インディーズゲームの小部屋：Room＃489「The Initial」

　夏休みの予定どころか，いつ夏休みをとれるのかも分からない筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第489回は，Restory Studioの「The Initial」を紹介する。本作は，主人公の美少女剣士が，美少女だらけのクローン体をバッサバッサと切り伏せていくというアクションゲームだ。とりあえず週末はコミケのカタログを買いに行くけど……。


　本作の舞台となるのは，特殊能力を持った学生達が通う学校がある，SPEと呼ばれるエリア。ここの学生達は戦闘能力に秀でており，そこに目を付けた悪の組織が，学生達の戦闘データを利用して，究極の力を持ったクローン体を生み出そうとしている。そうした状況のなか，主人公のルリとサポート役のエリカ，2人の少女が陰謀を阻止するために立ち上がった……。


　ということで，プレイヤーはルリを操作して学園内を移動しながら，次々と襲ってくるクローン体と戦うことに。本作はハイスピードな剣戟バトルが楽しめるアクションゲームで，ルリは鞘に銃を取り付けた，日本刀のような武器で敵と戦っていく。素早い斬撃と，隙は大きいが強力な一撃を組み合わせて繰り出す連続技と，ジャンプやダッシュ，防御や回避など，さまざまなアクションを使いこなして敵を蹴散らそう。


　戦闘中，ある程度ダメージを与えて赤いオーラのようなものが表示された敵に強力な一撃を仕掛けるとフィニッシュムーブが発動するほか，敵を攻撃すると溜まっていく青いゲージを消費して，銃による遠距離攻撃も可能。ただし，銃の威力は低く，敵の足止め程度にしかならない。青いゲージの真の使い道は，ゲージを最大まで溜めることで使用できる必殺技にあり，これによってステージ全体の敵を一度に攻撃できる。


　敵はクローン体がメインということで，チアガール風のコスチュームの女の子や，スクール水着の女の子などが大量に出現。それらに混じって，ときおりロボットも登場するが，こちらはあえて語るべきこともないだろう。主人公のルリを始めとしたキャラクターのモデリングは，ややマネキンっぽい印象もあるが，なかなかに可愛らしく，とくにルリはジャンプするたびにパンツが丸見えになるので，大変よろしい。


　また，本作は中国語圏で開発された作品のようだが，キャラクターボイスが日本語で収録されているのも特筆すべき点で，主人公であるルリ役は釘宮理恵さんが演じている。公式のゲーム紹介などでは，この点にはとくに触れられていないので，知らずにゲームを始めた筆者は，ルリの第一声を聞いて，思わずくぎゅううううとなった。ちなみに，相棒のエリカ役は上間江望さんが演じているようだ。


　ゲーム内のテキストも一応，日本語化されている，というか日本語にしようとした形跡が見られるが，簡体字が混ざっていたりと大半が意味不明な状態で，途中で力尽きたのか，一部はなぜか英語表記になっている。そのため，いっそのこと言語設定を英語にして，すべて英語で読んだほうが分かりやすいとさえ言える。言語設定を英語にしても，主人公の2人を含めて，キャラクターボイスはすべて日本人声優が演じているので，ストーリーの理解にはまったく差し支えない。

スキル取得画面の説明文。なるほど，分からん！

　全体的にやや粗さは見られるものの，アクション部分はそれなりにしっかりと作られており，次々と押し寄せてくる敵を相手に爽快なバトルを楽しめる本作。製品版はSteamにて980円で発売中なので，美少女アクションや釘宮理恵さんのボイスといったアピールポイントにピンときた人はぜひどうぞ。

■「The Initial」Steamストアページ

http://store.steampowered.com/app/665090/The_Initial/