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HD 7900&7700に正式対応した「Catalyst 12.2」ようやく登場。プレWHQL版がそのまま昇格
「Display Driver」のバージョンは8.95(1202291521-8.95-120214a-134393C-ATI)。プレWHQLドライバとはわずかにドライバのバージョン表記が異なるものの,AMDでドライバ担当を務めるAndrew Dodd氏は氏のTwitterで「中身はプレWHQL版と同一で,WHQL認証を通っている点のみが異なる」と述べているため,両者は基本的に同じものという理解でいいと思われる。
そんなCatalyst 12.2のアップデート内容だが,最大のポイントは,Radeon HD 7900&7700シリーズに対応した最初のWHQL版Catalystであるということだ。AMDの新世代GPUへ飛びついた人にとっては,待望の正式版ドライバになるだろう。
というわけで,すぐに入手したい人は下に示したリンクからどうぞ。ただし,ドライバの導入は自己責任となるので,その点はあらかじめお断りしておきたい。
→32bit版Windows 7&Vista用Catalyst 12.2(119.3MB)
→64bit版Windows 7&Vista用Catalyst 12.2(162MB)
→Windows XP用Catalyst 12.2(103.6MB)
→32bit版Windows 7&Vista用Catalyst Mobility 12.2(0.9MB)
→64bit版Windows 7&Vista用Catalyst Mobility 12.2(1.1MB)
→4Gamer最新ドライバリンクページ
そのほかのアップデート内容は,少なくとも新要素に関していえばプレWHQLドライバと同じ。英文リリースノートを見ると,なぜか「Windows 7環境で解決した問題」の項目が2つあるなど,解せない部分もあるのだが,主にCrossFireX環境へ向けて致命的な問題点をいくつか潰してきたという印象は受ける。このあたりは本稿の最後に日本語訳をまとめたので,興味のある人は参考にしてもらえればと思う。
なおDodd氏は,3月版Catalystとなる「Catalyst 12.3」を3月21日近辺に投入したい意向を示している。Catalyst 12.3では「Alan Wake」におけるCrossFireX関連の問題が修正されたり,「The Elder Scrolls V: Skyrim」でアンチエイリアシングを有効化したときに特定の環境で画面表示がおかしくなる問題にメスが入ったりするようだ(関連ツイート1,関連ツイート2)。
Catalyst 12.2が遅れた結果,次のリリースまで2週間程度ということになるが,こちらにも期待しておきたいところである。
●Catalyst 12.2の対応製品
- デスクトップPC向けRadeon HD 7900&7700シリーズ
- デスクトップPC向けRadeon HD 6000〜2000シリーズ
- ノートPC向けRadeon HD 6900M・6800・6300MおよびATI Mobility Radeon HD 5000〜2000シリーズ
- Fusion APU A・E&Cシリーズ
- AMD 7〜9世代のデスクトップPC向けチップセット(※AMD 740Gを除く)
- 「ATI PowerXpress」対応のノートPC用チップセット
●Catalyst 12.2の新要素
※Catalyst 12.2 Pre-Certified Driverから変更なし
・Radeon HD 7900&7700への公式対応
・DirectX 11&10アプリケーションにおけるSSAA対応
- 利用できるのはRadeon HD 7900&7700シリーズ。「Catalyst Control Center」からSuper Sampling Anti-Aliasing(SSAA)およびAdaptive Anti-Aliasing(Adaptive AA)を適用できる
- 利用するには,アプリケーション側でアンチエイリアシングに対応している必要がある(DirectX 11&10世代のアプリケーションでは,Catalyst Control Centerからのアンチエイリアシング強制適用には対応していない)
・Eyefinity 2.1の拡張
- カスタム解像度が追加され,より細かく解像度設定を行えるようになった
- ディスプレイケーブルの抜き差しに合わせて,自動的に適切なEyefinity設定が変更されるようになった
- ユーザーが行ったHydraVisionの設定に合わせて,Windowsタスクバーの位置やサイズを調整できるようになった
- 複数のマルチディスプレイ設定を作成可能に。合わせて,さまざまなEyefinityやディスプレイ設定をシームレスに切り替えられるようになった
●Catalyst 12.2で解決した問題(Windows 7)
- CrossFireXとEyefinityを有効化した環境で「Tom Clancy's H.A.W.X.」をプレイすると,テクスチャがちらついて見えることのある問題
- 3-way CrossFireX環境で「Call of Duty: Modern Warfare 3」をプレイすると,テクスチャがちらついて見えることのある問題
- CrossFireX環境でVsyncを有効化して「Dragon Age II」をプレイすると,テクスチャがちらついて見えることのある問題
- 「Dragon Age II」でゲーム内のデモシークエンスをスキップしようとすると,引っかかったような動きになることがある問題
- 3-way CrossFireX環境でDirectX 10.0モードの「Battleforge」ベンチマークを実行すると,断続的にアプリケーションがクラッシュすることのある問題(※「断続的にクラッシュする」というのがどういう状態を指すのかは分からない。断続的に応答しなくなるのか,場所を問わずクラッシュする可能性があるかのどちらかだとは思われるが。原文は「The Battleforge DirectX 10.0 benchmark no longer experiences intermittent crashes when run in Tri-Crossfire mode.」)
- 「Battlefield: Bad Company 2」をDirectX 11モードで実行すると画面がちらついて見えることのある問題
- H.264形式を採用し,インタレース表示となるBlu-rayビデオを再生すると,断続的に,画面がぱっと緑色になる問題
- 「Duplicate mode」で3D立体視対応のBlu-rayビデオを再生すると,システムがハングすることのある問題(※おそらくクローンモードのことだと思われるが,「Duplicate mode」の詳細は不明。原文は「The system no longer experiences random hangs when playing back BluRay 3D content in Duplicate mode.」)
- 特定のCrossFireX環境で,「StarCraft II: Wings of Liberty」のキャンペーンモードを抜けるときにシステムがクラッシュすることのある問題
- 「Batman: Arkham City」をDirectX 11モードで実行すると,断続的にシステムがクラッシュする問題(※「断続的にクラッシュする」というのがどういう状態を指すのかは分からない。断続的に応答しなくなるのか,場所を問わずクラッシュする可能性があるかのどちらかだとは思われるが。原文は「Batman Arkam City no longer experiences intermittent system crashes when run in DirectX 11 mode.」)
- CrossFireXの設定を変更しようとするとシステムがクラッシュすることのある問題
- CrossFireX環境で「Rage」をプレイするとシステムがクラッシュすることのある問題
- Blu-ray 3Dビデオを再生するときにハードウェアアクセラレーションが正常に機能しない問題
- 異方性フィルタリングを有効化した状態で「DiRT 3」のDirectX 11モードを実行するとテクスチャの表示がおかしくなることのある問題
●Catalyst 12.2で解決した問題(Windows 7)
※と書いてある。修正内容にAeroの話が出てくるので,おそらくWindows Vista環境の修正内容だと思われるが,Windows 7用の追加修正内容という可能性もゼロではない。原文は「Resolved Issues for the Windows 7 Operating System」「This section provides information on resolved known issues in this release of the AMD Catalyst 12.2 software suite for Windows 7.」
- ドライバのインストール後,Windows Aeroのオプションを利用できない問題
- CrossFireXとEyefinityを有効化した環境で「World of Warcraft: Cataclysm」を実行すると,背景のテクスチャがちらつくことのある問題
●ノートPC向けCatalyst 12.2の制限事項
- 本バージョンのリリース後に発表されたノートPCは非対応
- Switchable Graphicsが有効なノートPCは非対応
- 東芝製ノートPC,ソニー製「VAIO」シリーズのノートPC,パナソニック製ノートPCは非対応(※従来同様,ドライバはPCメーカーから提供される)
- 関連タイトル:
AMD Software
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