連載
インディーズゲームの小部屋:Room#13「クレセントペールミスト」
魔力の弱いものは触れるだけで死に至り,扱えるものが誰もいないとされる霧状の未知の魔力“ペールミスト”。だが,ガシュカル国は圧倒的に不利な戦局を打開するためにこの禁呪に手を染め,その暴走により空間の歪みに飲み込まれてしまう。何人も立ち入ることのできない“禁忌の法域”と化したはずのガシュカルだが,その周辺では不穏な事件が発生するようになった。この地で,一体何が行われようとしているのだろうか……。
本作は,ペールミストの唯一の使い手であるユノウを操作して,禁忌の法域ガシュカルの謎を解き明かしていく横スクロールアクション。一見すると普通の2Dアクションゲームのようだが,背景は3Dで描かれており,ステージの途中で現れる分岐点で,手前もしくは奥側のマップへ移動できるのが本作の特徴だ。
マップは左右どちらの方向にも進め,赤色で表示される一方通行の分岐以外は自由に行き来できる。マップを探索しながらアイテム集めや敵との戦闘を行い,ステージの最後に待っているボスを倒せばクリアとなる,「悪魔城ドラキュラ」タイプのゲームだ。
ステージ1はほとんど練習用といった感じで非常に短いが,ステージ2以降のマップはかなり広い。しかもマップが立体的に構成されているので,現在位置を把握するのはなかなか大変だ。また,分岐の先は行き止まりになっていたり,通路の仕掛けを解除するスイッチやパワーアイテムが置いてあったりするため,何度も同じ場所を往復することになるはずだ。
ステージ中には壁を使った三角跳びや,ダガーを投げて命中させた敵と位置を入れ替える「テレポートダガー」などのテクニックを使うことでショートカットできるポイントが用意されている。アクションの腕に自信のある人は,これらのポイント見つけ出してうまく利用するといいだろう。
本作の見どころは,何といってもタイトルにもあるペールミストを利用した,爽快な特殊攻撃にある。本作では,敵を剣で直接攻撃すると,白い光の玉のようなペールミストが出現する。そして画面上にペールミストが存在している状態でスペシャルキー(=特殊攻撃キー)を押すことで,画面上のすべてのペールミストが巨大な剣に変化し,次々と敵を攻撃してくれる。大量に発生させたペールミストを一気に剣に変換して,敵を串刺しにしていく爽快感はかなりのものだ。
ペールミストは体力の回復にも利用できるほか,ストックしておいて任意のタイミングで発動するなど,さまざまな使用法がある。ペールミストの使い方は多岐にわたるので,ゲームをプレイしながら少しずつ頭に入れていこう。
ペールミストを駆使して敵を倒し,ステージ内の仕掛けを解きつつ進んでいくとイベントシーンが発生し,そのステージのボスとの戦いが始まる。ボス戦では空中浮遊が可能になり,スピード感のある空中戦が展開される。ボスの攻撃はどれも非常に激しいうえ,体力もハンパじゃなく多いので,気合いを入れて挑まねばならない。もし負けてしまっても,ボス戦の直前からリトライできる。また,リトライするたびに以前入手したパワーアップアイテムが復活しているので(つまり,もう一回取れる),めげずにリトライを続ければいつかはきっと勝てる……はずだ。
本作は全体的にかなり難度が高いゲームだが,EASY/NORMAL/HARDの3段階の難易度が用意されているので,アクションゲームがそれほど得意でない人も,EASYモードであれば十分に楽しめるだろう。また,アクションゲームが得意な人には,各ステージに配置されたさまざまな隠しアイテムや,特定の条件で出現する,HARDよりもさらに難しい上級モードが用意されているなど,やり込み要素も十分。
ClassiC思考回路の公式サイトからは,ステージ2までをプレイできる体験版がダウンロードできるので,興味を持った人はお試しあれ。製品版は,パッケージ版が1890円,ダウンロード版が1785円(共に税込み)で販売されている。体験版をプレイして気に入った人は,公式サイトで取り扱いショップを確認しておこう。
■ClassiC思考回路公式サイト
http://classic-shikoukairo.jpn.org/- この記事のURL:
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