話題の実写版「ストリートファイター 暗殺拳」の上映イベントが開催。剛拳を演じた尚玄さんと，カプコンの杉山晃一氏，綾野智章氏のトークをレポート

　カプコンの人気対戦格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズを実写化した「ストリートファイター 暗殺拳」（原題：Street Fighter: Assassin’s Fist）」の上映イベントが本日（2014年8月2日），東京のヒューマントラストシネマ渋谷にて開催されれた。

　ストリートファイターシリーズの長年のファンであるという俳優のジョーイ・アンサー氏が，2010年製作のショートフィルム「ストリートファイター レガシー」に続いて監督と脚本を手掛け，101分の実写化作品として2013年に完成させた本作。原作のストリートファイターにできるだけ忠実であることを目指して制作されたこともあり，事前に公開されたプロモーション映像などがゲームファンの間で大きな話題となった。


　作品上映に先立ち，本作に“若き日の剛拳”役で出演している俳優の尚玄（しょうげん）さんと，カプコンより8月7日にPlayStation 3版とXbox 360版，8月8日にPC版が発売となる「ウルトラストリートファイターIV」のプロデューサーである杉山晃一氏，アシスタントプロデューサーの綾野智章氏がトークショーを開催した。本稿ではその模様をお伝えしよう。

「ウルトラストリートファイターIV」プロデューサーの杉山晃一氏（写真左）と，アシスタントプロデューサーの綾野智章氏

　杉山氏と綾野氏は事前に作品を見たとのことで，杉山氏は「殺陣の途中に“鎖骨割り”（レバー入れ中パンチ）がちゃんと入っている」と，ジョーイ監督のストリートファイターに対する愛を感じたと語った。綾野氏は「ケンがロン毛になって，リュウのハチマキが白から赤に変わるといった顛末が，ゲームの設定そのまま」と，オリジナルに忠実なストーリー展開に感心したそうである。

　本作に登場するキャラクターでツボにはまったのは誰かという質問に，杉山氏は豪鬼と回答。暗黒面に落ちたキャラクターがヒューマンドラマを展開しているのが見どころとのことで，さらに劇中の豪鬼の上目遣いがプロゲーマーのときど氏に似ているという点も笑いながら付け加えていた。
　綾野氏が推すのは轟鉄で，「カプコンの資料を見てもよく分からないキャラクターなのに（笑），ちゃんと実写化されていて，自分の中で彼のイメージが固まった」とのこと。これからのシリーズ作品に轟鉄が出るとしたら，この実写版の影響かもしれないと答えていた。

　ここからマイクは剛拳を演じた尚玄さんに向けられた。イギリスとロサンゼルスでのオーディションを経て，昨年1月に剛拳役に決定したという尚玄さんは，役に臨むにあたり，監督からまず体重の増量を求められたという。その前に出演した映画の撮影のためにかなり体重を落としていたこともあって，増量にはかなり苦労したそうで，最終的に64kgから81kgまで一気に増やしたが，それでも「現場では一番細かった」ことに驚いたそうである。

若き日の剛拳を演じた尚玄さん。実は昔からガイル使いとしてストリートファイターシリーズをプレイしていたそうだ

　そんな尚玄さんが演じる剛拳を見て，杉山氏は「剛拳は昔はイケメンだった（笑）」と話し，ほかのキャラクターより若干細身なぶん，純粋で波動に染まっていないイメージを感じたとのこと。そして綾野氏は，やはりその後の剛拳の髪の毛のことに触れ，「ああなった理由はやはり精神的なものだった」と続けたところ，ほかの登壇者に「そこネタバレですよ（笑）」と止められてしまっていた。

　尚玄さんによると，監督の演技指導はかなり細かいものだったらしく，動画サイトにアップされているゲームの映像で，剛拳とリュウの動きを研究したという。トークの最後には，その研究の成果となる決めポーズを披露してくれた。

剛拳のポーズを決めてくれた尚玄さん。大勢の来場者の前で披露したのは恥ずかしかったようで，このあとしきりに照れていた

　本作の上映会は今回限りだが，DVD「ストリートファイター 暗殺拳 コンプリートエディション」が2014年10月2日に発売予定となっている。今回見逃してしまった人は，DVDでこだわりの演出や演技をぜひチェックしてほしい。

上映会が行われたヒューマントラストシネマ渋谷シアター1の200席が満席となるほどの盛況だった

「ウルトラストリートファイターIV」公式サイト