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印刷2011/11/18 16:26

業界動向

ゲーム関連企業27社の決算状況を見る。2011年上半期,各社の業績は? 

 今週になってようやくゲーム業界各社の2011年度上半期の決算が出揃った。さっそく,まとめて紹介してみたい。
 ここでは,2011年7月1日から始まる四半期を最新のものとし,四半期ごとの決算結果を遡ってグラフで示している(順不同)。グラフで右端の2本が,今年上半期の業績ということだ。数字の単位は基本的に100万円である。

 注意点をいくつか挙げておこう。数値は,各社の公開資料から編集部が独自にまとめたものである。会社によって決算の時期が違う場合もあるが,ほぼ同じ時期の数字を持ってきているので,比較することは可能だろう。
 また,コンシューマゲームメーカーの収支はタイトルの発売時期などに依存し,売上高などは非常に不安定なのが普通だ。例えば,タイトル発売が遅れると,その四半期内の売り上げは伸びないが,その分,次の四半期に上乗せされるだけなので,長い視点で見れば概ね大きな問題にならないことは分かるだろう。利益についても然りで,一時的に赤字が発生すること自体に問題はない。


任天堂

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 ヒットゲームが少なかったことや為替の影響で,例年にない低水準の売り上げとなった任天堂の2011年上半期。第1四半期から言われていたように,年末商戦に焦点を当てた展開が行われているためと思われるのだが,かなり厳しい数字となっている。とはいえ,利益を削ってまでニンテンドー3DSの価格を下げた結果,着実に販売台数は伸びており,プラットフォームとしての力をつけてきている。「Nintendo 3DS Conference 2011」では新作予定が公開されていたのだが,多くは来年以降なのがやや気になる。年末商戦では「モンスターハンター3G」や「マリオカート7」など大型タイトルの名前も見えるので,どの程度の巻き返しができるかに注目したい。


ソニー

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上はソニーグループ全社(海外含む)。下はゲーム部門のみ
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 ソニー全社で見ると,中小型テレビからの撤退などの大きな動きにより,赤字だった昨年同期と比べても減収が見られる。ゲーム部門では,ほぼ昨年並の見通しで売り上げ計画が立てられているが,PlayStation 3の値下げや為替の影響で昨年同時期と比較すると売上高は少し落ちている。最大の商戦期である年末に向けた展開では,新機種のPlayStation Vitaが投入されるので,巻き返しに期待したい。


Microsoft

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上はMicrosoft全社。下はゲーム部門のみの結果。ともに100万ドル単位なので注意
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 全社の数字はまったく堅調で面白みに欠けるのだが,利益水準が確実に上がってきているのは見て取れる。ゲーム部門は,Kinect発売以来の好調が持続しているようで,前年や前々年と比べると上積み具合がよく分かる。このままホリデーシーズンに向けてさらに勢いを増しそうな気配だ。国内ではいま一つ振るわないが,ワールドワイドでのXbox 360は絶好調といっていいだろう。


バンダイナムコホールディングス

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上はバンダイナムコグループ全社,下はゲームを含むコンテンツ事業の推移。昨年から事業区分の構成が変わったので,それ以前は色を変えている
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 例年苦戦している上半期なのだが,今年は業績見込みの上方修正を行うほど,トイホビー分野,ゲームなどのコンテンツ分野とも好調に推移している。ゲーム分野では,「テイルズ オブ エクシリア」や「AKB1/48 アイドルとグアムで恋したら…」などが好調。年末を控えた年度の前半としては,かなりよい状態といえるだろう。


セガサミーホールディングス

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上はセガサミーグループ全社,下はコンシューマゲーム事業の推移
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 震災でダメージのあったパチンコ事業やアーケードゲーム事業は持ち直している。その一方で,コンシューマゲーム関係は,海外向けにタイトルを出しているものの,かなり厳しい状況となっている。国内で発売された「RISE OF NIGHTMARES」「J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!7 EURO PLUS」「初音ミク -Project DIVA- ドリーミーシアター 2nd」などは堅調に推移したようだが,海外分で大きな赤字となっている。
 スマートフォン向けアプリでは,iOSの「-KingdomConquest-」が165万ダウンロードを超えるヒットとなっている。基本無料アプリ+課金アイテムというビジネスモデルだが,収支にはまだあまり貢献していないようだ。


カプコン

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 全体で見れば堅調な動き。コンシューマ・オンラインゲーム事業では,タイトル数の多かった前年比で見るとかなり落ち込んだものの,予算自体が堅く見積もってあったので,むしろ上振れの結果に。モバイルコンテンツ事業は,「スマーフ・ビレッジ」や「ゾンビカフェ」などが好調で営業利益ベースで201%の増加となり,コンシューマゲームでの落ち込みをカバーしている感じだ。とはいえ,モバイルコンテンツの売り上げ規模としては,まだコンシューマゲームの8分の1程度であり,今後の伸びが期待される分野といえるだろう。


コナミ

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 この四半期では,大型タイトルをほとんど出していないのだが,それなりに堅調な数字。「ドラゴンコレクション」をはじめとした,ソーシャルゲームが伸びてきている。第1四半期に,コンシューマゲームの売り上げを抜いて話題になったのだが,今四半期も,コンシューマゲームとほぼ並ぶ売り上げを記録している。


コーエーテクモホールディングス

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 安定していた前年を上回るような堅調な流れ。「Champion Jockey」や「真・三國無双6 猛将伝」などをはじめ新作が好調だったことと,旧作のリセールが好調で利益を伸ばしている。オンライン・モバイル事業も伸びており,売上高はゲームソフト事業の3分の1程度なものの,今四半期ではゲームソフトの営業利益を上回る高い収益性を見せている。


スクウェア・エニックス・ホールディングス

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 過去最高益だった2009年から一転して大きな赤字を記録した2010年と比較しても,今年度の売り上げ自体は高くない。近年では最低水準になっていることがグラフからも分かる。しかし,「DeusEx」が200万本を突破し,ソーシャルやスマホ向けゲームが堅調に利益を上げている。今年は建て直しで我慢の年となるが,上半期の結果は予想以上といっていいのではないだろうか。


日本ファルコム

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 大方の予想通りの展開だろうが,「英雄伝説 碧の軌跡」発売で,タイトル発売期に偏重した売り上げがいっそう顕著なグラフとなった。新作を出すごとに伸びを増していくグラフが素晴らしい。来期は軌跡シリーズの展開以外に新作の投入も予定されている。また,同社のIP資産をソーシャルゲームなどに投入することで高収益性を確保することも考えているとのことで,今後はもう少しなだらかなグラフになっていくのかもしれない。


マーベラスAQL

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 マーベラスエンターテイメントとAQインタラクティブ,ライブウェアが合体してできた会社がマーベラスAQLだ。このグラフでは,マーベラスエンターテイメントとAQインタラクティブの過去の決算を合算したものを参考データとして表示してある。非公開だったライブウェア分は入っていないのだが,マーベラスAQLの決算短信も同じ数字を使っているようなので比較対象としても問題ないだろう。前年同期に大型タイトルがあったため,前年比ではマイナスとなっているが,直近の動きとして見ると安定していることが分かる。


ユークス

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 最後に発売されたソフトが2011年2月で,2011年の会計年度外ということもあり,今年上半期の売上高は低迷している。新作が出ればまた大きく盛り返していくのだろう。小規模なパッケージゲーム制作会社ではお馴染みの動きなのだが,最近ではソーシャルゲームの開発も始めており,Mobageなどで展開していく予定だという。変動の激しい収支も,いずれ安定してくるのかもしれない。


日本一ソフトウェア

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 タイトル発表状況から考えると,今四半期の伸びに驚いてしまうようなグラフだが,これは「魔界戦記ディスガイア4」の北米版が好調だったことによるところが大きいようだ。ディスガイア4はDLC販売も好調とのこと。全体にタイトル依存の業態がうかがえるグラフの動きだが,収益の多角化は図られているようだ。


トーセ

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 受託開発の大手。ここが元気だと業界の将来も明るい? グラフを見ても売り上げは伸びており,決算短針によると3DSやPS Vitaなど新規ハードでの受注が増えているという。また,Androidなどスマートフォン用ゲームの受注は増大し,フィーチャフォンの市場は縮小気味ではあるものの,現状ではバランスよく受注しているとのこと。フィーチャフォン市場もしばらくは安定していそうだ。


ケイブ

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 今四半期は発売タイトルがなかったため,コンシューマー事業が赤字でライツ事業も微量の赤字となったものの,ソーシャルゲームなどのインタラクティブ事業が安定して収益を上げている。決算説明会資料からは,利益がかなり削りこまれているのは,積極的に研究開発費に回しているためと推察される。


ゲームオン

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 最近はNeoWizによる買収が話題になっているゲームオンだが,上半期の結果を見ると売り上げ,利益ともに好調である。「A.V.A.」や「C9」の好調が利いているとのこと。もともと堅調だった「RED STONE」などのMMORPGに加えて,これらのタイトルが加わることでジャンル的にも厚みを増している。仮にNeoWizに買収された場合には,上場廃止の線が濃厚となっている。


ガンホー・オンライン・エンターテイメント

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 全体としては,昨年から引き続き非常に堅調な動き。主力となっているのは,もちろん「ラグナロクオンライン」などのPCオンライン事業である。最近は,携帯電話のほかコンシューマゲームにも参入してはいるものの,今四半期のモバイルコンシューマ事業は赤字となっている。経営の多角化が焦点となってくるのだが,新たに買収したアクワイアによって,このあたりがどう変わってくるかには注目しておきたい。


アエリア

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 このところ子会社やタイトルの整理など,大きめの動きが目立つアエリア。アメリカを中心に海外でのオンラインゲーム運営が順調であり,国内も堅調に推移しているが,タイトル整理などでの減損や円高などの影響もあり,上半期は赤字となってしまっている。子会社であるアクワイアを手放すことで,オンラインゲームへの集中化を狙っているが,これは第3四半期での動きになるので,まだしばらく大きな変動が続きそうだ。少し落ち着いてからの展開に期待したい。


フェイス

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 子会社であるウェブマネーを手放し,グラフの様相が一変したフェイス。電子マネー事業は非常に好調だったのだが,今後はコンテンツ配信系のみの会社としてやっていくという意思表示のようだ。現在の主力である着メロ配信はこのところ売り上げが下り坂なので,次世代コンテンツ配信システムの完成が待たれる。


ソネットエンタテインメント

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 ゲームポットなどを擁するソネットの決算だが,売り上げに大きな動きはなく,まったく安定している。今四半期の利益が減っているのは,新規会員獲得のためのプロモーション費用とのこと。ゲーム関連のメディア・エンタテインメント事業を見ると,前年同期と比べて売り上げで18.2%,営業利益で62.2%の伸びとなっている。この部門で大きな位置を占める医療情報サイト経営のエムスリー単体の営業利益は30%の伸びに留まっていることから,ゲーム系で利益が大きく伸びたと推測される。


ベクター

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 第1四半期の伸びを維持できなかった感じの売り上げ状況ではあるが,利益の減り方が目立つところ。これは,支払ロイヤリティと減価償却費の大幅増によるものとされている。会社全体の収益構造は,オンラインゲームが72%を占めるまでになっている。今後の方針としては,ビッグタイトルの獲得とモバイルでの展開の強化が挙げられている。


サイバーステップ

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 円高の影響もあってか,前年同期と比べて海外からのロイヤリティ収入は微減,国内での売り上げは大幅増ながら,利益面では小幅の黒字に留まっている。キャッシュフローはプラスであり,昨年のほどの状況ではないものの,まだ経営が安定した状況とはいえないとしている。


ガーラ

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 売上高にさほど変動はないものの,「IL:Soulbringer」の収益が伸びず,サービスを中断したことにより,大きな減損が発生している。海外展開では,米国,欧州は堅調。ILをサービスしていた韓国では,日本同様に特別損失を計上した。ILの建て直しに期待したい。


インデックス

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 事業再編はまだ継続中という感じのインデックスだが,ゲーム事業や映像事業は黒字展開,モバイルデバイス事業で若干の赤字という業績で,今四半期はロッソインデックスの株式譲渡などでの収入もあったはずなのだが,グラフの利益部分は大きく凹んでいる。見ると,子会社の清算損益と貸倒引当金の大きなものが計上されている。安定するには,まだしばらくの時間がかかるのかもしれない。


サイバーエージェント

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 Ameba事業が大きく伸び,全体的な利益を底上げしているサイバーエージェント。投資育成事業以外はいずれも黒字で利益幅を伸ばしている。とはいえ,ゲームを含むメディア関連事業は営業利益ベースで8.1%と小幅の伸びに留まっている。傘下のジークレストでは,最近あまり大きな動きは見られないのだが,セルフィの中国進出がどう転ぶかなどに注目したい。


ディー・エヌ・エー

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 プロ野球参入などで話題の多かったディー・エヌ・エー。モバコインの消費自体は,前年同期比で5.5倍と凄まじい勢いなのだが,グラフで見る限り,快進撃が続いていた売り上げや利益の伸びは踊り場を迎えた感じではある。伸びが鈍った要因としては,予定していた大型IPを使ったタイトルの遅れと,現在人気ジャンルとなっているカードバトルゲームへの対応遅れが挙げられている。逆に言えば,それらの仕上がり次第ではさらなる伸びもありうるかもしれない。


グリー

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 伸び盛りといった感じのグラフが続くグリー。この勢いを持続していけば,ディー・エヌ・エーを抜くのも時間の問題といったところか。カードバトルのヒットが売り上げを支えているようだ。事業内容ではGREE Platformの展開とソーシャルゲーム開発ということで,大きな動きはない。方向性もスマートフォンへの展開,海外進出と,基本的な動き方は変わっていない。ただ,ディー・エヌ・エー,グリーとも,地域セグメントでの収支は公開しておらず,海外での展開はいまだ不透明だ。


ミクシィ

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 本年度よりグラフが縮んで見えるのは,手数料や販促費などを売り上げから控除する方式に変更されているため。どれだけ販促費使っているんだという感じではあるが,前年との比較には適さない。利益面では,広告収入などが減ったものの,課金売り上げを大きく伸ばしている。ゲームの占める割合などは不明だ。


 ニンテンドー3DSを皮切りにプラットフォームの切り替え時期を迎えようとしている。プラットフォームビジネスは長期的に回収するビジネスモデルではあるものの,とくに初動をしくじった3DSの巻き返しには注目が集まるだろう。新機種が高性能化するのはよいのだが,それに伴うタイトル開発期間の長期化を発売時期とどうすり合わせるかが,これまで以上に課題となりそうだ。
 コンシューマゲーム業界は,全体的に,市場の冷え込みに苦しめられている感はあるものの,ソーシャルゲームなどへの多角化が功を奏するケースが増えている。売り上げ自体はさほど多くなくても,利益率が高いので収支の安定化に役立っているようだ。既存IPを使った相互展開なども可能なため,今後もこの傾向は続いていきそうな気配である。
 同様に,DLCでの展開で収入を得ているケースもあり,単純に売り上げ本数と収支が比例するものではなくなってきている。今後,ゲーム自体のダウンロード販売の普及なども予想され,ゲームのビジネスモデル自体が変わっていくだろう。
 オンラインゲームメーカーは基本的に安定した動きになっているものの,不採算タイトルの整理などがあると大きく数字が動くことはある。最近は新規タイトルが減ってきており,守りの態勢になってきているように感じられる。
 ソーシャルゲームはまだまだ伸びを続けている。先行したディー・エヌ・エーに対して,「ドリランド」の大ヒットを追い風にしたグリーの躍進が目覚しい。とはいえ,主戦場は現在のフィーチャフォンからスマートフォンに移行することが予想されている。高性能なスマートフォンでは,コンシューマゲームでのノウハウなども有効になるので,ビジネスチャンスを窺っているのはプラットフォームを握る2社だけではない。各社が,どのような戦略をとってくるのかに注目したい。
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