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野島健児さんと代永 翼さんの生朗読が披露された「文豪とアルケミスト」の公式ニコ生放送をレポート。24人の文豪が初公開に
DMM GAMESは2016年10月3日,11月1日にサービスインを予定している「文豪とアルケミスト」の公開生放送「野島健児&代永翼出演 『文豪とアルケミスト』 事前登録開始記念〜公式ニコ生放送#1」を,池袋のニコニコ本社から配信した。この公開生放送は,10月3日の事前登録開始を記念した番組だ。事前登録の詳細については「こちら」の記事を見てほしい。本稿では,100名のファンが招かれた会場で明らかにされた本作の最新情報などを中心にお伝えしよう。
文豪が活躍した時代にあわせて5人の登壇者が和服で登場
登壇したのは,MCを務めるアメリカザリガニの平井善之さん,「文豪とアルケミスト」のプロデューサーの谷口晃平氏,本作の世界設定を担当したイシイジロウ氏,さらに本作で萩原朔太郎を演じた野島健児さんと,宮沢賢治を演じた代永 翼さん。5人は皆,本作の雰囲気を表すかのように全員が和服姿で現れた。
番組は,コメント数や来場者数,Twitterのフォロー数が一定以上になると,ゲーム内アイテムがプレゼントされるといった企画の紹介からスタートした。アイテムがもらえるといっても,まだゲームの内容が公開されていないこともあり,その効果がよく分からない。そこで平井さんから「野島さんが理解できるような説明を」というオーダーが出され,谷口氏が四苦八苦する場面もあった。
転生した文豪が書の中でバトル! 世界設定やゲーム画面が初公開
そして,「文豪とアルケミスト」の世界観が明らかになった。
野島さんと代永さんの朗読で語られた本作の世界は,「本を破壊する浸食者」によって文学書が黒く染まっていく現象に襲われているという。書が完全に黒く染まると,その書は人々の記憶からも消えてしまう。この現象から書を守るため,特殊能力者“アルケミスト”であるプレイヤーは,特務司書として派遣された国定図書館で文学の力を持つ文豪を転生させ,文豪の魂を書に送り込み,浸食者と戦わせる――といったストーリーになっている。
最初に谷口氏がこの設定を聞いたとき,「文豪を戦わせていいのかな?」と思ったそうだが,イシイ氏は「現実世界の文豪はたぶん弱いけど,文字を知り尽くした文豪なら,書の中では強いはずだ。ましてや,自分の著作物が消えるとなったら,そりゃあ戦うだろう」と推したのだそうだ。
世界設定と同時に,まだ開発中というゲーム画面も初公開となった。
コマンド画面は図書館のイメージ。台湾にある「誠品書店」を参考にしてデザインされたという |
「開花」のコマンドから,文豪をパワーアップできる。転生したばかりの文豪は力が弱いので,ここで強化して力を取り戻すというイメージらしい。「主題」や「天才」など,ほかのゲームでは見られない項目が並んでいるのが面白い |
文豪のボイスや,24名の文豪が初公開。野島さんや代永さんは収録の裏話も披露
本作の中心であり,最大の魅力でもある文豪だが,ここで改めて紹介された。しかも,今回はボイスが初披露。誌面ではお伝えできないのが残念だ。
彼らについてイシイ氏は「文豪同士って関係性がすごく強い。日本で文学が始まったときって,文学ってなに? 必要なの? と言われている時代だったんです。でも,これは新しいんだよと集まった人々は,そりゃもう濃縮された変態ばっかりなんですよ」と話し,そんな文豪達が「仲が良かったり悪かったり嫉妬深かったり,最悪な人間だったり。そういう関係を持つ人間がむっちゃ狭いところに集まって,チームを組んで戦うとか最高」だと,自身が本作に参加した理由をあげた。
そして,野島さんと代永さんから,それぞれ演じたときのエピソードが披露された。
野島さんは「セリフが繊細なイメージ」と萩原朔太郎の印象を語った。キャラクターのビジュアルからイメージを捉えることを重視しているという野島さんは,その後,設定資料を読んだりディレクターと相談したりしてキャラクターを作り込んでいくのだという。
そのうえで,普段のセリフも詩的で,言葉を選ぶ繊細さを出せるように気を付けて演じたと語った。自身とは「孤独さ」という部分が似ていると話す野島さんは,プライベートでほかの声優さんと一緒に出かけることはあまりないという。しかし,その寂しさや孤独が表現者としてのエネルギーになっているのだと話した。
宮沢賢治を演じた代永さんは,文豪の宮沢賢治をイメージしていたので大人っぽい役をイメージしていたそうだが,イラストを見たときに「ちっちゃ! 少年!?」と思ったのだとか。収録のときも,公開されている声よりも少し低い声だったが,「もうちょっと高い声になりませんか」というオーダーが入って現在の声になったという裏話を明かした。
また,宮沢賢治が好きな文豪,中里介山の詩集「大菩薩峠」を歌うシーンがあるのだが,このときに普通バージョンと,音痴バージョンの2パターンを収録したという。代永さんも,ゲームにどちらが採用されたのか分からないらしく,谷口氏も「遊んでみてのお楽しみ」とコメントした。
この2人の文豪について谷口氏は,「宮沢賢治は萩原朔太郎の詩集『月に吠える』に出会って,自らも詩を作るようになったと言われています。この2人が活動した時代は少しずれていますが,ずれているからこその関係性などもゲームで表現しています」と,本作ならではの魅力を語った。
そして,リリースに先立って宮沢賢治と萩原朔太郎のゲーム内イベントを会場で生アフレコしたり,前述した「月に吠える」から「竹」を野島さんが,宮沢賢治の詩集「春と修羅」から「雲の信号」を朗読。その詩と2人の声に,会場は聞き惚れていた。
さらに最新情報として,新たな文豪10名がイラストとともに初公開された。また,9名の文豪のシルエットと名前,5名の文豪の名前も明らかになった。
時間も差し迫ったところで,冒頭のコメント数やフォロー数の結果発表が行われた。まずコメント数は3万6000を記録し,賢者の石のプレゼントが決定。生放送の来場者数は1万5300人,公式Twitterのフォロー数は9709とどちらも目標には届かなかった。ここで代永さんと野島さんが「僕らの座右の銘は四捨五入です」と明かし,座右の銘ならばしょうがないですねと谷口氏は,来場者数と公式Twitterのフォロー数をそれぞれ四捨五入して有魂書と漢方薬もプレゼントされることになり,会場から大きな拍手が湧いた。
最後に谷口氏は,サービスインまでのスケジュールを発表した。
10月7日には,公式サイトで「あなたと文豪の人間失格診断」が公開される。これは質問に答えていくと,自分の人間失格度合いがどの文豪に近いか判断してくれるというものだ。誰のタイプになるかは回答次第だそうだが,人間失格になるのは免れないらしい。
さらに10月17日には,本作のプロローグと文豪の紹介ページが公開される。文豪の紹介ページでは,ボイスを試聴することもできるとのことだ。そして11月1日には待望のサービスインとなるが,当日はサービスイン記念に生配信を行うかもしれないと付け加えていた。
出演者から配信を振り返ってのコメントが寄せられたので,ここで掲載しよう。
野島健児さん:
期待してくださっている方もいると思いますが,さらにゲームを楽しむためにも文豪の作品も読んほしいと思います。私も近代文学朗読会などを開いて朗読をやらせてもらっていますが,この機会に萩原朔太郎の作品を読めればと思います。みんなで「文豪とアルケミスト」を盛り上げていきましょう。
代永 翼さん:
僕らも収録を通して,改めて文豪の方々と触れ合うことができた気がします。学生時代に習っていたものと,大人になってからの触れ合いとでは,見え方が全然違った印象があります。ゲームでは文豪同士の掛け合いがあったり,それぞれの著作についての話もあったりと,面白い作品になっていると思います。応援よろしくお願いします。
イシイジロウ氏:
本当に文豪や文学が好きな人間がこだわって作っています。今日は,本当に宮沢賢治と萩原朔太郎に会えた気がします。このゲームは,そういう気持ちになれるゲームになると思っています。本当に好きな文豪と会える気持ちで,ゲームのリリースを待っていてください。よろしくお願いします。
谷口晃平氏:
僕は文学以外に歴史も大好きで,三国志や戦国時代をモチーフにしたゲームも作ってきましたが,文学の世界を掘り下げたゲームを作りたいという思いもあったんです。前例のない,文学というテーマと世界観を突き詰めたゲームとして「文豪とアルケミスト」を開発しているので,ぜひ遊んでください。
今回の記念放送は,ゲームの新情報もさることながら,文豪のボイスや野島さんや代永さんの生朗読や生アフレコなど,声優の力が大きくクローズアップされた内容だった。本作に興味がある読者は,ぜひ視聴をお勧めしたい。また,今回の配信が「#1」とあるように,日時は未定だが「#2」も予定されているとのこと。本作のリリースと合わせて,後日の発表を楽しみに待ちたい。
「文豪とアルケミスト」公式サイト
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