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「アイマス」如月千早の武道館単独公演「OathONE」をレポート。765プロの蒼き歌姫が,花道を歩き,美しい歌声を響かせた
シリーズでは多くのライブが開催されているが,日本武道館(以下,武道館)の単独公演は初。本稿では,2日めの模様をレポートする。
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2025年7月26日に20周年を迎えた「アイドルマスター」シリーズは,現在もさまざまな記念企画が進行中だ。
そんななか,如月千早のライブを武道館で行うことの意味は,「『アイマス』シリーズアイドルの初単独公演」や,「大きな会場での公演」というだけでは留まらない。
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![]() 武道館の隣にある中道場では,グッズや衣装の展示などが行われていた。特に衣装の迫力は圧巻で,生地に散りばめられているスパンコールやアクセサリーまで,間近で見ることができた |
今回のライブは,演出の一部にソニーが開発中のエンターテインメント向け群ロボットシステム「groovots(グルーボッツ)」が採用されていることも注目すべき点だ。
これは,LEDパネルを備えた複数のロボットの動きや映像が,音響などの会場演出と高精度に同期するというシステムで,既存のライブに新たな表現の可能性をもたらすものだという。
それは,我々の視覚をどう揺さぶり,歌声とどう融合するのだろうか。あらゆる意味で前例のない今回の公演は,如月千早にとっても,我らプロデューサーにとっても,まだ見ぬ景色にほかならなかった。
武道館に入ると,中央の少し高い位置にステージが設けられていた。その周りを囲う幕にはロイヤルブルーの星空が投影されており,左右には長く伸びた花道も。開演の少し前にはスモークがたち込めてきて,幻想的な雰囲気を創り出していた。
いよいよ幕が上がる。荘厳なオーバーチュアの流れるなか,暗い海の底から地上へと向かう映像が流れる。そしてステージがついに海上に到達し,幕が開いたステージには,蒼いドレスに身を包んだ如月千早がいた。
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ステージから注がれるライトと会場からのペンライトに照らされ,会場の隅から隅まで,千早のイメージカラーである青一色に染まる。1曲目はもちろん,「蒼い鳥」だ。
ひとフレーズずつ噛み締めるような歌声は,会場の光と溶け合い,世界を作り出す。
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初日の24日からセットリストを大きく入れ替えた25日。「学園アイドルマスター」に登場する,月村手毬の持ち歌「アイヴイ」をはじめ,ほかブランドの青の系譜に連なるアイドルの楽曲をカバーしたことも,大きな驚きだった。
歌詞や曲を深く理解し,自身のものとして昇華させる千早の歌唱は,楽曲に新たな表情を加えるだけでなく,オリジナル版の歌唱アイドルに対する敬意も感じた。
さらにセットリストの構成からも,彼女の楽曲や公演,そして“歌うこと”そのものに対する想いが伝わってきた。 心壊,哭諷,再醒,声廻,吟我,奏誓と冠された各パートのタイトルには,彼女の一貫した信念があり,まるでひとつの文学作品を鑑賞しているかのような感覚に陥った。
こうした世界観を,技巧や知識を超えた「歌唱」の完成度そのもので届けてくれるのが,如月千早という存在なのだ。
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息をのむほど鮮烈なパフォーマンスを見せる彼女は,どこか遠い存在のように思えると同時に,その歌声を通じ,聴く者のすぐ隣に寄り添ってくれているような気持ちにもなる。
そんな「遠くて,限りなく近い」不思議な距離感と,歌手としての底知れない懐の深さに,ただ圧倒されるばかりだった。
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冒頭でも触れたステージの演出を盛り上げるgroovotsは,幅0.3m×高さ1.3mのロボットたちと,幅2m×高さ2mのLEDパネルを搭載したロボットだ。
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groovotsの動きは,ライティングや背景の一部として機能するにとどまらない。ときにはダンサー,あるいは別のアイドルの姿をそこに投影したかのような「見立て」の演出を可能にしていた。
これが巧みに合致した結果,ステージ全体が千早のパフォーマンスに呼応し,まるでひとつの生命体のように動いていたのが印象的だった。
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全面がディスプレイになった柱型の動くオブジェクトが,ステージと同期する。言葉にすればとてもシンプルだが,実際にその活躍を目撃したことで確信したのは,今後のライブ演出の可能性をぐっと広げてくれる存在になり得るだろうということ。
最新のテクノロジーが,人の繊細な心を運び,表現を支える力となる。特に「約束」で12機のgroovotsが登場し,最後に赤く光る1機がステージに残るという演出は,千早の想いや,そこにいない大切な765プロの仲間たちとの絆を感じさせてくれた。
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公演の最後,「すべての夢を,この場所へ連れてくる」と誓い歌った「約束」。会場の大合唱に,千早は涙を流しながら,声を詰まらせる。
groovotsの力を借りて一歩一歩花道を歩いた千早は,最後にステージを去るとき,「ありがとうございました!」と生声で叫んだ。
実際には,千早の3Dモデルがいるところから音声が流れているという演出だろう。だが,私たちは生の声を客席に届けたかったという千早の気持ちに寄り添うことができる。客席からも,万雷の拍手と,「ありがとう!」というプロデューサーたちの声が次々に聞こえてきた。
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千早がステージで語ったように,これからも彼女は前を向いて進み続けるだろう。それを如月千早というアイドルの「歌」でしっかりと世に示した,記憶に深く刻まれるライブだった。
今回の公演は,ASOBI STAGEでストリーミング配信を視聴できる。チケット販売期間は,2026年2月25日まで。詳細は公式サイトから確認してほしい。
公演の冒頭部分は,YouTubeで無料視聴も可能だ。気になった人はぜひ見てほしい。
約20年前。ゲームセンターの筐体の中にいた如月千早は,とにかく歌に真剣で,笑顔を作ることが苦手な女の子だった。あのとき出会った駆け出しの彼女が今,武道館公演という夢を叶え,見せてくれた堂々たるパフォーマンス。
孤独や葛藤,仲間との出会いを経てアイドルとして成長してきた彼女。その揺るぎない歌声には説得力――いや,そんな言葉すら軽く感じられるほどの魂が込められていた。
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歌やダンスの完成度で魅せる,その生き様で魅せる。世の中には多種多様なアイドルが存在し,人を惹きつける要素はそのアイドルによって,あるいは受け手によっても千差万別だろう。
ゆえに,これは筆者の完全なる主観であることを断っておくが,如月千早というアイドルは,歌に生き,歌に生かされることでこれまでの足跡を刻んできた。そこには抗いがたい魅力があり,彼女は自身にしか成し得ない「凛と気高い美しさ」を表現できる唯一無二の存在なのだと思う。
本人が公演中のMCで触れていたが,歌には“物語”が宿る。千早という語り部を通して紡がれるストーリーは,これからも我々の心を深く打つことだろう。
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- ライター:内藤ハサミ
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