イベント
「グラナド・エスパダ」の次期大型アップデートは10月31日。圧巻の朗読劇とオーケストラ演奏が披露された「グラナド・エスパダ in ニコファーレ」レポート
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世界観を共有しつつゲームの新たな魅力を提示した朗読劇とオーケストラ演奏
イベントの序盤では,声優の井上喜久子さんと檜山修之さんが,これまでGEで展開してきたストーリーのダイジェストを朗読した。
このパートでは,新大陸を発見したジルベルト・グラナドとフェルッチオ・エスパダ,そして彼らの残したといわれる財宝と数々の謎をめぐり交錯する登場人物達のストーリーをあらためて紹介。その背後で暗躍していた十人貴族の一人,モントロ子爵をプレイヤー達が倒したことにより,ブリスティアとベスパニョーラの2国家間の均衡が崩れ,今後のゲームの舞台が,新大陸から旧大陸オルペシアへと移っていくことが明かされた。
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続いて作曲家の久保田 修氏率いるバンド「Celia」,シンガーの山中美奈さんとレイニーさん,そして録音専門オーケストラ「gaQdan」による,GEの音楽の演奏が行われた。ニコファーレの壁面LEDディスプレイには,楽曲演奏に合わせてGEの歴代キーアートや設定資料などが大きく映し出され,来場者は音楽と映像の迫力に魅了されていた。
久保田氏は,演奏の合間のMCにて,GEのクリエイターであるキム・ハッキュ氏を「音楽にこだわる人物」とし,「Ice Symphonie」を聞かせたときのエピソードを話した。キム・ハッキュ氏は「この曲はゲームにはオーバースペックだ」と述べる一方で,楽曲に合わせてグラフィックスの出来を上げてきたそうで,久保田氏は「モノ作りの真髄を見た気がしました」と感心していた。
また久保田氏はゲームミュージックなどの打ち込みの音楽を“男性的”,生演奏を“女性的”と表現し,その二つが同時に成立すると音楽はすごくうまくいくと話す。さらに「打ち込みでオーケストラを再現する試みは,男性に化粧を施して女性であるかのように見せようとするようなもの」と持論を述べ,演奏力と表現力に定評のあるgaQdanをあらためて紹介。しかし,彼らの技量をもってしても「Fatal」は難度の高い曲とのことで,久保田氏は演奏前に「今日のボス戦」と説明していた。
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さて,演奏された楽曲のリストは以下に掲載したとおり。なお「Dejame Volver」と「It's not over」は,SFA: Sevin氏が作曲したブリスティアで使われる楽曲である。また今回は演奏されなかったが,ブリスティアに久保田氏が手がける新曲が登場するかもしれないとのことである。
●セットリスト
1.Odyssey
2.Dejame Volver
3.Rhapsody
4.Endless Battle
5.Nangman Trance
6.Discipline
7.It's not over
8.Tears of witch
9.Mother
10.Medley: Ice Symphonie〜Beyond the mountain〜Maya
11.Fatal
12.Cite de reboldoeux
13.Fame or die
14.Aria de coimbra
15.Granado Espada
アップデート「Return to Orpesia」は,文字どおりまったく新しい展開に
イベントの終盤では,次期大型アップデートのプレゼンテーションが行われた。プレゼンの冒頭では,井上さんと檜山さんの二人が再び登壇し,ブリスティアとベスパニョーラの確執を描くプロモーションムービーのナレーションを朗読。とくに檜山さんは,老人と青年,軍人の連続するセリフを切れ目なく演じ分ける離れ業(?)を披露した。朗読を終えたあと井上さんは「おじいちゃんの声,イケる!」と感想を伝えていたが,当の檜山さんは「一人何役? ハードル高すぎ!」と,必死に難度の高さを訴えていた。
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“新しい世界の提供”のテーマは“躍動感”。舞台が旧大陸に移り,街並みや人々の服装が中世ヨーロッパから近代に移行していること,そして背景の一部となる自動車などに乗れるようになるかもしれないことが明かされた。さらに街のNPCが,従来のようにただ突っ立っているだけでなく,敬礼したり,スキップして移動したりする様子も紹介された。
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また,新十人貴族のレノルド将軍とブリスティア新総督のケス・キエルチェをキーパーソンとしたストーリーが用意されることも明らかになっている。ちなみに,ブリスティアの港街は,昼夜で様相を変え,夜には暴徒がうろつき回り,プレイヤーと戦闘になる場合もあるそうだ。
新キャストは対戦車ライフルクラスの強力な武器を携えていたり,「バレル」のようにブレイクダンスのようなモーションを見せるものがいたりする。なお,バレルのボイスはベテラン声優の石塚運昇さんが演じるとのことだ。
“無限のバリエーションを創造”は,新たに登場する「家門スキル」と,従来のキャスト3人のチョイスを組み合わせることで,状況に合わせた無数の戦略/戦術を生み出せるようになることを指す。新キャストの開発ペースも上がり,アップデート期間中は毎月投入されるとのことである。会場では,7人+αのキャストの姿が示されていた。さらにはキャストのチョイスを制限していたコンビネーションバフについても調整が加わり,制限が緩和されるという。
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“短時間でも遊べるMMORPGに挑戦”については,単にプレイ時間の短縮を図るのではなく,たとえばメインシナリオの進行やキャストの編入であれば一人でいつでもプレイ可能にしたり,レイドボス戦のようにパーティプレイを楽しむコンテンツならボスの出現時間を21:00〜23:00に持ってきたりする試みである。すなわち,パーティが組めないからストーリーが進まない,仕事があるから昼間のレイドボス討伐に参加できないといったストレスを解消し,遊びやすくしようというわけだ。
また編入したキャストは「覚醒秘伝書」の廃止と「星座の証FESO」の投入で,より育成しやすくすることや,運営イベントの難度調整,プレイヤーの投稿をベースとした「GE新聞」の配信もアナウンスされた。
さらに2012年10月31日からは,アップデートを記念した各種イベント/キャンペーンも実施される。会場ではミッション報酬倍増イベントに加え,休眠プレイヤー向けのカムバックキャンペーン,新規プレイヤー向けのジャンプアップ(レベルカンスト)キャンペーンおよびリアルタイムサポートの強化などが挙がっていたが,詳細は後日あらためて発表されるとのこと。
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イベントのエンディングでは,登壇者がそれぞれコメントした。久保田氏は,急な出演オファーだったが,数週間のリハーサルによってバンドもオーケストラも大きく成長できたと述べる。また井上さんは,久保田氏のMCに絡めて「“17歳のオーバースペック”について,ぜひ先生と語り合いたい」と話して会場を沸かせたのち,「ギュッと詰まったゲームの世界観を体験できて,幸せだなと思いました」と感想を述べた。檜山氏は,自身がGEのゲーム本編に出演していないことに言及し,「毎月キャストが追加されるそうなので,この縁を機に,ぜひ」と半分セールストークを述べ,再び会場を沸かせた。最後に中尾氏が,「まだ至らない部分もありますが,今後もよろしくお願いします」と来場者に呼びかけ,イベントを締めくくった。
中尾圭吾運営プロデューサーにショートインタビュー
イベント終了後,短い時間ではあるが,中尾氏に次期大型アップデートについて話を聞くことができたので,以下に掲載しよう。なお4Gamerでは,別途,中尾氏にアップデートに関するインタビューをしている。近日掲載予定なので,そちらもぜひお楽しみに。
──港町の昼夜の概念について教えてください。
中尾氏:
昼のマップと夜のマップがそれぞれ存在し,両者を切り替えながらシナリオが進行していきます。つまり昼にクエスト依頼を受けて,NPCなどを介して夜に切り替え,目標を討伐するような流れとなります。
──ジャンプアップキャンペーンを再び実施するとのことですが。
中尾氏:
ええ,非常に好評なキャンペーンですから。プレイヤーも最初からカンストキャラを使うのではなく,ある程度ゲームを進めてから使ったりと,使い分けをしているようです。とくに,GEのアカウントを忘れてしまった休眠プレイヤーにオススメできると考えています。今回は,内容をアップグレードし,サポートするキャストや,あると便利なものを提供します。細かいところはこれから詰めていきます。
──久保田さん自身はステージで言葉を濁していましたが,新曲はどうなっているのでしょうか。
中尾氏:
鋭意制作中で,今回のアップデート中には入る予定です。久保田さんが話していたとおり,キム・ハッキュ氏は音楽にこだわりがあるので,正直なところ,いつ完成するか明言できないんです。ただ,2012年10月31日の第1次アップデートには確実に間に合いません(笑)。
──それでは,第1次アップデートの実装予定を教えてください。
中尾氏:
新キャストは「バレル」と科学者風の男性の2体で,あとは港町の昼夜のマップ,それらに伴う新シナリオとクエストです。対戦車ライフルのケス・キエルチェなどは第2次アップデート以降の予定です。
──戦車は登場するのですか。
中尾氏:
出ません。なので,あくまでも“対戦車ライフルクラス”の武器なんです。魔法が進化している世界なので,それに対抗する強力な武器という意味合いでの登場です。
──キャストの紹介では,8人目が伏せられていましたが。
中尾氏:
今日はブリスティアを中心に紹介しましたが,実は今後も中世ヨーロッパ風の新キャストが登場します。あれは,そういうものだと捉えてください。
──NPCの動きが非常に受けていましたね。
中尾氏:
言い方は悪いですが,今までのNPCは蝋人形のようでしたからね。開発チームは,オンラインRPGによくあるキャラクターカスタマイズタイプとは異なり,きちんと1体ずつデザインを起こして個性を付けたキャラクターを作りたいと常々主張しています。例えばバレルは,モデリングのボーンから変えていますしね。今回は,これだけ作りこんだキャラクターが動くわけですから,「世界でもトップクラス」と自負していますよ。
──滑るようなスキップもあのままで実装ですか。
中尾氏:
もちろんです。今日はお見せできなかったんですが,酒場などで,非常によくできた動きがたくさんありますよ。
──アップデート全体の注目ポイントはどこでしょう。
中尾氏:
家門スキルですね。これはゲームの遊び方そのものを変えてしまうような要素です。家門スキルとは,3キャストのコマンダーであるプレイヤー自身が所持するスキルなんです。キャストのチョイスに,家門スキルが組み合わさるわけですから,まさに無限の戦略/戦術が生まれます。家門スキルには攻撃/防御/補助の3つのツリーがあり,家門レベルに応じて与えられるポイントを消費して任意のスキルを獲得していきます。また獲得したスキルは1家門につき4パターン登録できるので,レベリング用とレイドボス用といった使い分けができます。またキャストのチョイスに応じた使い分けも可能でしょう。どういった使い分けが主流になるか,楽しみなところです。
──中尾さん自身の押しポイントはどこですか。
中尾氏:
3つのコンセプトとして示したとおりですが,強いてあげるなら近代ヨーロッパ化の部分ですね。プレイヤーが望む調整や改善に取り組む週間アップデートと,今回発表したような大型コンテンツの開発を切り分けたことで,開発チームに余裕が生まれたんです。今回,これまでとまったく異なるデザインとモーションを時間をかけて作り込めたのも,ブリスティアチームが日々の細かい調整に追われることがなかったからです。
──今後の開発も基本的には,二つのチームが並行していく感じになるのでしょうか。
中尾氏:
そうです。それは運営チームも同じで,今取り組んでいる「GE大会議」では,日々のゲームプレイに必要な調整について,プレイヤーと運営スタッフが議論しながら迅速に決定していきます。
その一方では,GEの将来についてプレイヤーの意見に耳を傾け,大枠の方向性を固めていくということもやっています。私や誰か一人の発想だけでは,多くの人を納得させることは絶対不可能ですから,今後もこうしたやり方でGEの運営開発を進めていきます。
──分かりました。本日はありがとうございました。
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「グラナド・エスパダ」公式サイト
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(C)2003-2013 IMC Games Co.,Ltd./Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.





























