連載
漫画「ダンジョン飯」の“動く鎧フルコース”を現実世界で作る。俺のコラボカフェ:Menu 084
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4Gamerをご覧の皆様こんにちは。クッキングエンターテイナーの大西哲也です。
ゲームに登場する料理をプロの料理人が本気で再現する「俺のコラボカフェ」。今月は,まさかの漫画料理回です。
「え,ゲームちゃうんかい!」という声もあるかもしれませんが,ゲームファンの愛読率が異様に高い作品があります。それが九井諒子氏の「ダンジョン飯」です。
「アークナイツ」をはじめ,ゲームとのコラボを何度も実施していますし,本連載のテーマとしても悪くないでしょう。なんなら「モンスターイーター 〜ダンジョン飯 ボードゲーム〜」というボードゲームだってあります。
「ダンジョン飯」は2014年から2023年までコミック誌「ハルタ」で連載された人気作です。迷宮の奥深くで仲間を救うため「ダンジョンに出現する魔物を料理して食べながら攻略する」という異色のファンタジー・グルメ作品です。
中世風世界,回帰困難な巨大迷宮,命が軽い世界観,突然死ぬ冒険者たち。どこか「ウィザードリィ」の空気を感じるのは私だけではないはずです。
パーティメンバーも
- 妄想癖のある人間,ライオス
- ちょっとわがままなハーフエルフの魔術師マルシル
- ベテラン料理人のドワーフ,センシ
- 皮肉屋だけど意外と情に厚いシーフ,チルチャック
彼ら以外の登場人物の会話や人間関係も魅力的です。私が好きなのは,マルシルが毎回「絶対にイヤ!」と言いながら,一口食べた瞬間に手のひらクルッと返すくだりです。その展開を見るたびに料理人としてはあれが嬉しいんだよな……という気持ちになります。
さて,この作品の最大魅力は,魔物を“食材”として成立させるほどの徹底した料理描写ではないでしょうか。
素材ごとの水分量,タンパク質の種類,下処理,雑菌,毒性,味の相性を考えた調理法。そのすべてが料理研究家的にみても唸るレベルで考え抜かれています。
適当にバーベキューをしているわけではなく,正統派の料理理論×魔物なのが最高なんです。
そんなダンジョン飯の中から今回取り上げる料理は「動く鎧のフルコース」です。
私自身,とても印象に残っている回で,「これは絶対に作りたいやつだ」と強く思った料理です。
動く鎧の正体は,金属殻の中に詰まった「軟体生物」という設定です。現実世界で最も近い食材といえば「貝類」ではないでしょうか。
鎧のように硬い殻に覆われていながら,本体は軟体のプリプリ食感,加熱で縮む性質,香りと旨味のバランスも理想的と,センシが現世に来てもこれを選ぶはずです。
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今回はフルコースということで3品作りますが,まずは「焼き動く鎧」です。
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2品目は「動く鎧のスープ」です。
■材料
牡蠣 6〜8粒
卵 1個
セロリ 1本
水 400ml
醤油 大さじ1
ナンプラー 小さじ1
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そして最後は「動く鎧のドワーフ風炒め」です。
■材料
牡蠣 6〜8個
ほうれん草 1/2束
しめじ 1/2パック
ごま油 小さじ2
オイスターソース 大さじ1
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実食
焼き,煮込み,炒め,と4方向から攻略すると,同じ貝でもまったく表情が変わることに気づきます。
焼きアワビはプリっと濃厚,牡蠣スープは繊細で深い出汁,牡蠣の炒め物は豪快な酒場のごちそう,ホッキの刺身は磯の香りと甘みが口の中に広がります。
これを食べるとマルシルの気持ちが痛いほど分かります。「絶対食べない!」からの「……おかわりは?」が自然に出ます。
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そしてフルコースで食べると,まさに迷宮で冒険生活している感覚に浸れました。港町に旅行の気分では決してありませんよ。
今回のテーマはいかがでしたでしょうか? 面白いと思ったり,実際に作ったりした人は「#俺のコラボカフェ」「#COCOCORO」といったタグをつけてSNSに投稿してくれると嬉しいです。
それでは,またお会いしましょう。したっけ!
■■大西哲也(クッキングエンターテイナー)■■
あるときは料理研究家,またあるときは「COCOCOROチャンネル」のYouTuber。しかしその正体は,未知の食材でも,とりあえず食べて確かめようとするクッキングエンターテイナーだ! 今回の料理は安定でおいしそうですが,作中には「これほんとにおいいのか? 食べて大丈夫か?」とマルシルばりに心の声がでる料理があります。夢魔の能力にかけられてでも,実際に調理したり食べたりしたいものです。
※次回の掲載は2026年2月28日を予定しています
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