「インディーズゲームの小部屋」の第70回は,
「Chalk」を紹介する。本作は,
チョークで線を描いて敵や障害物を破壊していくシューティングゲーム。チョークといえば,居眠りをしている生徒に向かって教師が投げつけるものと相場が決まっているが(危ないので投げちゃダメ!),本作ではそんなことはしない。あくまで線を描くだけで敵の攻撃を防いだり,障害物を壊したりするのだ。
自機の移動はW/A/S/Dで行い,マウスを左クリックしながらドラッグすることで線が引ける。ちなみに,自機の操作は右クリックのドラッグでも代用できるので,その気になればマウスのみでも遊べるが,その場合,肝心のドローアクションがおろそかになってしまいがち。移動はキーボードで行うほうが効率がよさそうだ。
では具体的に,どうやってチョークで敵と戦うのか。まず障害物の場合,緑色の丸で描かれた場所をチョークでなぞることで破壊できる。一つの障害物に複数の丸があるときは,そのすべてを一筆書きの要領で素早くなぞらなければならない。また,敵を攻撃するときは,敵が撃ってきた弾と敵本体をチョークの線で結び,弾を跳ね返すのだ。チョークで描いた線は敵弾を防ぐ壁にもなるので,反射しきれないときはこれを使ってうまくしのごう。
とはいえ,チョークで線を引くといっても,無制限にできるわけではない。線を描き始めると画面上部にバーが表示され,あっという間に短くなっていく。一度に線を引けるのは,このバーがなくなるまでの短い時間なので,素早く的確なマウスさばきが必要だ。今回もプレイムービーを用意したので,実際のゲームシーンを確認してみよう。
前回の記事でも感じたことだが,筆者愛用の親指トラックボールは,肘から先をピクリとも動かしたくない無精者にはうってつけだが,絵や図形を描くのにはまったく適していない。本作でも,くるくると動き回るターゲット……いや,動かないターゲットですら正確になぞるのに四苦八苦だ。内心では,「マウスなんか使うやつはアホだ」とすら考えている筆者だが,本作を遊ぶときはマウスを用意したほうがよさそうだ。まあ,トラックボール使いのほうが少数派な気がするけど……。
本作をジャンル分けすれば,一応シューティングゲームということになるのだろうが,ご覧のとおりゲームシステムはかなり個性的。思いどおりの線が引けて,次々と現れる敵や障害物をまとめて消せたときの気持ちよさはなかなかのもので,黒板にチョークで描いたようなモノトーン調のシンプルなグラフィックスも,ゲームの雰囲気とマッチしていて魅力的だ。本作は,作者のサイトでフリー公開されているので,ありきたりのシューティングゲームでは物足りないという人はぜひお試しあれ。
■「Chalk」公式サイト
http://www.konjak.org/chalk.htm
Game by Joakim Sandberg anno 2007