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第7回 4Gレビューコンテスト最終結果:大賞2作含む4作品が受賞!
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印刷2006/11/02 21:09

お知らせ

第7回 4Gレビューコンテスト最終結果:大賞2作含む4作品が受賞!

 8月4日より作品を募集していた,「第7回 4Gレビューコンテスト」最終審査結果を発表する。
 今回は大賞2作,佳作2作が選出された。受賞作は以下のとおり。

■パッケージゲーム部門
<大賞>
田場私道さん 「ガジェット トライアル」

<佳作>
たけのすけさん 「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」

■オンラインゲーム部門
<大賞>
Yatagarasuさん 「GunZ Online」

<佳作>
藤 瑞樹さん 「R2BEAT」

 今回で第7回となる4Gレビューコンテストだが,大賞が出るのはこれで2回目。それだけでも喜ばしいが,なんと今回は,2部門から1作ずつというダブル受賞となった。大賞受賞者の二人,そして佳作受賞者の二人には,心より拍手を送りたい。

 なお,第一次審査のときにも触れたが,今回は非常にレベルが高かった。それはこの4作に限らず,応募作全般にいえることだ。惜しくも受賞を逃してしまった人は,ぜひ次回(募集開始は年末を予定),再度チャレンジしてほしい。


■■選評■■

レビュワー:田場私道さん
「ガジェット トライアル」(大賞)
 →作品は「こちら」

 「ガジェット トライアル」という作品を扱うに当たり,ユニット=キャラクターという特質を主題に据えた着眼の正しさと,おおむね矛盾のない論旨展開,そして文体の持つ勢いという3点が,この作品の優れたところだ。ことに問題提起 → 論証 → 結論という構成を明確に意識して書かれている点に関して,レビューに不可欠な論述の基礎がしっかりできており,その論の筋道において,カバーしそこねた論点がほぼないことと合わせて,これが大賞に推した大きな理由だ。
 ただし,日本語表現と主張内容の両面にわたり,全体として粗さが目立つことは,今後のために指摘しておきたい。例えば同じ助詞の反復をきちんと避けていないあたりは,自分の指摘対象を明確にするという,読み手に対する基本的な配慮ができていない部分であるし,工画堂スタジオ製ストラテジーを総括的に語るに当たって「ブルーフロウ」「ブルーブラスター」の両作品が視程に入っていない点などは,プロであれば許されない粗さであることを認識してほしい。
 その意味で,最終段落の「巷で言われているような初心者向け/入門用のストラテジーではない。(中略)マニアックなゲームに少し疲れたストラテジーファンにこそ,勧められるゲーム」という記述についても,この作品を紹介するさまざまな既存記事の文脈に対する理解が,若干不足しているきらいはあるのだが,結論そのものはまさしく,書き手が独力で導いた正解である。
 些末なアラはさておき,大きなところで書き手としての針路を正しく取っていることを高く評価して,大賞を進呈する。今後のさらなる研鑽に期待したい。(Guevarista)


レビュワー:たけのすけさん
「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」(佳作
 →作品は「こちら」

 レースゲームは,ゲームシステムがシンプルでプレイヤースキルに大きく依存するため,レビューのテーマとしては,簡単そうに見えて意外に難しい。それでこれだけ書けるのだから,力量はかなりのものだとは思うが,通して読むと物足りなさが残る。なぜこのニード・フォー・スピードシリーズはこんなに息が長いのか? ほかのレースゲームに比べたときの立ち位置は? などなど,“その周辺の事情”も読みたかったところ。
 むろん,レビューは基本的に「そのゲーム」について書けばいいのだけれど,ジャンルによっては十分な下調べが必要になる場合もあり,それがレビューの内容に厚みを加えることになる。文章にスピード感があり,お遊びの文章もまじってはいるが,やや急ぎすぎで上すべりしている印象。勢いだけではなく,書いたものを第三者の視点で見直してみることもオススメしておこう。(松本隆一)


レビュワー:Yatagarasu さん
「GunZ Online」(大賞)
 →作品は「こちら」

 本レビュワーは,どうやらレビュー記事を“読み”慣れている……というのが,第一印象だ。この手のレビュー記事を十分に研究してきたか,あるいはもしかしたら,実際に仕事として書いた経験もあるのかもしれない。
 導入部では,俯瞰視点から,端的にどういうゲームかを説明している。そのゲームがどういう内容か,まったく知らない読者をも想定したレビューでは,これは当然のことなのだが,実際には細部から書き始める投稿者が多い。
 読者の頭の中に,ぼんやりとゲームのイメージが作られたところで,細部の話になる。まず,最も基本的な要素“操作方法”について,「珍しくないけれど新しい」という切り口で紹介し,続いて開発者の言葉を引用しつつ,本作の魅力に触れる。本作の魅力を説明した後には現状の問題点を指摘し,そして最後は,「どういう人にお勧めか」でまとめている。レビュー構成の,お手本のような構成だ。
 文章も及第点以上。また,元原稿には画面写真の配置の指定まであり,「どう見られるか」まで意識していたものとして高く評価した。
 ただし,読点の入れ方,キャプション(画面写真につく文章)の使い方(デザイン上,あまり長すぎると見苦しい。そもそも画面の説明であり,本文の補助ではない)など,気になる箇所もあり,掲載にあたり,残念ながら多少手を入れざるをえなかった。さらなるレベルアップのために,Yatagarasuさんはぜひ参考にしてみてほしい。(Iwahama)


レビュワー:藤 瑞樹 さん
「R2BEAT」(佳作)
 →作品は「こちら」

 作品を構成する基本要素をすべて洗い出すのは当然として,さらにレビュワーに求めたいのが,パブリッシャの宣伝文句には出てこない,作品の「真の特徴」を見抜く分析力。そして読んでいくうちに,そのゲームで遊びたくなるような文章力だ。
 このレビューは分析力という点において実に優れており,筆者の分析が読み手に正確に伝わってくる。「R2BEAT」というゲームシステムが生み出した魅力,抱える問題,さらには「音ゲーとは何か」「R2BEATが音ゲーより優れている点」にまで至っており,また説得力もある。
 ただしレビュー全体として見た場合,分析の比率があまりに大きいと,まず読み手が退屈してしまう。また,分析結果が真理から外れた「個人的な考え」で終わってしまう恐れもある。“優れたレビュー”のみならず“優れたレビュワー”を求めている我々としては,「この分析力は,この作品に限ったものか?」という疑念が,どうしても生じてしまうのも事実。
 R2BEATの大きな特徴の一つである,可愛らしいキャラクターや衣装については写真1点で済ませてしまっているし,収録されている曲の傾向などももう少し詳しく触れてほしいところ。レースゲームということであれば,どのようなコースや障害物が用意されているのかは重要な点なので,写真だけではなく文章でも触れてほしい。こういった要素は,R2BEATをまだ遊んだことがない読者に興味を持ってもらううえで必要となる。
 今回,多くの審査員がこのレビューを佳作に推した。プロ級の分析力が評価のポイントであり審査員の期待である。一方,基本要素の欠如ゆえにレビューとしては物足りないことが,大賞に届かなかった理由だ。ぜひ次回は,トータルバランスを意識したうえで,また優れた分析結果を読ませてほしい。(Kawamura)

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