「モンスタートレイル オンライン」のテーマ曲を手がけるピストルバルブって……？

　4月17日にオープンβテストがスタートした，オンライン育成シミュレーション「モンスタートレイル オンライン」（以下，モントレ）。そのテーマ曲として，ピストルバルブの「My Booby Monster」が選ばれたことは，先日もお伝えしたとおり。
　すでにオープンβテストに参加した人は，ログイン画面やメインメニュー画面でそのメロディを耳にしていることと思う。今回4Gamerでは，この楽曲を手がけているピストルバルブに話を聞く機会を得た。応じてくれたのは，アルトサックスとボーカルを担当するcottonさん，テナーサックスとボーカルを担当するアンドー！さん，トランペットを担当するM-chanさん，そしてテナーサックスとバリトンサックスを担当するヨーコBrooklynさんの4名だ。
　ピストルバルブのファンはもちろん，ピストルバルブって……？　という人も，ぜひ目を通してほしい。

海外でも高評価！　女性10人の“ガールズ・ホーン・ロックバンド”

　ピストルバルブは，女性10人からなる“ガールズ・ホーン・ロックバンド”である。一般的なロックバンドと大きく異なるのは，やはりその編成。サックス，トランペット，トロンボーン，ユーフォニアムといった管楽器に加え，バイオリンとターンテーブルという独特の編成でありながら，奏者が歌まで歌ってしまうとくれば，その異色っぷりも簡単に想像できることだろう。
　結成は2005年10月。路上やライブハウスでのライブ活動，フジテレビ「ザ・ベストハウス123」への出演などを通じ，着実にメジャーへの階段を上り続けている。日本国内での活動と並行して，2007年にはアメリカの音楽祭「South By Southwest 2007」への出演や，アメリカ横断ライブツアーを実施。本年（2008年）には1stアルバム「RATATATTAT!」のリリースを記念したツアーで，ヨーロッパにも進出した。

　ピストルバルブのステージは，「時間や日ごろのイヤなことを忘れて，私達の音楽を聴いているときだけはハイになってほしい。私達自身がステージ上で大暴れするので，聴いてくれる人も一緒になって暴れてくれると，とくに嬉しいです」とアンドー！さんが語るほどに激しいもの。“暴れる”。これがピストルバルブを語る上で，一つのキーワードなのかもしれない。
　ちなみに，海外での公演で印象に残ったことについてcottonさんは，「静かに聴いてくれるところ，手拍子をしてくれるところ，私達と一緒に盛り上がってくれるところなど，国というより地域単位で楽しみ方が違うんですが，どこに行ってもちゃんと受け入れてもらえたと思います」と語ってくれた。海外でのライブが好評を博したのは，ピストルバルブのパフォーマンスに，言語の壁を越えるパワーがあるということなのだろう。

書き下ろし新曲「My Booby Monster」で管楽器の魅力を伝えたい

アンドー！さん

　そんなピストルバルブが，モントレのテーマ曲「My Booby Monster」を担当している。競馬には金管楽器のファンファーレが付きものだが，競馬シミュレーションに近い要素を持つモントレだからこそ，管楽器を奏でるピストルバルブの楽曲が選ばれたのだという見方もできそうだ。

　ピストルバルブのメンバーによると，My Booby Monsterの聴き所は，

「いつもの“暴れる”感じとはちょっと違う綺麗なメロディを，ピストルバルブらしく表現しつつ，ゲームにも合うように演奏しています」（アンドー！さん）
「レースに合う疾走感を出せるように心がけました」（cottonさん）
「管楽器の魅力を出せるようなホーンアレンジになっています。これまでこういう音楽を聴いたことのない人も，モントレをきっかけに管楽器の良さを知ってほしいです」（M-chanさん）

といったあたりにあるそうだ。

cottonさん

　なお，この楽曲はログイン画面とメインメニューのBGMとして実装済みなので，モントレのクライアントをインストールすれば，今すぐに誰もが楽しめる。ピストルバルブのファンは，この書き下ろしの新曲をいち早く耳にするべく，モントレを始めるといいだろう。

　モントレは，最速のモンスターを生み出すために，地道な育成を重ねていく必要がある作品だ。このあたり，「自分でやりたい曲や出したい音を想像しながら，早いパッセージの曲だったら指練習を，音量を出したい曲だったらロングトーンを……みたいに基礎練習をしっかりやる」（cottonさん）という，ピストルバルブ（を含む楽器奏者）のマインドに通じるものがある。そう考えると，モントレのテーマ曲にピストルバルブが採用されたのも合点がいく話だ……なんてことを言ったら，さすがに少々こじつけすぎか。

オンラインゲーマーなメンバーも，モントレには納得

M-chanさん

　ピストルバルブのメンバーは，モントレをプレイ済み。これまでオンラインゲームで遊んだ経験があまりないというcottonさんは，「可愛いモンスターを生まれた瞬間から育てていけるので，愛情も湧きますし，普段ゲームで遊ばない人でも楽しめると思いました」と，モントレの間口の広さに好感を持ったようだ。

　また，ゲームといえば「テトリス」や「ぷよぷよ」ぐらいの経験しかないというM-chanさんも，「レースのときに使えるアイテムの種類も豊富で，奥の深さを感じました。でも，見た目が可愛らしいので，とっつきやすかったです」と語ってくれた。

　そして，ピストルバルブで一番のゲーマーで，「モンスターハンター フロンティア オンライン」「ファンタジーアース ゼロ」「リネージュ」「RED STONE」などをプレイしているというヨーコBrooklynさんは，「プレイヤーキャラクターを鍛えていくのではなく，トレーナーとしてモンスターの性格を見ながら育てていける感覚が新鮮でした。交配でモンスターに子供が生まれるのもいいですね」と，ほかのオンラインゲームとの差異から，モントレを評してくれた。

ヨーコBrooklynさん

　余談だが，ヨーコBrooklynさんは，「ゲームが好き」だということを，あまり公言してこなかったのだそう。というのも，「ゲームが好きって言っても，あまり分かってもらえないんですよね。細かいことを話そうとすると，どうしても専門用語が分かってもらえなかったり……」したかららしい。4Gamer読者にも，似たような経験を持っている人は，少なくないのではないか。

　さて，ピストルバルブとしては今回のモントレとのコラボレーションを通じ，「ゲームをきっかけに私達の音楽に触れてもらって，そこからピストルバルブの魅力にもはまってもらえると嬉しいです」（cottonさん）という狙いを持っているようだ。今回のテーマ曲のみならず，今後もいろいろな形の企画が検討中とのことなので，続報に期待したい。

ファンクラブも本格始動。夏に向けてライブも……？

　ピストルバルブは今後，モントレに限らずCM音楽や映画のタイアップなど，さまざま活動予定がある。また，具体的なことは現時点では不明だが，「ライブが一番お客さんとも近いし，私達の魅力だとも思うんです」（M-chanさん）とのことで，夏に向けてライブの準備も進められているようだ。

　ちなみに，ピストルバルブはオフィシャルファンクラブ「リガチャー・クルー」を発足させたばかり。リガチャーとは，サックスやクラリネットなどのマウスピースにリードを固定させるための輪だ。この名称には，「私達とファンの皆さんをつなげる」（cottonさん），「リガチャーがないと楽器は吹けないように，ファンがいないと私達も活動できない」（M-chanさん）といった意味が込められているのだという。今後，ファンクラブ会報などを通じ，ピストルバルブとファンが交流できるような企画を行っていくとのこと。

　詳しい活動予定や，ファンクラブの詳細などは，公式サイトで確認してほしい。

■ピストルバルブ公式サイト
　http://www.pistolvalve.jp/
■ピストルバルブ オフィシャルブログ「Shoot on sight！」
　http://ameblo.jp/pistolvalve
■MySpace.com - Pistol Valve
　http://www.myspace.com/pistolvalve
■「モンスタートレイル オンライン」
　http://www.monster-trail.jp/