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パフォーマンスと使い勝手が向上。「ATI Catalyst 8.6」リリース
2008年6月版Catalystに含まれる「Display Driver」のバージョンは8.501。対応GPUはATI Radeon 9500〜9800とATI Radeon X以降で,対応チップセットはATI Radeon XpressおよびAMD 4/5/6/7シリーズとなる。いつものようにWindows XP用,そして32/64bit Windows用が利用可能だ。
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さて,本バージョンでは,新機能の追加とパフォーマンスの向上が,大きなトピックとなっている。詳細は以下のとおりで,OpenGL環境のサポート強化と,主要タイトルでの大規模な最適化が見て取れる。個人的にはCatalystの上書きインストールそのものをあまりお勧めしないが,上書きインストール時にシステムの再起動が必要なくなったのは,便利といえば便利だろう。
●Catalyst 8.6の新機能
- ATI Radeon HD 3000/2000シリーズで,OpenGLアプリケーションに対する適応型アンチエイリアシング対応
4x AAとEdge Detectを組み合わせると12x Adaptive AA,8x AAとEdge Detectを組み合わせたときに24x Adaptive AAを利用可能になった - OpenGL環境での3/4-way ATI CrossFireXサポート
ATI Radeon HD 3800シリーズを採用したWindows Vista環境で,OpenGLアプリケーションでの3/4-way ATI CrossFireXがサポートされた。また,拡張デスクトップ設定時にもATI CrossFireXを利用可能になっている - Catalystのアップグレードインストール時,システムの再起動が不要に
旧バージョンのCatalystからアップグレードインストール(=上書きインストール)するとき,システムの再起動が不要になった
●Catalyst 8.6におけるパフォーマンス向上
- ATI Radeon HD 3000/2000シリーズ搭載環境において,「3DMark Vantage」で10〜15%(※特定の局面では,より高い向上率を見せることもあるという)
- ATI Radeon HD 3000/2000シリーズ搭載環境において,「Call of Duty 4」の特定のマップで最大35%
- ATI Radeon HD 3000/2000シリーズ搭載環境において,DirectX 10版「Call of Juarez」で2〜9%
- ATI Radeon HD 3600/3400シリーズ搭載環境において,DirectX 10版「Company of Heroes」で4〜10%
- ATI Radeon HD 3000/2000シリーズ搭載環境において,DirectX 10版「ロストプラネット エクストリーム コンディション」で1〜2fps。最大20%向上する場合も
- ATI Radeon HD 3000/2000シリーズ搭載環境において,DirectX 9版「ロストプラネット エクストリーム コンディション」で2〜20%
- ATI Radeon HD 3000/2000シリーズ搭載環境において,「Prey」で3〜5%
- ATI Radeon HD 3000/2000シリーズ搭載環境において,「Quake 4」で最大8%
- ATI Radeon HD 3000/2000シリーズ搭載環境において,「Shadermark 2.1」がわずかに向上。ただし,ATI Radeon HD 3650では最大9%の向上がある
- ATI Radeon HD 3000/2000シリーズ搭載環境において,「SPEC Viewperf 10」で大幅なパフォーマンス向上。とくに「ugnx」では最大55%,「catia」では最大17%,「tcvis」では最大10%
バグフィックスに関しては,今回も(Windows Vista環境を中心として)かなり積極的に行われている印象だ。以下,ゲームと関連しそうな部分をピックアップしてお伝えしたい。
●Catalyst 8.6で解決した主な問題(Windows XP)
- ATI Radeon HD 3800のCrossFire構成時に,「Call of Duty 4」で断続的に画面がちらつく問題
- 「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」で,ゲーム中にタスク切り替えでデスクトップに戻り,再びゲームに復帰すると,画面表示がおかしくなる問題
- アジア版の「World of Warcraft」で,特定のゲーム設定を行うと画面表示がおかしくなる問題
- ATI Catalyst Control Center(以下,CCC)のスキンをデフォルトのものから別のものに切り替えられない問題
- ATI Radeon HD 36x0ベースのAGPグラフィックスカードを搭載した環境で,OpenGLドライバが正常に機能しない問題
- 2枚めのATI Radeon HD 3800シリーズ搭載グラフィックスカードをインストールすると,ドライバセットアップが完了した時点でOSが反応しなくなる問題
- ATI Radeon HD 3800シリーズを2枚差した状態でCrossFireを有効化しようとすると,OSが反応しなくなる問題
- 以前のバージョンのCCCがインストールされたシステムで,新しいCCCを上書きインストールしようとすると,「以前のバージョンに上書きしようとしているが,新しいドライバをインストール前には以前のものをアンインストールせねばならない」という警告ダイアログが表示され,インストールに失敗する問題
- OpenGLウインドウを最小化した後で元に戻すと,アンチエイリアシングが無効化される問題
- ATI Radeon X19x0を2枚差ししたとき,CCC上にCrossFireのタブが表示されない問題
●Catalyst 8.6で解決した主な問題(Windows Vista)
- 「BioShock」で,水に当たった光の反射表現が正常に表示されない問題
- ATI Radeon HD 3800シリーズ搭載環境でアンチエイリアシングを有効化すると,「Call of Duty 4」で断続的に画面がちらつく問題
- 「Crysis」で兵士が雲を突き抜けるとき(※原文は「when a soldier pierces through the clouds」。ゲーム開始直後の降下シーンではないかと思われるが詳細は不明)に,水の表現がおかしくなる問題
- DirectX 10版「Crysis」で,ゲーム内設定を「Low」に指定すると,茂みや樹木がちらついて見える問題
- ATI Radeon HD 3800シリーズのCrossFire構成時に「Frontlines: Fuel of War」をプレイすると,画面がちらつき,表示もおかしくなる問題
- 「Guitar Hero III」で,画面中央下部,楽譜が表示される部分で影が表示される問題
- ATI Radeon HD 3800シリーズ搭載環境で「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」の「Cave」テストを実行すると,フレームレートが上がらない問題
- ATI Radeon X1000シリーズもしくはATI Radeon 9700シリーズ搭載環境で「Sins of a Solar Empire」をプレイすると,画面表示がおかしくなる問題
- CrossFire構成時に,「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」のパフォーマンスが上がらない問題
- CrossFire構成時に,「Unreal Tournament 3」でBotの数を24以上に設定するとパフォーマンスが上がらない問題
- ATI Catalyst Control Center(以下,CCC)のスキンをデフォルトのものから別のものに切り替えられない問題
- 64bit版Windows Vistaで,ATI Radeon X1900 CrossFire Editionを含む2枚差し環境においてCrossFireを有効化しようとすると,OSが“落ちる”問題
- CrossFire構成時に,いくつかのベンチマークアプリケーションで低いスコアが出る問題
- ATI Radeon HD 2900シリーズ搭載環境で,CCCに「ATI OverDrive」オプションが表示されない問題
- Catalystドライバスイートのカスタムイントールを行おうとすると,「現在のバージョンがインストールされていない」という警告ダイアログが表示され,インストールに失敗する問題
- GPUスケーリング設定の有効/無効を切り替えると,サポートされるディスプレイ解像度設定のいくつかを利用できなくなる問題
- CCCの上書きインストールを行うと,CCCのバージョン情報表示がおかしくなる問題
- CCCの「ATI OverDrive」から「Auto-tune」を有効化すると,OSが反応しなくなる問題
このほか例によって,マルチディスプレイやビデオ再生周りの問題もかなりの数が潰されている。アップデートの規模は大きいといってよく,該当するATI RadeonファミリーのGPUやグラフィックス機能統合型チップセットを利用している人にとって,自己責任でアップデートするだけの価値は十分にあるといえるだろう。
- 関連タイトル:
AMD Software
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