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AI音声の活用について全米映画俳優組合とReplica Studiosが合意。ハリウッド俳優のサンプルでのAIトレーニングも肖像権の支払いで可能に
全米映画俳優組合は,「奥谷海人のAccess Accepted第775回:ハリウッドの俳優労組による,スト終結が与えるゲーム業界への影響」でも取り上げた,マット・デイモンさん,ニコール・キッドマンさん,トム・ハンクスさん,ロバート・デ・ニーロさん,メリル・ストリープさんといった,ハリウッドで活動する俳優たちが参加する組合だ。2023年には労働環境の改善を巡る4か月にもおよぶストライキを数十年ぶりに決行。その要求の1つが,インターネットに散らばる映像や音声などのサンプルデータを,AIのトレーニングに無断使用する“データスクレイピング”で悪用されかねない,彼らの肖像権に対する補償や法整備だった。
今回の提携はReplica Studiosのみとの合意だが,前述したデータスクレイピングが使われていた場合は,AIがどのようなデータを検索してトレーニングしているのかを把握するのは難しい。そのため,今後は裁判が発生することによる開発コストの肥大,もしくはローンチ直後のサービス中止といったことを避けるためにも,Replica StudiosのDigital Voice Studiosのようなプロダクトを利用したほうが安全だということになるかもしれない。俳優たちにとってだけでなく,ゲーム業界にとっても非常にポジティブな流れといえそうだ。
Replica Studios「SAG-AFTRA and Replica Studios Introduce Groundbreaking AI Voice Agreement at CES」(英語)
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