連載
宇宙ステーションで異形の怪物を斬り伏せていくSFアクション「Katanaut」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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頼れるのは手にした刀と,強化された肉体のみ。
底知れぬ狂気が渦巻く船内で,惨劇の引き金を引いた真実を探し出す孤独な戦いが幕を開ける。
本日は,個人開発者Voidmawが手掛ける「Katanaut」を紹介しよう。本作は崩壊寸前の宇宙基地を舞台にしたアクションゲームだ。プレイヤーは宇宙服に身を包んだ剣士となり,異形のクリーチャーが蠢く船内の最奥を目指していく。
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このゲームの特徴は,見た目の重厚なホラーテイストを良い意味で裏切る,極めて軽快な操作感にある。スタミナなどの概念はあるものの,基本的には敵の攻撃をスルスルと避け,間髪入れずに反撃に転じるスピード重視の設計だ。
戦闘では刀による近接攻撃と,遠距離からの銃撃を使い分けることになるのだが,ここに巧みな循環が組み込まれている。銃弾は有限だが,敵を刀で斬りつけることで弾薬が補充されるのだ。この仕組みにより,安全圏から撃ち続けるだけの単調なプレイは許されず,危険を冒して敵の懐に飛び込む積極的な立ち回りが求められる。
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倒れても拠点で装備を整え,再び挑むローグライトの文脈を踏襲しつつ,道中で手に入る強化アイテムや,拠点で待つ仲間との会話を通じて,少しずつこの地獄の全貌が見えてくる仕掛けになっている。
殺意を加速させる循環
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遠距離武器は強力だが,撃ち続けることはできない。弾薬を補充するには,リスクを負って敵に接近し,刀で斬りつける必要がある。この制約が,プレイヤーを常に前へと駆り立てる。敵の攻撃を回避ですり抜け,一瞬の隙に斬撃を叩き込み,離れ際に銃弾を浴びせる。この一連の流れが淀みなくつながったとき,本作のアクションは完成する。
狂気と優しさのスイッチ
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緻密なドット絵で描かれた動く肉塊や飛び散る体液は,コズミックホラーの名に恥じぬ凄惨さだ。しかし,本作にはユニークな機能がある。設定一つで,画面を汚す鮮血を「花」や「紙吹雪」に変えられるのだ。残酷な処刑シーンが一転して祝福のような光景に変わる様は,プレイヤーの正気を守る配慮であると同時に,どこか狂気じみた美しささえ感じさせる。
静寂が彩る宇宙の孤独
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派手なアクションに対し,音楽は意外なほどに落ち着いている。過剰に気分を煽るビートはなく,宇宙空間特有の静けさと不気味さを漂わせる環境音が,探索の緊張を静かに支えている。派手な音で誤魔化さずとも,アクションそのものの手触りと効果音だけで十分に間が持つという,開発者の自信の表れとも受け取れるだろう。
「Katanaut」は,重苦しいホラーの皮を被った,極めてアスレチックなアクションゲームだ。見た目の禍々しさとは裏腹に,そのプレイ感は驚くほど軽やかでストレスがない。「Dead Cells」のようなハイスピードな展開を好む人や,グロテスクな世界観をポップな狂気に変換して楽しみたい人に,ぜひ触れてほしい一本だ。
- 関連タイトル:
Katanaut
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