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GeForce GTX 500
  • NVIDIA
  • 発表日:2010/11/09
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「GTX 580は“GF102”だ」――TSMCのプロセス移行計画変更が影を落とすNVIDIAとAMDのGPUロードマップ
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印刷2010/11/10 00:00

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「GTX 580は“GF102”だ」――TSMCのプロセス移行計画変更が影を落とすNVIDIAとAMDのGPUロードマップ

 ある大手OEMベンダー関係者は,「GF110」という開発コードネームで知られる「GeForce GTX 580」(以下,GTX 580)の最終スペックを見るなり,「これは,我々が知っている『GF102』コアそのものだ」と指摘した――。

GeForce GTX 580リファレンスカード
GeForce GTX 500
 NVIDIAでGPUビジネスを統括するDrew Henry(ドリュー・ヘンリー)氏は,COMPUTEX TAIPEI 2010のタイミングで,非公式ながら,筆者を含めた複数のメディア関係者に対して「年内に,512 CUDA Core仕様のFermiをお見せできるだろう」と語っていた。
 「半導体の歩留まりもさることながら,デスクトップPCに適した消費電力を維持することが最も重要だ」として,GF100で512コアを有効にできない理由は,半導体製造における歩留まり率だけの問題ではないと,指摘していたわけだ。

 この時点では,「512 CUDA Core仕様のFermi」が,

  1. GeForceの製造を担当するTSMCの歩留まり率向上に伴って省電力化を実現したGF100
  2. GF100をベースに半導体設計を見直したGF102コア

のどちらになるのかは不透明だった。その後,夏頃になって,複数のグラフィックスカードベンダー関係者から「GF102はキャンセルされ,NVIDIAはアーキテクチャ変更を伴うGF110にフォーカスする」という話が聞かれるようになり,1.でも2.でもない,GF110こそが,次のフラグシップ製品と見られるようになっていったのである。

GTX 580のヒートスプレッダには「GF110-375-A1」という刻印がある
GeForce GTX 500
 しかし,いざ蓋を開けてみたら,GF110ことGeForce GTX 580として発表されたGPUが,GF100のリファイン版だったというのは,既報のとおりだ。
 この状況には,グラフィックスベンダー関係者はもとより,大手OEMベンダー関係者も「今年ほど,半導体ベンダーのロードマップが当てにならない年はない」とグチをこぼさざるを得ない模様。ハイエンドのカードは完成品納品なので,発表直前まで最終的な仕様が分からないことが,彼らをいらだたせているようだ。


TSMCのプロセス移行計画変更が大きく影響


 この相次ぐグラフィックス製品ロードマップの変更には,AMDとNVIDIAのグラフィックスチップ製造を一手に引き受けるTSMCのプロセスロードマップ変更が大きく関係している。
 AMDとNVIDIAは,もともとTSMCの32nmプロセスが立ち上がるのを当て込んだ計画を立てていた。それが,3月の時点で32nmプロセスが正式にキャンセルされ,さらに,4月の投資家向け会議で22nmプロセスもキャンセルして20nmへ移行する計画が明らかになったことで,ロードマップの大幅な見直しを迫られたのだ。

7月時点におけるTSMCのプロセス移行ロードマップ
GeForce GTX 500

 これまで,グラフィックスチップの進化は,65nmプロセスに対する50nm,45nmプロセスに対する40nmといった,中間世代プロセスの採用により,半導体のシュリンクと高性能化を当て込んできた。しかし,半導体の微細化が進むにつれ,歩留まりの向上や新プロセスの開発にかかる労力は増大し,中間プロセスを採用するメリットが薄れてきたのも事実。そこでTSMCは,32nmプロセスと22nmプロセスのスキップを決め,メジャーなプロセス移行にフォーカスする戦略に転換したというわけである。

Northern Islandsの上位モデルにおける製品移行計画。いずれも40nmプロセスを採用して製造されるGPUとなる
GeForce GTX 500
 ただ,AMDは,Northern Islands(ノーザンアイランズ)ファミリーの上位モデルを32nmプロセスで製造すべく設計を進めていた。そのため,TSMCの計画変更を受けて,Bartsや,Bartsの上位モデルにあたる「Cayman」(ケイマン,開発コードネーム)を40nmプロセスで製造するよう,ロードマップを変更することになったというのは,5月29日の記事でお伝えしたとおりだ。

 またNVIDIAも,GF11xシリーズで32nmプロセスを採用する計画を進めていたため,やはり大規模な方針転換を図ることになった。
 複数のグラフィックスカードベンダー関係者は,「NVIDIAは,DirectX 11世代への移行で遅れを取ったこともあって,これまで以上にAMDの出方を注視してきた」と指摘する。実際,「GeForce GTX 460」(以下,GTX 460)で大幅なアーキテクチャ変更を加え,「当初32nmプロセスで採用しようとしていた,『Streaming Multi-processor 1基あたり48 CUDA Core』の構成を採用してきたのは,AMDのシェア拡大に歯止めをかける必要があったからだ」(半導体業界関係者)。

NVIDIAのGPU開発は,すでにKeplerへシフトしている?
GeForce GTX 500
 しかし,GTX 460やその下位モデルならまだしも,“32nmプロセス世代用”に用意していたオリジナルGF110を40nmで実現するには,歩留まりや消費電力の面でリスクが大きすぎると判断されたようだ。
 NVIDIAに近いグラフィックスカードベンダー関係者は,「GTX 580を,Caymanよりも前,(AMDがロードマップを語る)AMDの投資家向け会議当日にぶつけてきたのは,Caymanや『Antilles』(アンティレス,開発コードネーム)対抗品は別に用意されているからだ」と述べていたが,一方で,NVIDIAに近い関係者は「NVIDIAのGPU開発は,すでに次世代アーキテクチャ『Kepler』(ケプラー,同)に向け入れられている」とも語っている。
 競合の出方を見ながら“弾”は用意しつつ,しかし実際には次世代製品への注力へと切り替えている,といったところだろうか。


同じ戦略を採ることになるNVIDIAとAMD


 NVIDIAのJen-Hsun Huang社長兼CEOは,9月のGTC 2010において,「今後,半導体のプロセスノード移行サイクルは2年間隔になるため,PC製品のライフサイクルに合わせ,Keplerや「Maxwell」(マクスウェル,開発コードネーム)では中間世代を投入できるようにする」と語っていた。つまり,Kepler以降は,同じ半導体製造プロセスを使いながらも,アーキテクチャなどの改良で性能を向上させていく,というわけだ。

BartsことRadeon HD 6800シリーズ。これとは別に“オリジナルBarts”が存在するという
GeForce GTX 500
 実は,AMDも同様の戦略を採る。AMDに近いOEMベンダー関係者は,「AMDは,R400世代までのような,アーキテクチャ混在型,またはウォーターフォール型の製品計画に戻るようだ」と説明する。すなわち,上位製品では最新アーキテクチャを採用し,そのアーキテクチャを,下位製品にも順次落とし込んでいくという,要するにいまNVIDIAが採っているのと同じ手法である。
 同関係者が,あえてR400の名前を出すのは,当時のATI Technologiesが「Radeon X800」の派生品として,「RV410」コアの「Radeon X700」を投入したのと同じように,もともと計画されていた新アーキテクチャを採用する“オリジナルBarts”も,2011年には市場投入される可能性が残されているからだ。

 GTX 580対Caymanが注目される今年の年末商戦だが,それだけに留まらず,2011年前半も両社の戦いが続くことだけは,まず間違いない。


※お詫びと訂正
 初出時,本文で「32nmプロセスと28nmプロセスのスキップを決め,」とありましたが,「32nmプロセスと22nmプロセスのスキップを決め,」の誤りです。お詫びして訂正いたします。
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