グラビティゲームアライズは
2022年5月26日に,Nintendo Switch向けアドベンチャーゲーム
「エリックじいさんの不思議なブレスレット(原題:EMBRACELET)」(
Switch)の配信を開始した。
本作は,アドベンチャーゲーム
「少女と宇宙の物語 〜Milkmaid of the Milkyway」の開発者machineboy(マシンボーイ)氏が手がけるタイトルだ。PC版が英語および欧州向けの言語のみで配信されていた本作だが,今回はついに日本語ローカライズ版が配信されたので,本作のプレイフィールをお伝えする。なお,本作はスマホ版のリリースも予定されており,本稿もスマホ版のテストプレイをもとに執筆している。
舞台はノルウェー。主人公の青年ジェスパーは,都会に暮らす冴えない17歳だ。彼はある日,老人ホームで療養中の祖父エリックから,不思議な力を宿すブレスレットを託された。それは祖父が若いころ,故郷の島スレップで拾ったもので,いわく「(ブレスレットが)元いた場所に帰りたがっている」という。そしてエリックは自分に代わり,ブレスレットを元の持ち主に返してあげてほしいと口にして,亡くなってしまった。
こうして青年ジェスパーはエリックじいさんの遺言に従い,ブレスレットの秘密を探る,はじめてのひとり旅に出るのだった。
老人ホームで暮らすエリック。もう長くはもたないことを本人も自覚しているようだ
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エリックは何やら深い後悔を抱えている様子。一体,故郷のスレップで何が起こったのだろうか
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超能力で道を切り開くアドベンチャー
本作は,フィールド内の気になるところをタップして調べたり,アイテムを組み合わせたりして行動範囲を広げ,物語を発展させていく,いわゆるポイント&クリックアドベンチャーゲームだ。ときには,自力ではどうにもできない仕掛けに出会うこともあるが,そんな時は,祖父からもらったブレスレットを使ってみよう。ブレスレットは超能力を宿しており,重いものや,手の届かない場所にあるものを動かせる。これを利用して,ギミックを解いていくのだ。
画面右下の電球マークを押すと,調べられるオブジェクトが水色で表示される
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画面中央の青い二つの円が重なる瞬間にタイミングよくタップすると,ブレスレットが力を発揮する。設定で操作の難易度を変えることも可能だ
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順番に動かさなければうまく機能しない仕掛けもある。基本的に難しいなぞ解きはほとんどないが,アイテムを見落として苦戦するといった場面もしばしばあった。注意深くオブジェクトをチェックしよう
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スレップは寂れた街で人口も少ないが,さまざまな人たちが生活している。ときには困っている人に出会うことも。そんな時はブレスレットの超能力を使って,彼らを手助けしてあげよう。きっと喜んでくれるはずだ。
また,キャラクターたちと会話していると,選択肢が発生することがあり,返答によって彼らの心情は変化する。頻繁に選択肢が出現するので,登場人物とやり取りしている感覚を強く感じられるだろう。
基本的に何を選んでもストーリーは進むが,エンディングに影響する選択肢もあるかもしれない
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ローポリゴンで表現された,北欧の美しい大地
雄大なノルウェー北部の大地を大胆にローポリゴンで表現する本作。時には遊ぶ手を止めて,風景をぼんやりと眺めてみるのもこのゲームの楽しみ方の一つだ。
誰かのキャンプ地でこっそり椅子を借りて一休み。ウィンドチャイムが,「リーンリーン」と涼しげな音を奏でている
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揺らめく大海原に,剣のようにそびえる山。耳を傾けてみると森では小鳥がさえずり,海辺ではカモメが鳴いている。人が去り廃墟と化した建物も多く,荒涼とした印象も受けるが,そんな風景がどこか懐かしくもある。 島の穏やかな風景は,日々の喧騒を忘れさせてくれるに違いない。
険しくも美しいスレップの山々。ローポリゴンで抽象的に表現された山肌は荒々しくも壮麗だ。ノルウェーは実はハイキング大国で,数々のハイキングコースが存在しており,ゲーム内でもハイキングが楽しめる
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全体的に青みがかった風景が,夏季でも涼しい北欧の空気感をイメージさせてくれる。ノルウェーの夏は,日本人にとっての秋のような気温なのだという
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島には数々の廃墟が点在している。寂しげだがこれはこれで味わい深い
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17歳,はじめてのひとり旅
祖父の形見と共に,北の大地へ
本作のストーリーをひとことで表現するなら,「冴えない17歳の少年が,ひと夏の旅に出て成長する」物語であり,映画「スタンド・バイ・ミー」を彷彿とさせるようなノスタルジックな作品である。
主人公のジェスパーは,生まれる前に父親を亡くし,母親の手で育てられてきた。過保護な環境で育ったためか,本人もどこか頼りなく,何をしてもいまいちパッとしない彼に共感する人も少なくないはずだ。そんな彼が,島で新しい仲間に出会い,困難に直面して成長する様子は,親近感の湧いた人たちに小さな勇気を与えてくれるだろう。
受験に失敗してしまったジェスパー。彼の憂鬱な心情を表すように雨が降る
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島で出会う若者,キャロラインとハーモッドも,島生まれだからこその悩みを抱えている。若者同士で分かち合う時間は,何よりも得がたく,一瞬のきらめきを放っている
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ストーリーは2〜3時間程度で完結するボリュームで,週末に遊ぶのに丁度いい作品だ。学生は夏休みが近づいてきたこの季節。まばゆい夏のはじまりに想いを寄せて,本作で夏の北欧ひとり旅を体験してみるのはいかがだろうか。最後には,少しだけ背伸びしたような気持ちの自分に出会えるはずだ。