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プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは
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印刷2012/06/30 00:00

インタビュー

プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは

画像集#031のサムネイル/プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは
 2012年2月2日の発売以来,ハイレベルなグラフィックスと高い競技性で人気を博している対戦格闘ゲーム「ソウルキャリバーV」PlayStation 3 / Xbox 360)。3月21日には大規模なバランス調整が実施され,さらにキャラクタークリエイションのためのダウンロードコンテンツが続々配信されるなど,現在も精力的な展開を続けている。

 そこで4Gamerでは,本作のプロデューサーである夛湖久治氏とディレクターの小田嶋大士氏,そしてプランナーの新田俊太郎氏という開発チーム「Project Soul」の面々に,これらの狙いなどについて話をうかがってみた。発売から約2か月という,格闘ゲームとしてはかなり早いタイミングで行われたタイトルアップデートについてや,これからの展開,また前回のミニインタビューでは聞ききれなかった本作のコンセプトなどについてまで,盛りだくさんの内容でお届けしていく。キャリバーファンはもちろん,対戦格闘ゲームファンなら見逃せない内容になっているので,ぜひご一読いただきたい。……筆者自身,本作をかなりやり込んでいることもあり,ちょっとマニアックなインタビューになってしまっているところはご愛敬ということで。

■関連記事:

「ソウルキャリバーV」公式サイト

「ソウルキャリバーV」タイトルアップデートにおけるバランス調整リスト



「ソウルキャリバーV」が目指したもの


バンダイナムコスタジオ 「Project Soul」プロデューサー夛湖久治氏
画像集#022のサムネイル/プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは
4Gamer:
 さっそくですが,まずは3月21日に配信された無償タイトルアップデートについてうかがわせてください。発売から約2か月後というタイミングで,大幅なバランス調整を含むアップデートが行われるというのは,対戦格闘ゲームとしては前例のない対応だと思うのですが。

夛湖久治氏(以下,夛湖氏):
 そうですね。このアップデートは,もともとはバランス調整ではなく,クリエイションパーツをDLCとして配信する「ケフェウス堂」の実装をメインに考えていました。

4Gamer:
 キャラクタークリエイションは,本作の大きな魅力の一つですね。

夛湖氏:
 発売2か月後というと,そろそろ皆さん飽きてくる頃じゃないですか。そこにクリエイションパーツを投入というのは,丁度良い時期だと思います。

4Gamer:
 そろそろ新しいことがしたくなるだろうタイミングということで,アップデートはもともと予定されていたわけですね。

夛湖氏:
 そう。それがまず大きな軸になっています。

4Gamer:
 ではバランス調整まで行うことになったのは予定外だった?

夛湖氏:
 本作は2011年末にマスターアップがあったのですが,そこから発売までに,2か月くらいの時間がありました。その間に,さまざまな試遊イベントなどを通して色々な意見がプレイヤーコミュニティから挙がってきたんです。それでこれは早々に直しておかないと,対戦ツールとして壁にぶち当たるだろう,と。

バンダイナムコスタジオ 「Project Soul」ディレクター 小田嶋大士氏
画像集#023のサムネイル/プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは
小田嶋大士氏(以下,小田嶋氏):
 マスターアップから発売までの間だけでも(試遊イベント等を通して)「このキャラ強いでしょ」ってのが,実は結構出て(笑)。

4Gamer:
 ああ,分かります(笑)。

小田嶋氏:
 常識的に考えれば,確かに発売後1か月ぐらいはプレイヤーの反応を見て,その意見を参考にしつつ2〜3か月後にパッチを当てる,というのが理想的かもしれません。でも3月17日のパッチは「その前から分かっていた部分を調整した」という意味合いです。
 それから4月17日に配信したパッチは,グローバルコロッセオのランダムマッチの不具合修正が主になってます。快適なネットワーク対戦は,本作で一番重要なところですから。

4Gamer:
 4月17日のパッチはネットワーク対戦の修正とのことですが,バランス調整も少し入っていますよね。

小田嶋氏:
 これは主に3月21日のパッチ後に判明した不具合の調整ですね。ただ「よっぽど」というものだけです。

4Gamer:
 なるほど。実施された調整の中でも,とくにバックステップの仕様変更(ガード不能フレームの増加)は,戦略が大きく変わる変更点だと思います。これはどういう意図だったのでしょう。

小田嶋氏:
 以前の仕様だと,上手い人がバックステップからガードしてるだけで,下手な人は崩せなくなるんです。移動の自由度と読み合い――ゲームになるかならないかを天秤にかけたとき,ゲームにならない方が困るだろう,という判断です。

強力なキャラクターへのバランス調整が行われたタイトルアップデート。暴れ潰し兼バックステップ対策として超強力だったナツの6A+Bは,パッチによって初段カウンターヒット時にスタンコンボが決まらなくなり,宿中A6(ジャスト)のダメージ低下により通常ヒット時のダメージも控えめになった
画像集#001のサムネイル/プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは
強力な技がやや弱体化する一方,使いにくかった技には強化が施されている。ヴィオラはオーブ設置中b+kA+B+Kのダメージ向上により,相手の横移動対策として活用できる6AB初段カウンターヒット時のリターンが跳ね上がった
画像集#002のサムネイル/プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは 画像集#003のサムネイル/プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは

4Gamer:
 確かにバックステップが強いと,うまい人ばかりが得をするところはあります。

小田嶋氏:
 そう。ハメコさん,前に「適当にパナしても(技を適当に出しても)勝てる」って言ってたじゃないですか。あれ実は「ソウルキャリバーV」(以下,SCV)のコンセプトの一つなんですよ。

4Gamer:
 えっ,そうなんですか。

小田嶋氏:
 「バックステップ→ガード」が安定行動だと,そのコンセプトが全否定されてしまう。だからちょっと不自由でも調整を加えたんです。でも例えばフランスのKeevというプレイヤーなんか,仕様変更後でもバックステップを多用した戦法で大会で優勝しているから,そこまで問題はないハズです。

4Gamer:
 なるほど。先ほど「対戦ツールとして」という言葉が出ましたが,本作ではそのコンセプトが大きなポイントといえそうです。発売前のプロモーションでも,トーナメントコミュニティへのアピールを積極的に行っていた印象があります。

小田嶋氏:
 先にラスベガスで行われた世界大会もそうですが,EVOLUTIONなどのトーナメントに耐えられるチューニングをしよう,というのは,SCVのひとつの大きな目標でした。それもガチガチの上級者専用にするのではなく,初心者への配慮も残した上で。さっきも言った「適当に技をぶっ放して遊べる」という事と,「トーナメントコミュニティでの試合を,見る価値のあるものにする」ことを両立させたかった。一連のパッチは,そのためのものでもあるんです。

4Gamer:
 でもその2つは,本来は相反するものなのでは?

小田嶋氏:
 ソウルキャリバーシリーズって,今まではガードを崩すのがとても難しいゲームだったんですよ。とりあえず立ちガードをしておけば安全で,それを崩す方法や横移動による安全な回避方法を知っている人だけが勝てるという。簡単に言えば「難しいゲーム」だったわけです。

4Gamer:
 確かにそういう傾向はありました。初心者と上級者の差が,ハッキリと出てしまうゲームだったと思います。でも一方で――これは自分としても不思議なんですが――世間ではどうも「簡単なゲーム」と受け取られている印象があります。

バンダイナムコスタジオ 「Project Soul」プランナー 新田俊太郎氏
画像集#024のサムネイル/プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは
新田俊太郎氏(以下,新田氏):
 そうなんです。勝つためのきっかけが分かりにくいということは,プレイヤーに考えることをものすごく強いるゲームということです。なのに「簡単」と感じる人がいるとするなら,要するに「対戦ツールとして遊んでない人」と,「対戦ツールとして“しか”遊んでいない人」の差が,ものすごく大きかったということなんです。

4Gamer:
 つまり対戦ツールとして遊んでいない層を,対戦ツールとして楽しいと感じられるところまで引き上げられていなかった,と。

小田嶋氏:
 僕としては,昔からのキャリバープレイヤーであるおおさかさんが,今もトッププレイヤーだってことにもうビックリなんです。鉄拳シリーズを見ていても,トッププレイヤーはその時代ごとに入れ替わっていくものじゃないですか。
 その理由を考えたときに,ソウルキャリバーシリーズはプレイヤーが下から這い上がって,育っていける仕組みなっていなかったと気付いた。だからSCVでは,それを目指そうと思ったんです。

※おおさかさん……「ソウルキャリバー」シリーズを通じて第一線で活躍するマキシ使い。本作でも「最強日本一決定戦 東日本予選」PS3部門で準優勝を果たしているほか,攻略本「ソウルキャリバーV パーフェクトガイド」の執筆に関わるなど,本作の普及活動を積極的に行っている。

4Gamer:
 具体的には?

新田氏:
 クリティカルエッジの追加がその一つです。強力な技なので,これを当てれば良いんだな,というのを分かりやすく提示しました。ただ常に出せると対戦が成り立たないので,合わせてゲージ制を導入しています。そういうバランスの取り方を考えたんです。

小田嶋氏:
 深く考えずに遊んでいる人でも,クリティカルエッジを出しさえすれば,ある程度は勝てるようになる。勝てると楽しくなるから,そこからもうちょっと考えるようになってくれる……かもしれない(笑)。

クリティカルゲージを1本消費するクリティカルエッジは,どのキャラクターにも強力なものが揃っている。コンボに組み込むだけでなく,「暴れ」にも役立つ(後述のコラム参照)ため,とりあえず出せれば,勝利につながるきっかけになりやすい
画像集#009のサムネイル/プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは

4Gamer:
 本作のクリティカルエッジ演出は,ほかの対戦格闘ゲームの,いわゆる「超必殺技」に近いものがありますね。

小田嶋氏:
 ほかの対戦格闘ゲームには,試合の盛り上げ方が凄いものがありますね。あの手の演出と展開は,ゲームを知らない人が見ても引き込まれる作りになっていて,凄く盛り上がる。ムーブメントを起こせるタイトルってこういうことなんだと。
 クリティカルエッジに関して,よく「演出に入ったらヒット確定でいいじゃない?」って言われるんですけど,あそこは「どうなる?」ってお互いに固唾を呑むような時間がほしい。そうじゃないと盛り上がらないですから。

4Gamer:
 自分はいわゆる格闘ゲームマニアなので,どうしてもそういう目線で見てしまうんですが,本作はそうは言いながらも,細かいところはかなりマニア向けに作ってありますよね。

小田嶋氏:
 正直,マニア心をくすぐる要素を詰め込んだという自負はあります。なにせ自分がそうですから。僕がこの会社でソウルキャリバーを作っていることの根っこは,昔ゲーセンに通っていたからこそ培われたものです。あの頃にたくさん遊んで,閉店後に深夜のファミレスで語りあったことが,今に活きているんです。その楽しさを少しでも伝えたかった。

4Gamer:
 それはよく分かりますね。投げにまつわるシステムが非常に強力だったり,強力なセットプレイがある一方で,やり込みが如実に反映されるジャストガードのシステムが用意されていたり。システムの一つ一つに「なるほど」と唸らされる部分がある。

新田氏:
 「ああ,これはこういうことね」ってピンと来ていただけるのは嬉しいですね。あと投げ抜けをしてもダメージを受けたり,ダウンしたりとか,格闘ゲームにおける予定調和をあえてぶっ壊したところもあります。

小田嶋氏:
 「初心者のレバガチャプレイでも勝てる」という枠をかっちり作った上で,その中には,マニア向けの要素をふんだんに込める。それが目指した方向性ではあるんですが……でも「気付く人は気付いてくれるだろう」では,やっぱりダメなのかもしれないなあ。

新田氏:
 「気付く」ためのプロセスを,もっと用意するのが理想だとは思いますね。「勝つ」きっかけだけでなく,「気付く」ためのきっかけを,もっと用意すべきだったのかもしれない。

小田嶋氏:
 普通に遊んでいるだけで,プレイヤーの頭の上に,豆電球がピコーンとつくような作りを目指すべきなんだよね。

4Gamer:
 いや,SCVも格闘ゲームマニア的には,まさに豆電球の連続だったんですけど(笑)。でもそういう「文脈」を読めるプレイヤーが今どれだけ育っているかというと,難しいですね。

小田嶋氏:
 そう。だから誰の豆電球でも光るように作らなきゃいけないんです。分かる人には分かるような作り方になってる現状では,それは作り手として,僕等はまだまだ未熟なのかもしれません。


■(コラム)マニア心をくすぐる,ソウルキャリバーVのゲームシステム

 人間同士が対戦する格闘ゲームにおける,バランスの良さ――長期的に楽しめる要因とは,一体何だろうか? 筆者が考えるところ,それは常に互いの「プレイヤーの選択できる行動が,“緩い均衡”を形成していること」である。これが実現されたシステム上では,完全に不正解となる行動は少なくなり,またいわゆる「詰み」の状況が起こりにくくなるのだ。

 ここでいう均衡とは,つまるところ「じゃんけん」と考えてもらって良い。これが「緩い」状態であるというのは,「すくみ」の関係が一見して分かりにくい――選択肢から導かれるリターンの期待値や,その選択肢を実行する際の難度まで考慮すると,選択肢に偏りが生まれる可能性がある,ということである。
 その分かりやすい例として,このコラムでは本作の「投げ技」にまつわる攻防を紹介してみたい。なお以下の解説は,話を分かりやすくするため,ある程度単純化した説明になっていることをお断りしておく。

66Aをガードされてしまったピュラ
画像集#034のサムネイル/プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは

 さて上の画像は,ピュラが出した66Aを,相手のパトロクロスがガードしたシーンだ。66Aはガードされると,ピュラ側は-10フレームという大幅に不利な状況となり,攻防の主導権は以後パトロクロス側に移ることになる。上級者同士の対戦セオリーにおいて,この後ピュラ側が取りうる行動は,「縦斬り読みの避け」「投げ読みのバックステップ」「打撃読みのジャストガード仕込みガード」の3種類だ。ではそれぞれの選択肢が何を意図しているのか,順に見ていこう。

●縦斬り読みの避け動作

パトロクロス側の行動 → 縦斬り:○ 横切り:× 投げ:×

相手が縦斬りを出すと思ったら,避けで回避できればリターンが大きい。パトロクロスの3Bをはじめとする中段の縦斬りは,総合ダメージの大きさゆえに,こちらのしゃがみに対するカウンターとして多用されがち。半面,横方向の判定が薄い技が多いため,不利な状況からも避けやすい(写真左)。とはいえ投げに対して無力であり,また横斬りを喰らった場合はカウンターとなるリスクもある(写真右)
画像集#035のサムネイル/プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは 画像集#036のサムネイル/プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは

●投げ読みのバックステップ

パトロクロス側の行動 → 縦斬り:× 横切り:△ 投げ:○

相手が投げてくるなら,バックステップで距離を取る。投げは一般的にリーチが短い攻撃であるため,自分が不利な状況からでも回避できる(写真左)。ただしバックステップ動作中はガードができず,縦斬りなどのリーチの長い攻撃を出されると大ダメージをもらってしまう(写真右)。彼我の技性能を熟知していてこそ有効な,中級者向けの行動だ
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●打撃読みのジャストガード仕込みガード

パトロクロス側の行動 → 縦斬り:○ 横切り:○ 投げ:×

不利な状況からジャストガードを狙う上級テクニック。入力難度は高めだが,成功すればほとんどの上・中段技に対してリスクを与えられるうえ,ほかの防御行動より被弾率が低い選択肢といえる(写真左)。ただし,相手が攻撃を出してこないと棒立ちになるため,投げには当然無力である(写真右)
画像集#039のサムネイル/プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは 画像集#040のサムネイル/プレイヤー層の拡大と融和を狙う「ソウルキャリバーV」。開発チーム「Project Soul」の面々が目指す,家庭用格闘ゲームのあるべき姿とは

 このように,3つの選択肢は相手の行動に対していずれも万能ではなく,ここに均衡――じゃんけんを形成している。そしてこれはじゃんけんであるがゆえ,どれを選んでも選択自体に正解/不正解はない。
 ただ,ここで注意しておきたいのは,本作では投げという選択肢が,かなり強力な手管として作られていることだ。初心者が選択しやすい,入力が簡単な行動をあえて強力にすることで,このじゃんけんには偏りが作られている。投げというシステムがプレイヤーの腕の差を吸収する一方で,知識や技術を身に付ければ,さらにじゃんけんに勝つ確率は上昇する。これはそんな「緩い均衡」を意図した,デザインされた偏りなのだ。

 そして本作のゲームシステムを見ていくと,そのすべてにおいて――それこそやり込みの末に辿りつく高等テクニックですら,この「緩い均衡」の上にきちんと配置されていることが分かる。このシステムの落とし込み方を,マニア心くすぐると言わずして,なんと言うべきだろうか。

このほか,筆者がとくに感心したのが,クリティカルエッジに用意された発生直前2フレームの無敵時間だ。この無敵時間が,確定状況をある程度制限したうえで,暴れには使いやすいというクリティカルエッジの性質を生み出している
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