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[インタビュー]男性バンドコンテンツの双璧,「アルゴナビス」と「バンドやろうぜ!」が激突!? 両プロデューサーにライブへの思いを聞く

 アルゴナビスが展開中のボーイズバンドプロジェクト「from ARGONAVIS」(以下,「アルゴナビス」)と,アニプレックスの“青春”דバンド”リズムゲーム「バンドやろうぜ!」(以下,「バンやろ」※2019年にサービス終了)によるライブイベント「from ARGONAVIS × バンドやろうぜ! SPECIAL LIVE - CROSSOVER -」が,2024年1月5日に開催される。

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 本公演は,「アルゴナビス」に登場するバンド「GYROAXIA」「Fantôme Iris」,「バンやろ」に登場する「OSIRIS」が対バン形式でライブを行うものだ。

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 今回4Gamerでは,「アルゴナビス」プロジェクトの音楽統括プロデューサー兼アルゴナビス代表取締役の北岡那之氏と,「バンやろ」プロデューサーの足立和紀氏にインタビューを行った。コラボのきっかけやお互いのコンテンツへの印象,どんなライブになりそうかなどたっぷりと話をうかがったので,お届けしていこう。

北岡那之氏(左)と足立和紀氏(右)
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男性バンドコンテンツの双璧,
「アルゴナビス」と「バンやろ」の邂逅


玉尾たまお(以下,4Gamer):
 本日はよろしくお願いします。今回のコラボ発表はかなりの反響がありましたが,まずはきっかけや経緯をお聞かせください。

足立和紀氏(以下,足立氏):
 確か最初は「クリカニ」の上映イベント(2022年12月16日「Re:Carnival〜また聖夜に会いましょう〜」)で,たまおさん(フリーライター・玉尾たまお ※筆者)と久しぶりにお会いしたのがきっかけです。そのときに「『アルゴナビス』ってご存じですか」というお話があったんですよね。

4Gamer:
 はい。読者の方向けに少し立場を説明させていただくと,私は前職で別媒体にいた7年前から現在に至るまで,ずっと「バンやろ」のリアルバンド活動を取材していました。そして「アルゴナビス」も早い段階から,媒体・公式含めいろいろとお仕事をさせていただいています。それをとおして,両プロジェクトが何か一緒にやったら面白いんじゃないかな……と,ここしばらく思っていたんです。単純に「対バンが見たい!」と。

足立氏:
 その流れで「コラボってアリですか?」と聞かれたんですよ。いいじゃないですか,面白いですねと答えたところ,たまおさんが「本当ですか!? 先方におつなぎしていいんですね!?」って(笑)。

4Gamer:
 「バンやろ」が久々に動いたタイミングだったので,「今しかない!」と足立さんに言質を取らせていただきました(笑)。その前に,北岡さんには軽く頭出しはしていたんですよね。

北岡那之氏(以下,北岡氏):
 取材などでお会いしたときに「『バンやろ』ってどう思われますか」みたいなお話がありました。実はうちのスタッフにも大ファンがいますし,アンケートで「コラボしたい作品は?」という質問があると,「バンやろ」は必ず名前が挙がっていたんです。それに,カバーしてほしい楽曲としてFantôme IrisにOSIRISが挙がっていたことも。

 何か絡みたいなとはずっと思っていたんですが,会社同士では関わりがあっても直接的なルートがないな……と考えていたところにこの話をいただいたので,「こんなに近くにいた!」と(笑)。そして年明けのライブ(2023年1月「from ARGONAVIS 2nd LIVE -Rezonance-」)へ,足立さんに来ていただくことになったんです。

4Gamer:
 それからすぐ,具体的にお話が進んでいった感じでしたね。

北岡氏:
 本当はもう少し早いタイミングでライブしたいくらいだったんですが,こちら側のプロジェクト全体の進行やスケジュール周りで調整がつかなかったんです。それで,毎年やっている年明けライブの新たな試みということで,コラボレーションを組ませていただくことになりました。

「レゾナンス」で初対面した2人。貴重な名刺交換の様子!(撮影:玉尾たまお)
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まるで“バトンタッチ”するようだった
両プロジェクトの活動

4Gamer:
 コラボの詳細については後ほどおうかがいするとして,お互いのプロジェクトについて感じていたことをお聞かせください。

北岡氏:
 僕が音楽業界に入りたてのころ,TVアニメを見ていたら「バンやろ」のCMが流れたんです。当時はまだ男性キャラのメディアミックスプロジェクト自体が今ほど盛んではなかったのもあって,「こんなバンドコンテンツがあるのか」と。BLASTやOSIRISのリアルバンド活動についても,「アルゴナビス」プロジェクトの立ち上げで非常に参考にさせていただいたところがありましたね。
※編集部注:北岡氏は以前,某メジャーバンドのマネージャーをしていた(関連記事

足立氏:
 今,「バンやろ」みたいなのを作りたいって言っても通らないんじゃない?(笑)

4Gamer:
 とはいえ,アプリがサービス終了してしばらく経ったライブでもあれだけの集客があり,ファンが盛り上がるコンテンツは,「バンやろ」のほかには思いつかないですし,文句なしにすごいと思います。

足立氏:
 それはもう本当に幸せなことだと思っています。普通はできないだろうし,いまだに応援して支えてくださるファンの方々がいてこそだと。
 「バンやろ」がサービス開始(2016年10月〜)してから,ほとんど同時期に「バンドリ」(「BanG Dream!」)がサービス開始(2017年3月〜)したんですよね。こちらはそれとは真逆の男性バンドでしたが,同じバンドもののリズムゲームで。

4Gamer:
 「バンやろ」はアプリが2019年3月にサービス終了,「アルゴナビス」は2018年5月にプロジェクトの始動を発表していました。

足立氏:
 「バンやろ」がアプリの更新終了告知をしたのも2018年5月だったので,正直言うと,ほかのタイトルのことをどうこう考えるというタイミングではなかったんです。でもバンドものやこういった音楽ジャンルという方向性が好きで「バンやろ」を遊んでくださっていたお客さんにとって,「これから何を楽しめばいいんだ」っていう状況だったと思うので,そこで「アルゴナビス」が立ち上がって,救われた方もきっと多いんじゃないかなとは感じていましたね。

4Gamer:
 よく分かります。

足立氏:
 「バンやろ」は,リリースの前から新宿のZirco Tokyoというライブハウスでライブをやっていて,OSIRISの最初のライブも10人ちょっとくらいの集客から始まったんです。何か本当のインディーズバンドというか,バンドあるあるみたいなことをやりたかったんですね。そういうところも(「アルゴナビス」と)似ていて,面白いなと思っていました。

4Gamer:
 「アルゴナビス」もプロジェクトが始動し,キャラクターを発表する前からリアルライブを先に何度かやっていましたね。この「バトンを渡すようだった」というタイミングもすごいですが,両プロジェクトにはほかにもつながりがあったんですよね?

北岡氏:
 そうなんです。BLAST(「バンやろ」に登場するバンド。リアルライブではロックバンドのPENGUIN RESEARCHがメンバーを務めている)の方が何名か「アルゴナビス」に関わってくださっているんです。
 例えば,ギターの神田ジョンさんにはGYROAXIAの「DANCING PARANOIA」を書いていただきましたし,キーボードの柴﨑洋輔さんはTVアニメ(2020年4月期「アルゴナビス from BanG Dream!」)でモーションアクターをやっていただいたんですよ。実はクレジットにも載っています。

4Gamer:
 えっ。それは気が付きませんでした……! サポートメンバーを務めるミュージシャン同士も親交があるようですし,思った以上に共通点やつながりがあって運命的なものを感じますね。

足立氏:
 「アルゴナビス」の世界に,いつのまにかBLASTがいるかもしれないですね(笑)。

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「レゾナンス」と「デュエル・ギグ」を鑑賞した2人。
お互いに抱いたライブの印象とは?


「デュエル・ギグ2023」を鑑賞した北岡氏の感想

4Gamer:
 先ほども少し話に出ましたが,お二人は最近行われたお互いのライブへ足を運ばれていましたね。そのときの感想をぜひお願いします。

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北岡氏:
 僕は今年3月のライブ(「バンドやろうぜ!ドリームマッチ デュエル・ギグ2023 RAVEN/ADVENT」)の2日目にうかがいましたが,「アルゴナビス」では2018年以来できていなかったスタンディングのライブだったので,会場にお客さんがぎっしり入っている状況と熱量に驚きました。

 また,お互いの客層は近いのかなと思っていたんですが,そこは意外と違うかもしれないというのが一番感じたことかもしれません。「バンやろ」はペンライトはもちろんバングルライトすらなくて,もうバンドのライブそのもののノリでしたし,激しい曲のヘドバンもすごい勢いで。また,うちも「バンドリ」から始まったプロジェクトということもあって男性のお客さんはいらっしゃるんですが,それに比べても多い印象でしたね。

 そして何よりステージが圧倒的で……コラボを考えたものの,このままじゃ太刀打ちできないかもしれないと危機感を覚えるほどでした。バンドコンテンツの大先輩として,リスペクトを非常に感じました。

足立氏:
 3年半ぶりのリアルライブでしたが,お客さんにとっても待ち望んでいたものだったし,奇跡的に声出しできるタイミングが重なったのも大きかったと思います。北岡さんにご覧いただいた2日目はDAITAさんのサプライズ登場とか,バンドキッズは必見のライブだったはずなのでご招待できて良かったです。

 それと客席の練り歩きは以前もありましたが,「Bloody Masquerade」(OSIRIS)でやったのは初でした。あれはなかなか,他作品ではマネできないと思います(笑)。

4Gamer:
 「Bloody Masquerade」通称“ブラマス”はOSIRISきっての“暴れ曲”ですが,あの曲で客席に降りたうえにファンの手を取ったり,抱き寄せたりしていましたよね。あれには驚きました。

北岡氏:
 僕も本当にびっくりしました。すごい驚きと感動の裏で,「これ,事務所との相談はどうやっていたんだろう」って仕事的な頭も働いたりして(笑)。

4Gamer:
 ちなみに,どう許可を取られたんですか……?

足立氏:
 いや,何も言ってないです(笑)。本人がやりたくて勝手にやったのを,僕は笑って見てただけっていう……(苦笑)。

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 アニプレックスは,スマホアプリ「バンドやろうぜ!」のライブイベント「バンドやろうぜ!ドリームマッチ デュエル・ギグ2023 RAVEN/ADVENT」を,都内の豊洲PITにて2023年3月23日と24日に開催した。本稿では両日公演のレポートと,公演終了後のボーカリストインタビューをお届けする。

[2023/03/29 18:00]

「レゾナンス」を鑑賞した足立氏の感想

4Gamer:
 足立さんが初めて「アルゴナビス」のバンドを生でご覧になったのは,年始ライブ(2023年1月「from ARGONAVIS 2nd LIVE -Rezonance-」)の1日目でしたね。

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足立氏:
 はい。僕も北岡さんと目線が近く,まずはお客さんがどういう層でどういうふうに楽しんでいるのかに注目していました。どちらが良い悪いという話ではなく,「アルゴナビス」のファンは,より“メディアミックスらしい”感じで,いろいろな楽しみ方をしているなと感じましたね。そうしたファンと,ステージとのバランスがすごく取れていて。あとは北岡さんと同じく,「思っていた以上に男性のお客さんが多いな」とも感じました。

4Gamer:
 終演後に足立さんに感想をお聞きしたところ,ステージに関しては「バンやろ」とはかなり異なっていて,より演者さんたちがきちんとキャラクターを演じている印象が強いとおっしゃっていましたね。

足立氏:
 これは僕の性格のせいなんですけど,「バンやろ」ってあまり細かいことを決めないでやることが多くて(笑)。パフォーマンスもメンバーに委ねているところが大きいんです。さっきの客席降りの話もそうですが,自分が決めたとおりに動いてもらうより,そのほうが僕自身も楽しいので。「アルゴナビス」は演者さんがセリフの一つ一つなどキャラ像を守りつつ,ファンが望むことを意識してやっていらっしゃるんだろうなと思いました。だから逆に,自分ではなかなかここまでは作り込めないなと感じたんです。

 あとはやっぱり,声優さんや俳優さんたちが実際の演奏もするのは本当にすごいことだし,これは到底真似できないなと。「バンやろ」は,リアルはリアルで,キャラはキャラでという良さがありますが,「アルゴナビス」はそこが一体化している感がありました。

「from ARGONAVIS 2nd LIVE -Rezonance-」DAY1公演 オフィシャルライブレポート


北岡氏:
 ArgonavisとGYROAXIAは声優さんや俳優さんが演奏も担当していますが,実は当初,それ以外のバンドはステージにボーカルだけのカラオケ歌唱で動かそうかと思っていたんです。でも実際にプロジェクトを進めていくにつれて,バンドごとに差が出てしまうなと。それで,ボーカル以外をサポートメンバーとしました。

4Gamer:
 ステージ中にしゃべったりはしないものの,そのキャラクターの格好をして振る舞い演奏するという形ですね。

北岡氏:
 「アルゴナビス」は,キャラクターの声を担当する人が楽器を演奏する「バンドリ」の流れを組んでいたのもあり,社内でもいろいろな意見があったんです。でも「バンやろ」という存在があり,あの形が受け入れられているからこそ押し切れたところがあります。

 あと,これは本当に偶然なんですが,うちでやったカバー曲が「バンやろ」とかなり被っていたんですよ。いろいろなスタッフと話し合って決めたカバー候補だったんですが,自然と同じになっていたんだなと。

4Gamer:
 Argonavisが演奏した「*〜アスタリスク〜」や,Fantôme Irisのやった「モノクロのキス」,風神RIZING!の「HOT LIMIT」など,ほかにも多くの曲が「バンやろ」のライブで演奏されていましたね。私もそうですが,「これは!」とうれしく感じた方もいらっしゃったんじゃないかなと。

北岡氏:
 「バンやろ」がやられているカバー曲はドンピシャな曲しかなくて……しかも,けっこうコアな曲もやられてますよね? 「DUNE」(L’Arc〜en〜Ciel)とか,「えっ,あの『DUNE』!?」って(笑)。

足立氏:
 北岡さんは元々音楽の人だから詳しいと思いますが,普通は選ばないような曲ですよね。大阪でラルクやるならやっぱりインディーズ時代の曲でしょ,とか,1回だけやったDIR EN GREYの「残-ZAN-」 もそうでしたが,知る人ぞ知る曲だと一部のコアなファン達以外の反応がちょっと微妙になったりするんですけど,それも含めて僕が楽しんでいるという(笑)。

北岡氏:
 実は,僕もFantôme Irisで同じことをやったんです。名古屋だったのでやはり黒夢だろうと思い,曲の認知度でいくなら「少年」あたりにするところを,ライブタイトルが「月光饗宴」(2021年9月「Fantôme Iris Concept LIVE -月光饗宴-」)だったので,「Miss MOONLIGHT」を選びました。配信では「新曲?」ってコメントもあったりして……気づいたのは会場で数人だったかもしれません(笑)。

足立氏:
 「Miss MOONLIGHT」は名曲ですよね! ほんと僕と選曲センスがまったく一緒ですね(笑)。



音楽話で大盛り上がりの2人。
キャラが好きなバンドにもこだわりが……?


4Gamer:
 2人は音楽の話になるとすごく盛り上がりますよね。個人的には,北岡さんが年齢のわりに渋いところをついてくるなと思っています。

北岡氏:
 元々好きだったのはL’Arc〜en〜Cielです。僕の世代だと,何度目かの活動休止のあと「鋼の錬金術師」のTVアニメのオープニングで復活したころにファンになった人が多いと思います。それで僕は,後追いで90年代から活躍していたバンド……それこそGLAYとか黒夢とかLUNA SEAとか,当時流行っていたのより,そちらばっかり聴くようになったんですよ。

 ずっと遡ってD’ERLANGERくらいまでいったんですが,それこそ僕が生まれる前に解散してたりして。そういえば,「バンやろ」のキャラプロフィールの好きなバンドにも入っていましたよね。あれを見たときも「D'ERLANGER!?」ってびっくりしました(笑)。

「バンやろ」公式サイトのキャラクターページ。各キャラのプロフィールに好きなバンドの記載がある(外部リンク
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足立氏:
 あれは僕や安谷屋(「バンドやろうぜ!」音楽制作ディレクター・安谷屋光生氏)たちスタッフが居酒屋に集まって,「こいつが好きなバンドはこれだろうな。わはは!」とか言って決めていったんです(笑)。キャラの世代で考えたら出てこないバンドも多いですが,実はそのキャラの親が好きな音楽で……っていう設定を後付けしたり。

 あとは「本当は別のバンドのほうが好きなんだけど,人前に出すプロフィールとして格好つけて書いてる」みたいな深読みできる要素もあったりします。あのプロフィール,実は奥が深いんですよ(笑)。

北岡氏:
 ネオビジュアル系のバンドも混ざってましたよね。アリス九號.(「バンやろ」サイト内での表記はAlice Nine)とか。

足立氏:
 そうです。ほかにもAn Café(アンティック-珈琲店-)なんかは,そういった流れで実際Kanonさんに楽曲を作っていただいたりしました(FairyApril「Storm flight!」「雨天決行ガムシャララ」ほか)。あと,男の娘バンドのCure2tron のマイリーの好きなバンドは「カラオケで歌ってそう」ということで決めた覚えがあります。モテるカラオケ曲というか(笑)。

4Gamer:
 この「好きなバンド」という設定はすごく良かったですよね。いちいち「分かる」「言いそう!」と感じましたし,ユーザー側としても想像が膨らみ,よりキャラクターの深みが増したと思います。

足立氏:
 実在のバンド名を出して大丈夫? って話もあったんですが,何の根拠もないのに「大丈夫,やろう!」と。でも話題にはなりましたし,クレームなどもありませんでしたしね。バンド界隈の人は心が広い(笑)。

4Gamer:
 こうなってくると,「アルゴナビス」もそういう設定ほしいですね。

北岡氏:
 ちょっと考えてみたくなりますね……(笑)。

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ついに実現した夢の対バン。
どんな内容になりそうか聞いてみた!


4Gamer:
 そしてついに年明けに対バンが実現するわけですが,現時点でお話できそうなことがあればぜひ。

北岡氏:
 あえて「今回は」という言い方をしますが,今回は「バンやろ」で2つのバンドがステージに出っぱなしで交互に演奏する「デュエル・ギグ」形式とは違い,「アルゴナビス」の土俵でやっていただく形になります。とはいえ出演バンドがただ数曲ずつ演奏して……というものにはならないよう,コラボならではの施策はできる限り詰め込む予定です。今,足立さん側にもいろいろとご相談してアイディアを出させていただいたりしていますね。

4Gamer:
 新たなステージが見られそうで楽しみです。それでは,「アルゴナビス」側の出演バンドをGYROAXIAとFantôme Irisにした理由を教えてください。

北岡氏:
 個人的なイメージですが,ストーリーの立ち位置やラウドな音はOSIRISとGYROAXIAが共通しているんですが,曲調はちょっと違うんですよね。そういう意味だと音楽性はFantôme Irisのほうが近い。でも見た目や世界観を作り込んでいるところは異なるし……というのもあって,お互いのファンにとって親和性を持てるかなと思い,この組み合わせを考えました。あと,単純にこの前のライブを見て「1組じゃ太刀打ちできないかも……2対1でいこう!」と思ったのもあります(笑)。

4Gamer:
 では,「バンやろ」側はいかがですか。

足立氏:
 実はうちのプロジェクトにおいて,ここまでしっかりしたコラボライブを外部と行うのは初めてなんですよ。僕は「バンやろ」のなかで“特攻隊長”的なバンドはOSIRISだと思っていて,いい意味でアウェイな場所に挑戦しに行くのは彼らだなと。「アルゴナビス」のファンの人たちに,少しでも刺さるものがあればうれしいです。

4Gamer:
 キャラの平均年齢的にはFantôme Irisがアラサーで,GYROAXIAとOSIRISは20歳前後ですが僅差でOSIRISのほうが若いんですよね。リアルではなく世界観的に,彼らがどういう実力差で力関係なのか,どんな経緯でライブすることになったのか気になる人も多いかもしれません。

北岡氏:
 そうなんですよね。本来ならきちんとしたストーリーがあって……例えばいきなり異世界に飛んで,バンドどうしがぶつかり合うとか。

足立氏:
 「バンやろ」はそういうの慣れてるのでいくらでも飛びますけどね(笑)。

4Gamer:
 ビバリーヒルズとかゾンビとかありましたしね……。

北岡氏:
 今のところ背景のストーリー的なものはあまり深く考えていなくて,単純にこの3組のバンドの共演という形にしようかなと思っています。もちろん,どのバンドもちゃんとキャラクターとしてステージには立ちますし,ここでしか見られない絡みもできたらいいなと。

 勝手なイメージですが,OSIRISのボーカル(高良 京)には少し(Argonavisのボーカル)七星 蓮っぽさを感じるんですよ。物静かであまり激しく感情を表に出さないけど,音楽に対する熱さがある。そういった点では,(GYROAXIAのボーカル)旭 那由多が少し気にかける存在になるんじゃないかな? という妄想をしています。

4Gamer:
 そのあたりが少し見えてくると楽しいですね。では,ライブに向けた準備の状況はいかがですか?

北岡氏:
 GYROAXIAは,もうセトリを決めています。初披露となる楽曲もあるかもしれないとだけ言っておきます(笑)。Fantôme Irisはもう少し時期が近くなってから準備に入る予定です。こちらも新しい何かをお見せできればと思っています。

足立氏:
 OSIRISは乗り込む側なので,新しい姿を見せるというよりは自己紹介的な,「OSIRISはこういうバンドなんですよ」という初めて見る人にも伝わりやすいようなセトリを考えています。

4Gamer:
 本番が近くなりましたら,また様子を聞かせてください。このほか,イベントのお楽しみ要素があれば。

北岡氏:
 両プロジェクトとも,本イベントのための描き下ろしイラストを制作しています。

足立氏:
 OSIRISはもちろん,さらちよみさんにお願いしています。この記事が出るよりは少しあとになりますが,楽しみにしていただけたら。僕たちは挑戦者という立ち位置で乗り込みにいきますが,みんな「負けてなるものか」とすごく気合が入ってるんですよ(笑)。なので,皆さんに喜んでいただけたらうれしいです。

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「CROSSOVER」出演バンドについて
両プロデューサーが解説!

GYROAXIA(「from ARGONAVIS」)
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小笠原 仁(Vo.旭 那由多 役)
真野拓実(Gt.美園礼音 役)
橋本真一(Gt.里塚賢汰 役)
秋谷啓斗(Ba.曙 涼 役)
宮内告典(Dr.界川深幸 役)

「音楽的にはミクスチャーからラウドロックで,声優が歌っているとは思えないスクリームやシャウトが織り交ぜられた楽曲が特徴です。ライブはいろいろな楽しみ方ができますが,飛び跳ねたり声を出したり,ライブキッズ的な楽しみ方ができるバンドです」(北岡氏)

Fantôme Iris(「from ARGONAVIS」)
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写真のSupport Membersは一部現在と異なります
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ランズベリー・アーサー(Vo.FELIX 役)

Support Members
Gt. 冬真 as LIGHT
Gt. YOUSAY as ZACK
Ba. めんま as HARU
Dr. KENZO as D

「アラサーの社会人ビジュアル系バンドって現実味がありますよね。年齢設定に違わぬ,熟練した演奏技術があるバンドです。ボーカルのFELIXが『吸血鬼を統べる王』で,世界観のしっかりしたステージングを見せられると思います。楽曲的にはOSIRISと親和性が高いかもしれません」(北岡氏)

OSIRIS(「バンドやろうぜ!」)
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小林正典(Vo.高良 京 役)
瑠(Gt.レイ・セファート)
カゴメ(Ba.来栖真琴)
バタヤン(Dr.小金井 進)

「作中では,インディーズ業界からメジャーに憧れてのし上がっていくという,真っ当な系譜を辿る昔ながらのビジュアル系ロックバンドといった感じです。90年代のビジュアル系が好きな人には馴染み深く,懐かしくなるような曲調が多いですね。意外と歌謡曲的なキャッチーさもあります」(足立氏)



「CROSSOVER」アリーナ席はスタンディング!
レギュレーションについて聞く


4Gamer:
 今回はアリーナ席がオールスタンディングで,ペンライトが使用不可となっています。普段の「アルゴナビス」のライブとはレギュレーションが異なりますが。

北岡氏:
 今回のコラボのコンセプトは,これまでの「アルゴナビス」プロジェクトとは少し違うんですよね。オールスタンディングのライブはそれこそ初期,2018年にやっていたライブハウスでのライブ以来となります。TOKYO DOME CITY HALL自体もコロナ禍でしばらくスタンディングNGだったんですが,2024年1月から解禁となるので,もしかしたらこれが復活1発目になるかもしれません。

足立氏:
 あのサイズ感でスタンディングって結構な規模ですよね。

北岡氏:
 はい。いろいろな楽しみ方のお客さんがいるためレギュレーションによっては,不快な思いをされる方も出てきてしまいます。激しめなライブが好きな「アルゴナビス」ファンはこれまでよりも楽しめると思いますが,そういう目線じゃない方にはビックリするノリもあると思うので,うまくバランスが取れるような形にできればいいなと思っています。

4Gamer:
 今のメディアミックスのライブのほとんどが,「ペンライトありき」みたいになっていますしね。

北岡氏:
 今回,音楽性的には激しめのバンドのライブですし,そこの部分に関しては「バンやろ」に寄らせていただくかたちとしました。とはいえ,「アルゴナビス」プロジェクトのライブが必ずしも今後そういった方向に向かう,ということではありません。僕らとしても1つのチャレンジ的な側面もあるかもしれません。

足立氏:
 僕らが「デュエル・ギグ」のとき常々言っているのが,お互いのファンに対するリスペクトを持ち,そのうえで楽しもうっていうことです。今回もそうだと思うので,みんなで楽しくライブができたらと。

4Gamer:
 本当に,ぜひ今回だけと言わず何度でもコラボしていただきたいです。そのあたりはまだ分からないですよね。

足立氏:
 僕としては,北岡さん側がNGを出さない限りはいくらでも(笑)。

北岡氏:
 そうですね。本当に,今回は大先輩プロジェクトの胸を借りるつもりで挑もうと思っています。奇しくも入れ替わりのように始まったプロジェクトですが,「バンやろ」がずっと定期的に活動してお客さんからも応援されていて,こういう愛されるコンテンツを僕らも目指したいなと。きっと,1回じゃもったいないライブになると思うんです。いつか,ほかのバンドも含めてやりたいとは夢見ています。

 実は今回のコラボも,当初はArgonavisを考えたんですよ。でもOSIRISとは少し異色かなと。Argonavisが出ることがあるならぜひBLASTとやりたいですし,風神RIZING!も合いそうです。εpsilonΦやST//RAYRIDEも,ぜひいつか絡められたらうれしいと思っています。

足立氏:
 BLASTはあまりにも台本を守らないんですけどね……大和(BLASTボーカル・東雲大和。キャラクターボイス,リアルバンドともに生田鷹司さんが務めている)とか,何するか分からないんで(笑)。うちもぜひ,ほかのバンドも呼んでくれたらうれしいです。

4Gamer:
 今回の盛り上がり次第で次があるかどうか,という可能性もありますよね?

北岡氏:
 そうですね。ぜひ,皆さんに盛り上がっていただきたいです。こういったコンテンツですと,コラボは受け入れられないという人もいるのは把握しています。そうした方には,少し大目に見ていただけたらと思いますし,歓迎してくれる人には期待以上のものをお見せできたら。

4Gamer:
 それでは最後に,締めのメッセージをお願いできますか。

足立氏:
 たまおさんからどうぞ(笑)。

4Gamer:
 私ですか!? ……そうですね,個人的にバンドコンテンツの双璧だと思っている両者がぶつかったら,どんな景色になるか未知数すぎて本当に楽しみです。演者さん同士も刺激し合ってさらに素晴らしい演奏になるでしょうし,それを見守るファンの皆さんの姿も。先ほども出ていたように,お互いにリスペクトを持って仲良く楽しむことができたらと思います。

足立氏:
 最初にたまおさんがきっかけをくれた「クリカニ」上映会のときに挨拶で言ったんですが,「今後『バンやろ』で新しい動きがあったとしたら,それはすべて『一緒にこんなことをしたい』って思ってくださる人や,ファンの皆さんの後押しがあって実現するもの」なんですよね。望んでくれる人がいるからこそ実現するので,今回のコラボには本当に,北岡さん,たまおさんをはじめ,ご協力いただいた皆さんに心から感謝しています。我々「バンやろ」が「アルゴナビス」のライブにちょっとだけお邪魔するようなかたちですが,温かい目で見て楽しんでいただけたらうれしいです。

 ……という優等生なコメントとともに,「当日はけちょんんけちょんにしてやるぜ!」とも言っておきます(笑)。北岡さんが「『バンやろ』とは2度とやりたくない」とか,「向こう3年くらいはやれそうにないな……」と打ちのめされる姿を内心で期待しています。ファンの皆さんはお互いに配慮を忘れず,純粋に楽しんでくださいね!(笑)

4Gamer:
 ……という宣戦布告を受けまして,北岡さんお願いします。

北岡氏:
 最初にこのコラボの打ち出し方をご相談したときにお伝えしたのは,「『バンやろ』という大先輩コンテンツに出演していただくにあたり,大きなリスペクトをもってコラボしたい」ということでした。出ていただけること自体が光栄なのですが……半端な内容で挑むのが一番失礼に当たると思うので,僕たちもOSIRISという偉大なバンドに負けないようなライブを作れたらと思っています。

 先ほど足立さんもおっしゃってましたが,「アルゴナビス」としても,フェス以外で外部のバンドとこれだけしっかりとしたコラボライブをするのは初めてのことなんですよ。男性のバンドコンテンツもので長く続いているヒット作は多くはないですし,先輩後輩としてこのシーンを盛り上げていくスタートになればうれしいです。社交辞令でなく,今後もやっていけるような企画にしたいなと。

 本番でGYROAXIAとFantôme Irisが何をするか,ここから先は足立さんには共有せずに進めていこうと思います(笑)。

足立氏:
 おおっ(笑),楽しみ!

4Gamer:
 本日はありがとうございました!

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――2023年10月12日収録

「from ARGONAVIS × バンドやろうぜ! SPECIAL LIVE - CROSSOVER -」詳細ページ


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