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  • Square Enix
  • 発売日:2018/02/28
  • 価格:1980円(税込)
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「クロノ・トリガー Orchestra Concert 時を超える旋律」レポート。クロノ達の冒険を,オーケストラ演奏と映像で追体験できる公演に
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印刷2026/01/30 15:00

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「クロノ・トリガー Orchestra Concert 時を超える旋律」レポート。クロノ達の冒険を,オーケストラ演奏と映像で追体験できる公演に

 2026年1月17日と18日,東京国際フォーラム・ホールAにて「クロノ・トリガー Orchestra Concert 時を超える旋律」が開催された。
 本公演は,発売30周年を迎えたスクウェア・エニックス(発売当時はスクウェア)の名作RPG,「クロノ・トリガー」のオーケストラコンサートだ。

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 「クロノ・トリガー」は,作曲家の光田康典氏がメインコンポーザーを務めた音楽も大きな魅力の一つ。主人公・クロノ達の時空を超えた冒険を彩る名曲の数々が,ニコラス・バック氏指揮のもと,東京フィルハーモニー交響楽団のフルオーケストラ演奏で披露された。なお,司会は声優の川庄美雪氏が務めていた。

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 本公演では,ストーリーの流れに沿った構成で演奏が披露されたほか,演奏中にはゲーム中の名場面映像がスクリーンに映し出されていた。それにより,聴覚と視覚でクロノ達の冒険を追体験できたのも大きな魅力だった。
 本稿では,1月18日の昼公演の模様を,体験記形式でお届けしよう。

 会場の東京国際フォーラム・ホールAには,多くのファンが詰めかけ大賑わい。ロビーの展示コーナーや物販コーナーには長蛇の列ができ,開演前から熱気にあふれていた。展示コーナーには,「クロノ・トリガー」のアナログレコード盤ジャケットや,今後発売予定のクロノやマールのフィギュア原型などが展示されており,来場者の多くがじっくり眺めたり写真に収めたりして楽しんでいた。


振り子時計の音から物語は始まる


 約5000席の巨大なホールは,ファンで埋め尽くされて超満員。開演時間を迎えると,楽団員の皆さん,そしてニコラス氏が笑顔で登場した。ニコラス氏がタクトを振り始めると,「カッ……カッ……」というオープニングの振り子時計の映像に合わせて「予感」が演奏され,壮大な旅の始まりを告げる。
 続いて作品の顔ともいえる代表曲「クロノ・トリガー」の疾走感ある旋律が響きわたり,時空を超える冒険へと観客を一気に引き込んでいく。

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 「朝の日ざし」の冒頭では,波の音,花火の音,カモメの鳴き声といったゲーム中の効果音が楽器で再現され,没入感を高めていく。次の「やすらぎの日々」ではピッコロやホルンを中心にゆったりとした旋律が奏でられ,穏やかな空気が会場を包んだ。

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 ここで司会の川庄氏からニコラス氏と楽団員の皆さんが紹介されたあと,「朝の日ざし」に入っていた効果音について触れ,奏者の方にあらためて実演していただくことに。
 カモメの鳴き声はクラリネットで,花火と波の音は打楽器で……その巧みな表現力に,観客からは大きな拍手が贈られた。

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 本作のヒロインであるマールと出会うことになるお祭りの楽曲「ガルディア王国千年祭」では,木管や打楽器を中心に,にぎやかな演奏がホールを満たしていく。ニコラス氏はまるでリーネ広場で千年祭を楽しむかのように,左右に揺れながら軽快にタクトを振っていた姿が印象的だった。
 楽しい雰囲気から一転して,「不思議な出来事」が不穏に響く。クロノの幼なじみである発明少女のルッカが作った転送装置のトラブルにより,時空を超えるゲートが出現し,マールが消えてしまうのだ。ここからクロノ達の冒険が始まる。


中世から未来へ。時を超える冒険の音色が響く


 消えたマールを追って,中世へとワープしてきたクロノ。ここでは「樹海の神秘」が,ハープとコントラバスのピッチカート(弦を指ではじく奏法)で神秘的に奏でられる。

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 フィールドに出ると,作中屈指の人気曲「風の憧憬」がストリングスを中心に美しく響く。透明感にあふれており,爽やかな風を感じるような壮麗な演奏に聴き惚れた。

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 モンスターに遭遇すると,通常バトル曲「戦い」の始まりだ。スクリーンに数々のバトルシーンが映し出されながら,迫力たっぷりのオーケストラが鳴り響く。戦闘が終了すると,「ファンファーレ1」が高らかに奏でられた。

 ガルディア城を訪れたクロノ。ここでは「ガルディア城 〜勇気と誇り〜」が金管や打楽器を主軸に,勇ましく奏でられる。後半は木管とストリングスが入り,優雅な印象になっていた。

 カエルの姿をした剣士の楽曲「カエルのテーマ」は,まっすぐな力強さにあふれた旋律が鳴り響く。カエル好きな筆者は,うれしくてぎゅっと唇を噛みしめながら聴いてしまった。
 スクリーンには,聖剣グランドリオンで魔岩窟の入口を切り開くところなど,カエルの名シーンが連続して映し出され,映像からも目が離せなかった。

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 中世から現代に戻ってきたのもつかの間,王女誘拐犯の濡れ衣を着せられ,王国裁判にかけられてしまうクロノ。この一連のシーンがメドレーで奏でられた。
 「王国裁判」のゆったりした演奏から,「隠された事実」では一転してテンポが上がり,緊張感が増していく。「危機一髪」はより激しい演奏になり,空中刑務所からの脱出劇が展開される。このメドレーは,スクリーンの映像と演奏がとくにリンクしておりスリリングで,思わず手に汗を握った。

 クロノ達は追手からの逃走の果てに,未来の世界へたどり着く。「16号廃墟」を抜け,人型ロボットであるロボと出会い,彼の楽曲「ロボのテーマ」がリズミカルに明るく演奏される。
 しかし新たな出会いを喜ぶ暇もなく,クロノ達は,未来の世界が大災害「ラヴォス」によって滅亡してしまうことを知るのだ。

 「世界最期の日」は,ハープとチェレスタで静かに始まり,物悲しい旋律が響く。
 そして「ラヴォスのテーマ」は,強大な恐ろしさと終末観に満ちた1曲だ。ホールいっぱいに絶望的な旋律が響いた後,ズーンと重々しさを残したまま演奏が締めくくられる。

 ……というか,まさかこの楽曲で第一部が終了するとは。意外だが面白い構成だったように思う。「絶望的な未来を変えなければ!」というクロノ達の決意を感じつつ,休憩時間に突入した。


「魔王決戦」「時の回廊」など人気曲が続々登場


 第二部の幕開けを飾ったのは「時の最果て」だ。
 ぽろん……ぽろん……という優しいハープの音色から始まる静かな旋律が,神秘的な空気感を醸し出す。2ループめからはストリングスも重なってきて,より壮大さを増していく。
 そこから一転して,「愉快なスペッキオ」が可愛らしくリズミカルに響いた後,「ファンファーレ3」が高らかに金管で奏でられた。

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 次は,はるか昔の原始時代からの2曲だ。「原始の山」では,金管やパーカッションが唸り,野性味あふれるリズムを奏でる。
 続く「エイラのテーマ」は,原始時代で出会うことになるイオカ村の酋長,エイラの楽曲だ。勇ましく金管が鳴り響き,陽気かつワイルドなエイラの人物像を表現していた。

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 「魔王城 / 錯乱の旋律 / 魔王決戦」は,中世における魔王との決戦シーンのメドレーだ。風の音が唸る静かなイントロから始まり,壮大なオーケストラの響きがカエルと魔王の因縁の決戦を盛り上げる。
 なお,風の音はウインドマシーンという装置で奏でられており,雰囲気を盛り上げていた。細かい部分ではあるが,原曲にも入っていた風の音は欠かせない要素だと思う。それをしっかり演奏で再現してもらえたのは,うれしい演出だった。

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 舞台は古代へと移り,クロノ達は魔法王国ジールを訪れる。ここで流れる「時の回廊」では,ヴィブラフォン(鉄琴)を中心にゆったりとした旋律が響く。神秘的な音色が,古代の世界観を鮮やかに表現していた。
 「ジール宮殿」では重々しい旋律が続く中で,途中で入るカスタネット奏者さんの速弾きが華を添えているのが印象深い。

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 女王ジールの娘であるサラの楽曲「サラのテーマ」は,オーボエをメインに切なく神秘的に奏でられた。
 とある重大な悲しいシーンで流れる楽曲「夜の底にて」では,しっとり壮大なオーケストラアレンジによって,原曲よりもさらに深い悲壮感が伝わるような演奏に。
 しかし,後半にはそれでも前を向いて進む仲間達を示すかのような,ドラマ性のあるアレンジ展開になっていて,心に残った。

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 そして,クロノ達は「シルバード」に乗り込む。「クロノ・トリガー」と同じモチーフの「決意」と「シルバード 〜時を渡る翼〜」が,オーケストラの壮麗な響きで爽快感たっぷりに響きわたる。
 スクリーンに映し出されるシルバードの雄姿を見ながら演奏に聴き入っていると,ゲームでこの楽曲を聴きながら各時代を駆け巡った思い出が鮮烈によみがえってきた。


エンディングでは目からオイルが……


 いよいよ最終決戦を迎え,ラヴォスに挑むクロノ達。まずは「世界変革の時」が奏でられた後,「ぎゅわああああああおおおおおおおぅ!」という身の毛がよだつほど恐ろしいラヴォスの叫び声が金管群の不協和音で表現され,「ラストバトル」に突入。

 さらにテンポアップした激しい演奏が場内を支配する。とてつもない緊張感がありながら高揚感も同時にあり,正直ゾクゾクした。最終決戦にふさわしい,圧倒的な迫力の演奏だった。

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 見事ラヴォスを打ち倒した後は,「エピローグ〜親しき仲間へ〜」の優しい演奏がホールを包み込む。
 筆者はゲームを初めてプレイした当時,エンディングでロボとルッカのやりとりを見て涙したのだが,それを心の奥底から思い起こさせてくれる名演奏で,また涙腺がゆるんでしまった。ロボのアイセンサーがオイルでにじんだように,客席でも多くのファンが目元を拭っていたのが印象的だ。

 ちなみに,ルッカの「ロボのバカバカ! 悲しい時は素直に悲しむのよ!!」というセリフがスクリーンに映し出されているとき,ドン! ドン! と打楽器を強く叩く音が鳴っていたのだが,これはルッカがロボとの別れを惜しんでロボの体を叩いているのを表現しているんだと気付き,胸が熱くなった。

 ラストに披露されたのは,エンディング曲「遥かなる時の彼方へ」だ。悠久の時の流れを感じさせる壮大かつ美しい旋律が,仲間達のその後の映像とともに優しく奏でられる。
 オーケストラで紡がれる音の流れは筆舌に尽くしがたいほど気持ち良く,ただただ身を任せて冒険の余韻を味わえた。そして演奏が締めくくられると,観客から一際大きな拍手が贈られた。

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 盛大な拍手に応えてアンコールで披露されたのは,「クロノ・トリガー メドレー」(クロノ・トリガー,クロノとマール 〜遠い約束〜,ファンファーレ1,カエルのテーマ,ロボのテーマ,エイラのテーマ,サラのテーマ,クロノ・トリガー)だ。
 もうコンサートは終わりか……と思っていたら,また演奏が始まったのがうれしかった。まるで「つよくてニューゲーム」のように再びゲームの世界に戻り,これまでの冒険を振り返りながら,代表的な名曲があらためてメドレー形式で奏でられていく。
 大トリとなる「クロノ・トリガー」でバシッと演奏が締めくくられた瞬間,再び割れんばかりの大きな拍手が場内を包み,大盛況で公演は幕を閉じた。

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冒険の記憶が鮮やかに蘇る,素晴らしい体験


 今回のコンサートは,全体的に原曲を尊重したうえでさらにふくらませた編曲になっており,聴いていて非常に心地良いものだった。
 また,スクリーンに投影される映像とオーケストラ演奏のシンクロが巧みで,心の奥底に眠っていた冒険の記憶が鮮やかによみがえってきた。
 オーケストラ演奏とスクリーンの映像をシンクロさせるのは難度が高いはずだが,それをキッチリやってのけるのは,さすがプロフェッショナル。おかげで没入感が非常に高く,「クロノ・トリガー」の音楽世界を堪能できた。

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 かつて「クロノ・トリガー」の世界を冒険した多くの旅人達と同じ空間で,再び時空を超える冒険を体験でき,幸せなひとときを過ごせた。作品のいちファンとして,この上なく素晴らしい時間だった。ニコラス氏や奏者の皆様をはじめ,このコンサートに携わった関係者の皆様に深く感謝を申し上げたい。
 クロノ達の旅路と,それを彩る音楽が改めて深く心に刻まれたと同時に,また久しぶりにゲームをプレイしたくなった!

 なお,本公演で披露された新規アレンジが収録されたオーケストラアレンジアルバム「CHRONO TRIGGER Orchestral Arrangement 時を超える旋律」と,ピアノアレンジアルバム「CHRONO TRIGGER Piano Soundscape Arrangement」がスクウェア・エニックスから発売中だ。
 また,アナログレコードBOX「CHRONO TRIGGER Original Soundtrack Vinyl LP Box」も3月25日に同社から発売予定なので,ぜひチェックしてみてほしい。

「クロノ・トリガー Orchestra Concert 時を超える旋律」
プログラム

01.予感 / クロノ・トリガー
02.朝の日ざし / やすらぎの日々
03.ガルディア王国千年祭 / 不思議な出来事
04.樹海の神秘 / 風の憧憬
05.戦い / ファンファーレ1
06.ガルディア城 〜勇気と誇り〜 / カエルのテーマ
07.王国裁判 / 隠された事実 / 危機一髪
08.16号廃虚 / ロボのテーマ
09.世界最期の日 / ラヴォスのテーマ
10.時の最果て / 愉快なスペッキオ / ファンファーレ3
11.原始の山 / エイラのテーマ
12.魔王城 / 錯乱の旋律 / 魔王決戦
13.時の回廊 / ジール宮殿
14.サラのテーマ
15.夜の底にて
16.決意 / シルバード 〜時を渡る翼〜
17.世界変革の時 / ラストバトル
18.エピローグ 〜親しき仲間へ〜
19.遥かなる時の彼方へ

[アンコール]
20.クロノ・トリガー メドレー


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