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4Gamerをご覧の皆様こんにちは。クッキングエンターテイナーの大西哲也です。ゲームに登場する料理をプロの料理人が本気で再現し,プロ目線で勝手に検証する「俺のコラボカフェ」。今回もよろしくお願いします。
今回のテーマは「エースコンバット」シリーズです。言わずと知れた,空戦を題材にしたフライトシューティングの金字塔ですね。
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シリーズ第1作が登場したのは1995年。当時のフライトゲームはシミュレーション寄りか,アーケード寄りかの二極化気味でしたが,エースコンバットはその中間,“誰でも飛べるが,やり込むと奥深い”という絶妙なバランスで人気作となりました。
現実の兵器や航空力学をベースにしながらも,派手な演出,ドラマティックなミッション構成,そして耳に残る無線通信によって,単なる操作体験を超えた“空の物語”をプレイヤーに届けるシリーズとなりました。
私自身のシリーズデビューは「エースコンバット2」です。初代PlayStationに接続した「ネジコン」を握りしめ(懐かしい!),コントローラをねじって機体をロールさせながら,空を駆け回っていましたね。あの独特の操作感,スティックではなく“手首の感覚”で機体を操るという,身体に直接リンクするような飛行体験は,今思い出してもかなり特殊でした。
ミサイルを撃ち,回避し,敵機の背後を取る。その一連の動作がただの入力ではなく,「自分が操縦している」という錯覚を生む設計になっていたのかもしれません。あの頃の記憶は,単なるゲーム体験というより,“初めて空を手に入れた感覚”ともいえるでしょう。
シリーズはその後も進化を続け,架空世界「ストレンジリアル」を舞台に,国家間の戦争や資源・経済・技術を巡る対立,英雄と呼ばれる存在の孤独といったテーマを描き続けてきました。
敵を撃墜するだけではなく,その背景にある物語や人間関係が積み重なり,プレイヤーは“戦闘機に乗った人間”としての重みを感じることになります。そして重要なのは,このシリーズが徹底して描いているのが“極限状態”だということです。高速で移動する空間,一瞬の判断ミスが死に直結する状況,長時間にわたる緊張状態,無線越しにしか存在しない仲間との連携のなかで,パイロットは戦い続けます。
であれば当然,その身体を支える「食事」がどうなっているのかという疑問が生まれます。今回,その答えを料理研究家という視点から掘り下げてみましょう。
第二次世界大戦期の航空部隊に関する記録では,パイロットの携行食として海苔巻き(巻き寿司)が人気だと書かれた資料があります。理由は非常に合理的で,片手で食べられ,崩れにくく,炭水化物+具材でエネルギー効率が高く,携帯性に優れる。つまり,これは単なる食事ではなく,極限環境に最適化された機能食だったわけです。
なかでも特に興味深いのが,当時としてはかなり先進的だった「チキンライス海苔巻き」の存在です。洋食文化が入り始めた時代背景もあり,ご飯にケチャップで味付けしたチキンライスを海苔で巻くという,いわば和洋折衷のハイブリッド携行食が生まれたのでしょう。
ご飯(糖質),鶏肉(タンパク質),油分(脂質)の三大栄養素のバランスにより,即効性と持続性を両立したエネルギー源になっている点が素晴らしいです。さらに,ケチャップの酸味と甘味は,ストレス下でも食欲を維持させる重要な要素ですし,米に調味料を染み込ませることで,でんぷん質の劣化が抑えられ,冷めてもおいしいという極めて重要な性質も付与できます。機内では温かい食事は基本的に不可能ですからね。
さて,料理人として考えるなら,単なる当時の再現ではなく最適化した,現代版・エースパイロット用チキンライス海苔巻きを作っていきます。
■材料(2本分)
ごはん 300g
鶏もも肉 120g
玉ねぎ 40g
ケチャップ 40g
バター 10g
塩 少々
黒胡椒 少々
醤油 小さじ 1/2
みりん 小さじ 1/2
海苔 2枚
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実食
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エースコンバットにおいて,戦闘機の性能や戦術ばかりが語られがちですが,その裏には必ず人間の身体があります。そして身体を支えるのは食事。つまり,「何を食べるか」もまた戦闘の一部であるということです。そう考えると,チキンライス海苔巻きという一見ユーモラスな料理も,非常にリアルな存在にみえてくるのではないでしょうか。
今回のテーマはいかがでしたでしょうか?
面白いと思ったり,実際に試したりした人は
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■■大西哲也(クッキングエンターテイナー)■■ あるときは料理研究家,またあるときは「COCOCOROチャンネル」のYouTuber。しかしてその実体は……料理を通じて多くの人を喜ばせたいクッキングエンターテイナーだ! チキンライス海苔巻きを食べながら「これ運転中の食事に最適だな……」と思い始めた大西氏。ドライバー向け携帯食ビジネスを真剣に考えているそうです。
※次回の掲載は2026年5月23日を予定しています
























