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  • Rayark
  • 発売日:2013/11/14
  • 価格:200円(税込)
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DEEMO
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台湾発のスマホ向け音ゲー「Deemo」はどうしてこんなに面白いのか。人気の理由を,あれこれ考えてみた
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印刷2014/07/11 00:00

レビュー

物憂げな世界観とエレクトロニカに彩られた,スマホ用傑作リズムゲーム

Deemo

Text by ハメコ。

 「Deemo」iOS / Android)は,台湾のゲームメーカーRayarkが手がける,スマートフォン向けのリズムゲームだ。iOS版は2013年11月14日,Android版は同年12月28日より配信されており,ピアノをモチーフとした直感的なプレイフィールと,言葉少なに語られるストーリーが織り成す独特な世界観が好評を博し,未だに双方のアプリランキングで上位に留まる人気作である。にも関わらず,筆者は最近まで本作の存在を知らず,人に勧められて始めてみたところだ。
 というわけで,言われるがままにプレイしてみたわけだが,……これがもうとにかく面白い。それこそ,夜な夜なフルコン埋め(すべての楽曲でフルコンボを目指すこと)に励んでしまうほど,リズムゲームにどっぷり浸かっていた時代を思い出すくらいにハマッてしまった。

DEEMO

 いやしかし,面白いスマホ向けのリズムゲームはほかにもたくさん配信されているが,それらと一体何が違うのだろうか。というわけで,本稿ではDeemoの面白さや,その人気の理由らしきものについて,あれこれと考えてみたいと思う。配信開始からすでに半年ほどが経過している本作なので,何を今さらと思う人もいるだろうが,それはそれ。2014年6月3日には最新バージョン1.4.3も配信されたことだし,すでにプレイ済みという人も,そのときの記憶を思い出しつつ,読み進めていただければ幸いだ。

※本レビューは,基本的にiOS版の内容に基づいて作成しています。なお,Android版にはノートと音のズレ具合を調整できるnote Effectsという設定項目が用意されている点を除いて,iOS版との違いはありません。


「Deemo」公式サイト

iOS版「Deemo」ダウンロードページ

Android版「Deemo」ダウンロードページ



ピアノをモチーフにしたからこそ可能な,演奏感の表現


 Deemoという作品を知らない人のために,まずは簡単にゲームの概要を説明をしておこう。本作は,楽曲にあわせて画面をタッチしていくリズムゲームだ。隠し曲を含めると,全部で25曲が収録されており,それぞれEasy,Normal,Hardから難度を選択できる。また追加楽曲パックとして,“Book Collection”が#2〜#5まで4種類配信されており,それぞれ400円で5曲(#2のみ6曲)が収録されている。

ほとんどの楽曲は本国台湾のアーティストによるものだが,Book Collection#2に収録された“Metal Hypnotized”は,「ファイナルファンタジー」シリーズなどでお馴染みの植松伸夫氏率いるバンド,EARTHBOUND PAPASが手がけている。また“sairai”はメタルバンド,地獄カルテットのギタリスト,小林信一氏が手がけるなど,日本人アーティストの参加もあるようだ
DEEMO DEEMO

先日のアップデートで追加されたBook Collection #4と#5は,単体のアーティストをフィーチャーした追加楽曲パック。#4では本作の人気曲である「Nine point eight」を手がけた日本のアーティスト集団Miliが,#5では本作に多数の楽曲を提供する台湾のピアニスト兼作曲家,V.K氏がすべての楽曲を提供している
DEEMO

 音楽ジャンルは,エレクトロニカを主軸としつつも,しっとりしたピアノソロからジャズにピアノ・ロック,はたまたダブステップ要素のあるハードなものまで,楽曲ごとにさまざまなものが用意されているが,そのどれもがピアノをフィーチャーしたオリジナル曲(一部,前作にあたる「Cytus」のアレンジを含む)となっていて,プレイヤーは主に曲中のピアノフレーズを演奏していくことになる。

■操作方法とルール

DEEMO
プレイ中は,画面の奥から手前に向かってノートが流れてくる。これが画面下部の判定ライン付近に到達したら,その位置に合わせて画面をタップすれば良い
DEEMO
黄色いノートは,画面をなぞることで演奏成功(それぞれのノートをタップして取ることも可能)となる。キーボード演奏ではグリッサンドにあたる操作だ
DEEMO
ノートタップ時,正しいタイミングならば金色のエフェクトが出る“Charming Hits”が,少し外れていると緑色の“Hits”が発生。判定ラインから大きく外れていた場合はミスとなり,コンボが途切れてしまう。なお,黄色いノートをなぞって取ったときは,必ず“Charming Hits”となる。
DEEMO
中央が白くなっているノートは,ピアノ以外の音である目印(それ以外の性質は通常のノートと同じ)。なお,ノートによっては横幅が広いものがあり,演奏時には大きめの音が鳴るほか,タップ位置の判定も当然広くなっている
DEEMO
ノートのスクロール速度は,9段階から選択できる。音ゲーをあまりやったことのない人はデフォルトで,音ゲーの経験がある人は5〜6辺りの設定がオススメ
DEEMO
いくらミスしても楽曲は途中終了せず,曲中に登場するノートの65%をCharming Hitsで取れればクリアとなる。余程難しい楽曲でなければ,なんとなく弾いていてるだけでとりあえずクリアできる,という程度の難度に収まっている

Deemoのユーザーインタフェースには,スマホの小さな画面に合わせた,さまざまな工夫が見られる。物理ボタンと比べ,精密な操作が難しいことを前提に,タップ位置の判定には若干の遊びが設けられている。これはノートが降ってくる道筋である,いわゆるレーンを廃したことによって可能になった効果といえるだろう。また,タップ操作に使う親指によって,判定タイミングの基準ラインが隠れてしまうことについても,ノートが画面の奥から手前に向かってスクロールしてくる画面構成によって,譜面の全体像を把握しやすくする配慮が施されている。このため,画面中央付近を見ていれば,必ずしも基準ラインを確認しなくてもいい仕組みだ

 この説明だけでは,ちょっとクラシカルな,至って普通の音ゲーに思えてしまうかもしれないが,いざプレイしてみると,まさにピアノを弾いているかのような“演奏感”が強く得られる。しかも直感的だ。正直言って,これには相当驚いた。

 ここで言う演奏感とは,端的に言えば「実際に楽器を弾いているような感覚」のことと思ってもらえばいいのだが,操作に物理的なフィードバックがないタッチパネルでこれを表現するのはかなり難しい。それこそ物理的なボタンでも付いていれば,架空の楽器が題材だったとしても,「これはこういう楽器なのだ」と納得できそうだが,タッチパネルではそこに頼ることはできないのだ。
 また,演奏感を高めようとすれば,ボタンをはじめ操作の種類を増やす必要が出てくるために,難度が高くなりがちだ。これらは,タッチパネルを利用した昨今の音ゲーに,演奏感ではなくリズム再現の面白さを強く押し出したものが多いことの理由と言っていいだろう。

本作では基本的に,低い音は左側に,高い音は右側に配置されている。音程ごとに厳密に位置が定められているわけではなく,フレーズごとにそうしたお約束が守られているといった感じで,これはレーンという要素を撤廃したからこそ可能になった表現だろう
DEEMO
 では,Deemoはいかにしてピアノの演奏感を再現しつつ,直感的なプレイフィールを実現しているのだろうか。その理由を考えてみると,タッチすれば音が鳴る(すべてのノートがそうではないが,ピアノ音に関しては大体キー音が割り当てられている)だけでなく,レーンという要素を撤廃したうえで,ノートの配置をピアノという楽器が持つお約束――低い音は左側,高い音は右側――にできる限り近付けている,という点に思い至った。

 そもそもの話として,演奏感はただ操作に従って音が鳴るだけで得られるものではない。例えば画面をタッチするだけでギターが鳴る音ゲーがあったとしても,“ギターの楽器特性を理解している人”に,それだけでギターの演奏感を与えられるかといえば,否だろう。
 ピアノをモチーフとした音ゲーの場合でも,メロディが上昇しているのに,ノートが左側に向かって配置されていたら,少しでもピアノを弾いた人なら,なんとなく気持ち悪さを感じてしまうのが普通だろう。そこに,“それっぽさ”がないからである。


 その点,Deemoはピアノの持つ特性をうまい具合に譜面へと落とし込んでおり,そのおかげでメロディやハーモニーの視覚化にも成功している。「このノートを押したらこういう音が鳴るだろう」という期待どおりのフィードバックを,直感的な操作で得られるのだ。それが,気持ちの良い演奏感に通じているのだろう。

 音ゲーの本質的な面白さは,つまるところ操作に応じたリズム,メロディ,ハーモニーによる音楽的なフィードバックに由来するわけで,そこが良好なDeemoは,それだけでもう,音ゲーに必要な要素をすべて備えているといって過言ではないのである。

DEEMO


音ゲーに世界観は必要か?


 そのほかにも,Deemoには音ゲーには珍しく,ストーリーが用意されている。「ある日空から落ちてきた少女を元いた世界に帰すために,真っ黒な謎のキャラクターDeemoが,ピアノを聴かせるたびに伸びていく木を成長させていく」というもので,だからこそプレイヤーはピアノを弾きまくるというわけだ。

DEEMO DEEMO
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 作中では,楽曲をプレイするたびに木が成長していき,これが一定の高さに到達すると,新たな楽曲が遊べるようになったり,ストーリーが進行して新たなムービーが見られるようになったりする。解禁要素とストーリーはリンクしていて,木をある程度まで成長させれば,ストーリークリアとなり,それに従って最後の楽曲が解禁される仕組みだ。

メニュー画面では,キャラクターをタップすると会話を読めたり,タップした位置によって何らかのアクションが起こる。また,ストーリーが進行すると,左右にある部屋に移動できたり,特定の場所をタップすることで楽曲が解禁されたりといった要素も
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会話やムービーから得られる情報は,あまり多くはない。その分妄想がはかどるというか……少女かわいいよ少女
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 若干ネタバレになってしまうのだが,ストーリーをすべて進めたとしても,Deemoと少女を取り巻く謎に,これといった答えが用意されているわけではない。もちろんエンディングはちゃんとあって,メニュー画面やムービー,楽曲選択時のグラフィックスなど,さまざまな場所にヒントが散りばめられているものの,Deemoが一体何者なのか,そして少女が元いた世界にちゃんと帰れたかどうかなどについては,結局のところ謎のままである。
 でもむしろ,それでいい。そう感じされられるのが,本作の持つ世界観の魅力だろう。ムービーやグラフィックス,収録楽曲から細かなSEに至るまで,制作者の意思を感じられるかのようなデザインは,ただひたすらに愛おしく,この物憂げな世界にもっと浸っていたいと感じさせられるものだ。

DEEMO

 とは言え,そもそも音ゲーにとって,ストーリーや世界観は果たして必要なものなのだろうか。もちろんストーリーは継続的なプレイを促す動機の一つにはなるだろうし,世界観を表したイラストは,ゲームを手に取るきっかけにもなるだろう。しかしそれだけであるなら,音ゲーの本質的な面白さ――例えばこれまで説明してきた演奏感――とは,直接には何の関係もない。
 本作は音ゲーとして良くできているのだし,そもそも一度楽曲をすべて解禁してしまえば,ストーリーに触れる機会もほとんどなくなってしまう。魅力的な世界観であるだけに,なんというかもったいないというか,ある意味蛇足なんではないかとか……そんなことを考えながらフルコン埋めをしているときに,ふと思い立った。

 「この曲でもピアノフレーズを弾くことになるけど,Deemoだしね」

 音ゲーをやり込んだことがある人なら,「俺,どうしてこの曲やってんだろう……」などとプレイしながら考えてしまった経験を持ったことも,少なくないのではなかろうか。こうした“やらされている感”――プレイを強制されているような感覚は,音ゲーが音楽という個々人の好みに大きく左右されるものを主題とするがゆえに,避けられない問題でもある。
 しかし,Deemoを遊んでいるとき,筆者がそうした強制感を感じることはほとんどなかった。すべての楽曲がオリジナル曲であるにも関わらず,何の疑問もなく一気に全曲プレイしまったくらいで,それは単純に音ゲー部分が面白いとか,曲数のボリュームが丁度良いとかいった理由ではなくて,「Deemoだから,ピアノを弾くのは当たり前」ということなのではなかろうか。


 つまり,世界観がもたらす秩序が,ゲームプレイや収録楽曲の必然性を補強しているのだ。さらに言えば,本作にまつわる種々の要素――収録楽曲のチョイス,ゲームプレイ,ストーリーは,すべて計算されたうえで配置されているようにも感じる。そうして考えていくと,むしろストーリーや世界観があるからこそ,ほぼピアノフレーズだけを弾くというゲームシステムや,昨今の音ゲーには珍しいオリジナル楽曲のみというチャレンジが,広く世に受け入れられたのではないか,という気さえしてくるのだ。

 そこから見えてくるのは,本作がその隅々から作家性を感じる,近年では珍しいタイプの音ゲーだということ。だからこそ,惹かれたプレイヤーは,作品を隅々まで遊び尽くしたくなるのだと思う。

本作には,楽曲クリア時のリザルトを,FacebookやTwitterで共有できる機能があるのだが,このときに投稿される台詞はなんと楽曲ごとに異なる。さらにはそれが本作の謎を紐解くヒントにもなっているという凝りようだ


音ゲー好きにはぜひ一度遊んでもらいたい傑作


 タッチパネルを採用した音ゲーとしてさまざまなチャレンジを行いながらも,丁寧な仕事によってしっかりとまとめ上げられた傑作,Deemo。とくにクラシカルなプレイフィールや,随所に発揮された作家性などは,音ゲー黎明期の作品――「パラッパラッパー」や初代「beatmania」に通じるものがある。当時音ゲーにハマった経験がある人は,きっと何かしら響くものがあるはずだ。

 難度調整も良い塩梅なので,音ゲーを遊んだことのない人であっても,余程ピアノの音が嫌いといった人でない限り,楽しく遊べるだろう。むしろ,エレクトロニカを普段あまり聴かない人にとっては,新たな音楽の趣味が開かれるきっかけとなるかもしれない。


 そんなわけで,全方位の音ゲーマーにオススメしたいDeemoだが,実は欠点もないわけではない。例えば“Light pollution”など,一部の楽曲でノートと実際に音が鳴るタイミングがズレてしまっていて,この辺りはiOS版でも遅延調整の設定が欲しいと思ってしまった。また,一部非常に難しい楽曲はあるものの,全体的に抑えめの難度であるために,ハードコアなプレイヤーは物足りなさを感じるかもしれない。さらに言えば,音ゲーの歴史を塗り替えるような新しさがあるわけでもない。

 しかしそんなケチは,本作の端々から感じられる,「音ゲーはこうあるべきだ!」という,制作者の強烈な意志と熱量の前には,はるかに霞んでしまう。筆者としては,その一点だけでも,やたらめったら人に勧めたくなってしまった。Android版には無料体験版も用意されているので,本稿を読んで少しでも気になったという人は,ぜひ一度遊んでみてほしいものである。

 筆者もさらなるアップデートでの楽曲追加……とくにエンディングテーマ曲の“桜色の夢”辺りが遊べるようにならないかな,などと期待しつつ,ひとまずフルコン埋めの日々に戻ることにしよう。

DEEMO

「Deemo」収録曲一覧


Deemo's Collection #1
曲名ArtistEasyNormalHard
DreamRabpit148
Mirror nightV.K148
Evolution EraV.K368
Jumpy StarYukcheung Chun Jeff Li Justine Lu336
Wings of pianoV.K167
Nine point eightMili157
Light pollutionYukcheung Chun Jeff Li Justine Lu138
UndoYukcheung Chun feat. Misi Ke237
PlatinumSta266
UtopiosphereMili147
Reverse - Parallel UniverseV.K158
I hate to tell youYukcheung Chun268
Saika(Cytusより)Rabpit246
◆隠し曲
YUBIKIRI-GENMANMili147
InviteSun Chen feat. Bibi Chao257
Run Go RunKaeru Underground238
Yawning LionV.K248
PulseSta168
ElectronYukcheung Chun feat. Misi Ke168
Untitled2Fabric Factory368
Walking by the seaEdmud Fu258
Beyond The StratusIce247
SairaiShinichi Kobayashi357
Entrance(Cytusより)Ice2810
magnoliaM2U Vocal by Guriri4710
Deemo's Collection #2
曲名ArtistEasyNormalHard
Metal HypnotizedEARTHBOUND PAPAS166
Rainy MemoryRabpit125
Peach LadyYukcheung Chun Trevor Lin feat. Silvia Su259
HeyBoyJerry Barnes Katreese Barnes Rodger Green257
PilotRabpit249
vivere la vitaSta147
Deemo's Collection #3
曲名ArtistEasyNormalHard
FrictionHAMO from Mili258
I race the dawnKevin Penkin feat. Michiyo Honda127
Moon without the starsJerry Barenes Quiana126
Sanctity(Cytusより)Rabpit239
Hua Sui YueV.K247
Deemo's Collection #4
曲名ArtistEasyNormalHard
FableMili279
Past the Stargazing SeasonH△G Remixed by Mili146
EphemeralMili257
RosettaMili158
Witch's InvitationMili368
Deemo's Collection #5
曲名ArtistEasyNormalHard
Atlantis LoveV.K125
Melody Of ElvesV.K137
Paper Planes AdventureV.K146
Pure WhiteV.K4810
Xue WuV.K149

「Deemo」公式サイト

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