別途お伝えしているとおり,2011年5月17日22:00,NVIDIAは「GeForce GTX 560」を発表したが,これと同時に,
「GeForce Driver」の
Release 275世代もリリースした。原稿執筆時点だと,公式最新版がいきなり登場するのか,例によって公式βが先に出てくるのかは不明ながら,おそらく,英語版はもう入手可能になっているはずだ。日本語版も,日本時間で今晩中には入手できるようになると思われる。
SLI&AA自動更新機能を実装
テレビとつないだときの使い勝手も向上
さて,いきなりだが,Release 275における目玉は,最近登場したゲームタイトルに向けたパフォーマンスの最適化と,Release 270世代で実装された「ドライバの更新状況自動確認機能」にさっそく入った拡張,ディスプレイ表示周りの改善,3D Visionに関連した拡張の計4つだ。順に見ていこう。
●最近登場したゲームタイトルに向けた最適化
GeForce GTX 560搭載環境でRelease 270世代と比較した場合,「Crysis 2」で6%,「Bulletstorm」で15%,「Portal 2」で8%のパフォーマンス向上を果たしているという。
テストはいずれも64bit版Windows 7を用いており,Crysis 2は1920×1200ドットの「High」設定,Bulletstormでは1920×1200ドットの8xアンチエイリアシング(以下,AA)&16x異方性フィルタリング(以下,AF),Portal 2は2560×1600ドットの4x AA&「Max」設定時における比較結果とのことだ。
●SLI&AAの自動更新機能
Release 270で,ドライバの更新状況自動確認機能が「NVIDIA Update」として実装されたのは記憶に新しいところだが,そのNVIDIA Updateに,SLIやAAのプロファイルを自動的に検索して更新する機能が追加された。グラフィックスドライバと異なり,プロファイルは,一度設定しておけば,あとはユーザーが気づかない間に,自動で新しいものへ更新し続けてくれるという。
プロファイル自動更新機能の概要。いわゆるサイレントインストールされ,そのログはタブからチェックできるようになるそうだ。将来的には3D Visionのプロファイルも自動更新できるようにするとのこと
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なお,ドライバが自動更新に対応しない件について聞いてみたところ,NVIDIAでテクニカルマーケティングマネージャーを務めるJeff Yen氏は「自動更新を望まないユーザーもいるため」と述べていたので,当面,自動更新に対応する予定はないのかもしれない。
●ディスプレイ表示周りの改善
NVIDIAコントロールにおけるデスクトップ表示設定のメニューを刷新。出力先ディスプレイに関わらず一括で設定できるようになった。また,接続したとき,オーバースキャン(≒拡大)表示になってしまうような高解像度テレビのうち,テレビ側でオーバースキャン設定をやめるのが難しい,あるいは不可能な場合に,NVIDIAコントロールパネルからオーバースキャンを無効化できるという機能が追加されている。
最近は高解像度テレビとPCを接続する機会も増えていると思われるだけに,謳い文句どおり機能してくれれば,地味ながら有意義な拡張ということになりそうだ
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●3D Vision関連の拡張
最新タイトルを中心に,3D Visionのプロファイルが追加され,対応機器もアップデートされた。また,立体視対応写真ビューワ「3D Vision Photo Viewer」がウインドウモードで利用できるようになったのもトピックといえそうだ。
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| Release 275で,3D Vision対応タイトルは525本になったとのこと。「Portal 2」はレーティング「Excellent」になっているという |
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| 対応機器もいくつか追加されている。3D Vision Photo Viewerのウインドウモード対応も,使っている人にとっては大きな話だろう |
以上,ポイントをまとめてみた。アップデートの詳細は夜が明けてからあらためてお届けしたいと思うが,気になるポイントがあるのなら,ひとまずNVIDIAのドライバダウンロードページをチェックしてみてはどうだろうか。