イベント
プロ棋士と将棋ソフトがタッグを組んで対局する「電王戦タッグマッチ」決勝戦をレポート。優勝は佐藤慎一四段&「ponanza」の手中に
![]() |
今回の催しは,2014年3月〜4月にかけて行われる「第3回将棋電王戦」に向けたプレイベントという位置付け。「第2回将棋電王戦」に出場した5人のプロ棋士が,それぞれ対戦したソフトとタッグを組み,5チームがトーナメント形式で公開対局を行った。各対局は「棋士とコンピュータとの共存」をテーマとし,ソフトが示す指し手をもとに棋士が最善手を判断しながら駒を進めていく方式が採用されている。
●出場者<棋士とコンピュータのタッグ形式>
- 三浦弘行九段 × GPS将棋
- 塚田泰明九段 × Puella α
- 船江恒平五段 × ツツカナ
- 佐藤慎一四段 × ponanza
- 阿部光瑠四段 × 習甦
![]() 三浦弘行九段 |
![]() 佐藤慎一四段 |
序盤はほぼ定跡どおりに進行したが,中盤以降には三浦九段も佐藤四段も,持ち時間を使いコンピュータに先読みさせて,差し手を探る局面が見受けられた。
![]() 中盤に入ると,三浦九段と「GPS将棋」による堅い守りに対して,佐藤四段と「ponanza」が攻めきれない様子がうかがえた |
![]() 対局の解説は森内俊之名人(写真右)と,聞き手の矢内理絵子女流四段により行われた |
![]() |
![]() |
| 対局中は両チームともに,プロ棋士とソフト開発者が打ち合わせをする場面が見られた | |
三浦九段の堅い守りを崩せず,劣勢を強いられていた佐藤四段だったが,対局の終盤,持ち時間を使いきってからの秒読み30秒という制約の中で指した好手をきっかけに形勢を逆転。そのまま勢いに乗って,優勝を決めた。
解説を務めた森内俊之名人が,コンピュータの推奨する手とそこから予想される展開について,「この手を思いつく人間はなかなかいない」「この手を見られただけで,今日は来たかいがあった」と感嘆する場面もあった。
![]() |
![]() |
| 終盤は「ponanza」の推奨する手だけではなく,自身の考える手で指したという佐藤四段。結果,評価ポイントで大差をつけて勝利した | |
![]() 優勝トロフィーを手にする「ponanza」を開発した山本一成氏(写真左)と佐藤慎一四段 |
一方,「ponanza」を開発した山本一成氏は「佐藤四段が『ponanza』の推奨する手を無視することが多く,1〜2回揉めた場面もありました」と対局の裏側を語り,会場を沸かせたのち「それでも勝つことができたので,非常に嬉しいです」と優勝の喜びをあらわにした。
電王戦タッグマッチの全対局の模様は,ニコニコ生放送でタイムシフト視聴が可能だ(niconicoプレミアム会員登録が必要)。興味を持った人はぜひチェックしてみよう。
ニコニコ生放送「将棋 電王戦タッグマッチ 完全生中継」
- この記事のURL:



























