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Access Accepted第854回:ゲーム開発者会議「GDC Festival of Gaming」が北米時間3月9日にスタート。IGF 2026のグランプリにノミネートされた6作を紹介
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印刷2026/03/09 20:12

業界動向

Access Accepted第854回:ゲーム開発者会議「GDC Festival of Gaming」が北米時間3月9日にスタート。IGF 2026のグランプリにノミネートされた6作を紹介

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 世界最古にして最大のゲーム開発者会議「GDC Festival of Gaming 2026」が,北米時間2026年3月9日に幕を開ける。もちろん4Gamerも取材に参加し,現地からの速報,セッション紹介,プレイデモなどを報じていく。当連載では,Independent Games Fest 2026のグランプリにノミネートされた6作を紹介しておきたい。


新しいイベント名称になった世界最大のゲーム開発者会議


 北米時間の3月9日から13日までの5日間,「GDC Festival of Gaming 2026」が,カリフォルニア州サンフランシスコにあるモスコーニ・コンベンションセンターで開催される。

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 1988年から続く世界最古にして最大のゲーム開発者会議で,1000人のスピーカーからなる700ものセッションが詰め込まれ,14種のトラック(テーマ)と細分化された16種の関連コミュニティが集い,ゲームデザインからプログラミング,プロダクション,ビジュアルアーツ,オーディオ,ビジネス,マーケティング,コミュニティマネジメント,AR/VR,Web3,人工知能など,広い分野にわたって講演が行われる。

 もともとの名称は「Game Developers Conference」であったが,今年から「GDC Festival of Gaming」へとリブランディングされた。

新しくリブランディグされたGDC Festival of Gamingの公式Xより
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 ゲーム業界が多様に変化しており,「新たなテクノロジーとツールによって,誰がクリエイターになれるのかという定義が変わりました。私たちのコミュニティには,より多くのつながり,認知,そしてサポートが必要です」とは,主催者のInformaの弁だ

 イベントで変わったことは,新しいパス体系が導入されており,以前は「All Access」と呼ばれていたものが「Festival Pass」という名称になり,事前購入者限定で45%オフ価格の649ドルで販売されることに。独立系のデベロッパでも参加しやすい価格帯に調整されている。

 参加者はこれまでと同じように3万人程度と予想されているが,学生やボランティアを含めるとさらに人数が増えることもあるだろう。エキスポの出展社や団体も,昨年の325社から400社に増大している。

 今年のキーノートスピーチは,元Blizzard Entertainmentのチーフ・クリエイティブオフィサーで,現在はBonfire Studiosを経営するロブ・パードゥ(Rob Pardo)氏が行い,ほかにも今年からは「Luminaries Speakers」という近隣のシアターを利用した特別セッションが開催される。ここでは,Google Deepmindのアレクサンダー・ムーファレク(Alexandre Moufarek)氏,Savvy Games GroupのCEOであるブライアン・ワード(Brian Ward)氏,Bandai Namco Studiosでチーフ・テクニカルオフィサーを担うジュリアン・メルセロン(Julien Merceron)氏ら,まさに産業の光になるような人々が登壇する予定だ。

現時点ではBlizzard Entertainmentの成長を支えたロブ・パードゥ氏の基調講演が見どころになりそうだ
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 なお,今年で26回目となるGame Developers Choice Awardにおいては,各賞のノミネート作品が発表されている(外部リンク)。生涯功労賞には今年でキャリア55年となるドン・ダグロウ(Don Daglow)氏が,アンバサダーアワードには同じく45年のキャリアを持つレベッカ・アン・ハイネマン(Rebecca Ann Heineman)氏が受賞することがアナウンスされた。

 ダグロウ氏は,1971年に史上初のベースボールゲーム「BASEBALL」を開発し,その後も商業向けコンピュータ初のRPGとなった「Dungeon」などを手掛け,グラフィックスを使ったタイプでは初のMMORPG「Neverwinter Nights」を手掛けるなど,ゲーム業界でも最古参の人物だ。「カルメン・サンディエゴ」「プリンス・オブ・ペルシャ」「SimCity」,そして初期EA SPORTSなど歴史に残る作品のエクゼクティブプロデューサーを歴任し,近年も盛んにゲーム開発者会議で登壇している。

 一方のハイネマン氏は,昨年末に逝去された。1980年に「スペースインベーダー」の初代アメリカチャンピオンとなり,Interplay Productionsの共同設立メンバーの一人として「The Bard's Tale」や,フォールアウトの“第0作”とされる「Wasteland」の開発に参加。その後は数多くのゲーム作品の移植を手掛けるかたわら,Amazonのシニア・ソフトウェア・アーキテクトや,ソニー・インタラクティブエンタテインメントでは「PlayStation Portable」及び「PlayStation 4」のカーネルコードの開発に従事した。

今年の生涯功労賞には,キャリア55年にも及ぶドン・ダクロウ氏が,そしてアンバサダー賞には女性として45年もゲームプログラミングに関わってきた故レベッカ・アン・ハイネマン氏が受賞することがアナウンスされた
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 今回も昨年に引き続いて,28年目を迎えるインディーゲームの祭典である「Independent Games Festival」(IGF)のシーマス・マクナリー大賞(Seumas McNally Grand Prize)にノミネートされている6作品を紹介したい。

 大賞候補には4Gamerで紹介したことがない作品もあり,そもそも日本語化されていないゲームも多い。ほかのイベントとは異なるユニークな作品が選ばれているといった印象だ。

 しかし,選出作品は開発者たちの投票によってピックアップされているわけで,どういったものなのかは大いに気になるはず。ぜひ映像やデモも合わせてチェックしてみてほしい。


Baby Steps

開発元: Gabe Cuzzillo, Maxi Boch, Bennett Foddy
発売元:Devolver Digital


 「Baby Steps」は,「Getting Over It」と「Ape Out」の開発者たちがタッグを組んで生み出した物理演算ペースのウォーキングシミュレータだ。プレイヤーであり主人公のネイトは,何の取り柄もなく無気力に両親の家で暮らしているニート。ある日,自分が夢の世界を歩けるという能力を見出し,片方の足,そしてもう片方の足を前に出しながら,とにかく前進を続けていくことになる。

 最大の特徴は,従来のゲームにおける“移動”という行為を,高難度のパズルやアドベンチャーに昇華させている点で,プレイヤーはネイトの両足を個別に操作し,未知なる世界へと一歩一歩踏み出していく。

 せっかくリズムに乗ったのに足を踏み外してしまうと,体重を受け止めてくれる場所まで転げ落ちていってしまう。しかし,その道のりもアドベンチャーの1つであり,オープンワールドに散りばめられたすばらしいカットシーンに出会ったときは,1つのマイルストーンを超えたような気分になる。今回のイベントでもノミネーション数が多い,ゲーム開発者に愛される作品だ。

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Angeline Era

開発元:Melos Han-Tani, Marina Kittaka, Analgesic Productions
発売元:Analgesic Productions


 「Angeline Era」は,強大な力を持った神々が存在していた世界から,多くの神々が去ってしまったという黄昏の世界を舞台にした3Dアクションアドベンチャー。プレイヤーは眠りにつく天使の母船“ソロネ”の秘密を解き明かし,未来を手にするために冒険する。

 初代PlayStation時代のようなグラフィックスが特徴的だが,ただ懐古趣味に陥っているわけではない。「Anodyne」シリーズを手掛けた開発チームの最新作として,過去作品で培われた哲学的なストーリーや,より洗練されたゲームプレイが評価されている。

 広大な世界をパルクールのように壁をよじ登るなど,テンポのいいスピードで旅していく本作。敵との戦闘も,タックルとスラッシュを使った直感的な戦闘“バンプコンバット”で行っていく。道中で入手できるスキルを組み合わせることで,バトルのバリエーションも増えていく。

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Blippo+

開発元:YACHT, Telefantasy Studios, Noble Robot
発売元:Panic


 「Blippo+」は,フルモーションビデオなどともいわれる実写映像を用いたミステリーアドベンチャーだ。プレイヤーは,銀河を超えて電波が届く技術を用いて,100人以上のキャストが演じる奇妙な番組をザッピングしていく。

 ポーランドのクリエイター集団YACHTと,ロサンゼルスを拠点にする映像制作会社のTelefantasy Studios,そしてミネソタ州のNoble Robotがそれぞれの能力を生かして開発した作品だ。

 惑星ブリップから届く番組は,地球の1980年代を思わせるようなどこかシュールな世界観で,ソープオペラ,シットコム,ニュース,天気予報,トークショー,ドキュメンタリー,音楽番組など,テレビが元気だった頃のハチャメチャ感のある番組が多数収録されている。

 プレイヤーは,単に1つの番組に集中するだけでなく,番組ガイドをチェックしたり,放送事故や番組の合間に起こる異変を目撃したり,さらにはフォーラムの情報をつなぎ合わせたりしていくことで,ブリップの現実世界で起きている巨大な謎を解き明かしていく。

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HORSES

開発元:Andrea Lucco Borlera
発売元:Santa Ragione


 SteamやEpic Games Storeから販売を拒否されたことで話題になった「HORSES」は,1920年代の無声映画や,1960年代に流行した8mmカメラで撮影された記録映画のようなビジュアルスタイルが特徴的なホラーアドベンチャーだ。

 その不気味なストーリーは,主人公の青年アンセルモが,田舎の農場に夏休みのバイト目的でやってきたところから始まる。牧場にいる馬たちは,馬のマスクを着けた全裸の人間たちであり,プレイヤーは2週間のあいだで与えられた仕事をこなしながら,この牧場の秘密を暴いていくことになる。

 キャラクターのセリフは,シーンごとに挿入される中間字幕で表示され,その背景には常に映写機がフィルムを流しているようなカタカタ音が聞こえてくる。とにかくこだわりの感じられる作風で,荒い3Dグラフィックスの合間には,ときおり不気味な実写映像も流れる。

 野菜を収穫したり馬の世話をしたりと,平凡な作業を続けていくことになるのだが,日を追うごとに作業は抽象的かつ残酷なものへと変わっていき,次第に支配と従属,そして暴力が渦巻く悪夢のような状況へと引きずり込まれていく。

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Titanium Court

開発元:AP Thomson
発売元:Fellow Traveller


 2025年の同イベントでグランプリを獲得した「Consume Me」の開発にも関わったAP Thompson氏の最新作である「Titanium Court」は,一言でまとめると,「マッチ3パズルで戦場の地形を作り変え,その結果をオートバトルで見守る,中毒性の高いカオスなストラテジー」だ。

 黒を基調とした背景に,蛍光ピンク,シアン,鮮やかな黄色などが多用された初期のアーケードライクなビジュアルスタイルが印象的で,水や岩,草なども単なる記号や形状ではなく,それぞれが細かいドット絵のアニメーションで表現されている。

 そのストーリーは,とあるパーティーに紛れ込んだだけのはずが,なぜか女王として王国を守る羽目になるという,夢の中のような奇想天外な内容だ。第四の壁を越えるようなジョーク,スポーツ解説者風のコメンテーター,野球やクリケットの唐突な言及など,カオスで過剰な演出が随所に散りばめられている。

 プレイヤーはマップ上のルートを選択し,ボス戦を目指して戦い抜き,失敗したら再び拠点からプレイするというローグライクな仕組みだ。開発が遅れたのか現時点ではデモ版だけのリリースだが,その評価もなかなかに高い。

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Perfect Tides: Station to Station

開発元:Three Bees
発売元:Three Bees


 ポイント&クリックアドベンチャーの「Perfect Tides: Station to Station」は,2022年の前作「Perfect Tides」で15歳の少女だったマーラが18歳になり,大学1年生として遠くの街で新しいスタートを切ったところからストーリーが始まる。

 時代設定は2003年。初期のMacやガラケー,芽吹き始めたばかりのインディー文化など,いわゆるミレニアル世代が体験した,「デジタル化しつつあるが,まだアナログな日常」がどこか感傷的に描かれている。

 謎解きが中心のポイント&クリック型ゲームとは異なり,本作は経験やトピック(概念)の収集に重点を置いている。

 マーラは街を探索したり,人と会話したり,本を読んだりすることでトピックをインベントリに収集していく。集めたトピックが,3Dの幾何学的なオブジェクトとして視覚的に表現されるのもユニークな試みだ。若さゆえの過ちや自意識過剰な言動,痛々しいほどの純粋さを隠さずに描いており,それがかえって多くのプレイヤーの共感を呼んでいる。

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著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
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