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レトロゲーム業界再編か? EGGがボーステックからガイアックスに
発表会ではまず,ガイアックス代表取締役社長 上田祐司氏が登壇して,「M2〜神甲演義〜」や「なつゲー」など,近年における同社のオンラインゲームとコミュニティに関する取り組みを説明するとともに,今回の発表が「2005年の第1弾の発表」に当たることを強調して挨拶を締めくくった。
なお,プロジェクトEGGは「Soft-City.com」の一コンテンツという建て付けになっており,会員登録はSoft-City.comで行う。今回の事業譲渡はこのSoft-City.comごと行われるため,会員登録情報などはそのまま受け継がれることになり,とくに再登録などの手続きは生じない。これは,BIGLOBEや@niftyへの提供コンテンツに関しても同様である。
同様にMMORPG「ストーンエイジ」も,韓国,アジア各国で幅広くサービス提供されていた実績を高く評価し,ボーステックが行っていた運営をそのまま引き継ぐ形になるとのこと。
氏は,プロジェクトEGGを次のように語る。「もともとボーステックの一部門として生まれ,ボーステックの八巻社長,MSXコミュニティの西和彦氏らの後援を受けて大きくなり,28社31ブランドのゲームを提供するまでになりました。その中には多くのファンを持つ作品も含まれていますが,もともと各人にとって思い入れのある作品,心の1本とも言える作品を復刻していくのがこの事業の目的。今後はユーザーのリクエストに応じた復刻に力を入れていきたいと思います」
今回の事業譲渡に関しては,「ガイアックスとの強いパートナーシップを築き上げ,若い世代にもプロジェクトEGGのゲームを楽しんでもらえるようにしていきたい。また,可能であればNTTコミュニケーションズとも一緒にできればよいと思っています」と,同じくガイアックスが参画する「なつゲー」に対する,一種のラブコールでコメントを締めくくった。
ところで,D4エンタープライズが展開するレトロゲームビジネスには,今回の事業譲渡対象となったプロジェクトEGG(Soft-City.com)のほかに,「アミューズメントセンター」の「PLUS」がある。鈴木氏はこれについても触れ,「もともとPLUSは"プロジェクトEGG PLUS"として,単価が1000円を超えるなど,プロジェクトEGGで扱えないタイトルを開拓するために作られた。ここで扱われるタイトルも,最終的にEGGにアーカイブしていこうというのが,もともとの構想」と語った。また「PLUSの1コーナーとして,18禁タイトルの復刻コーナー"びーなす"も,早ければ今月中にもオープンする」という話も飛び出した。
最後に佐別当氏が再度登壇し,オンラインゲーム市場に対するガイアックスの認識と,今後の事業展開について語った。氏によれば「オンラインゲーム市場はまだまだニッチで,いまのユーザーを取り合う必要はない」という。そこで,アバターサービス,メッセンジャー,ブログ(blog)といった新しい手法の展開,ガイアックス・コリアの開設,台湾インターサーブ社との協力などを進めてきたガイアックスは,今後「(オンラインゲームの)運用面でのサポート」を展開していくという。
それは「サービスの継続や拡張,サポートは,今のオンラインゲームメーカーにとって正直厳しいもの」であるためだという。「コストと採算が合わず,なかなか儲かる仕組みを作れない弱い立場にある」メーカーに対し,コミュニティサービスなどと組み合わせることで,サポートビジネスを展開していくということだ。
メーカーの立ち位置をめぐる分析はまことに当を得たものであり,今回の発表を含めた具体的な取り組みの形は,興味をそそられるところだ。
■実は1月31日にアナウンス済みの事業譲渡
D4エンタープライズの鈴木氏に確認したところ,「(ボーステックの)八巻社長にはお世話になってきましたし,今回の件もとくにもめたとか,そういったことは一切ありません」との回答。また,ガイアックスの上田氏に聞いたところでは「ある金額で事業譲渡が行われた,ということです。その金額は現時点で公表されていませんし,今後とくに発表する予定もないです」とのことだった。
さて,会場で聞けた話の中で,我々ゲーマーに直接関係ありそうな事柄をいくつか。ガイアックスは今回の発表を「2005年の第1弾の発表」と強調したわけだが,「遅くとも6月」(佐別当氏)には,新たな事業の発表ができるはずという。詳しい内容は聞けなかったが「ヘビーな作品には当面あまり関心はない」(同氏)という口ぶりからすると,Webサービスでなく何らかの具体的タイトルで,ライトゲーマー指向のもの,という推測はできそうだ。続報を楽しみに待ちたい。
また,D4エンタープライズの鈴木氏の話では,「今後プロジェクトEGGは毎週火曜日,PLUSは第二,第四金曜日に新タイトルを追加していく予定」であるという。具体的にいつからスタートするかは聞けなかったものの,ファンは今後,定期的にチェックする必要がありそうだ。
「なつゲー」に続いて,「プロジェクトEGG」にも参画したガイアックス。同社が構想するゲームサービスとコミュニティサービスのカップリングで,レトロゲームビジネスがより活性化することになるのか,今後の舵取りに期待したい。(Guevarista)
「プロジェクトEGG」
→公式サイトは「こちら」
→紹介ページは「こちら」
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