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よくよく考えるとまだ珍しい“本格的な国産TPS”はいかにして生まれたのか。「ロスト プラネット 2」プロデューサー竹内 潤氏にインタビュー
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印刷2010/06/26 10:22

インタビュー

よくよく考えるとまだ珍しい“本格的な国産TPS”はいかにして生まれたのか。「ロスト プラネット 2」プロデューサー竹内 潤氏にインタビュー

MT-Frameworkによって最適化された開発環境


画像集#015のサムネイル/よくよく考えるとまだ珍しい“本格的な国産TPS”はいかにして生まれたのか。「ロスト プラネット 2」プロデューサー竹内 潤氏にインタビュー
4Gamer:
 「ロスト プラネット 2」は,2種類の体験版が配信されたほかにも,TGS 2009での試遊の機会もありました。比較的早い段階から,ゲームが“形”になっていた印象を受けます。

竹内氏:
 最初に配信したキャンペーン協力体験版の時点で,ゲームのアウトラインはほぼまとまり,面白そうな場面を実際に遊んでもらえるくらいには形になっていました。本作に関しては“出し惜しみ”をしたくなかったので,ゲーム序盤でもっとも盛り上がるだろうシーンを,思い切って公開してみました。

4Gamer:
 製品版でいう1-3が,体験版として配信されたわけですが,やはり体験版でのフィードバックなどは盛り込みましたか?

竹内氏:
 はい,プレイヤーの体力など,難度に関わる部分を多少調整しました。基本的に手応えのあるゲームにするつもりでしたが,あまり難しすぎるゲームにはできないかなということで苦労しましたね。それと,「ハテナボックス」はゲームの世界観を損なうのではないかという懸念があったのですが,そこについてはとくにネガティブな意見はありませんでした。

4Gamer:
 お話を聞いていると,実にスムースに開発が進み,順調に発売できたという感じですね。

竹内氏:
 そうなんですが,今回はとにかくコンテンツ量が多いので,制作過程はかなりバタバタしていました。データ整理がとにかく大変なんですよ。品質管理チームから,データの組み合わせが見たいと言われたときも,細かい組み合わせまで入れると1京通りとかになってしまうので。

4Gamer:
 1京ですか(笑)。

画像集#016のサムネイル/よくよく考えるとまだ珍しい“本格的な国産TPS”はいかにして生まれたのか。「ロスト プラネット 2」プロデューサー竹内 潤氏にインタビュー
竹内氏:
 そう,1京通り以上になるんです。そんなの全部見せられません(笑)。それらの組み合わせでバグが出ないように,データを管理するのも大変だったわけですが,「全部見られないじゃないか」ということで怒られたのも大変でした。

4Gamer:
 それでもカプコンの場合,MT-Frameworkという統合開発環境がありますし,他社さんがやるよりは効率的と言えるのでしょうか。

竹内氏:
 そうですね。開発者としては非常に有り難い存在です。MT-Frameworkはすでに実績を積んでいますし,今回のバージョン2.0は,「ロスト プラネット 2」の開発を通じてチューニングしたところもあるので。超大作といっていい規模のタイトルの割には,短い時間で効率よく詰め込めたと思います。まぁ,稲船には「もっと早く,安く作れ」と怒られましたけどね(笑)。

4Gamer:
 作り方としては,CEDECなどでも講演されていましたけど,サウンド周りはアウトソーシングで対応しているそうですね。

竹内氏:
 そうですね。自分達よりも良く作れるところを,積極的に使っていこうという開発方針です。音楽以外にも,言語周りやカメラワークなども,専門の会社にお願いしています。ハリウッドで活躍している会社は,さすがにカメラワークの極意を掴んでいて,作品のクオリティアップに欠かせない存在です。

4Gamer:
 ちなみに,すでにバトルステージパックなどのダウンロードコンテンツが配信されていますが,新たなゲームモード,例えば「エイクリッドハンティング」のようなモードが配信される予定はありますか? 前作のプレイヤーにとっては,結構気になる部分だと思うのですが。

竹内氏:
 エイクリッドハンティングに関しては,やりたいのは山々なんですが,今作は本当に要素が盛りだくさんなので……。ゲーム本編がちゃんと売れてくれたら,開発がスタートするかもしれませんね。

4Gamer:
 プレイヤーからの要望が多くなればなるほど,開発の可能性も高くなると。

竹内氏:
 現時点でお約束はできませんが,プレイヤーからの声が大きくなれば,もしかしたら……といったところでしょうか。

4Gamer:
 うーん,期待せずにはいられませんね。エイクリッドハンティングに興味のあるユーザーさんは,コマンドコロニーなどを通じて要望を出すといいかもしれません。
 そういえば,海外のメディアでは,2010年秋発売を目処にPC版の開発が進んでいる,という話が出ていましたが。

画像集#017のサムネイル/よくよく考えるとまだ珍しい“本格的な国産TPS”はいかにして生まれたのか。「ロスト プラネット 2」プロデューサー竹内 潤氏にインタビュー

竹内氏:
 そちらに関しても,具体的な話はまだなにもできないんです。ただ,秋葉原PCゲームフェスタに参考出展したバージョンも,まだまだテスト段階のものなのですが,どうせやるんだったら馬鹿げたことをやりたいねと,開発チーム内では話しています。

4Gamer:
 オプション項目が充実して,グラフィックスのクオリティがとんでもなく上がる以上の何か,ですか?

竹内氏:
 それ以上の新しい体験を……まぁぶっちゃけて言えば,参考出展していたバージョンも3D対応していましたしね(笑)。でも,ただの3Dじゃ面白くないので,もう一ひねりできればなと考えています。

4Gamer:
 前作のPC版のグラフィックスもすごかったですけど,当時と比べてPCのスペックもかなり高くなってますし,大いに期待させてもらいます。
 PC版に関しては,Xbox 360とのクロスプラットフォーム対戦に期待している人もいそうですが,このあたりについてはどうでしょう。

竹内氏:
 検討はしていますが,前作でチート対策に相当手こずらされたので,ちょっと難しいかもしれません。

4Gamer:
 なるほど……。事前に対策を施しても,それはまず間違いなく回避されてしまいますからね。いつまでいたちごっこを続けなきゃならないんだと考えると,確かに難しいかもしれない。

竹内氏:
 その辺については,PC版のお話ができるようになったら,あらためて情報を出していこうと思います。


「バイオ6には関わりません。稲船と一緒に面白いことをやる」


画像集#018のサムネイル/よくよく考えるとまだ珍しい“本格的な国産TPS”はいかにして生まれたのか。「ロスト プラネット 2」プロデューサー竹内 潤氏にインタビュー
4Gamer:
 DLCやPC版など,ロスト プラネット 2の話題は今後もしばらく続きそうですが,竹内さんの今後の展開に関して教えていただけますか。

竹内氏:
 海外のメディアでバーンと話題にされちゃって,ご存じの方も多いと思うんですが……。

4Gamer:
 「バイオハザード6」には……?

竹内氏:
 「バイオハザード6」には関わりません。実は色々とやりたいことがありまして。

4Gamer:
 やりたいこと,ですか。

竹内氏:
 っていう言い方をすると,「次のタイトル」という風に捉えられがちなんですが,タイトルを作る前の段階で,僕達……日本のゲーム開発者がやっておかなければならないことが,たくさんあるんです。ひとまずは,カプコン全体に関わるようなことを,色々とやろうと思っています。

4Gamer:
 あれこれ想像が膨らみますね……非常に楽しみです。

竹内氏:
 しばらくは姿を隠しますけど,今後,カプコンから色んなタイトルが発表になると思います。発表の場という意味で,E3もTGSもありますからね。

4Gamer:
 ちなみに今回,E3には行かれました?

竹内氏:
 今年は僕は行ってないんですよ。先日,編成部長から制作部長に立場が変わったこともあり,制作側で色々と仕込みがありまして。その仕込みの一部分が,ちょっとずつ公開されていくと思うので,ぜひ期待していてください。
 今年のカプコンは面白いですよ。今後発表されるタイトルも,多くの人に驚いてもらえると思います。稲船と一緒に,去年1年間かけて仕込んだアレコレを,今年ガーッと発表していきますよ。

4Gamer:
 次に竹内さんとお会いするときは,もしかすると稲船さんと一緒の席かもしれませんね……。どんなサプライズがあるのか,楽しみにさせていただきます。

竹内氏:
 「ロスト プラネット 2」はもちろんですが,今年のカプコンにもぜひ注目してください。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。


画像集#019のサムネイル/よくよく考えるとまだ珍しい“本格的な国産TPS”はいかにして生まれたのか。「ロスト プラネット 2」プロデューサー竹内 潤氏にインタビュー
 「ロスト プラネット 2の開発は順調に進んでいた」と笑顔で語った竹内氏だが,それはあくまでスケジュール面に関しての話であり,シリーズ最新作としてのクオリティコントロール,カスタマイゼーションが充実したからこその膨大なデバッグ作業,世界市場を見据えたプロモーション展開,そしてソフトの発売後にも続く,ダウンロードコンテンツ開発やバランス調整などなど,非常に大きな“生みの苦しみ”が伴うプロジェクトであったに違いない。

 そんな竹内氏の最新作が,全世界でどのように受け入れられ,どのような結果を出すのかについては,もうしばらく様子を見る必要があるだろう。しかし個人的には,久しぶりにCo-opの楽しさを満喫できたタイトルが「ロスト プラネット 2」であり,今でも定期的に,5-3のソロプレイでハテナボックスを稼いだり,ボイスチャットをしながら友人とCo-opを楽しんだりしている。編集部のoNoなども,筆者同様,発売から1か月が経過してもなおプレイを継続しているくらいだから,筆者達にとっては実に満足度の高いゲームであることは確かである。いやこれ本当に。
 ともあれ,「馬鹿げたこと」が盛り込まれるというPC版の発売も予定されており,「ロスト プラネット 2」に関する話題は今後もしばらく続きそうだ。対戦を軸とするオンライン要素もまだまだ熱いので,本稿を通じて「ロスト プラネット 2」に興味がわいたという人は,ぜひ購入を検討してみてほしい。

画像集#021のサムネイル/よくよく考えるとまだ珍しい“本格的な国産TPS”はいかにして生まれたのか。「ロスト プラネット 2」プロデューサー竹内 潤氏にインタビュー 画像集#020のサムネイル/よくよく考えるとまだ珍しい“本格的な国産TPS”はいかにして生まれたのか。「ロスト プラネット 2」プロデューサー竹内 潤氏にインタビュー

 竹内氏の今後の展開としては,残念ながら「バイオハザード6」には関わらないとのことだが,なにやら稲船敬二氏とともに,カプコン全体に関わる何かを進行中らしい。詳細は不明ながら,あの稲船氏と共に「面白いこと」をやるというのだから,期待せずにはいられない。それはきっと,我々ゲームファンにとっても,「面白いこと」に違いないはずだ。
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