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ゲーム業界主要13社の2013年度第1四半期決算動向を見る
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印刷2013/08/31 00:00

業界動向

ゲーム業界主要13社の2013年度第1四半期決算動向を見る

 8月中旬で主要なゲーム業界各社の2013年度第1四半期の決算が出揃った。……のだが,諸般の事情(gamescomやCEDECなど)で,いつものように上場企業各社の動向をお伝えするのが厳しい状況となった。今回は,プラットフォーマーと大手コンシューマゲームメーカー,ソーシャルゲームプロバイダ,オンラインゲーム大手に絞って,13社の動向をまとめてみたい。

●注意
 会計年度開始時期は各社によって異なるため,ここでは2013年4月1日から6月30日までの期間を第1四半期とする方式に統一して記載しています。各社での呼称とは異なる場合があります。数字の単位は基本的に100万円で,Microsoftのみ100万ドルとなります。

※9/3 各社決算短信へのリンク間違いがありましたので修正しました

●ソニー
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決算短信
ゲーム業界主要13社の2013年度第1四半期決算動向を見る

 決算資料を分野別で見ると,ゲーム以外は回復していることが分かる。ただし,伸びが大きいのは,金融,音楽,携帯電話の分野で,昔からあった業種はちょっと寂しい状況だ。エレクトロニクス分野の黒字化は,主にコストダウンと合理化によるものだとされている。
 ゲーム分野では,ハード売り上げの減少と為替差益がだいたい釣り合って,前年並みの売り上げとなっている一方,PlayStation 4の研究開発費などで利益は減少している。これは新機種投入前で投資先行の時期だからとくに問題はないだろう。
 前回の決算記事でも紹介したように,今期のゲーム分野はPlayStation 4の発売によって大幅な増収かつ昨年並みの利益が予定されていた。それがさらなる円安によって,売り上げは上乗せされる見込みだが,ハードウェアコストにはかなり悪影響を与えており,予定以上の「増収減益」が予想されている。


●Microsoft
決算短信
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ゲーム業界主要13社の2013年度第1四半期決算動向を見る

 全社的には非常に高い水準で売上高が推移しており,利益も安定している。
 この四半期間のXbox 360の売り上げは100万台で,昨年比で10万台落ち込んではいるが,まだ高い水準にある。それでも昨年同時期と比べて売上高が伸びているのは,Windows Phoneの売り上げによるものだ。利益が落ち込んでいるのは,同部門となるSurfaceの製造原価がかさんでいることや,研究開発費が1億8900万ドル増加していることなどによる。


●任天堂
決算短信
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 2013年度のスタートは,純利益ベースでは86億円の黒字だ。為替差益による169億円分が効いている。しかし,実態的な状況を示す営業利益ベースでは49億円の赤字発進となった。四半期の売上高としては,2008年以降で最低の業績だ。
 四半期のWii Uの本体売り上げは16万台かつ,製造原価で採算性が厳しいこともあって苦しい状態が続いている。一方でニンテンドー3DSのほうは逆ザヤ解消で利益率も上がっており,Wii Uを補う形になっている。また,あまり注目されてはいないのだが,今四半期でWiiの累計出荷台数が1億台を突破している。
 アメリカではWii Uの本体値下げが発表されたが,3DSでは本体値下げで普及率を上げる方策が成功していたため,値下げが日本でも適用されるのかに注目したい。もっとも,利ザヤが減ればコミットメントの達成も難しくなる。どういう経営判断がなされるのだろうか。


●バンダイナムコホールディングス
決算短信
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ゲーム業界主要13社の2013年度第1四半期決算動向を見る

 2012年度あたりから季節ごとの変動がかなり少なく,コンスタントに売り上げを伸ばしているバンダイナムコ。今年も昨年と同じようなスタートとなっている。ゲームソフト,オンラインコンテンツともに好調なようだ。
 ゲームを含むコンテンツ事業では,オンラインコンテンツを含む「その他」が,業務用ゲームや家庭用ゲームの合計よりも高い収益を上げている。その294億円のうちの140億円がソーシャルゲームによるもので,それ以外のオンラインゲームが40億円とのこと。そろそろ分離してほしいものなのだが。


●コナミ
決算短信
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ゲーム業界主要13社の2013年度第1四半期決算動向を見る

 ドラコレなどが絶好調だった2011年度から2012年度は少し縮小し,2013年度のスタートはさらに低い位置からのものとなった。四半期での売上高は,2008年以降で最低のものとなっている。経営多角化と定期的なタイトル供給で,ゲーム会社としてはかなり安定した経営状況の会社だったのだが,全社的にもゲーム部門においても利益率が下がっているのが気になるところだ。
 ゲーム部門の通期計画では,売り上げは昨年より微減の1120億円,営業利益は微増の220億円が予定されている。
 なお,ソーシャルコンテンツと家庭用ゲームの比率は今回も提示されていない。


●セガサミーホールディングス
決算短信
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ゲーム業界主要13社の2013年度第1四半期決算動向を見る

 全社的には非常に好調。パチンコ/パチスロの動きがよいようだ。ゲーム部門は,なんとか黒字スタートを切る形となった。昨年の同時期と比べると,売り上げの伸びはさほどでもないが,利益の伸びが大きい。「ファンタシースターオンライン2」「ぷよぷよ!!クエスト」が好調とのこと。ちなみに,今年の前半期までは赤字見込みで後半に取り返すような予算が組まれているので,それを踏まえると,かなり幸先のよい感じになっている。


●スクウェア・エニックス・ホールディングス
決算短信
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 2012年度は,利益はともかく,売上高では回復基調を見せていたスクウェア・エニックスだが,2013年度第1四半期は2008年以降最低の四半期売上高からスタートすることになった。タイトル投入時期のばらつきで第1四半期は毎年落ち込む傾向がある会社なのだが,昨年度第4四半期の余波はあまりなかったようだ。ただ,販管費と原価が抑えられた結果,赤字幅はかなり縮小されている。
 今年度の事業計画では,売り上げはほぼ昨年並み,利益は一気に黒字転換を目指している。


●カプコン
決算短信
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 毎回書いているが,タイトル発売時期によっての業績変動がとくに極端な会社であるカプコン。前年の大型タイトルがこぼれてきた翌年は大きく伸びる傾向があるので,今年は「モンスターハンター4」による飛躍が期待される。第1四半期は大型タイトルがなく,減収減益ながらも堅調な展開となっている。
 スマートフォンについては,ソーシャルの波には乗らず最初からアプリ中心で展開を進めていた同社だが,今年はその成果が発揮されそうだ。ただ,スマートフォン向けタイトルを大量に発表したりと,多少迷走的な気配もあるのは気がかりだが。


●コーエーテクモホールディングス
決算短信
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 昨年同期比で売り上げは微増,利益は大幅に伸びている。決算と前後して業績予想の修正が発表されていたが,売り上げなどに変化はないものの有価証券の損益改善で大きな増益となっていた。四半期の営業利益が4400万円でも経常利益は16億6900万円と,営業外の利益が磐石の体制なので極めて安定した経営が行われている。
 「討鬼伝」などの新作も好調でゲームソフト事業は増収増益,オンライン・モバイル事業も堅調だ。同社の礎を築いた「信長の野望」から30周年となった今年だが,「信長の野望・創造」ではシステム的に新たな挑戦も行われている。堅い守りと強気の攻めのバランスが安定経営の秘訣なのだろう。


●ディー・エヌ・エー
決算短信
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 売り上げ・利益ともに堅調なディー・エヌ・エー。四半期売り上げで500億円以上を維持している。ただ,見方を変えれば第2の踊り場を迎えて500億円で伸び止まったようにもとれる。ぱっと見るとソシャゲも飽和状態かと思うのだが,ディー・エヌ・エーでは「急速な市場拡大」に合わせて年度内に60タイトルを新規投入するという。どうやら弾薬不足で伸びきらなかったという認識のようだ。
 海外展開では,北米のMobage Westが6月に単月黒字化を達成しており,第2四半期は四半期黒字が見込まれている。「G.I. Joe」や「Dungeons & Dragons」などの有力IPも確保しており,今後の展開が期待される。海外全体でのモバコインの消費の合計額は,四半期で78億円規模になっており,今後は売り上げの大きな要素になってくるだろう。ただ,利益については,北米でようやく黒字化目前といったところであり,まだ時間はかかりそうだ。国内の次は海外で飛躍というのが以前からのシナリオだが,全体に,期待されているほどの伸び率での推移ではないように思われる。


●グリー
決算短信
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 瞬間的にディー・エヌ・エーを抜いていたこともあったものの,最近は元気のないグリー。今四半期は売り上げは概ね維持しているものの,初の四半期赤字となっている。損失の内容は,「選択と集中」の方針で,タイトル開発中止による減損処理が行われたためで,Webゲーム14本,ネイティブゲーム38本などで100億円規模のものとなっている。有価証券の売却で34億円の特別利益を加えるも,約68億円の特別損失が計上されている。これは一時的なものなので,次の四半期には回復するものと思われる。
 海外展開では,USスタジオが5月に単月黒字を達成している。ディー・エヌ・エーより早い展開だが,元々成功している海外大手デベロッパを傘下に入れる方向での海外展開だったので効果が出るのも早いわけだ。海外でのコインの消費規模は60億円程度で,これも今後は収益の柱になっていくだろう。ただ,こちらもディー・エヌ・エーと同様で,四半期黒字には至っておらず,収益に貢献してくるのは少し先になりそうだ。


●ネクソン
決算短信
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 非常に高い売り上げと利益となったネクソンの第1四半期。中国の旧正月特需で跳ね上がった前四半期と比べてもあまり見劣りしない業績となっている。昨年比52%アップの売り上げだが,その多くはgloopsの編入によるものなので,単純に推移を比べることはできない。とはいえ,ネクソンは,豊富な資金力で今後もM&Aないし投資を進めていくとしており,実際成果を挙げている。今後の動向も注目する必要があるだろう(※初出時にNCsoftを編入と記述していましたが,NCsoftは連結されていませんでした。お詫びして訂正します)。
 日本国内のPCオンラインゲームでは一部タイトルで減収が見られ,gloopsなどによって売上高は昨年から大きく上がっているものの,今四半期の国内利益は赤字となっている。ネクソンでは国別での売上高は取り上げられても,国別利益についてはあまり話題にならない。売上高では中国からのプレイによるものが突出し,日本と韓国が並ぶくらいになっている(ユーザー所在地ベース)。一方,利益(事業所所在地ベース)を調べると,ほとんどが韓国で占められていることが分かる。これは日本や中国からのロイヤリティが,そちらに含まれるためだ。ちなみに,北米やその他の地域は,増収でもほぼずっと赤字状態だ。


●ガンホー・オンライン・エンターテイメント
決算短信
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 「一人勝ち」という言葉がふさわしく,勢いが衰えないガンホー。四半期ベースの売り上げではグリーを抜き,ディー・エヌ・エーに迫りつつある。
 注目すべきは高い利益率だ。普通は株主に還元するとか,M&Aをするとか,ビルを建てるとかしそうなものなのだが,前年度はあれだけ稼いでまさかの無配当という決定で,膨大な利益は内部留保されている。この四半期での法人税は107億円だ(ソニーで190億円,任天堂で61億円)。1日に2億5000万円稼いで1億円を税金にしているような感じだろうか。内部留保は「新プラットフォームへの対応」と「グローバル戦略のため」とのことで,なんとなく新型ゲーム機でのゲーム展開が期待できそうな流れにはなっている。すでにいくつかのゲーム会社を傘下に抱えているものの,資金的にはまだまだ余裕がある。それが今後どのように運用されるのかに注目しよう。


 業界の主要各社の動向を見てきたが,コンシューマゲーム関係の多くの会社では近年最低の売り上げとなっており,業界全体の動きが鈍化しているようにも思われる。新世代ゲーム機が揃って登場する端境期なので,一過性のものなのか,このところ売り上げ低下気味だったコンシューマゲーム市場がさらに縮小しているのか。

 一方,業界を席巻していたソーシャルゲーム勢も少し息切れしているように思われる。一般的には,スマホアプリへの展開が遅れたためとされているが,すでにアプリ展開が進んでいる中での減収では,いま一つ説得力に欠ける。
 また,ソーシャルゲーム会社は,自社のコイン消費で業績を語ることが多いのだが,売り上げベースのはずのコイン消費の数字が,なぜか常に会社の売上高を上回っていたりするので,どの程度実態を反映しているのかに疑問も残る。
 ただ,ディー・エヌ・エーとグリーの海外展開はある程度見えてきた。かつての国内の勢いで海外を席巻する……といったことには成功していないが,どちらも海外である程度の位置を保っており,双方ともApp StoreとGoogle Playのランキングに複数タイトルを並べている。あとは,この位置を維持したまま,市場自体が拡大してくれればよいわけだ。市場の劇的な伸びはまだ当分続くと見られているので,決して悪い展開ではない。
 とはいえ,当然ながら競争の激しい世界でもあり,国内フィーチャーフォンで有効だった,プラットフォームによる囲い込みといった手法が通用するとも思えない。ゲームパブリッシャとしての地力が問われると言ってもよいだろう。

 新機種の立ち上がりとスマートフォン市場の激戦が2013年度の注目事項となりそうだ。今後の決算情報にも期待してほしい。
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