを作っていく組織だとお考えください。それ以外の制作部で,パブリッシングへのチャレンジなど,新しいことをやっていきます。
 第6制作部としては,国内外を問わず優秀な開発者および会社様と仕事をさせていただけたらと考えております。弊社と一緒にやっていきたいという方がいらっしゃいましたら,ぜひご連絡いただけるとありがたいです。

4Gamer:
 今後どういったタイトルが出てくるのか,期待しています。本日はありがとうございました。

「ディライトワークス」公式サイト

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