企画記事
4Gamerの1年間を振り返る「Annual 4Gamer 2015」。約2万9000本にのぼる記事のなかで最も読まれたのは,人気アプリがストアから消えたあの記事
あれは11月の終わりごろでしょうか。いつものようにデスクで鼻くそをほじっていたら,編集長がライトセーバーのおもちゃを振りながら筆者に詰めよってきたんです。「オレは誰だ?」と。
すぐに119番すればよかったのですが,一人のスタッフが「おお! あなた様はタトゥイーン的世界設定で言うならまさしくジャバ・ザ・ハット様!」とうっかり正直に口走ってしまい編集長がご機嫌斜め。そして今年も筆者がこの記事を書くことになりました。な,なぜ私が……。
そんなわけで読者のみなさま,2015年も1年間,お疲れ様でした! おつおつ! ゲームっぽくいうとggs! いやあ,あっちゅうまでしたね2015年も。体感では4秒ぐらいでしょうか。「おまえは亜高速で生活しとったんかいぃぃ!」とつっこんでくれた人,ありがとうございます。来年もぜひその調子でお願いします。
えーとなんでしたっけ。そうそう,4Gamerの一年を振り返るという,一年の終わりにだけ許された企画「Annual 4Gamer」のお時間が今年もやってまいりました。2015年1月5日〜12月25日に掲載された記事は,なんと2万8899本。感動の前年比約3000本アップとなっており,涙が本当に止まりません。
「全部暗記している」という人はその能力と時間を人類繁栄のために使ってくださいとたしなめておくとして,そうでない人は本記事でゲームのあれこれを振り返り,2016年のゲームライフの下地作りに役立ててください。きっと立つよ。
なお,登場する記事ランキングの集計対象に,12月26日と28日,29日は含まれていません。当該日時の記事はトップページから読めますので。ええ。
では,先も長いですし(長いのです)ちゃっちゃといきますよ!
【ランキングの見かた】
以下,本稿は,4Gamer.netが独自に計測しているページビュー(PV)数と,それを基に集計したランキングによって構成されております。PVを「週間記事アクセスランキング」のページと同じ「★」(単位:ホシー)で表してみたので,記事の戦闘力だと思って参考にしてください。
なお★の数が膨大で入りきらないので,「★×000」という形で表記しております。
※以下,本文中のPlayStationはPS,ニンテンドー3DSは3DS,スマートフォンはスマホと略記します
年間ランキング
【第1位】 ★×420
【山本一郎】モンスターストライクがApp StoreからBANされた件につきまして 【第4位】 ★×189
PS4/3DS「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」のスクリーンショットが公開 【第10位】 ★×148
Windows 10で既存のPCゲームは動くのか。手元の100タイトルをざっと確かめてみた 【第14位】 ★×140
アニメ版「モンスト」,第3話のあらすじや「解放の呪文」のヒントを公開
記事ランキングに見る2015年の動向
ざっと眺めて,ほっとしたことが2つあります。
1つは,東京ゲームショウのコンパニオン写真集が第3位に甘んじたこと。「また1位だったらどうしよう」とガタガタ震えて年末を迎え,1位だったら殿堂入りにして別枠で……というところまで追い詰められていたのですが,そんなことはしなくていいようで安心しました。
ちなみにZIPファイルは本稿執筆時点でも健在。この年末に殺到すればサーバー管理者のポケベルをピーピー鳴らして困らせることができるかもしれません。なにとぞお手柔らかにどうぞ。
もう1つは,スマホ関連記事がワンツーフィニッシュを決めたことですね。昨年掲載したAnnual 4Gamer 2014では「やっぱり世相を反映してスマホの記事が目立たないとにゃあ」的なボヤキを入れていたのですが,4Gamerで体制を調整しつつスマホにも重心をかけた結果,それに伴うランキングになりました。まあファンの母数も多いでしょうし,必然といえば必然だった気もしますが。
ただ,ダントツの第1位となったのは,「モンスターストライク」(iOS / Android),さらにいうと黎明期にあるスマホ業界の問題を指摘した内容であり,現象をみる分には(誤解を承知でいえば)面白いとはいえ,あまり笑えないというのが正直なところ。山本一郎氏の記事なので最終的には笑わされてしまうわけですが,楽しい話題だとさらに嬉しいですよねえ。
そのほかは,「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「モンスターハンター」といった国内の超強力IPがひしめていおります。このへんはお馴染み。「モンスターハンタークロス」(3DS)は11月28日に発売されましたが,FFは「FINAL FANTASY VII REMAKE」(PS4)や「FINAL FANTASY XV」(PS4 / Xbox One),DQは「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」(PS4 / 3DS)と,それぞれ新作を控えているので,2016年以降の続報で一喜一憂できるでしょう。
一つ気になるのは,盛り上がりだけは感じる仮想現実対応ヘッドマウントディスプレイの話題がない点でしょうか。まあ,Oculus VRの「Rift」を筆頭に,ソニー・コンピュータエンタテインメントの「PlayStation VR」,SteamVR向けのHTC「Vive」,Razerの主導する「OSVR」と,いずれも一般消費者の手に届いていないですからね。体験レポートやスペックの発表で盛り上がれるのはこのへんが限界ということで,“VR元年”となりそうな2016年に,大いに期待したいところです。
さて,ここからは1月から12月までの記事ランキングで,1年を振り返ってみたいと思います。年間ランキングに出ていない業界動向などもまとめてみたので,1年の総復習にどうぞ。
月間ランキング
まずは1月。個人的な話をすると,今年は年始に英文法の総復習を目標に掲げまして,結果的には「マイクはケンの友達である」ということを完璧に理解しました。もうペラペラ。登場人物が古い? ほっといてください。
世間的には,ISによる日本人拘束事件や,格安航空会社であるスカイマークの経営破綻,Google Glassの消費者向け販売中止発表といったことがありました。実際にはよく覚えていませんが。
ゲーム業界的には,任天堂が自社コンテンツを使ったYouTube映像のアフィリエイトプログラム「Nintendo Creators Program」を開始(関連記事)したり,Sony Entertainment Networkの映像/音楽関連サービスがPlayStation Networkに統合(関連記事)されたりしました。あと,北海道教育委員会が毎月第1・第3日曜日を「ノーゲームデー」にしようと呼びかけを行う(関連記事)というのもありましたね。ネーミング以外は見るべきところのある試みだっただけに,定量的な検証結果みたいなものを見てみたい気がします。どうなったんですかねあれ。
さて,そんな1月のランキング第1位はWindows 10の話題。12月現在では周知の事実ですが,Windows 7/8.1からであれば,Windows 10に無償でアップグレードできるというアレであります。2015年7月29日リリースなので,ちょうど1年だと2016年7月28日までってことになりますね。無償アップグレード解説ページのFAQには「2016年7月29日まで提供されます」とあって本当はどっちなのかが分かりませんが,まあどっちかであることは間違いないでしょう。
また,12月現在まで続いているネタとしては,第2位の「艦これアーケード」(アーケード)が挙げられます。本当は年内に稼働開始予定だったのですが,現時点では2016年春開始になっているんですよね。発売日変更が何度か続いた「艦これ改」(PS Vita)と共に,もう少し待ちましょうということで。
【2015年1月に開催された主なイベント】
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【第4位】 ★×99
前代未聞,「プロゲーマーになるための専門学校」が開校 【第8位】 ★×84
[JAEPO2015]「艦これアーケード」のスクリーンショットがついに公開
大韓航空の通称「ナッツ・リターン」騒動が世間を賑わせた2月。自分で書いておきながらアレですが,すっかり忘れてましたナッツ・リターン。騒動のあと,韓国ではマカダミアナッツが飛ぶように売れたそうです。「ナッツ業界の闇を見た」などというとたぶん怒られるので注意しましょう。
世間的にはそれぐらいですが,ゲーム業界ではビッグニュースが多めでした。セガがグループ再編(関連記事),ヤフーがスマホ向けゲーム事業の子会社「GameBank」を設立(関連記事),タイトーが直営のアミューズメント施設で交通系電子マネーの決済に対応(関連記事),Sony Online Entertainmentが独立(関連記事)とか。
変わったところでは,DMMマネーをもらえる「ふるさと納税」を石川県加賀市が開始(関連記事),第4位に入っている「プロゲーマーを目指すための専門学校」が開校(関連記事)などがありました。前者はすぐに打ち切られましたが,後者はこれから。東京アニメ・声優専門学校の新専攻として2016年4月に開設予定です。
ランキングで目立つのは,強力IPである「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」。そのうち,第2位,第3位に入っている「ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城」(PS4 / PS3)に関しては,続編「ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり」(PS4 / PS3 / PS Vita)が2016年春に発売となることが,7月に明らかになっております(関連記事)。新たな歴代シリーズキャラクターの登場,最大4人のマルチプレイに対応,といったあたりがトピックですな。
【2015年2月に開催された主なイベント】
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米国の資産家が戦艦武蔵の艦体をフィリピン・シブヤン海で発見した3月。艦船つながりでいうと,海上自衛隊史上最大の護衛艦「いずも」が就航したのもこの月でした。さも当たり前のように乗艦し,勢いに任せて記事を書き,勢い余って掲載した男もいましたなそういえば。
ゲーム業界では,任天堂とDeNAが業務・資本提携,合わせて新たなゲームプラットフォームとなる開発コードネーム「NX」の開発を発表したというのが最大のトピックでしょうか。そのほか,バンダイナムコゲームス(現:バンダイナムコエンターテインメント)が自社IPを国内クリエイターに開放(関連記事),PlayStation Mobileが終了(関連記事),なんてのもありましたな。
海外からは「シムシティ」「ザ・シムズ」でお馴染みのMaxisが閉鎖するという情報(関連記事)が届いてイスから転げ落ちました。まあ関連IPの開発は継続されるようなのでいいっちゃいいんですけどね。
またGDC 2015(Game Developers Conference 2015)が開催されたのもこの月であります。
ランキングでは,ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城が前評判どおりにすげえ売れたという話題が第1位。そして第3位には,2015年7月にサービスの始まった「World of Warships」(PC)のクローズドβテストレポートが入っています。「すぐ沈む」という人は,松本隆一が「勝つ方法を聞く」とWargamingにお邪魔してきた「こちら」の記事を読むと,沈まなくはならないとしても,なんらかの勇気がもらえると思います。
ちなみに,第4位にアップデート/コラボレーション関連情報が入っている「パズル&ドラゴンズ」(iOS / Android)は,年間を通じてランキング出現度が高め。1月から8月まで,E3関連記事で埋まった5月,6月を除いてずっとなんらかの形で名前が出てきてますからね。
【2015年3月に開催された主なイベント】
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【第2位】 ★×104
ニンテンドー3DS向けソフト「妖怪ウォッチ3」が発表。シリーズ最新作の舞台はUSAに
浪速のエリカ様こと上西小百合衆議院議員がエモーショナル旋風を巻き起こした4月。第18回統一地方選挙の投開票,プロ棋士vs.コンピュータによる将棋対戦「将棋電王戦FINAL」などが行われ,ドローンが総理大臣官邸に飛び込んだりもしました。ネパールで大地震が発生したのもこの月ですね……。
ゲーム業界的には,新世代クラウドゲームプラットフォーム「シンラ・システム」の開発キットが公開(関連記事)されたり,オリコンが「ゲームアプリ満足度ランキング」の発表を始めたり(関連記事)しました。後者については「満足度ってなんだろう?」という疑問をオリコンの中の人に直接ぶつけたインタビューもありますので,合わせて読んでもらうといいと思います。
ランキングとしては,「Fate/stay night [Realta Nua]」(iOS / Android)が第1位となり,7週連続のキャラクター情報公開も始まって,実は5月のランキングでは同作関連の記事が無双状態。
そのほかNintendo Directで発表されたタイトル,そして「妖怪ウォッチ3」(3DS),「スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-」(PS4 / PS3)が目立つところでしょうか。さすがにこの時期に発表されたタイトルは未発売で,たいてい2016年発売ですな。
ついでに4Gamer動向を書き添えておきますと,ドワンゴの代表取締役会長・川上量生氏とゲストの著名人による特別対談企画「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」をまとめた書籍(関連記事)が発売されたのもこの月です。Weekly 4Gamerではくぬぎちゃんの新イラストが公開される(関連記事)という大事件もありました。え? 知らない? そうですか……。
【2015年4月に開催された主なイベント】
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大阪都構想の是非を問う住民投票が行われ,反対多数で否決された5月。イチローがメジャーリーグの通算安打数でベーブ・ルースを抜き去り,ダライ・ラマ氏が「転生したら金髪のおてんば娘になるんやで」と発言したりしました。鹿児島・口永良部島の新岳が噴火したのもこの月です。ついでに言えばゴールデンウィークもありましたが,まったく記憶にございません。
ゲーム業界では,ドワンゴ/ニワンゴが個人開発のゲームを“雑誌のように”連載するサービス「ニコニコゲームマガジン」を開始(関連記事)。また,Oculus VRの「Rift」が,2016年第1四半期より出荷されることが明らかになりました(関連記事)。これももうすぐやね。
ランキングの第1位は「ウィッチャー3 ワイルドハント」(PS4 / Xbox One)の日本語版のプレイレポートです。本作は5月21日にめでたく発売。PC版はSteamのウィンターセールで50%オフとなっているので,年末年始に遊ぶゲームを探している人はちょうどいいんじゃないでしょうか。
第6位に入ったGPU計30製品を「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド」(PC / PS4 / PS3 / Mac)でブン回すというベンチマーク記事も,引き続き有用でしょう。
【第8位】 ★×103
[E3 2015]なんと年内! 「Fallout 4」 は11月10日発売 【第10位】 ★×84
E3 2015のプレスカンファレンス情報まとめ。サプライズ発表を見逃すな
韓国で中東呼吸器症候群が流行した6月。クラブやダンス教室などの24時間営業を可能にする改正風俗営業法が成立したりもしています。4Gamer首脳陣では「編集部をダンス系事業ということにして24時間営業にしよう」との提案がありましたが,スタッフのほとんどがソーラン節かマイムマイムしか踊れないということでボツになりました。ああよかった。
ゲーム業界では,アメリカ・ロサンゼルスで世界最大級のゲームショウE3 2015(Electronic Entertainment Expo 2015)が開催されました。そのほか,「ラブプラス」でお馴染みの内田明理氏がユークスへの入社を発表(関連記事)したり,Steamが返金に対応(関連記事)したりもしましたかね。
そういえば新型PS4こと「CUH-1200A」が発売されたのもこの月でしたね。7月のランキングには第2位にハードウェア班による分解記事が入っております。
E3 2015の開催月ということで,当然のことながらランキングは当該イベントの関連記事が多め。とくに,PS4で登場する「FINAL FANTASY VII」のフルリメイク版「FINAL FANTASY VII REMAKE」(PS4)の話題が大注目を集めました。本作はマジでフルリメイクであり,12月の頭には原作と全然違うことが分かるバトルシーンも公開されました。12月6日にPS4で発売された「FINAL FANTASY VII INTERNATIONAL」(PS4)は“移植版”なので注意してくださいね。
あとは「Fallout 4」(PC / PS4 / Xbox One)も大きく注目されましたが,まあこちらは日本国内でつい最近(12月17日)発売されたばかりですし,またあとで。
【2015年6月に開催された主なイベント】
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【第10位】 ★×81
任天堂の岩田 聡代表取締役社長が逝去
3年ぶりにうるう秒が挿入された7月。多くの小学生が夏休みに突入し,アメリカとキューバが国交を回復し,探査機「ニューホライズンズ」が冥王星をフライバイした月であり,Windows 10の無料アップグレードもここで始まりました。タスクトレイ周りが少し騒がしくなりましたね。これに合わせて4Gamerでは,「ゲーマーのためのWindows 10集中講座」をその1,2,3,4と順次掲載しました。細かい点はすでに変わっている可能性もありますが,ざっと目をとおしておいて損はないはずです。
そんな7月ですが,世界を最も揺るがしたのは,任天堂代表取締役社長(当時)の岩田 聡氏が逝去したことでしょう。ニュースは世界を駆け巡り,ゲームファン,クリエイター,そしてゲーム業界とは直接関係のない人達も含めた多くの人が岩田氏の早すぎる死を悼みました。本稿執筆時点であれから5か月以上経っているわけですが,「Splatoon(スプラトゥーン)」(Wii U)の大ヒット(関連記事)など,折に触れて岩田氏のことを思い出してしまい,ちょっと辛いです。とくにこうやって原稿を書いていると視界がゆらゆらしてくるんですよねえ。うーむ。
そういえば,MicrosoftがAMDの買収を検討しているじゃないの(関連記事)という話もありました。あれはなんだったのでしょうか。
ランキングを見ると,ドラゴンクエストシリーズの最新ナンバリングタイトルとなる「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」(PS4 / 3DS)が発表されたという記事が第1位。こちらは圧倒的な人気。まあそうですよね。
またこの7月には,世界最大級の格闘ゲームの祭典EVO2015(Evolution 2015)が開催されました。第4位,第7位に記事が入ってますね。2016年も,2015年と同じアメリカ・ラスベガスで開催されることが決定(関連記事)しています。現在は競技種目を含む大会詳細の発表待ち,といったところ。
【2015年7月に開催された主なイベント】
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【第1位】 ★×420
【山本一郎】モンスターストライクがApp StoreからBANされた件につきまして 【第2位】 ★×189
PS4/3DS「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」のスクリーンショットが公開
宇宙ステーション補給機「こうのとり5号機」の打ち上げがあった8月。いやあ本当に感動しました。見てないんですけどね。Wikipediaに書いてあったもので。へへへ。あとは,中国・天津のものすごい爆発事故もありました。当時も心配しましたが,現場は今どういう状況なんでしょうか。
8月のゲーム業界はというと,イベントが多めでした。ドイツ・ケルンでヨーロッパ最大級のゲームショウであるgamescom 2015,アメリカ・ロサンゼルスでコンピュータグラフィックスを中心とした技術系のカンファレンスであるSIGGRAPH 2015,国内でゲーム開発者向けカンファレンスであるCEDEC 2015(Computer Entertainment Developers Conference 2015)がそれぞれ開催。
またゲーム業界というわけではないですが,Googleが新会社「Alphabet」を設立して持ち株会社制へ移行(関連記事)したりもしましたね。エンドユーザーには今のところ直接の関係がないのでいまいちピンときませんが。
ランキングは,「モンスターストライク」(iOS / Android)のiOS版がApp StoreからBANされたやでという山本一郎氏の記事が,2位にダブルスコアをつけようかという勢いで第1位。9月には続報のような形で関連記事が掲載されております。ここは「みなさん,ルールを守って正しくやりましょう」ということでひとつ。
第3位には,Windows 10でPCゲームがちゃんと動くのかをひとまず手元にあった100タイトルで試してみたという記事がランクイン。この記事を執筆するため,会社のPCをこっそりWindows 10にアップグレードしたのはYamaChanです。記事掲載後,インフラチームの人にトイレへ呼び出されて石けんを詰めた靴下でボコボコにされたと聞いておりますが,YamaChanは今日も元気なのでご安心ください。
ちなみに記事の結論としては「古めのゲームも含めてほぼ動いたから例外はあるだろうけどおおむね大丈夫なんじゃん?」となっています。
【2015年8月に開催された主なイベント】
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【第4位】 ★×114
【山本一郎】Appleのデジタルコンテンツの方針とモンストBANの現状 【第6位】 ★×106
【山本一郎】モンスターストライクがApp StoreからBANされた件につきまして 【第7位】 ★×103
PS4,値下げ。本体は10月1日から税別3万4980円に
安全保障関連法が賛成多数で可決した9月。茨城県常総市では鬼怒川の堤防が決壊して大規模な浸水被害を及ぼしました。
また2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムが炎上したり,ラグビーワールドカップで日本代表が活躍して“五郎丸”がフィーバーしたのも9月。Netflixの日本上陸,Amazonがプライム・ビデオを開始と,映像配信界も激震気味でした。「さてどうするhulu!」みたいな。
ゲーム業界,とくに日本ではTGS 2015(東京ゲームショウ2015)が今年も開催されまして,会期前後にもさまざまな発表が行われました。PS4が値下げされたのもこの月で,10月にはアメリカ/カナダでも同じように値下げが実施(関連記事)。国内では3万9980円(税別)から3万4980円への値下げとなったわけですが,値下げ前の価格で,1TBのHDDを搭載したPS4本体の新ラインナップ「CUH-1200BB01」が12月に登場しています(関連記事)。
ランキングは,やはりというかなんというか,TGS 2015のコンパニオン写真が第1位。毎年恒例にも程がある。当然のようにファイルまとめZIP版を用意したほか,今年は動画でもやってしまいました。今年あるということは,来年もあるということなんでしょうか。4Gamerコンパニオン班(?)の動向に注目してください。
TGS 2015関連でランキングが高くなっているのは,いずれもスマホゲームですね。「艦隊これくしょん -艦これ-」(Android),「グランブルーファンタジー」(iOS),「モンスターハンター エクスプロア」(iOS / Android)といったタイトルがランクイン。あれ? そういえばAndroid版の艦これは2015年冬にサービス開始と発表されていましたが,あれ?
【2015年9月に開催された主なイベント】
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【第1位】 ★×140
アニメ版「モンスト」,第3話のあらすじや「解放の呪文」のヒントを公開
マイナンバーの通知が開始された10月。日本人のノーベル賞受賞が決まったり,ソフトバンクホークスが2年連続の日本一になったり,中国が「一人っ子政策」の完全廃止を決定したりしました。
なお,10月は筆者と滝川クリステルさんの誕生月だということをここに書き始めて3年目になりますが,とくに反響はありませんね。おかしいなあ。
ゲーム業界では,プロe-Sportsチーム“DetonatioN”にオンラインカードゲーム部門が新設された(関連記事)というのが記憶に新しいところ。
また,Microsoftが物理エンジンメーカーのHavokをIntelから買収したこと(関連記事),「Ingress」(iOS / Android)のNianticが,ポケモングループ,Google,任天堂の3社から2000万ドルの投資を受けたこと(関連記事)もなかなか衝撃的なニュースでありました。
ランキングで第1位となったのは,モンスターストライクのアニメの記事。連動特典付きという,プレイヤーも見逃せないアニメだったわけですから,これは強い。
ちなみにモンスターストライクは12月17日に3DS版が発売されております。
またこの月は,Amazon.co.jpで行われた「圧倒的性能のPCを激安で抽選販売する」という企画の関連記事が猛威を奮った印象です。第4位に入っている記事はまさにそれの一つ。希望者多数であることが目に見えている商品に関しては,基本的には抽選販売にしてほしいですよねえ。あ,いや,別にFallout 4の限定版の話をしているわけではなく。ええ。買えなかったけど。ええ。
【2015年10月に開催された主なイベント】
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【第1位】 ★×106
「アスク税」とは何か 〜ゲーマーのためのグラフィックスカード流通事情講座
国産ジェット旅客機「MRJ」がバイーンと飛んだ11月。パリで連続テロ事件が発生し,それに伴ってシリアの混迷具合がさらに加速しました。「ゲゲゲの鬼太郎」でお馴染みの漫画家・水木しげるさんがなくなったりと,がっくりくるようなニュースが多かった月ですな……。
ゲーム業界では,Activision Blizzardが「キャンディークラッシュ」(iOS / Android)のKing Digital Entertainmentを買収(関連記事)し,世界のゲーム市場おいては収益ベースで中国の騰訊(Tencent)に次ぐ規模の企業となりました。PS4はこのタイミングで世界累計実売台数が3020万台を突破(関連記事)。普及ペースはPS2より速いんですよなあ。
そんな11月のランキングを制したのは海外で発売されたFallou……と思いきや,当該タイトルの関連記事は第2位。第1位はPCパーツ業界に詳しい人なら聞いたことがあるであろう「アスク税」に迫った取材記事でありました。
PCパーツの販売代理店であるアスクが取り扱う製品は海外における市場価格よりも国内価格がグッと高い,と。きっとアスクの中間マージンのせいやということで“アスク税”などと呼ばれているわけですが,この言説について,業界関係者から得られた情報を基に考察・検証してみようというのがこちらの記事です。「そもそもグラフィックスカードの価格はどうやって決まっているのか」から解説しているので,その筋に明るくない人も楽しく読めるはず。ゲーマーとしてアスク税とどのように付き合うべきかも考察しているので,4Gamer読者なら読んでおいて損はないでしょう。
そのほかは11月28日に発売された「モンスターハンタークロス」(3DS)が目立ちますね。というかランキングの半分はそれ。発売後6日で200万本(関連記事),1か月弱で300万本(関連記事)という具合に国内出荷本数を伸ばすなど,引き続き国内屈指の強力IPとしてのパワーを見せつけております。まあ,実際に面白いし。
【2015年11月に開催された主なイベント】
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【第5位】 ★×85
PS4向けオリジナル移植版「FINAL FANTASY VII」が本日配信開始
だいたい覚えているだろうから振り返る必要のなさそうな12月。流行語大賞が「爆買い」「トリプルスリー」に決定し,国際宇宙ステーションに滞在していた宇宙飛行士の油井亀美也さんが地球に帰還し,映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」が全国公開されたりしました。まだ観てないから内緒にしてね。
ゲーム業界で話題となったのはやはり,ランキングでも第3位に入っている小島秀夫氏の新スタジオ設立のニュースでしょう。その名も「コジマプロダクション」。発表されたのは12月16日でして,小島秀夫氏がコナミデジタルエンタテインメントを退職したという話題(関連記事)を4Gamerでお届けした直後というタイミング。急転直下というやつですな。PS4独占で登場するという,同スタジオの第1作注目しておきましょう。
また,製品が国内市場から姿を消していたゲーマー向けデバイスメーカー・SteelSeriesのゴタゴタ(関連記事)も割と注目の業界動向だったでしょう。国内での流通再開が明言されており(関連記事),ひとまず,新年を迎える前に一段落した,と言えると思います。
ランキングの第1位は12月17日にPS4版とXbox One版が国内発売,PC版の日本語開放が行われた「Fallout 4」でした。なんといいましょうか,E3 2015で最大級の発表となったタイトルが12月に着地するというのはなかなかに気持ちの良いものですな。あとはPip-Boyをなんとかしてくれたらとても嬉しい,そんな年末でございます。
以上,月別のランキングまとめでした。短期記憶としてくすぶっていたアレコレがめでたく長期記憶に固着しましたでしょうか? え? した? ああよかった。
では最後に,はてなブックマークとTwitterで反響の多かった記事もさらっと確認してみましょうか。PVランキングだけだと,タイトルよるファンベースの規模の差が顕著に出てしまいますからね。なんというか「つい言及したくなる記事」のランキングとして参考にしつつ,ついでに今からでも言及してみてください。
よーしいくぞー。
はてなブックマーク数ランキング
【第1位】 882 users
【山本一郎】モンスターストライクがApp StoreからBANされた件につきまして 【第2位】 584 users
「アスク税」とは何か 〜ゲーマーのためのグラフィックスカード流通事情講座 【第5位】 289 users
研究者の目に歴史ゲームはどのように映っているのか。ドイツで行われた軍事史研究会をレポート 【第6位】 284 users
【山本一郎】Appleのデジタルコンテンツの方針とモンストBANの現状 【第7位】 254 users
ゲーム業界は回復基調なるも明暗はくっきり? 2014年度ゲーム業界34社決算まとめ 【第8位】 241 users
早世された任天堂社長の岩田 聡氏を偲んで。西田宗千佳氏が語る「任天堂における岩田氏の功績と蹉跌」 【第9位】 231 users
GPUで上手に焼けました。世界初の「Tegra K1搭載オーブン」が登場 【第10位】 229 users
「シムシティ」「ザ・シムズ」のMaxisが閉鎖。同社の関連IPタイトルは各地のスタジオで開発が継続される模様 【第11位】 223 users
[TGS 2015]今年もZIPでいくぞ! 東京ゲームショウ2015こんぱに☆ガールズ写真集掲載 【第12位】 221 users
前代未聞,「プロゲーマーになるための専門学校」が開校 【第14位】 201 users
【島国大和】ゲームが大人気! その手柄は誰のものか? 【第15位】 189 users
「スプラトゥーン」で14万4000体のイカがインクをぶちまけた「ゲームソフト週間販売ランキング+」 【第17位】 167 users
あれから4年。久々に姿を見せた「人喰いの大鷲トリコ」について根掘り葉掘り聞いてみよう――4年間で変わったこと,変わらなかったこと 【第18位】 152 users
【ヒャダイン】「Splatoon(スプラトゥーン)」に希望を感じた 【第19位】 151 users
「ファイアーエムブレム」のこれまでとこれから。ファミコン時代の開発秘話から最新作「ファイアーエムブレムif」までを制作陣に聞く
というわけでこちらは,この1年の記事を,はてなブックマークで多くブックマークされた順に並べたものです。
第1位は年間ランキングも制した,山本一郎氏×モンストのアレ。第6位にも当該記事の続報が入っておりますが,全体の傾向として,いわゆる業界動向を取り扱った記事にビビットな反応を見せるのが,はてなブックマークの特徴と言えましょう。まあ,分かったからなんだ,という話なのですが。
また,決算まとめや,ドイツで行われた軍事史研究会をレポートのレポート,Maxis閉鎖,CEDECで行われた「Luminous Studio」のAIシステムに関するセッションなど,比較的シブめの記事がランクインしているのも特徴でしょう。なんとなく年齢層の高さをうかがわせる反応,などというと怒られかもしれませんが,実際にそういうことなのかも。ふふふ。
Twitterツイート数ランキング
【第10位】
任天堂の岩田 聡代表取締役社長が逝去
こちらはTwitterの反応で作った記事ランキング。ツイート数としていますが,厳密には「Twitter Analytics」で確認できる「エンゲージメント」という数値を使用しています。エンゲージメントは,リツイートの数だけでなく,“ツイートのリンク”のクリック数やユーザープロフィールのクリック数,お気に入り数やリプライ数など,ユーザーの広義の「反応」を反映した数値ですね。
で,ランキングははてなブックマークとは傾向が異なり,いきなり第1位,第3位,第5位に「刀剣乱舞-ONLINE-」(ブラウザ)が現れました。しかも第4位はダルシムのヨガラップ。Twitterのユーザーベースと親和性の高い(気がする)キーワード,そして反射的な反応を呼び起こすネタ記事が強い感じですね。
ここで「刀剣男士達がヨガラップを踊る記事があれば1位は確実だな。チャンス!」などと考えるのが,まさに“暗黒面に墜ちる”というやつです。墜ちる前にとうらぶのファンに袋だたきにされる気もしますが,ともあれ2016年も4Gamerはライトサイドで頑張りたいと思います。
2015年終了のお知らせじゃ!
本当にあと3日ぐらいで終わりますからね。キーボードの埃を吹いて,ゲームパッドの手垢やスマホの油をとり,ゲームのセール品を漁っていたらすぐに新年です。ストレージの交換やOSのクリーンインストールなんかも,仕事や学校が始まる前に済ませておいたほうがいいですよ,と。
――というわけで長々と失礼しましたが,2016年の4Gamerは1月6日(水)より通常更新となります。
本年も4Gamerをご愛読いただき,誠にありがとうございました。
新年もゲーム業界がさらに賑わい,読者のみなさまのゲームライフがさらに充実するような記事を提供できるよう,編集部一同,全力を尽くしてまいります。2016年もなにとぞよろしくお願いいたします。
ではみなさま,良いお年をお迎えください。
年末年始のオススメ特集記事
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