連載
インディーズゲームの小部屋:Room#199「地底血花洞」
ということで,本作の主人公となるのは,気づくと地底世界の入り口で倒れていた少年・ネイセン(名前は変更可能)。自分がどうしてそんなところで倒れていたのかも思い出せないネイセンだったが,夢の中で神々に告げられた言葉の真意を知るべく,地下迷宮への一歩を踏み出すことになる。いきなり無茶な使命を授ける神々も神々だが,腕利きの剣士でも冒険家でもないのに素直に従ってしまうネイセンも長生きできないタイプだと思う。
そんな大方の予想どおり冒険はかなり過酷で,プレイ中,ネイセン(つまりプレイヤー)はかなり頻繁に敵に敗北を喫することになるはずだ。ゲームは斜め見下ろし型の画面構成で,ひたすら戦闘を繰り返しながら迷宮を攻略していくのだが,このシビアな戦闘バランスが本作の特徴の一つと言ってもいいだろう。中ボス的な存在である怪人達との戦いはもちろん,そこらの雑魚戦でも気を抜くことはできず,新たなモンスターと遭遇するたびに胃が痛くなる。ひどいよ,神様。やっぱり引き返しておけばよかった。
また,戦闘システムそのものも特徴的で,戦闘時には毎ターン,20個あるスキルスロットにあらかじめセットしておいたスキルの中から,7つがランダムで出現する仕組みになっている。
スキルには,物理攻撃,魔法攻撃,ガード,各種必殺技など,さまざまなものがあり,どのスキルを何個ずつセットしておくかが攻略の鍵。ゲーム開始時はネイセン一人だが,ストーリーを進めることで仲間が増えていき,最大4人のパーティを組めるようになるので,それぞれのキャラクターの役割分担などを考えながらスキルの設定を行おう。
さらに,本作には制限時間が設定されており,移動や戦闘などを行うたびに時間が進んでいく。そしてゲーム内で一定時間が経過するごとに怪人達が強くなっていき,あまり時間をかけすぎるとゲームオーバーになってしまう。
そのため,たとえ全滅してもゲームオーバーにはならず,気絶して大幅に時間が経過した状態から再開できるのだが,本作はオートセーブ方式となっているため,ロードしてやり直しという手は使いにくい。制限時間はかなり余裕を持って設定されているとのことだが,無理をして全滅するくらいなら,時には思い切って逃げるのも作戦のうちだ。
各キャラクターはレベルが上がると新たなスキルを覚え,同じスキルを使い続けると,スキルそのものの威力がアップしていく。また装備品は,ダンジョン内の宝箱(というか財宝袋?)などから入手できるほか,“呪泥”“金”という2種類の通貨を使って購入できる。前者は主に,ダンジョン内の特定スポットに封印されているアイテムを取り出す際に使用し,後者は主に地上にある街やダンジョン内の自動販売機での買い物に使用するものだ。
ちなみに本作は2部構成になっており,公式サイトでは第1部が体験版として公開されている。第1部とはいえ,それ自体でストーリーに一区切りがついており,プレイ時間も8時間ほどと結構なボリュームになっているので,興味を持った人はお試しを。そんな本作の製品版は,ダウンロード版が1050円,パッケージ版が1260円(共に税込)にて発売中だ。
■「地底血花洞」公式サイト
http://akasaitama.org/kekka/index.htm- この記事のURL:
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