オープンワールドサバイバルクラフトっておもしろい。4Gamer読者の皆さんにはいまさら説明不要だろうが,読んで字のごとく「オープンワールド世界でいろいろ作って生活しながら冒険しようぜ!」というジャンルである。
本日(2026年4月10日),Qooland Gamesから正式リリースされた「
Soulmask」,そして同日配信のDLC
「Shifting Sands」は,その中でもとくに冒険の面が強く出ているタイトルだと言える。
「Shifting Sands」は2599円で配信される予定だが,配信開始から1か月に限り無料配信される。また,4月10日から24日の間は本体である「Soulmask」も10%オフで販売されるとのことだ。
なんてったってメインとなる拠点は,古代エジプトの雄大な運河を征く船。しかも物語を進めれば,その船はなんと空を飛ぶ飛行船へと早変わり。どこまでも広がる世界を隅々まで探求したくなるような,ワクワクが止まらない。
仮面の力で部族を率いる。ソロなのに“賑やか”なのが楽しいサバイバルクラフト
「Soulmask」の舞台となるのは,生贄などの文化が存在していた遥かな昔,原始の大陸。プレイヤーは古代の叡知と神秘を宿す仮面を身に着け,自分の所属する
“部族”を拡大しながら世界を旅していく。
この部族の拡大こそが,本作最大の特徴である。敵対する相手を気絶させ,アイテムなどを与えて仲間に引き入れる……いわゆる“テイム”を人間相手に行えるのだ。
これは拠点の様子。たくさん人がいるけど,ほとんどが味方のNPCだ
 |
「Soulmask」の世界では,自分以外はほぼ蛮族である。歩いているだけであらゆる人間から襲われると思っていい。そういった手合いを返り討ちにし,一定以下まで体力を削れば,仮面の不思議な力を使って自身の配下……つまりは部族に加えることができる。
戦っている相手の体力が減ると,“威圧”という行動ができるように
 |
威圧をすると,仮面の力を使って相手を支配下に置くことができる
 |
威圧された相手はそのまま倒れ,無抵抗な状態に。インベントリにアイテムなどを入れ,食べさせればこちらへの信用度が上がり仲間になる
 |
ちなみにけっこう口うるさい(白文字の「何でもいいから何か食べさせて。」は,仲間にしたばかりのNPCのセリフ)
 |
ただテイムするだけのオープンワールドサバイバルクラフトであれば,まったく珍しくもないが,本作ではそこが人間なのがミソ。伐採,採掘,アイテム製作,整理整頓……自分ができるあらゆる行動は,
部族の配下に命令できる。
たとえば
「そのへんに生えてる木をてきとーに伐採して箱に詰めといて。あ,これ道具ね」とか,
「集めたアイテムはチェスト(アイテムを入れる箱)に入れといたから,あとは所定の場所に仕分けといて」とか,いわゆる“作業”的なパートはすべてNPC任せにできる。
「このユニットはこの作業しかできません」といった制約も(筆者が知る限り)とくに無いため,誰をどこに当てはめてもいい。たまに挙動がおかしいときもあるが,基本的にはストレスフリーに動かせる。
ひとりひとりに作業を割り当てることが可能。作業も複数入力できるので,「これ終わったらあれね」という風に,効率的かつブラックに働かせることができる
 |
チェストは鉱物類,植物類,武器類など,中に入れるものを細かく設定できる
 |
これは植物系のチェスト。筆者はとくに管理していないが,NPCがしっかり仕分けてくれるので,丸太や木の枝などのアイテムがずらり。簡単に探せるのでありがたい
 |
このおかげで,ソロプレイでも素材の確保がとてもやりやすい。なによりありがたいのがチェストの整理で,ふだんズボラかつ適当にアイテムを入れまくる筆者にとっては非常に助かる機能だった。
拠点に人が溢れるので,どこかアットホームな雰囲気になるのもいい。まあやっていることは“相手をボコしたあげく洗脳して強制労働”という血も涙もない所業なのだが。
序盤の戦闘で役立つ回復アイテム“包帯”を作ろうと思ったが,数を作るのはけっこう面倒
 |
「じゃあせっかく任せられるし」と,仲間に頼んでみたら
 |
いつのまにか3ケタ以上も作ってくれていた。これで自分は探索に専念できる。ありがてえ……
 |
大河を渡り,空を飛び,砂を滑る。移動拠点の船が最高
そんな部族が集まる拠点も,DLCである
「Shifting Sands」はひと味ちがう。なんと大元の拠点となるのは船。巨大な船を移動拠点として運用しながら,
古代エジプト中を旅していくのである。
部族のみんなと船で移動し,陸地に寄ったら「じゃあこのへんで素材集めといて」と命令してひとりで探索。戦闘したり動物を狩ったりしながら船まで戻り,仲間たちが集めた資材で装備などを作って,次の陸地へ。そんなサイクルがとても楽しい。
この船はDLC開幕直後から手に入る。ほぼ手に入れたときそのままの姿だが,使い勝手は抜群(見た目はアレだけど)
 |
そもそも拠点を動かせるというのが精神的に楽だ。拠点を転々としながら活動範囲を広げたり,遠征のプランを練ったりするのもゲームとしては楽しいのだが,それと同時に面倒な部分も大きい。個人の好みもあるとは思うが,面倒くさがりな筆者としてはありがたい要素だった。
出先で急にデカいワニに出くわし,倒されてしまっても
 |
拠点に置いてあるリスポーン地点の“篝火”がすごく近い位置にある。これがとてもありがたい
 |
それに,“仲間とともに新天地へ向かう”というワクワク感は,拠点ごと移動できるシステムでなければ味わえないものだろう。ソロなのにマルチっぽい一体感を味わえるのは,これも大きな要因に思える。
船はパーツを付ければどんどん居住スペースを広げられるので,拠点を拡張する楽しみもしっかりとある。作るのが家ではなく船というのも,ほかのタイトルとはまた違った想像力を掻き立てられておもしろい。
船のパーツで屋根となる部分を拡張。上に何か置いてもいいし,どうしようかな
 |
個人的に「これは……!」と感動したのが,物語を進めていくと手に入る
“反重力エンジン”。なんと,船を浮かせて
飛行船を実現できるのだ。自由自在に空を飛び,川沿いだけではなく陸地にも直接着陸できるようになったことで,探索範囲も一気に広がる。初めて反重力エンジンで船を浮かせたときの,「これならどこへだって行けるぞ!」という高揚感は格別だった。
アクションの歯ごたえは抜群。仮面による“擬態”もビジュアルがいい
しかし,その反重力エンジンを手に入れるのにはとてつもない苦労があった。いわゆるボス戦である。このDLCでは,とんでもなくでっかくて強いワニを倒さないと,空を飛ぶ権利は得られないのだ。
ボスである“森羅の鰐”。めちゃめちゃに強かった
 |
意外と動きがすばやく,何度も頭から食べられてしまった
 |
体力が減って第2形態になると,なんと炎を吐く。かっこいいけどやめてほしい
 |
しかも,ボス戦に挑むには専用アイテムが必要で,それを集めるにはちょっと大きいワニを倒して素材を剥いだり,蛮族だらけの集落に喧嘩を売ってチェストを漁ったりしなければならない。
部族を大きくするには戦闘で体力を削る必要があり,拠点を成長させるにはボスを狩らなければならず,そもそも生きているだけで喧嘩をふっかけられたり,「Soulmask」はかなり戦闘の比重が高い。ある程度はアクションゲームの心得が求められる。
この場所にアイテムを持ってくる。一度呼べば討伐するまではいてくれるので,こちらが倒されるたびにアイテムを要求されるわけではないのが救い
 |
倒したときの達成感はかなりのもの。この気持ちよさはアクション要素がしっかりしているからこそだろう
 |
ただ,それだけにアクションはバリエーション豊かでおもしろいものになっている。まず武器の種類が多い。槍に大剣,刀に双剣,拳に弓と,モーションが異なる武器が豊富に用意されている。敵によっては有効な武器も違うので,使いわけながら戦うのも楽しい体験だった。
筆者が愛用していた双剣は,空中で縦に回転しながら切り刻むジャンプ攻撃が強力だった
 |
盾もある。槍といっしょに装備して,相手の攻撃をいなしつつチクチク削る戦法も可能
 |
武器はそれぞれ熟練度があり,使い込んだ武器種ほど高いダメージを出しやすい仕様になっている。それをしっかり意識するなら,使用する武器種を絞ったうえでプレイするほうが効率はいいだろう。
もし自分が使わない武器を入手しても無駄にはならない。「Soulmask」では最大3人の配下を引き連れながら探索することが可能なので,いっしょに行動する部族の誰かに渡しておけばOKだ。
敵味方入り乱れる戦場はけっこうカオスなことになる。どっちの血かわかりゃしねえぜ!
 |
シンプルに戦力が増えるだけじゃなく,こちらが倒されても味方が起こしてくれたりするのがありがたい
 |
そして,主人公には通常の武器とは別に,もうひとつの戦いかたがある。それは
“仮面”に込められた存在へと変身(ゲーム中の呼称だと“擬態”)すること。仮面に秘められた力をその身にまとい,強力な属性攻撃などを放てるようになる。
DLC「Shifting Sands」では新たに仮面が4種類追加された。中でも最初から開放されている“蒼穹の翼”は,背中に翼を生やし自由に飛び回れる。探索で便利なのはもちろん,下にいる敵に強力な急降下攻撃を加えることもでき,戦闘面でも扱いやすい。
空を飛びつつ周囲を見ていたら,なにやら敵の拠点が
 |
ということで空からドーン! 範囲攻撃なので敵が多くても安心
 |
この擬態が強力なのはもちろんのこと,なにより“仮面の力を解放して戦う”というのはすごくロマンを感じるシステムだ。シンプルに見栄えがいいし,なによりかっこいい。どうしても戦闘がもっさりしがちな同ジャンルにおいて,本作はかなり戦闘に力を入れていると言っていい。
筆者は“終末の審判”が好き。自身のデバフを敵に押し付け,敵のバフを吸い取る。とてもいやらしい性能をしているのもいい
 |
あとなんかこう,すごく……フェチくないでしょうか。筆者のキャラメイクのせいもあるだろうが,ゴツい仮面と肉体との対比がすごい
 |
春は砂上に冒険の旅へ!
船で海を越え,仲間とともに新天地を目指し,資源を集め,強敵を打倒し,新たな冒険へのピースを手にする。「Soulmask」の新DLCは,そんな冒険のロマンにあふれていた。
……いや,前述のとおり,実態はドがつくほどのブラックさがあるけども。それはそれとして。しっかりプレイヤーをワクワクさせる要素が詰まっている。
仲間にするときの絵面がモロ洗脳なんだよな。そこも好きなんだけど
 |
そんなワクワク感がありつつも,部族のみんなと一緒に素材を集める,どこか牧歌的な風景が見られたのもうれしい。サバイバルクラフト系のゲームにある,“だらだらプレイ”の良さ。のんべんだらりとほっつき歩きながら探索し,素材が集まれば適当に加工し,ご飯を作り,チェストに入れてまた素材集めに向かう。こういった気を抜いて遊べる瞬間がしっかりとあるのも,同ジャンルの愛好家としてはうれしいところ。
拠点で一息つきながら,次は何を作るか考える。そういう瞬間もまた楽しい
 |
筆者はこのインプレッション記事を書くにあたって15時間ほどプレイしたのだが,正直まだまだ底は見えていない。マップにはまだまだ足を踏み入れていない場所があり,ボスも最初に倒したワニだけ。スカラベや魂を喚ぶ猟犬といった全部で5種類のボスがいるとのことなので,ボスの数だけ考えてもまだまだ遊べる余地があるということである。
ほとんど船は初期状態だったので,これもなんとかしたい。かっこいい飛行船,作りてえなあ
 |
正式リリースに合わせて,飛行船にブループリント機能が追加される。自分が設計した飛行船のデザインをシェアしたり,ほかのプレイヤーの設計を使用したりできるようだ。ちなみに飛行船はすべてのパーツを染色できるので,好みの見た目に仕上げることも可能だ。
早期アクセス時点でとんでもないボリュームを誇っていた「Soulmask」だが,その物量はDLC「Shifting Sands」でも変わらない。正式リリースに伴って,DLCが無料配布されているいま,自分のアイデアを詰め込んだ船で砂漠の上を飛び回る絶好の機会だ。