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Release 275世代のGeForce Driver第1弾「275.27 Beta」詳報
NVIDIA,GeForce Driver「Release 275」を発表。SLI&AAプロファイル自動更新機能実装やテレビとの接続性向上などを実現
対応GPUシリーズは,デスクトップPC向けとなる前者がGeForce 6〜500で,ドライバと同日に発表された「GeForce GTX 560」はもちろん対応済み。ノートPC向けがGeForce 8M以降のGeForceとDirectX 10以降に対応した後者がQuadro NVSおよびQuadro FXとなっている。
いずれも当該世代のグラフィックス機能統合型チップセットがサポートされているのだが,NVIDIAにとってIONプラットフォームの重要性が下がったためか,ドライバダウンロードページから「GeForce/ION Driver」という表記が消え,GeForce Driverとして一本化されたのはなかなか興味深いところである。
なお表記に関して続けると,「Verde Notebook Driver」か「Verde Driver」かというのは,NVIDIAのWebサイト内で長らく揺れていたが,Release 270以降では後者の使用率が急激に上がってきたため,4Gamerでも今回から,Verde Driverと表記することにした次第だ。
というわけで,すぐに入手したい人は下に示したリンクからどうぞ。統合されるHD Audio DriverとPhysX System Softwareのバージョンは順に1.2.23.3,9.10.0514で,前者はアップデートが入っている。Release 270世代と同様,Windows XP用のVerde Driverは提供されていないので,この点はご注意を。
→32bit版Windows 7&Vista用GeForce Driver 275.27 Beta(137MB)
→64bit版Windows 7&Vista用GeForce Driver 275.27 Beta(172MB)
→Windows XP用GeForce Driver 275.27 Beta(120MB)
→32bit版Windows 7&Vista用Verde Driver 275.27 Beta(142MB)
→64bit版Windows 7&Vista用Verde Driver 275.27 Beta(178MB)
Release 275世代の主なトピックは17日の記事でお伝えしたとおり。ただ,リリースハイライトや英文リリースノートを見ると,3D性能の最適化周りやデスクトップの解像度設定周りを中心に,いくつか補足する必要性も感じられたため,本稿の最後にあらためてまとめてみている。
同時に,Windows XPで「Rift」をプレイしている人に向けたものや,SLI&3D Vision関連などといったバグフィックスに関しても英文リリースノートの和訳を試みているので,合わせて参照してもらえれば幸いだ。
よほどの問題がない限り,向こう数週間以内に公式最新版も登場するはずなので,基本的にはそれを待つのが吉だろう。ただ,NVIDIAはゲーマーに対して公式β版の積極的な導入を推奨しているため,アップデート内容に気になるところがあるのなら,ひとまず自己責任でチャレンジしてみるのも悪くはないように思われる。
●Release 275.27 Betaにおける3Dゲーム性能の向上(Windows 7・Vista・XP)
(パフォーマンス向上率は64bit版Windows 7環境においてRelease 270.61と比べたときのもので,対象となるGPUはGeForce 500&400シリーズとのこと。なお,アンチエイリアシングは「AA」と表記する)
・GeForce GTX 580搭載環境の例
- 「Crysis 2」で最大4%
- SLI構成時に「Sid Meier's Civilization V」で最大5%
- アンチエイリアシング有効時に「Bulletstorm」で最大13%
- PhysX設定を「High」とした「Batman: Arkham Asylum」で最大15%
・GeForce GTX 560搭載環境の例
- 「Crysis 2」で最大6%
- 「Portal 2」で最大8%
- アンチエイリアシング有効時に「Bulletstorm」で最大15%
- PhysX設定を「High」とした「Batman: Arkham Asylum」で最大14%
・対象GPU全般における例
- デュアルコアCPU搭載環境においてCPUボトルネックが発生するゲームで最大15%
●Release 275.27 Betaにおける新要素(Windows 7・Vista・XP)
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- 新しいドライバが登場すると通知してくれるNVIDIA Updateに,SLIおよびアンチエイリアシングのプロファイルの自動アップデート機能が搭載された
- 新しい「デスクトップのサイズと位置の調整」用ユーザーインタフェースを採用。画面の拡大表示やアスペクト固定などの設定がプレビューウインドウを見ながら行えるようになった
- 接続先のディスプレイインタフェースによらない,一括したデスクトップ表示設定が可能に
- HDMI出力時のオーバースキャン無効化機能を搭載
- ドライバ側で1:1ピクセルマッピングの解像度を作り出すことにより,カスタム解像度設定に対応しないゲームでも解像度変更ができるようになった
![]() 新しい「デスクトップサイズと位置の調整」メニュー。使ってみると,プレビューがけっこう便利だ |
![]() 「デスクトップサイズと位置の調整」の「サイズ」タブから実行できるオーバースキャン対策ツール |
・3D Visionの拡張
- グラフィックスドライバ側に3D Visionコントローラドライバが統合され,単体インストールが不要に
- ウインドウモードでの3D立体視に対応。「3D Vision Photo Viewer」もウインドウモードで動作するようになった
- 3D Visionエミッタとメガネの同期周りを改善
- NEC製のプロジェクタ「NP-300X」を新規にサポート
- 「Age of Empires Online」「Assassin's Creed Brotherfood」「Battlefield Play4Free」「Duke Nukem Forever」「Dungeon Siege III」「Super Street Fighter IV」「World of Tanks」向け3D Visionプロファイルの新規追加
- 「Portal 2」「The Witcher 2」向け3D Visionプロファイルのアップデート
・CUDA 4.1対応
●Release 275.27 Betaで解決した問題(32bit版Windows 7&Vista)
- グラフィックスカードの製品ボックスに付属していたドライバをインストールしたとき,WindowsのシステムトレイにNVIDIAのアイコンが表示されない問題
- 「バイオハザード5」で,輪郭の表現がおかしくなることのある問題
- GeForce 500&400シリーズ搭載環境で,3D Visionシステムを使って3dvisionlive.comの立体視写真を見ると,ブラウザを拡大縮小したりスクロールしたりするたびに写真がまたたいて見える問題
- GeForce GTX 580またはGeForce GTX 560 Ti搭載環境で「Empire: Total War」を実行すると,ゲーム画面がちらついたりハングしたりする問題
- GeForce GTX 285MのSLI構成時にSLI動作を有効化していると,1920×1080ドットを選択したのに1680×1050ドットと表示されたり,1280×720ドットを選択したのに1176×664ドットと表示されたりといった具合に,NVIDIAコントロールパネルの「Change Resolution」ページから高解像度テレビ用解像度を選択しようとしたとき,誤った解像度がハイライト表示される問題
●Release 275.27 Betaで解決した問題(64bit版Windows 7&Vista)
- 3D立体視を有効化していると,「Internet Explorer 9」を閉じるとき,同ブラウザがクラッシュする問題
- 「バイオハザード5」で,輪郭の表現がおかしくなることのある問題
- GeForce 500&400シリーズ搭載環境で,3D Visionシステムを使って3dvisionlive.comの立体視写真を見ると,ブラウザを拡大縮小したりスクロールしたりするたびに写真がまたたいて見える問題
- GeForce 500&400シリーズを3D立体視対応の高解像度テレビと接続した3DTV Play環境で,テレビ側の立体視表示を有効化しつつ「Far Cry 2」などのDirectX 9タイトルを実行すると,フルスクリーンモードにしたとき,テレビに何も表示されなくなる問題
- GeForce GTX 580搭載環境で垂直リフレッシュレート設定を120HzにしてWindowsを起動すると3D性能が低下する問題
- GeForce GTX 480搭載環境で「Battlefield: Bad Company 2」を実行すると,画面がちらつく問題
- 3D Visionでエミッタとメガネの同期が切れ,両方の目に同じ絵が見える問題
- GeForce 400シリーズを搭載して3D Vision Surroundを構成したシステムで,3画面3D立体視を有効化すると,NVIDIAコントロールパネルの「Arrange your surround displays」が表示されなくなる問題
- GeForce 400シリーズを搭載して3D Vision Surroundを構成したシステムで,DirectX 11モードの「Homefront」を実行すると,メガネの片方で画面がちらついて見える問題
- GeForce 9800 GTXの3-way SLI構成時に,「World in Conflict: Soviet Assault」「ロスト プラネット エスクトリーム コンディション」をフルスクリーンモードで実行し,その後ウインドウモードへ切り替えると,画面がちらつく問題
- GeForce GTX 295搭載環境で,同グラフィックスカード上のSLI動作を有効化すると,「Crysis」で画面がちらつく問題
●Release 275.27 Betaで解決した問題(Windows XP)
- GeForce 500&400シリーズ搭載環境で「Rift」を実行したとき,ゲーム中で挿入されるFlashムービーの再生が終わってからゲームへ戻るまでの間に,正しくない色が表示される問題(※ということだと思われる。原文は「GeForce 500/400 series: RIFT - incorrect colors appear after playing the flash video and before running the game.」)
●Verde Driver 275.27 Betaに関する注意事項
- ドライバのアップデートに先立ち,システムのバックアップ取得を推奨
- Intel製チップセットを搭載し,HybridPowerに対応したノートPCはサポート対象外
- ソニー製ノートPCは,GeForce GT 425M,GeForce GT 335およびGeForce 310M搭載のVAIO Fシリーズのみ対応(※それ以外のソニー製ノートPCで,グラフィックスドライバはソニーから提供される)
- 富士通製ノートPCは非対応(※Fujitsu Siemens製ノートPCは対応)
- Dell製ノートPC「Inspiron 1420」「XPS M1330」「XPS M1530」「Latitude D630&D630c」のユーザーには,ドライバのアップデートに先立って「Recommended Software Update」の導入を強く推奨
- 関連タイトル:
GeForce Driver
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