インディーズゲームの小部屋：Room＃504「Bomber Crew」

　最近はもっぱら，ダイスを振ってお店や株を売ったり買ったりしている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第504回は，Runner Duckが開発した「Bomber Crew」を紹介する。本作は，爆撃機の乗組員を指揮して数々のミッションをこなしていくというシミュレーションゲームだ。クッキーはともかくとして，プリンちゃんがいなくなってしまったのは残念すぎる……。


　時は第二次世界大戦の真っ只中。プレイヤーは栄えある英国空軍の爆撃機乗り兼指揮官として，新兵のリクルートから機体のアップグレードまでをこなしながら，さまざまな任務に挑むことに。プレイヤーの愛機となるアブロ ランカスター風の重爆撃機は，操縦士，通信士，航空士，エンジニア，爆撃手，そして2人の機銃手の7人乗りで，刻々と変化する戦況に応じて彼らに的確な指示を与えながらミッション完遂を目指すのだ。


　ミッションの種類は，敵の基地，艦船，兵器工場の爆撃など，爆撃機ならではのものが揃っている。味方への救援物資の投下や敵施設の航空撮影も，大事な任務の一つだ。さっそく出撃したいところだが，ゲーム開始時は乗組員の数が足りないため，まずは新兵のリクルートから始める必要がある。候補者達は能力に若干の差があるので，見比べて少しでも見込みがありそうな人を採用しよう。


　乗組員を選抜したら，次は彼らの着る装備品を整えてあげよう。乗組員は任務をこなして帰還することで徐々にレベルアップし，新たなスキルを覚えていくので，生存性を高めるべく，できるだけ良い装備を与えたい。
　事前の準備はこれで終わりではなく，お次は機体のカスタマイズだ。ここでは，機体色やノーズペイントなどの外見の変更から，エンジンや装甲の強化，機銃や電気系統の性能向上まで，多岐の項目を設定できる。


　外見の変更を除いた機体のカスタマイズは，エンジンの出力が及ぶ範囲で行うことができ，エンジンを強化することで，より高性能な（＝重たい）パーツを搭載できるようになる。ゲームを進めると，乗組員の装備品や機体の新たなパーツがアンロックされ，ミッション達成によって得られるお金で購入する仕組みだ。


　すべての準備を整えたら，いざ出撃。ミッションはすべてリアルタイムで進行し，プレイヤーがやるべきことは山ほどある。敵の戦闘機が襲い掛かってきたら機銃で迎え撃ちつつ，損傷個所をエンジニアに修理させ，爆撃目標を目視で確認しつつ爆弾を投下。そうこうしているうちに機銃が弾切れになって補充に走り，負傷兵を医療用ベッドに寝かせ，うっかり目標を通り越してしまって引き返したりと，とにかく忙しい。


　爆撃機の高度は，低/中/高の3段階あり，爆撃に適しているのは低空での飛行だ。しかし，低空では敵の戦闘機や高射砲の格好の的になってしまう。かといって高度を上げると爆撃が難しくなり，高空では酸素や気温の関係で乗組員の活動が制限されるなど，問題も多い。ぐずぐずしていると，敵機にやられる前に燃料切れで墜落や不時着なんてことにもなりかねず，せっかく鍛えた乗組員や機体を失うことにもつながる。これらすべての状況を把握しつつ，いかに迅速にミッションを達成し，乗組員を生還させるかが腕の見せどころだ。


　ほのぼのとした見た目のグラフィックスだが，その実，墜落するとほぼ全員助からない（当たり前だけど）など，かなり過酷な爆撃機乗りの戦いを体験できる本作。うっかり全員を戦死させてしまったときなどは，申し訳ない気持ちでいっぱいになる。ちょこまかと動き回るキャラクターに指示を与える，マイクロマネジメント系のシミュレーションゲームが好きな人ならハマること間違いなしなので，興味を持った人はぜひどうぞ。そんな本作は，Steamにて1480円で発売中。オススメです。

■「Bomber Crew」公式サイト

http://curve-digital.com/en-gb/games/detail/33/bomber-crew/