連載
ゴキブリ従業員と切手パズルで廃郵便局を立て直す「Roach Post」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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ロイヤル郵便局アカデミーから届いた辞令はこの廃局の復興。だが扉を開けた先で待っていたのは,無数のゴキブリたちだった。
彼らこそが,この郵便局を支える唯一の「従業員」である。
本日は,Karp Gamesが手掛ける「Roach Post」を紹介しよう。
本作は廃れた郵便局の復興をテーマにしたローグライトパズルだ。プレイヤーは見習い郵便局員となり,ロイヤル郵便局アカデミーの命を受けて古い郵便局に赴任する。そこで待っているのは,次々と訪れる顧客の荷物に「魔法の切手」を貼り,配達を成功させるという仕事だ。
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このゲームの特徴は,テトリスのようなポリオミノ形状の切手を使ったパズルにある。荷物にはスペースとブロッカーが配置されており,そこに切手をはめ込んでスコアを稼ぐ。目標ポイントに達すれば配達完了だ。
切手には色があり,隣り合う色の組み合わせで得点が上下するため,ただ隙間を埋めるだけでは足りない。さらに,切手を貼るには1マスにつき「舐め」を消費する。舐めが尽きればその荷物は配達失敗。大きく貼ってスコアを稼ぎたい欲求と,限られた舐めのやりくりが常に問われる。
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ここにローグライトの仕組みが重なる。ゲームは「1営業日=1ラン」で進行し,配達で得たコインで郵便局の設備を強化してゴキブリの雇用枠を広げたり,新たなゴキブリ従業員を雇ったりできる。
40種類以上のゴキブリ従業員はそれぞれ固有の能力を持っており,「舐めの増加」「特定色の切手で得点アップ」「切手の引き直し回数追加」など,誰を雇うかで毎回まったく違う展開が生まれる。難度を上げると「ゴキブリの趣味」といった新要素も加わり,ゴキブリの採用と組み合わせそのものがゲームのもう一つの柱になっている。
「舐め」が生む一手ごとの判断
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切手を貼るたびに舐めを消費するという制約が,パズルの歯ごたえを大きく左右している。大きな切手で一気にスコアを伸ばしたくても,消費する舐めも多い。逆に小さな切手で節約すれば,色のボーナスを狙う余裕が生まれる。この「攻めるか,温存するか」の判断が1手ごとに発生するため,ただのブロック配置で終わらないパズルに仕上がっている。
ゴキブリが変える毎回の遊び方
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40種類以上のゴキブリは単なるバフ要員ではなく,プレイの方向性そのものを変えてくる。たとえば舐めを増やすゴキブリを雇えば大胆な配置ができるようになるし,特定色のボーナスを持つゴキブリを軸にすれば色を揃える立ち回りに集中できる。
ランごとに出現するゴキブリが異なるため,「今回はこの組み合わせで行こう」と方針を立てる楽しさが毎回新鮮だ。
コジーな空気感と短いランの気持ちよさ
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ゴキブリという本来なら不快なモチーフを,ポップなピクセルアートで「かわいい社員」に仕立てているのが本作の雰囲気づくりだ。1ランは数パッケージで終わり,10分ほどで区切りがつく。休憩のつもりで始めても,ゴキブリの組み合わせや配置がうまくいったときの手応えが心地よく,「もう1ランだけ」とつい手が伸びるテンポに仕上がっている。
「Roach Post」は,ポリオミノ切手を貼るパズルと,ゴキブリ従業員を雇い入れるローグライトの仕組みが噛み合った,ほかにあまり見ないタイプのゲームだ。
舐めの管理が加わることで配置パズルに奥行きが出ており,ゴキブリの編成次第で毎回異なる手触りを味わえる。テトリスやボードゲームの「パッチワーク」が好きな人はもちろん,短い時間でサッと遊べるローグライトを探している人にもおすすめしたい一作である。
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