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FFシリーズのオーケストラコンサート「Distant Worlds」は年末開催。植松伸夫氏がFF25年のエピソードを披露したトークイベントをレポート
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印刷2012/09/03 20:41

イベント

FFシリーズのオーケストラコンサート「Distant Worlds」は年末開催。植松伸夫氏がFF25年のエピソードを披露したトークイベントをレポート

FINAL FANTASY 25th ANNIVERSARY ULTIMATE BOX
 「FINAL FANTASY展」の最終日となる9月2日に,ファイナルファンタジー(以下,FF)シリーズの音楽制作を手掛けてきた作曲家の植松伸夫氏によるトークイベントが行われた。初代FFから最近のシリーズ作品まで,長い間FFに携わってきた植松氏だからこそ話せるファン必聴のエピソードが次々に披露されたほか,FFシリーズのオーケストラコンサート「Distant Worlds」の開催日程や会場といった詳細な情報も明らかになったので,その模様をレポートしよう。


初期のFFシリーズには知られざるエピソードが満載


 トークは,初代ファイナルファンタジー「ファイナルファンタジーII」の楽曲にまつわるエピソードから始まった。
 初期のFFはファミリーコンピュータでのリリースだったため,容量の問題でどうしても曲数が少なくなってしまうのだが,サウンドトラックを発売するためには一定以上の曲数が必要となる。そこで植松氏は,原曲のアレンジバージョンを収録するというアイデアを思いつき,サウンドトラックの曲数を増やしたとのことだ。

植松伸夫氏

 ちなみに,ファミコンは3和音しか出せない制限があるが,植松氏はそれが逆に「どんなことができるのだろう?」と,クリエイティブ魂に火を付けたと語った。
 限られた音の中でどんなことができるのかを考え,試行錯誤することが面白かったことに加え,ほかのメーカーが制作したタイトルのBGMを聴いて「おお,こういう風に音を使っているのか!」と,競い合う楽しさもあったとのことだ。

 また,ファンの間では有名な話として,エニックス(当時)から発売されたスーパーファミコン用ソフト「アクトレイザー」の楽曲を聴いた植松氏を始めとするスタッフが,そのあまりの完成度の高さに驚き,「ファイナルファンタジーIV」の楽曲を1から作り直した,というエピソードがあるが,植松氏によればこの話は本当ではないとのこと。
 しかし,作り直すとまでとはいかないまでも,アクトレイザーの影響で楽曲をすべてサンプリングし直したのは事実で「でも,(アクトレイザーには)勝てなかった。スーファミのBGMの中では断トツで素晴らしかった」とアクトレイザーを絶賛していた。


 続く「初代FFで一番最初に作った曲は?」という話題で,植松氏は,街のテーマ,通常の戦闘曲,フィールド曲のどれかだったと回想。「その3つを作っておけば,RPGって量が足りるんです」とのことで,どんなRPGの曲を作るときも,まずはこの3つから作曲し始めることが多いのだという。

 また,初代FFがらみの話題では,後にFFシリーズの代表的な楽曲となる「プレリュード」の制作エピソードも披露された。初代FFの開発を終え,ロムを出す30分くらい前に,FFシリーズの生みの親として知られる坂口博信氏が,「今すぐここに曲をつけてくれ!」と大慌てで植松氏の部屋に駆け込んできたのだという。植松氏は,わずかな時間で複雑な曲を作るわけにもいかず,その場しのぎでメロディを制作したが,それが25年もの間ファンに愛されることとなった名曲「プレリュード」だったのだ。
 植松氏は「世の中,何が起こるか分からないですね」と感慨深げに語った。

FINAL FANTASY 25th ANNIVERSARY ULTIMATE BOX
FFシリーズ25周年については,奇跡にも近い凄いことで,「ナンバリングが14作品も続いているタイトルはほとんどないのでは」と述べた

 「とくに思い出深い作品は?」という質問には,「ファイナルファンタジーVI」のアレンジCDを挙げた植松氏。このCDの制作時は,現在のようなMIDI(Musical Instrument Digital Interface)を使えるような環境がなく,アレンジャーにアレンジを依頼しても,スタジオで音を鳴らすまで,どんなものになるのかまったく分からなかったとのこと。実際に聴いた音が自分の意図していたものと違ったものであってもどうすることもできない,苦労続きの制作作業だったことを明かした。
 それ以降はMIDIが普及して,アレンジャーとMIDIデータのやり取りができるようになり,「ファイナルファンタジーVII」のアレンジCDでは,ようやく植松氏が思い描いたオーケストラアレンジができるようになったということだ。植松氏は「VIの終わり辺りが一番の転機になった」と述べている。

 ちなみに,FF展の会場でサウンドトラックを買うと,FFシリーズの作曲家が思い出深い曲を選ぶセレクションCDがもらえたのだが,植松氏はこのCDの収録楽曲にFFVIの「ティナのテーマ」を選んでいる。
 ティナのテーマと言えば,「魔導アーマー」が雪の中を進んでいくシーンで流れる,シリーズでも人気の曲だが,植松氏はこのシーンにまつわるエピソードを披露した。
 FFVI制作の終盤,東京ではかなりの大雪が降っていた。そんな中,ようやく開発を終えてスタジオから外に出た植松氏は,辺り一面の雪景色を見て「ああ,魔導アーマーのシーンみたいだな……」と思ったそうだ。開発中,ゲーム画面をずっとモニタリングしていた植松氏は,その幻想的な1シーンを東京の雪景色に重ねたのだろう。


こだわり続けた主題歌,そして夢だったFF音楽初のレコード盤発売へ


 続いては,昨今のFFシリーズでは必ずといっていいほど入っている主題歌の話題へ。植松氏によると,FFIVの開発時,すでに主題歌の構想はあったのだという。ただ,当時はカートリッジでの開発だったため,容量の問題で断念せざるを得なかった。その後,メディアがCD-ROMになったことにより容量が大幅にアップして,実現性が高まったが,続くFFVIIでは,新たなプラットフォームであったPlayStationの性能をどのように引き出すかという試行錯誤の連続で余裕がなく,またしても見送りに。「FFVIII」にしてようやく念願の主題歌が実現したのだ。
 主題歌こそ入れられなかったものの,FFVIのオペラシーンにおける合成音声や,FFVIIの「片翼の天使」で採用されたコーラスなど,段階的であるにせよ,ボーカルを取り入れていこういう姿勢が見て取れるのでは,と植松氏。これには,来場者も納得といった様子で頷いていた。

 また,この頃のゲーム雑誌のインタビューで植松氏は,FFVIIの「蜜蜂の館」を好きな楽曲の1つに挙げている。かなり意外は感じがするのだが,「シリアスな曲を作るイメージに見られがちですが,ポップで愉快な音楽が好きなんです」とのこと。ただ「あの曲,いいですよね」と言ってくれた人が1人もいないのが悩みだそうで,「いつか(蜜蜂の館)演奏してやろうと思ってるんですよ。シーンとされたら困りますけど」と笑いながら計画を明かした。


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 トークは進み,「ファイナルファンタジーX」の話題へ。FFXでは植松氏に加え,濱渦正志氏仲野順也氏も参加し,作曲家3人体制での制作が行われた。
 このことについて植松氏は,単純に仕事量として考えて,1人の作業は厳しかったことに加え「僕にはない個性を持っている人に参加してもらいたかった」と語っている。
 またFFXといえば,キャラクターボイスが初めて採用された作品でもあるが,植松氏は,その際に発売されたティーダとユウナのキャラクターソングにまつわるエピソードを披露した。ティーダ役の森田成一さんとユウナ役の青木麻由子さんがレコーディングをする際,レッスンの先生が付いていたらしいのだが,その先生がなんと植松氏の友人だったのだという。非常にビックリしたと語っていたが,これも植松氏の交友の広さを表すエピソードと言えそうだ。

 こうしてFFシリーズ25年の歴史を楽曲で振り返ったところで,植松氏からFFシリーズの楽曲がレコード盤でリリースされると明らかにされた。植松氏はゲームの仕事を始めた時からレコードを出すのが夢だったらしいのだが,FFシリーズが始まった当時は,カセットテープかCDしか選択肢がなく,結局FFのサントラはCDでの発売になったそうだ。
 「レコードを出す」という氏の夢は果たせぬまま25年が過ぎたが,この度ようやく植松氏の夢が叶うことになる。まだまだ詳細は不明だが,レコードで聴くFF音楽というのも,また味があるものになりそうだ。


「PIANO OPERA -FINAL FANTASY」の次回作はすでに準備中? 「Distant Worlds」の内容の一端も明らかに


 またイベントでは,FFシリーズの楽曲をピアノアレンジしたCD「PIANO OPERA -FINAL FANTASY」発売時に開催されたインストアイベントの模様も公開された。植松氏によると,アレンジを担当した中山ショパン氏がピアノを弾いているとき,空調で譜面がめくれてしまい,ピアノを弾きながら息をフーフーしてページを戻そうとしたのだという。しかし結局一部の音が欠けてしまい,中山氏はすごく悔しがっていたそうだ。
 なお,現在「PIANO OPERA -FINAL FANTASY」は,「I/II/III」と「IV/V/VI」を収録したCDが発売されているが,スクウェア・エニックス内では「VII/VIII/IX」を制作する話も出ているらしい。植松氏は「ショパンにセフィロスをやらせてみるか」と,「片翼の天使」の収録を示唆。また「エアリスとかも(ピアノアレンジが)想像つきますね」とも語っていたので,仮に「VII/VIII/IX」が実現したら,この2曲はほぼ収録確定といえそうだ。

 そして,以前から告知されていたFFのオーケストラコンサート「Distant Worlds」の開催場所と日程が発表となった。

「〜FINAL FANTASY25TH〜Anniversary〜
Distant Worlds music from FINAL FANTASY THE CELEBRATION」

2012年12月26日(水)東京(東京国際フォーラムホールA)
2012年12月28日(金)大阪(グランキューブ大阪)
2012年12月31日(月)東京(東京国際フォーラムホールA)

 まだ詳細は未定だが,12月31日はカウントダウンコンサートになる模様だ。「12時59分45秒くらいで,タタタタータータータッタラー(勝利のファンファーレ)って感じで新年を迎えるのも面白い(笑)」と植松氏が冗談っぽく語っていたことから,年越しにふさわしい趣向を凝らした内容となりそうだ。

 なおDistant Worldsでは,これまでFFVIのオペラ劇場を再現してきたが,ラルフとドラクゥの決闘シーンでは,いずれも「決闘だ〜!」と叫ぶだけで,その後バトルシーンのBGMが流れることはなかった。しかし植松氏曰く,今回はついにそのBGMが流れるかもしれないという。FFVIの名場面が,ついにコンサートで完全再現されるのだろうか。
 加えて同氏は,「ソリスト3人と合唱とナレーターを入れるので,かなり見物だなと思いますね」とコメントし,今年のDistant Worldsが大がかりなものになることを予想させた。

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ついに発表されたDistant Worldsの詳細。なお,この開催に合わせてオーケストラCDも出す予定とのこと。FF25周年ということで,新録の楽曲もかなりの数を予定しているそうだ

イベントでは,オーケストラCDのレコーディング模様を収録したムービーも公開。場所はプラハにあるホールとのこと
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 約1時間にわたり行われたトークイベントはこれにて終了。最後に植松氏は「作曲で仕事をするようになってから四半世紀が過ぎたこの時期に,これまでのFFシリーズを俯瞰できるっていうのは僕にとってもいい経験になりました。年末にはDistant Worldsのコンサートもやります。こちらに関しては初演が多いと思いますので,一度来た方もぜひまたいらしてください。新たな感動が得られると思います。次回は50周年記念でお会いしましょう」と,笑いを誘う挨拶で締めくくった。

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イベント終盤で行われたQ&Aコーナーでは,来場者から「FFのジャズアルバムは出ないんですか?」との質問が。植松氏は「ジャズっていう手があったか!」とかなり興味を示したので,もしかしたら実現するかもしれない

ファイナルファンタジーシリーズ 公式サイト

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