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Electronic Artsの株主がサウジアラビア政府系ファンドによる買収案を圧倒的多数で承認。総額550億ドル,2027年度第1四半期の完了を予定
噂どおりElectronic Artsの買収と株式非公開化が発表に。評価額は約8兆1780億円
米国時間2025年9月29日,Electronic Artsは,米国の投資会社であるSilver Lakeと,サウジアラビア政府系ファンドであるPIF,Affinity Partnersの3社からなるコンソーシアムによる買収を,取締役会が承認したと発表した。買収における評価額は,約550億ドル(約8兆1780億円)になる。
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- 編集部:小西利明
Bloombergの報道によれば,このたび実施された株主投票では,賛成票が2億100万票以上に達し,反対票は約190万票,棄権は約9万票にとどまり,買収案は大差で可決されたという。
米国証券取引委員会(SEC)に提出された資料によると,本取引によりEAは総額550億ドル(約8兆1780億円)で非公開化される。取引は2027年度第1四半期の完了を目標として進められている予定。
既存株主は1株当たり210ドルを受け取る予定で,これは2025年9月25日の終値と比較して約25%のプレミアムに相当する。条件次第では,本件は史上最大規模のレバレッジド・バイアウトとなる可能性もある。
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もっとも,株主による承認はあくまで最初の関門にすぎない。今後,買収完了には複数の規制当局による審査と承認が必要となる。ただし,PIFはサウジアラビアの実質的な統治者であるMohammed bin Salman皇太子が主導しており,またAffinity Partnersを率いるJared Kushner氏は,現米大統領Donald Trump氏の娘婿にあたる。こうした政治的背景が,米国での審査プロセスに影響を及ぼす可能性も指摘されている。
近年,サウジアラビアはPIFやSavvy Games Groupを通じて,CAPCOM,Nintendo,Embracer Group,Take-Two Interactive,Nexonなど,多数のゲーム関連企業への投資を積極的に進めてきた。本取引が完了した場合,PIFはEA株式の93.4%を保有することになり,実質的に同社の経営権を掌握する見通しだ。
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なお,EAの現CEOであるAndrew Wilson氏は,買収後も引き続きCEOとして留任する予定だ。同氏は,EAは非公開化後もこれまでの中核的な価値観を維持し,開発スタジオやクリエイターの創作の自由を維持していく方針に変わりはないと強調している。
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