NTTドコモとスクウェア・エニックスは本日(2013年9月30日),両社におけるスマートフォンおよびタブレット端末の連携強化に関する記者説明会を,千葉・幕張メッセにて開催した。この説明会では,
既報のとおり,NTTドコモが提供するプラットフォーム「dゲーム」に,スクウェア・エニックスのMMORPG
「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」(
PC/
Wii/
Wii U)を
クラウドゲームサービスとして提供することが発表された。また記者会見には「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親である
堀井雄二氏(ゲームデザイナー)も登壇した。本稿では,その会場の模様をお伝えしよう。
NTTドコモ マーケットビジネス推進部長 前田義晃氏
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記者会見でプレゼンテーションの先陣を切ったのは,NTTドコモ マーケットビジネス推進部長
前田義晃氏だ。前田氏は,「ドラゴンクエストX」がdゲームで初のクラウドゲームサービスにあたり,クラウドを介してモバイル端末で本格的なMMORPGのサービスを提供するのは同作が世界初(
※スクウェア・エニックス調べ)になることを紹介した。さらに,今回の取り組みを皮切りに,クラウドを介したリッチなゲームをdゲームとして提供していく予定とのことだ。
クラウド版の「ドラゴンクエストX」は,
2013年12月から2014年2月頃にサービスを開始する予定で,まずはNTTドコモのタブレット「dtab」向けに提供し,順次,同社のタブレットおよびスマートフォンに対応していくとのことだ。また前田氏いわく,dゲームがマルチキャリアに対応していることを活かし,
将来的には,NTTドコモ以外のキャリアのモバイル端末でもサービスを提供する予定とのことである。
なお,料金形態については未定だが,そのほかのプラットフォームよりも短期間,かつ低料金のプランの導入を検討しているという。
これに続いて,「ドラゴンクエスト」シリーズとコラボレーションしたスマートフォンが現在開発中であることも発表された。ドラクエでおなじみのメタルスライムをモチーフとしたデザインに,限定アプリ
「ドラゴンクエスト いつでも冒険ダイス」をプリインストールしたモデルになるという。こちらの詳細は,同社が2013年10月に開催する商品説明会であらためて発表するとされている。
次は,
堀井雄二氏と
齊藤陽介氏によって
クラウド版の実機デモプレイが披露された。齊藤氏が「ドラゴンクエストX」のサーバーにログインしているキャラクターを操作し,サーバー側で演算処理した結果をストリーミング,dtab上で再生していることなどを説明。ちなみにクラウド版のプレイヤーも,PC/Wii/Wii U版と同じサーバーで遊べるとのことである。
 堀井雄二氏 |
 「ドラゴンクエストX」プロデューサー 齊藤陽介氏 |
デモプレイで使われたdtabは会場の無線通信環境を踏まえて,有線でネットに接続していた
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デモプレイは本サーバーを使って行われたため,一般プレイヤーが続々と集結
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タッチスクリーン上に表示されるユーザーインタフェースは,「けってい」ボタン以外を消すことも可能で,「操作に慣れたら,見た目をシンプルにして遊べます」ということも齊藤氏から説明された。
齊藤氏いわく肝心のプレイフィールについては,Wii/Wii U版とほぼ変わらず,「実際に手に取って遊んでいただけると,快適さが伝わると思います」とのことだ。
一方,堀井氏は,スマートフォンを使ってクラウド版のデモプレイを披露した。まだ開発段階であることや,会場の通信環境もあってか動作にはディレイが見られたものの,「それでもそう遠くない将来にスマートフォンで『ドラゴンクエストX』が遊べるようになることを予想させる」(齊藤氏),「みなさんが持っているスマートフォンで(本格的な)MMORPGを遊べる時代がくる」(堀井氏)と両氏それぞれがコメントし,プレゼンをまとめた。
 堀井氏は,「ドラゴンクエスト」コラボのスマートフォン(モック)も披露した |
 会場には実機を使った試遊コーナーや,「ドラゴンクエスト」コラボスマートフォンの展示があった |